歯科衛生士さんの収入も自費次第・・・・51年のはただの課長通知なのになあ。
わずか3ヶ月で潰れちゃったまるでリストランテのような歯科医院の話を、某ブログで見たばかりです。
そういう歯科医院の中では、どんな診療が行われているのか、私にはトンと見当もつきません。
元来セールストークが苦手で、歯科医院に外向に行くといっても、簡単な挨拶程度ですませています。
そんなわけで、今風のこぎれいな歯科医院のドアをくぐるなんてとても出来ず、自分の役目は縁の下の力持ちを自負しているのですが。
さて、そのような歯科医院の内情といいますか、お勤めしているスタッフ達の考えや意見、悩みといったものを、
ネットでも拾う事ができます。
そこから垣間見えてくるものは、やはり何といいましょうか、歯科の実態が持つ、医療なのかそうじゃないのかと言う、曖昧さがスタッフ達の気持ちをもどんよりと覆い尽くしているところでしょうか。
ある歯科医院に勤める歯科衛生士さんのボーナス報酬は歩合制なのだそうです。
もちろん歯科衛生士の本分であるスケーリングやブラッシング指導、予防やPMTCを行う事が、歩合の対象なのだろうと思いますが、ボーナスはそれだけではないのだそうです。
では、歯科衛生士さんのボーナス歩合の対象になる医療行為や衛生士業務とは何なのだと思いますか?
ずばり、自費の勧誘、セールスなんだそうです。
これ、ものすごく違和感を覚えるのは私だけなんでしょうかねえ。
担当患者にインプラント、ホワイトニング、自費補綴などの自費診療を勧めて契約が取れればその金額の○%がボーナスへ行くのだそうです・・・・・
流石にそれだけじゃ露骨過ぎると思ったのか、歯科医院内での懇親や親睦の企画を作った時もボーナスが出るのだそうですが、どっちにしろ遊ぶ原資も自費の売り上げ次第と尻を叩くのが目的でしょうから何をか況やです。
喜んでやる歯科衛生士さんも居られるのでしょうが、本来の歯科衛生士の業務を考えればプロフェッショナルであればあるほど、それが自分の評価に繋がるのかと、また患者さんをセールスの対象としか見ない事が、はたして医療職としてよい事なのかとの、謂わば内心の葛藤に悩む歯科衛生士さんも多く存在するわけで、こんなボーナス制度の存在も歯科医師への不信感の熟成や離職の理由になっているのではないかと思います。
調べてみれば保険医たちが行う歯科医療に於ける自費と言うものも、制度や法的なモノと言うより昭和51年に出された一片の厚生省歯科保健課長通達にて例外的に許されている事のようですね。
自費が医療では無いと言うつもりはございません。
ですが、歯科の場合、医療に求められる部分の大半は皆保険がカバーしていると思えます。
実際、衛生士さんがボーナス欲しさに勧めなければならない自費補綴と言うものの大半は、モノや機材の意味なんですね。
51年通達が存在しなければ、保険医を辞退するか、自費医に患者さんを紹介するしかないのだと思うのです。
モノのセールストークに明け暮れて目先のボーナスを追い求めるよりも、歯科衛生士さんの本来の業務で評価しボーナスも貰える様な歯科は夢物語なんでしょうね。
しかし、そんなストレスで円形脱毛症や欝にだってなっちゃうわけで、歯科衛生士さんの悩みも憂鬱もまた尽きないと言うわけです。
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Comments
私が以前働いてた歯科医院も歩合ボーナス制でしたね…。
インプラント、ホワイトニング、新規患者の紹介等々…。
10人程居たスタッフも経費削減なのか私以外は助手ですし‥仕事内容は同じですが。
もうお店ですよ…。
Posted by: コットン | August 08, 2009 11:49 AM
コットンさん
初コメをありがとうございます。
母校、東邦の歯科衛生士科も定員割れのようです。
花嫁修業や腰掛で歯科衛生士の資格を取るなんて、今はありえないのでしょう。
歯科衛生士も歯科助手も、歯科技工士同様に、歯科医師や歯科医師会がこさえた資格だと思います。
歯科医師の権限や利益を侵さずに、要は、使い勝手がよければ良いと言う事なんでしょう。
それで、国家資格を歯科医師基準で許してみたものの、いざ、使ってみたら、やっぱ歯科医師の業務と重複する。
有資格者だと、それ相応の業務移管や報酬も発生しかねない・・・
こりゃ、世間向きには、歯科も立派な各種専門職の集団だと言えるけど、だからと言って、歯科医師の自分たちと同等の評価や報酬は与えられちゃ困る、そらあ困る。
皆保険制度によって、歯科医師も保険医に登録するわけだが、明文化されていようといまいと、皆保険の中で大事なのは歯科医師だけで十分だ。
後はただの使用人でいい。
それが歯科医師や歯科医師会の本音だね。
よく、歯科技工士は皆保険制度に記述がないから、皆保険制度とは関係ないと言われる。
歯科衛生士さんたちも同じなんだろうか。
歯科衛生士の有資格者は、歯科技工士の10万人よりずっと多いと思うのだけど、私の知ってる歯科医院では見かけません。
居たとしても違いもわからないしね。 もったいない事です。
Posted by: G3 | August 21, 2009 03:53 PM
アメリカのオフィースには、コーディネーターのような人が必ずいます。
時には代診よりもコーディネーターのほうが年収が良いです。
代診はただ治療する人。コーディネーターはお財布の紐を緩める人なんです。
役割分担がハッキリされているから、患者には解り易いんでしょうね。
Posted by: アメリカナイズ化 | August 24, 2009 12:16 AM
そうですね。
そうする事で、ドクターもデンティストも診断や治療に専念できます。
日本の歯科医院で幅を利かせているのは、コストカットや売り上げアップを要求する、あるいは進言するコンサルや税理士と言う人達なんじゃないでしょうか。
この人達、歯科技工所もあるいは歯科技工士や歯科衛生士も、生活者や企業だと言う事を忘れているんだと思いますよ。
Posted by: G3 | August 29, 2009 12:30 AM
今の保険点数で満足した治療が出来ると思う歯科医師は、よっぽどレベルが低いか名人級のどちらかでしかない。
世の中に存在する殆どの中庸な歯医者では、不可能な事です。
異論を唱える先生は、いっらっしゃいますかな?
Posted by: | June 02, 2010 12:04 AM