« 混合診療は救世主足りえるか | Main | 歯科医療の崩壊は何故見えないのでしょうか。 »

November 29, 2007

何をどう訴えろと言うんだ?!歯科医師会さん。

技工問題を都道府県歯科医師会専務理事連絡協議会で長野県の専務理事が質問されたと言う。
http://insite.typepad.jp/shigakuinfo/2007/11/25_78ca.html#trackback

飯田専務の質問に対しても、彦ドンや静岡県の竹下専務理事は微妙にずらして質問し返答しています。
彼らの見識では歯科医師の業界と歯科技工士の業界は別物であり、組織も違う以上、責任はそれぞれにあるのだと言う事でしょう。
つまり、技工士の問題は技工士会の問題であって、歯科医師会や歯科医師の預かり知らぬ事であると。

どちらも業界と言うくらいだから、かって気ままに利益を追求すれば良いと言うのでしょうが、大手ラボなどで利益を追求してきた人たちや従業員を抱えたラボの経営者がどう考えてきたかは知らないけど、大方の歯科技工士というものは利益追求より作る事や医療であることしか念頭に無かったと思う。
情報の遮断、経済力の差、あらゆる事が歯科技工士の奴隷的な立場、目や耳を塞ぐ事になったのでしょう。
そして、歯科技工士会はそのような会員を多く抱えながら、まさに私のようなルサンチマン的怒りと恨みを持って外と渡り合ってしまった訳です。

これは悲劇です。 技工業界といいますが、そのマーケットは皆保険制度の日本では広く社会に開かれたものではありえません。
訴訟問題にも象徴されますが、歯科技工士法で日本の歯科技工は日本の歯科技工士免許を持った歯科技工士にしか行えない以上、日本の歯科医療が皆保険制度の元で行われているのですから、技工業界のマーケットも皆保険制度の元、その中に存在するのであり、しかも歯科技工と言うものは歯科医師の業務の代行とも言う訳ですから、マーケットというのもおかしいですが、対象は歯科医師そのものなわけです。

本当なら、技工は歯科医師の問題そのものであります。
しかし、主人と奴隷の関係である事が、誰にとっても良かった訳です。
歯科医療から歯科技工士という奴隷制度を生み出したのも、その存在をそのままにしてきたのも、歯科医師会にメリットがあったからでしょう。

>>竹下朝也専務理事(静岡県)が,「会長の認識が間違っているのではないか.
歯科技工士の就職率は悪くない.しかし,技工学校の入学者がいない.定員割れの状
況だ.学校を出ればとりあえず就職先はある.歯科技工士に対する魅力を日技が国民
に訴えないとダメだと思う」と指摘した.

こんな指摘は、奴隷問題は奴隷が解決しろと言っているようなものです。
なぜ、主人と奴隷の関係になったのかも無視している。
高校卒業後の進路を探している生徒達に、歯科業界はどう写っているのかを理解しているのでしょうか。
歯科技工士の魅力は、技工業会の中にあるのではありません。
歯科医療の中にこそ存在するのです。 そしてその歯科医療の中で歯科技工士を別の業界と捉え、職業的な魅力を奪い取ってきたのも、歯科医師会を頂点とする歯科医療業界の体質そのものなんです。

歯科技工士会の出してきた、大臣告示や料金問題、隗の取り組んでいる海外委託技工の訴訟問題なども、本来なら歯科技工の魅力どころか、歯科医療の尊厳、社会的責任をも社会に問い掛けているものです。
それこそ歯科医師会が真摯に対応するべき事でした。
まさに、歯科医師会が自分達で潰してきた歯科技工の魅力を、今更歯科技工士業界、日技に責任を取れと言うとは。
なんか日技支援したくなった。 しかし、しかしだ。


歯科医師や歯科医師会憎しって言うところでは、私も中西と何もかわらない訳ですが、どうでもいいような一人の歯科技工士がどれほど歯科医師会や歯科医師のやっている事を憎んだとしても、日技の組織や会長と言うものは、そういう憎むばかりの歯科技工士たちを諌め、道理を説き、会員や怒り狂う歯科技工士たちが出来ない真っ当な交渉事を行うのが務めでしょうが。

それが、なんだ、まるでけんか腰て相手を怒らせるばかりで、なにが生まれたんでしょうか。

どっちもどっちと言えば言えますが、中西が取った方針は火に油でしかなかったと思う。

噂だと中西はもう一期やるつもりだそうです。
やる気マンマンで彦ドンにお目通りに行ったのでしょう。

今更組織間で手打ちや、一体になっての政策提言など望めるはずもありません。

日本歯科医師会は歯科技工士が行う歯科技工は、医療ではない別の業務として否定してきたことは隠し様がない事です。
その一方で、多くの歯科技工士は歯科医院の片隅やラボ中で机に向いながら、専門学校やラボ経営者、技工士会、歯科医院や歯科医師から繰り返し患者さんの為だ、歯科医療のためだと囁かれ、聞かされ読まされててっきり自分は歯科医療の業務を担っているのだ、歯科医療なのだから辛く低収入でもしかたがないのだと洗脳されてきた。

学生が集まらない、卒業しても就職しない。
それは技工業界に魅力が無いからではない、歯科業界に魅力がない事を、若い人たちは知るようになったからだ
分かっていないのは歯科医師会や歯科大学、そして歯科医師たちだろう。
彦ドンや竹下さん達はご自身が魅力的な職業に就いていると世間から、学生達から見られていると思っているのだろうか。
歯科大学をでて歯科医師になっても就職先も無く、無理な開業を選択するしか進路も無い歯科医師に何故なろうとするのだろう、無理な借金を抱えて開業する事がどうして魅力的だと言えるんだろう。

一歯科技工士として洗脳が解けた今、改めて我と我が身を振り返ってみれば、今更抜ける事も出来ない、疲れ果てた高齢の歯科技工士しか残っていない。
しかしまだ洗脳が解けない歯科大学生や歯科医師たちのなんと多いことか。
この分だと、開業歯科医院の数は早晩、コンビニの2倍くらいになるだろうな。
逆に技工士の総数は1万人を維持できれば良い方でしょう。
その時になって、疲れ果てた顔で鏡に向うのは誰なのでしょうか。


歯科医療行政や歯科医療の犠牲になる歯科技工士は、我々までの年代で充分だと思う。
少なくとも若い人たちが技工業界と言われる苦界に入って辛い思いをしなくてすむだけ、ましだと思う。

|

« 混合診療は救世主足りえるか | Main | 歯科医療の崩壊は何故見えないのでしょうか。 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 何をどう訴えろと言うんだ?!歯科医師会さん。:

« 混合診療は救世主足りえるか | Main | 歯科医療の崩壊は何故見えないのでしょうか。 »