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May 2007に作成された記事

May 23, 2007

コップの外の嵐 歯科の内なる利害対立を直視する

業界内部に居ると、目先の問題に捕らわれて、物事を俯瞰的に見ることが出来ない。
しかも、プライドや怨念などが絡むと、自分にとってプラスになるかならないかでしか判断できなくなる。
今の歯科医療業界は、其の傾向が特に強い。

専門職ではないが、この業界に長く深く関わってきた人として、ジャーナリスト秋元秀俊氏の業界を見る眼と
日本社会に対する危機感は大きい。

氏の話は、コップの中でいがみ合ってきた我々にとって、コップの外からはどう見えるか、社会の嵐にも気づかずに、遣り合っている者達の胸にぐさりと突き刺さる。

このたび「コップの外の嵐」第17話がアップされた。 衛生士問題、シンポジウムに絡めてみんなの歯科ネットワークに対しても言及されている。 第1話から通して読みいただきたい。

http://www.heraeus-kulzer.co.jp/customer/storm_070523.html

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May 19, 2007

歯科衛生士法の改正を求める陳情署名にご協力ください。

ご覧の皆様に緊急のお願いがございます。

日本ヘルスケア歯科研究会が、歯科衛生士法第二条(歯科衛生士の業務範囲)の速やかな改正を求めて、厚生労働大臣柳沢伯夫氏に提出する、陳情書への署名を集めております。

歯科衛生士の役割は、歯のクリーニングや口腔ケアを通して、国民のお口と体の健康に付与し、よって社会全体に貢献することであると言えます。
しかしながら、昨今の社会保障費の切り詰め、医療費の削減、歯科医療業界の内向的体質から、歯科衛生士の本来の役割やスキルを理解しないまま、業務が不当に制限され且つ職場すら奪われている事実がございます。

本来、このような立法的な動きは、日本歯科医師会などが国民のお口の健康福祉のために業界を挙げて訴えて行くべき問題ではありますが、現実には、一部の歯科医師や歯科医師会の意識にあるのは旧態化した権利意識、エゴ、非常識、何よりも、医療を共にして行くのだと言う意識も無く、衛生士や歯科技工士が歯科医療を通して国民の健康や福祉に貢献しているのだと言う誇りを打ち崩すかのように、「歯科医師に対して奉仕し貢献すれば良いのだ」としか考えていない現実に思い至りました。

指導医療技官と日歯専務理事の癒着など、医科でも似たような事例はあるやも知れませんが、歯科は酷すぎると言う事です。 

何度事件が表ざたになっても、日本歯科医師会からは自浄の動きはみられません。 
今回も事前に専務を辞めさせ、同窓会の問題に矮小化し、我関せずの通達を早々に各歯科医師会員に通達する手際の良さです。

こういう逆風の時だからこそ、日歯にはこれまでの了見の狭さを恥じて、歯科衛生士のスキルや地位の向上、業務範囲の拡充が、患者さんや国民のお口と体の健康に付与し、めぐりめぐって歯科医院と歯科医師に帰ってくることに思いを馳せていただきたいと思うところであります。

陳情署名簿は日本ヘルスケア研究会HPみんなの歯科ネットワークHPの一般用WIKIにございます。
サイドバーか一覧から表題のページに移動してください。 詳細がお分りいただけるようになっております。
時間が差し迫っております。 御協力をお願い申し上げます。 

http://www.minnanoshika.net/wiki/

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May 17, 2007

木を見て森を見ず 指導医療官とは何者か

「自民党迂回献金システムの闇」日歯連事件の真相。 角川書店発行のこの本は、東京新聞取材班との著者名が示すように、東京新聞の記者達が取材し纏めた記事を元にした本である。
この本を読んだ多くの読者は、医療保険制度を取り巻く政官業のパワーゲーム、癒着体質、それぞれが利権や利益に預かろうとしてエゴ丸出しで蠢きあう、底なしの闇を垣間見た事だろう。

歯科技工士の私。 30年間、毎日のように保険での補綴物、自費診療と名のつく補綴物を、只作りつづけてきた。
それがどういう所以で何故歯科技工士が作製にあたるのか、技工士と言う職務や資格、業務内容や医療制度、医療保険との関わりなど、さしたる理解も無いままに、院内ラボにいては歯科医師の診療に必須の補綴物を作製するにのみならず、時に印象や出来上がったもののチェック、調整、装着まで行うと言う、本来歯科医師のやるべき業務まで行っていた時期もある。

目先の仕事に追われつづけ、生活を成り立たせるのに精一杯だった私は、制度の仕組みにまで目を向ける事無く、ひたすら歯科医師と歯科技工士との立場とヒエラルキー、収入の格差にのみ、不満を怒りを募らせてきた。

歯科医療に提供される、技工士の血と汗の結晶とも言うべき補綴物の金銭的な評価はあまりにも低い。
品質への追求も、歯科技工士に作業が回る以前の段階から、あまりにもおそろかにされてきた。

何故、その様な状況が私が技工士になった30年前から変わらない事なのか。
歯科技工士だけの責任なのか、歯科医師と歯科技工士の立場の違いだけが、その理由なのかを考えないままに今に至ってきたのである。

医療制度と医療保険制度の最初から、この制度は大きな問題を抱え、放置したままその場しのぎの改定と、政官業それぞれの組織や個人の思惑、エゴ、腐ったプライドに翻弄されてきたのだと、今あらためて思う。

指導医療官という存在も、医療保険制度と言うものを多少なりとも齧って見れば、なにやら必要な事のようにも思えてくる。 それが、制度本来の目的に寄与すると言う前提であればだ。
医療保険制度が抱える問題を、修正し、円滑に動かす為だと言うのであれば、指導医療官には高い中立性と高潔な人格、歯科医療への深い経験と知識とが求められるだろう。

しかし、医療保険制度を知れば知るほど、其の問題の数と底の深さは、指導医療官の存在をも利権やエゴの道具に変え、何時しか医療制度のグレーゾーンを操り制度に巣食う宦官へと変えていったのだろう。

社保庁汚職、担当外情報も聞き出す 佐藤容疑者 他の医療官から
2007年5月17日 東京新聞夕刊から引用

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007051702016861.html

医療保険制度が抱える、数々の問題、欠陥、政官業、日本歯科医師会などの存在や利権エゴにも目を向け、解体的な出直しを計らなければ、この先もこのような事件は繰り返され、歯科医療の存在基盤は崩壊するのだろう。

逮捕の前日歯専務 開業医に裏工作持ちかけ
2007年5月17日 東京新聞朝刊から

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007051702016732.html
 
東京新聞は、今回の事件を受けて新たな連載を始めた。 医療Gメンと表記しているが、Gメンとは名ばかりの指導医療官が何故生まれ、跋扈しているのかを問うていただきたいものだ。

橋本派による1億円贈収賄事件を、自民党迂回献金システムの闇と言って、追求しておきながら、結局闇の中も
闇そのものが何であるのかも明かせなかった事が、繰り返される事件報道で新聞マスコミの限界を示してしまっていると言えないだろうか。

私は思う。 医療保険制度そのものが闇の正体なのだと。 医療保険制度に関わる人々の恐れや沈黙こそが闇を拠り深くより暗くしていくのだと。

闇のそこから声が聞こえてくる、闇を照らすかすかな光がともっている事に気付いて欲しい。

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May 16, 2007

歯科医指導で贈収賄


みんなの歯科ネットワークは一連の報道を受け、このような体質の歯科
界に対し強い怒りを感じ、一部の人々の意思ではなく、会の目標である「医療側と患者側が共に作 る医療制度」を目指し、断固たる意志と覚悟をもってこれに邁進する所存です。 


「社保庁技官、東京歯科大同窓会から200万収賄容疑で捜査
読売新聞」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070516i101.htm

新聞マスコミ各誌が一面トップで報道しております。

「収賄の疑いで逮捕されたのは、栃木社会保険事務局の指導医療官、佐藤春海容疑者(57)で、東京歯科大学の同窓会の副会長、内山文博容疑者(66)ら2人が贈賄の疑いで逮捕されました。」
と実名報道に切り替わっています。

ネットでは既に3月の時点で、この情報が飛び交っておりました。
内山氏が日歯専務理事の役職を、病気を理由に退いたのも、身辺に捜査が及び、日歯本体に影響が及ぶのを極力避けようと言う日本歯科医師会の保身体質によるものです。
下村中医協委員への贈収賄事件、先日村岡氏が控訴したばかりの自民党闇献金事件と、日本歯科医師会がらみの事件が絶えません。

闇献金事件では臼田氏の個人的な責任であるとか日本大学歯学部同窓会の責任だとか言うような説明がなされ、今回の内山氏逮捕でも東京歯科大学同窓会の問題であるかのような報道がなされておりますが、3月の時点で内山専務理事の辞職を認めたと言う事は、むしろ日歯全体が了承していた事だと取る方が自然です。

このような贈収賄行為によって、医療保険制度に影響を与える事ができるというような考えを持つ、公益法人が存在する事自体が、社会に対しての不利益、背信行為だと思えます。

この事件を契機に、私たちはあらためて医療人としての矜持を社会に示さねばなりません。

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May 14, 2007

歯科医師は医療を、技工士は補綴を

また更新の間が空いてしまった。 ブログをご覧になっていただいている皆さんに申し訳ないと思う。

私は みんなの歯科ネットワークで色々と学ばせていただいている。 歯科医療の問題、社会保障や医療保険制度、医療系技官の問題など。
歯科技工士には関係の無い事だと距離を置こうとする人も多いのだろうが、歯科技工の抱える制度的な問題、就労環境の問題、政治的な問題は、強く影響を受けているというより、歯科医療業界が抱える上記の問題の表れが歯科技工士と其の社会に縮図となっていることを気付かせていただいている。

みな歯科メルマガの編集も担当させていただいているが、思うようにキーボードを叩く事が出来ないでいる。
生活も出来ないような収入や技工料金の問題など、客観的に纏める事すら苦痛に感じる時もある。

私達歯科技工士の仕事や取り巻く環境は、今や危機的状況にある。
其の状況や理由、予想される将来像を伝えたいのであるが、歯科医師と歯科技工士の議論は、いつまでたっても技工料金など、補綴物の価値の取り合いに行き着くばかりで、お互いの資格を非難し、責任のなすりあいに終始してしまう。

ある先生が纏めている技工士関連の資料に寄れば、歯科医院の収入に於ける、補綴関連の割合は47.8%に達している。 現行の歯科医院経営で歯科技工に依存する割合が如何に大きいかをご理解いただけよう。
其の数値のすべてが、技工士による技工だとは言わない。
歯科医師が直接行っている技工も含めてのものだ。 

歯科医療というものが、医療と言うよりも「歯大工」と揶揄されるのも致し方ない部分もある。
補綴と言うものは、歯科医師が手がけ様が歯科技工士が作製しようが、品質としては何も変わらない。
むしろ、それだけをやってきた歯科技工士が手がけた方が、高い品質を維持できていると思う。

21世紀になり日本では構造改革の掛け声が吹き荒れた。 ここに来て、其の弊害も世間に知られるようになってきた。 しかし、世間と言う鍋の中からでは、どの業界も皆似たように苦境にあえいでいるものだから、どこも同じだよだとか、皆一緒だとかと言い合うばかりで、物事の本質が俯瞰できず、ネットカフェ難民や生活保護にももれた人達が、鍋の底に沈んでいくのも他人事、いや、むしろ悪い事に自分達も鍋で煮えあがりつつあるのに、鍋底に沈んだ人よりかましだと思うことで、鍋の状況に目を瞑り耳を塞ぎ口を閉ざしているに過ぎないのだ。

見ざる聞かざる言わざる。 21世紀を生きる術が鈍感力などというのでは悲しすぎる。
何故、社会の政治の業界の状況を直視しようとしないのだ。
鍋がひっくり返るとでも思っているのだろうか。
鍋を炊きつけて美味しい所を啜って行く存在にも気付いて欲しい。

表題に戻ろう。

補綴が歯科医院収入の47.8%に関わるのであれば、補綴物の価値が歯科医業収入の大きな支えであることは理解できよう。 医療保険制度であれば、歯科診療報酬点数票などにある歯冠修復および欠損補綴の点数が占める割合、技工的な診療行為が大きいという事であり、歯科医師も其の収入を大きな拠り所にしていると言える。
日本の国内法では、補綴を業務としてできるのは、歯科医師と歯科技工士に限定されている。
同一職務にダブルライセンスが存在する訳だ。 それ故、補綴は其の二つのライセンスの間で価値の取り合いとなってきた。

どこかで明確な線引きをしなければ、今の苦境から脱する事は出来ないのではなかろうか。

国は構造改革を理由に、医療保険制度にも大きなメスを入れてくる。 歯科医療業界が受けている圧力や変化も同じ所から来ている。 一旦、傷を抱えてしまった業界や組織は、反論する事も声を上げることも出来ずに、社会の圧力に潰されて行く。 或いは時代の変化、社会構造の変化から存在を認められなくなって消えてゆくものもある。

歯科医療業界はあまりにも身内に傷がありすぎた。 それ故何も反論できないままに、政府や官僚のシナリヲに流されて行く状況である。 

技工士会からの国会議員の誕生が、歯科業界の苦境を救う手段足りうるのだろうか。
鍋が揺らされあふれ出た汁が歯科技工から立つ人に見えてしかたがない。 言葉は悪いが、私には馬糞の川流れという言葉が浮かぶのだが。

歯科医師と歯科医師会には歯科医療の原点に戻って欲しい。 保険だからと言って医療行為を否定したり拒否したりと言った行為が続くのであれば、保険医を返上するだけではなく歯科医師免許を返上するべきだとさえ思う。
今ここに至っては、歯科医師は歯科の頚木、呪縛を逃れ、医療であることを真摯に問い掛けていただきたい。
ある歯科医師は言う「医療のシームレス化を図るべきだ」と。
まったく同感である。

補綴の価値をめぐって、身内でいがみ合っている状況ではない。 共食いをして何になると言うのだろう。
歯科医師は医療を、技工士は補綴を。
明確に職務を分けること、分けた上で一体となって国民の健康福祉に貢献し、社会保障の礎となる道を明確にするべき時代が来たのだと思う。

みんなの歯科シンポジウムの第一回が来月、6月17日に迫ってきた。
この先、あえて身内の罪や恥を晒し、身軽になって心機一転撒きなおしの始まりとしたい。

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