歯科技工士の本懐。 我何恥ずる事在りや。
私は歯科技工士です。
国家免許取得し、40年この仕事を続けてきました。
私たちは、歯科医師の指示(書)に従い営まれる行為を業としております。
最近の国の医療費逼迫理由のなか、高齢者の寝たきりになる症例、痴呆症例等、に多くの予算が割かれております。
しかし、口腔の健康、特にしっかりした入れ歯を装着し食物を咀嚼するに伴うあらゆる筋力を訓練し、鍛えることによって、脳の中枢機能に与える影響は大きく、上記に挙げた症例がほとんど不自由なく、平常に近くなると聞き及んでおります。
取りも直さず、直接人体の生命に影響がないと思われる歯科の領域で、正しい補綴物等の製作・装着することにより、健康の根源といわれる「笑顔で噛める」幸せを与えることができるのであります。
私は、人に幸せを与える仕事だという誇りとそれにやりがいをもって40年ひたむきに生きて参りました。
最近、歯科技工士の業務独占権を冒して、海外で作成した歯科補綴物等が歯科医師の裁量で可として、患者に装着され、使用されていることが増えております。
国の考え方は間違っていると思います。
「歯科医師の裁量」に委ねる国の考え方をおしすすめるならば、国内においても無資格者に歯科技工をさせてもよいことになります。
これは歯科技工士制度そのものを空洞化させ、崩壊させる主張です。
歯科技工の海外委託を放置するならば、国民・患者の安心・安全を第一義とする国民歯科医療を実現する制度的保障である歯科技工士制度を失うことを意味します。
昨年6月22日、私たち81名の歯科技工士は、歯科技工士会にどれだけお願いしても聞きいれていただけないので、やむにやまれず、国を相手に訴訟を提起いたしました。
内容は、歯科技工の海外委託は禁止されるべきであり、それを放置していることは違法であるとして国家賠償訴訟等の訴を提起しました。
裁判は、これまで4回の口頭弁論が行われ、次回公判は4月25日行われます。
私は、このことは、行政の不作為は勿論のこと、立法にも大半の責任があるものと考えております。
医科に比し歯科に対する国の対応は、差別のそしりを禁じえません。
私たちの歯科技工士の状態を見ても、それを証明しております。
是正などの域ではありません。抜本的施策を急遽講じ、医歯格差を撤廃していただき、
「法」「制度」をきっちり守る事の基本に立ち返らせてください。
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