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May 11, 2006

歯科業界、技工業界の現状

自分達中高年世代は、若い歯科技工士から「こんな状況にしたのは貴方達でしょう!」そんな風に責められてもいます。
業界は縮思考で保険中心の歯科医師たちも自信を失っています。

昨今の歯科叩きは、元をたどれば業界内部での軋轢やパイの奪い合いが影響していると言うのが私の持論です。
例えば、昭和50年代の終わりから昭和63年までにかけて、日本歯科技工士会の働きかけを受けて、中医協や厚生省と日本歯科医師会そして日技が話し合い、保険の技工料金は7:3の割合で分けなさいとの大臣告示までたどり着きました。
しかし、日本歯科医師会はそれをどうしても認めたくなかった、橋本竜太郎を動かし、当時の佐野日技会長や執行部をも黙らせて厚生省の課長や局長を国会や委員会に呼び出して告示を形骸化させる答弁をさせました。
中医協も厚生省も認めていたのです。 担当者や役人は面子を潰されたうえに橋本あたりの厚生族に叱責されたと思います。
国としては業界の中で仲良く分け合ってくれとの意思もあったと思います。 それが歯科医師会のエゴと日技執行部の会員への裏切りで潰されたわけです。 
この頃から、厚生省の歯科業界への関心が薄れてゆきます。

これが、めぐりめぐって民主党桜井充参議院議員の動きに繋がります。
桜井さんは医師の立場でありながら、歯科業界に関心を持ち改善に立ち上がってくれました。
桜井さんの質問は先ず歯科技工士の待遇改善にも繋がる大臣告示の効力や意味を再確認する事でした。
この時も小泉純一郎総理大臣名で、拘束力は無いと過去の回答の焼き直しでした。

桜井さんは同時に日本歯科医師会会長の臼田さんに、自民党では埒があかないでしょうから民主党としても協力をしましょうと伝えたと思います。
臼田さんはそれに乗りました。
その後はご存知のとおりです。
橋本氏をはじめとする派閥や族議員の怒りに触れ、臼田さんは橋本派との関係修復に向わざるを得ませんでした。

大臣告示を潰した時も、橋本派の怒りを収めた時も何億と言うお金が動いたそうです。
謀議員秘書の話では5億以上だと言っていました。
村岡さんが訴えられていますが、黒幕は×中でしょう。
橋本氏は多分見ていただけ。  今現在橋本氏は病の床にありますが、多分真相は口を閉ざしたまま地獄へ持っていくでしょう。

これで、財務省も厚生省も世論や歯科医師会の抵抗も無く、しかも役人の面子を潰した歯科医師会に思い知らせるような歯科関係の医療保険改定にかかれます。 それが机上の空論であろうと現場からの意見は無視できますから、役人の好き放題が出来ます。 けっして患者さんや国民の為ではない事は明白です。
歯科医師の中には、現在の保険改定は「お仕置きでしょうか」といっている人もいますが、要はエゴと拝金主義、そして保険制度を自分達の貯金通帳ぐらいに考え扱ってきた付けが廻ってきただけのような気がします。

私は昭和63年当時、大臣告示を信じてそしてやっと生活が楽になると歓迎し、お得意先にお願いして廻りました。
結果、某院長を始め殆どから意味は無いと言われ、7割を頂戴する事はおろか切られる歯科医院が殆どでした。
今も、技工料金は定価とも言える保険点数の半分以下、物によっては3割くらいでしょうか。
その保険も、患者さん減少で数えるほどになり、都市部では営業ラボによるダンピングでの集荷などで、ワンマンラボは追い詰められています。
私は地元の先生には、まだマシな料金を頂戴できていますが、7割3120円のところ私が2400円頂戴している銀歯が所によっては1200円や900円、7割8400円のプラスチックの前歯は6500円から7500円もらえますが、所によってはは3000円もあると言う状況です。
歯科医師は医療行為の点数が低すぎると言いますが、それでもやってこられたのはある分、歯科技工士の利益を吸い上げているからです。
技工士への支払いがもっと下がれば、国や厚生省には「何だ、保険点数をもっと下げられるじゃないか」との言質を与えるだけなのに誰も分かっていません。

私達が身を削り血を流して安くした分、患者さんの保険の負担、窓口での支払いも安くなるのであれば、納得します。そうはならない、医科や歯科の専門職が散々目にしている事でしょう。

患者さん方には、入れ歯や指し歯に先生がいくら技工士に払っているかを聞いてみて欲しいと思います。
本来なら自費くらいの金額を貰わないとやっていけないと多くの歯科医師は言っています。
その自費にしても技工士の手取りは患者さんが支払う金額の1割2割です。
1本7万或いは20万の入れ歯。
作っている技工士さんはたっぷり儲かっているだろうと言うのが、患者さん国民の認識でしょうか。
それは、私も友人知人から聞かされる感想です。 或いは今苦しいといっても「良い時もあったのだろう」と。
歯科医師にはよいときも会ったかもしれませんが、歯科技工士の私に良い時って言うのは記憶にないのですけどね。

新卒の1年2年での離職率は9割を超えています。 一部の経営者は新卒や学生バイトを使い捨てにし、補綴物の数を集める事で利益を得て、国内で安く出来ないならば中国に出してでも利益を確保しようと必死です。 母校も定員を減しても意味をなさないほどの定員割れが続き、ある専門学校などは中国で開校すらもくろんでいると。
残された我々中高年歯科技工士は、今更転職も侭ならず、わずかな収入でもがいています。
歯科医師に利用され同業者に脅える。 
更に言えば、日技によって新たな設備構造基準や歯科技工録を押し付けられ、新規開業のハードルも高くなり、作業する時間すら無くなるようなペーパー作業が法制化されようとしています。
これは少人数やワンマンラボを狙い撃ちにした法制化だと思われ、日技の言う対中国対策など嘘もいい所、現実に新規開業や独立を諦める技工士が相次いでいるということです。

国の役人も歯科医師会も、身内だと思っていた歯科技工士会も患者さんや国民の事などそっちのけで色々やってきました。
私達歯科技工士が制度の被害者であるのは確かですが、最大の犠牲者は患者さんであり国民なのだと思います。
そしてこれが、技工業界の現実であり、自民党が国が作り上げてきた状況です。
歯科技工士がいくら声高に我が身の苦境を叫んでも結局エゴとしか受け取られません。 国民や患者さんの不利益になっている事をアピールする事こそ大事だと思います。
心有る歯科技工士ならば、どんなに不利益であっても目の前にある模型に心血を注ぎ患者さんを裏切る事の無いように作業して来たと思います。 それが経済的にも時間的にも環境的にも出来なくなってきている事、歯科技工士の良心すら枯渇する所まで来ていることを。 これを訴える事はエゴでもなんでもない。
患者さんの為なのだと。

アワプラTV入れ歯作りの現場から
http://www.ourplanet-tv.org/main/contents/pe_frame.html

製作者の加藤さんから紹介されたブログです。

http://blogs.yahoo.co.jp/sakuradaisukiharu/35014094.html

http://blogs.yahoo.co.jp/bymch805/31483283.html#31483283

皆さんも是非ご覧下さい。

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Comments

G3さん、はじめまして、ぽんしゅうと申します。
G3さんより少し歳行った技工士です。ブログ読ませていただき同業者としてこの業界の現状と将来に対する危惧はまったく同感だと感じました。
実は現在の歯科業界問題に歯科医だ技工士だのの枠を取り払ってみんなで考え何とかしようという運動が起きています。
先日の桜井議員の委員会質問のアンケートはこの界が中心になって集めたものです。ただし、この会はどの団体や政党とも関係ありません。逆に言うと趣旨に賛同して協力してくれる方にはすべてオープンにしていこうとしています。
歯科に関わるすべての人間が患者も含めみんなで何とかしようと言う動きは今まで無かったことだと私は期待しています。
私自身も末席ながら参加させていただいています。
まずは下記の掲示板をぜひ見てください。まだまだ始まったばかりの運動ですが熱い思いを持った有志が集まっています。
G3さんにもぜひ参加していただきたいと思っています。
またこれをお読みになった方々もぜひ参加してください。

http://haisha.ciao.jp/test/

Posted by: ぽんしゅう | July 20, 2006 at 01:42 PM

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