金属裏装ポンティック加算の怪
前々記事で取り上げた金属裏装ポンティック。
50代以上の歯科医師なら、技工実習で四苦八苦の経験もあるのでは。
元々、歯科医師が技工もこなしていた時代に確立した構造ですから、先生方の苦労はひとしおだったはず。
その古の技工物が、本年4月の診療報酬改定で、製作点数に320点の加算、材料点数にも人工歯や前装材料の加算と共に俄かに脚光を浴びる存在になった。
しかし、この加算された金属裏装ポンティックが、古のそれはそれは大変な手間暇と苦労を必要とする、技工を経て作製されるものなのか?それとももう一つある鋳造ポンティックの事なのか?
ただ加算されてお足がいいので何も考えずにレセプト請求されているとしたら、一応は金属裏装ポンティックなるモノの実像を知っておいたほうがよろしいのでは?
ご覧のとおり、鋳造ポンティックの開窓法の窓埋めとはまったく違います。
その技工の煩雑さ故に、製作点数が320点の加算と言うのなら、すごく分かるんでですが。
でも、ポンティックとは別名ダミー。
つまり、何も歯が無い所に歯を再現せねばなりません。
歯科医師がご自身でおやりになるならそれはそれで結構な事。
しかし、委託技工となれば話は別。
ポンティックの置かれる空間は何も無いのです。 歯科医師はそこに手を加える事も無いはずです。
つまり管理のしようも無い。 完全に製作者に委ねられます。
それでもこの加算が製作にあたる歯科技工士にそのまま払われている可能性はほぼゼロです。
現状では、この加点、製作点数の加点と言いながら、歯科医院の収入に全て回っているようです。
私も請求実績はございません。
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