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December 16, 2007

歯科医療の崩壊は何故見えないのでしょうか。

東京新聞特報面で歯科診療報酬の矛盾や医療技官による厳しい審査や指導が記事になったのは11月5日でした。
12月8日にはTBSの噂の東京マガジンで「収入激減でワーキングプア続出!?追いつめられる歯科医師」として噂の現場がルポされました。

一連の記事やマスコミの関心は、東京都の保険開業歯科医師がレセプトの不正請求をめぐり、東京都の社会保険事務局の個別指導対象となって少なくとも3人が自殺に追い込まれたと見られることから、歯科医療の現場で一体何が起きているのかに関心が向ったからです。

これまでのステレオタイプな歯科医への理解や評価だけでは、自殺に追い込まれる歯科医師の実態など想像も出来ない事だったのでしょう。

社会一般からの歯科医師への見かたと言えば、高収入や外車、高額な歯科医療費と言った所でしょう。
巷で見かける歯科医院の広告も、高価なインプラントやホワイトニングなどの広告ばかりで、歯科医師たちも高所得に見えます。

それに、コンビニが潰れたり、ビルや商店街に空室ができると、いつの間にか歯科医院が新規開業しているような状況では、歯科業界はまだまだ儲かっているんだなとしか見えないはずです。

ところが、私が過去にも歯科医療崩壊を度々取り上げてきたように、歯科業界の本当の実態は、開業ラッシュに沸く景気の良い業界だなどということではなく、崩壊しているからこその破れかぶれ、自爆覚悟のがけっぷち開業なのだと言ったら信じていただけるのでしょうか。

東京新聞の記者さんやTBS、NHKなどの取材者達は、実態を知るにつけ今のところは同情的な記事や特集を組んでくれていると思います。
それは素直に感謝するべき事であります。

しかし、もう少し取材を進め、真相を掘り起こして行けば、同情だけでは記事にならないこと、医療現場の改善には繋がらない事をマスコミも知る時が来るでしょう。

本来私たち歯科医療者は同情されるばかりの存在ではありません。
むしろ真摯に反省し患者さん国民にお詫びしなければならない事が多数あるのです。
それがあるからこそ、歯科医療業界はストレートに窮状を訴える事も、正論を言う事も出来なかった訳ですから。


考えてみてください。
国の歯科医療費はどんどん下がり、保険点数も低くて赤字だ、銀行も資金を貸さないと言いながら、それでも多くの歯科医院は潰れていません。
入れ替わり、廃業はあっても、それを凌駕する数の新規開業が起きているのです。
いったいどこで帳尻を合わせているのでしょうか?
誰が付けを負わされているのでしょうか?

事の真相や現場の実態が社会に広く知られた時に、果たしてマスコミや国民の同情心が残っているのか、それが歯科医療業界に向ってくれるのか。

インプラントに狂乱する事や、今以上の混合診療を待望とする事、良い物を提供している以上は患者さんの自己負担は当然だとする考えが蔓延する事は、逆にいえば公的な負担、医療保険制度を限りなく縮小させる事でもあるのです。

重ねて言います。
歯科に於ける医療崩壊と言うのは、歯科医療者のモラル崩壊であり、歯科医療保険制度が崩壊すると言うことなのです。 

同情・・

何の為の同情でしょう・・・・

誰にとっての同情でしょう・・・・・

歯科医療者が同情されるべきでしょうか・・・・・・・

本当に同情されるべきは、こんな歯科医療保険制度の元で、歯科医療を受けなければならない患者さんや国民なのだと思いませんか。
懺悔の気持ちをこめて。

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