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November 25, 2006

心配は現実に

以前の記事でも混合診療の解禁を取り上げたが、みんなの歯科ネットワークの先生方と話をしていると、その危惧はいよいよ現実になってきたようである。

みな歯科のMLで36先生が危惧を寄せたのだが、タイミングよくというか、必然か、鞍先生のブログや情念党HPでもまったく同じような内容でそれぞれが混合診療というより、保険歯科診療での補綴外しの危惧に触れたわけである。

混合診療と言うと、字面だけ見れば何の問題も無い今の保険制度の延長に見えるのだが、実態は公衆衛生予防と歯科疾患の治療は保険で行うが、欠損したり崩壊した口腔内の噛合わせや咀嚼の機能までは保険ではカバーしないと言うことである。

実は、現行制度での補綴の割合は歯科診療の5割くらいを担っている。
それ故歯科技工士の存在も大きいのであるが、その歯科技工士の収入や労働環境、就労問題がここに来て多少はスポットライトが当たるかと思われたのであるが、そこにライトがあたるという事は、歯科保険診療の不採算性を白昼の下に晒すことに他ならないわけで、厚生や労働と言う名を冠する省庁がこれらを放置してきた事をもまた天下に晒す事になるわけである。

そして国や官庁にとって今もっとも大きな課題は、悪化した財政問題を構造改革の名のもとに、2010年度までには名目上のプライマリーバランスをプラスマイナス0に持ってゆくことであり、お上の頭には歳出カットしかないわけで、これらの要素を勘案すれば、問題追求されるよりは補綴をばっさり切ってしまえば、問題の歯科技工士も壊滅し、医療行政のミスで増えすぎた歯科医師の怨嗟の声も封じ込められるという、厚生労働省のお役人にとっては一石二鳥の案と言うわけである。 いや、経団連などの負担も減らせて経営者の受けもよろしくなるし、連合などに対しても、医療負担を減らせましたと報告できるわけだ。 二鳥にも参鳥にもなるわけだよ。

保険診療から外された補綴需要はどこに行くのかといえば、お金を負担できる人もそうでない人も、アメリカ資本の保険会社などが囲い込んでくるだろう。 勿論、行革審の委員だった○リックスだって虎視眈々どころか準備万端だろう。

アメリカの資本家達にとっては、日本の医療保険もマーケットとしか認識していないから、年次改革要望書にもこの事はしっかり書かれている。

これだけ状況証拠ときな臭い噂、何よりも厚生労働省の宦官たる技官の言動を聞けば、何年も前からシナリオが書かれていたことは明白だと思う。
嘘だと思うなら、歯科ではないが技官の本音を除いてみてから判断めされい。

厚生官僚の胸の内
http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/11/post_3a71.html

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