一言で医療崩壊と呼ぶが
昨日午後。
買い物先のホームセンター家電品売り場でTVを見ていると、民主党小沢代表が辞任というニュースが流れていた。
一瞬、頭をよぎったのは明日5日の朝刊はこれで決まりだなと言う思いだったなあ。
それでも今朝確認した東京新聞特報面に載った見開き二面分の記事の出来栄えは、予想以上のものでした。
この記事を読んだ方が、少しでも歯科医療の現場で起きていることに関心を寄せてくださる事を期待します。
また、東京新聞の皆さんにもこの記事が単発のものではなく、連載記事となって掘り下げていただきたいと期待するものです。
マスコミをにぎわす民主党小沢代表の辞任騒動。
先週2回行われた福田総理との党首会談が、近所のおばさんたちの茶飲み話じゃあない事くらい、誰にでも分りそうな気もするが。
読売新聞などは、盛んに仕掛けたのは小沢代表だと書いている。
本当だろうか?
読売のドンといえば言わずと知れたナベツネである。
それが昨日朝放送された時事放談では中曽根氏と並んで連立は当然だと言っている。
この人、何様なんだろう。
何時から国の政治を影で動かし、自分が押さえるメディアを使ってマスコミを操作するようになったのだろう。
元は読売の記者だったと言うけれど、新聞記者とは真実を追究するのが責務ではなかったのかなあ。
さて、地方だけじゃなく、日本中で医師や看護師の立ち去り型サボタージュが起こり、これが医療崩壊の現われとされています。
歯科医療は歯科医師や歯科医院が減るどころかコンビニやファストフードをも駆逐する勢いで開業が続いていますので、端から見れば歯科はどこも困っていない、まだまだ儲かる商売なんだと見られかねません。
東京新聞の記者が記事で伝えたかったのは、制度の本質を見なければ、歯科医療崩壊の実態は見えないと言う事なんでしょう。
内部にいるものからすれば、歯科医療の現場から立ち去って行くのは先ず若い歯科技工士からなんです。
歯科技工士は保険とも関係ないから、いなくなっても何も困らないと思われているのですが、歯科医院の経営や患者さんが受けている診療行為の半分は歯科補綴に関わる事ですから、それを担う歯科技工士の減少はとても深刻な問題なのです。
医師や看護師の場合、産科や小児科から止めて行きます。 きつい医療現場から消えてゆく。これを立ち去りがたのサボタージュと言っています。 歯科は先ず歯科技工士が立ち去りがたのサボタージュを起こしています。 しかし歯科技工士は主役ではないからニュースにもなりません。 歯科医師たちがどうしているかと言えば、昔からですが歯科保健医療からのサボタージュなんです。 自費に誘導し、制度的には混合容認。
今のところ、技工の需給に大きな軋みは出ていない事から、それで通っていますが、歯科医師のサボタージュと、歯科技工士のサボタージュとが国民の目に触れるくらいに酷くなれば、国民の怒りは制度や国よりも歯科業界へ向いますよ。 そうなった時に、我々が何を言っても遅いでしょう。 そしてもうそのラインを超えてしまったのかなと思います。
気がつけば回りは歯科医院だらけです。 喜び勇んで営業に回る事はしていません。 歯科医院の開業ラッシュを皮肉り非難してきましたから。 しかし、このやせ我慢も何時まで続くか。 技工しか出来ないし
技工しかお金に換わる価値をもちません。 技工士が減ったからと言って、保険技工の需要が増える保証は無いし、現状維持もきついと考えていますが。
IDEAの加藤さんも言っていますが、我々の同年輩も、この10年間で櫛の歯が欠けるように消えてゆきました。 廃業、倒産、病気、自殺、自己破産。
監査指導を苦にしての歯科医師の自殺は、マスコミも注視するニュース足りえますが、消えてゆく歯科技工士はニュースにもなりません。
なぜ、医科では医師や看護師が立ち去り、歯科では歯科技工士が消えてゆかねばならないのか。
一言で医療崩壊と言っても、現れる事象は一面だけでは在りませんし、一言で説明のつくことでもありません。
ただ、患者さんにとって確かな事は、医療崩壊が進めば、医科は命に関わる医療が受けられなくなりますが、歯科は金だけ取られる事になりかねないというわけです。
歯科は保険診療はますます薄めたスープになりますが、金さえ出せば補綴は受けられる、ただ、質は保証できないけど。
上手く説明できませんがそう言うことなんです。
民主党小沢氏には、日本の崩壊を救えるかどうかのギリギリのところで踏みとどまっていただきたいと思いますが、東京新聞の記事も日本の歯科保険医療が崩壊するかどうかのギリギリの所に在るのだという事です。
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