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August 29, 2009

歯科技工士法は需給調整や診療報酬調整の方便ではない 。

昭和63年5月厚生省告示第165号は、巧妙に仕組まれたある意図を持って発布されたのではないかと言う疑問をぬぐえない。
歯科診療報酬が発足時から内包してきた、診療報酬面での医科歯科格差を指摘、あるいは訂正する事は、厚生省としてはどうしても飲めない提案であったのではないか。

日本歯科医師会と日本歯科技工士会の料金問題での対立のみが注目され、歯科技工士の保険点数上の独立した評価を確立すると言う本質的な目的は、大臣告示の文言に埋め込まれた「おおむね」という言い回しや、そもそも製作点数と製作管理としてそれぞれを7:3の比率で分ける事で、胡散無償してしまったと言える。

今、再考しても大臣告示には厚生省側の料金算定の根拠を明文化されることにより、診療報酬算定の過程や、作成コストと言うはっきりと明示できるものが、算定の根拠にされる事を避けたい、末端からのボトムアップによって、実質的なコストが積み重なる事で診療報酬が決定される事を何が何でも避けたいと言う、厚生省のあるいは国側の算盤があったのではないか。

歯科は、医科と比較しても、コストを算出あるいは表示しやすい。 ホテツで言えば委託技工料金は、まさにコストそのものである。
それを、歯科技工士側が精査し、積み上げて算出して技工料金として中医協や国会、委員会などで記録されてしまえば、厚生省側も安易には否定できなくなる。
歯科医療費の増大を嫌った、厚生省としては、明確な数字の出されるホテツの製作側の位置づけは、診療報酬の算定がガラス張りになってしまうと言う事なのだろう。

それ故、一見すれば市場価格を参考に、実際の診療医報酬に反映されていると言う、説明が意味を持つのであるが、それが、診療報酬の増加をなんとしてでも阻止したい、診療報酬をコントロールしたい側からすれば、何が何でも歯科医師と歯科技工士とが技工料金の面では相反する、対立する構図が必須条件であったのではないか。

それを巧妙に誘導、あるいは演出する為に、疑義解釈なども前もって担当課長や日本歯科医師会役員との間で、事前に仕組まれていたものではないのか。

それから20数年が経過し、厚生省の思惑通りに、日本歯科医師会と日本歯科技工士会、そして末端の歯科医師と歯科技工士とは、技工料金面で対立を続け、
双方の利益を食いつぶしあい、実質的にはチェアサイドでの治療行為と、技工士側の作製行為は別体の行為でありながら、歯科医師の裁量権であるとか、一連の診療行為であると言う表現で、互いの足を食い合うような不毛な対立を余儀なくされ、片一方である歯科医師画が裁量権に守られて居るがゆえに、歯科技工士法 第18条に縛られた歯科技工士は従属するしかなく、圧倒的な搾取を跳ね除ける事が出来ないままにきた。

歯科医師は、料金問題では眼下の敵とした歯科技工士に対して勝ったと錯覚したのであるが、実は、その事によって合理的な診療報酬増額の手段をも失った事に気がついていない。

また、厚生省は歯科医療費増大を危惧して、圧縮のためにこのような対立の様相を利用していながら、一方では将来の歯科医療費増大要因となる、歯科医師の過剰養成については放置し続けてきた。

厚生省がとったこの二つの要因が、図らずもどちらの職種も後継者が今後、急激に減少する、歯科技工士に限って言えば、数十年後には完全に途絶えると言うところまにまで花開いたと言う事になる。

厚生省は厚生労働省となった今も、歯科医療費の増大と歯科医師の過剰養成と、歯科医師需給課題に対して、歯科技工士という存在やその根拠である歯科技工士法の形骸化という手段を持って対処しようとしているのではないか。

私たち歯科技工士の存在は、暦として 歯科医療を支え、国民の安心安全な生活に付与してきた。 それは歯科技工士法というこの国が定めた法律によって行われてきたのである。 
本来正当に受け取るべき権利がある診療報酬を恣意的に誘導するためや、国の失策である歯科医師の需給問題解消の手段として歯科技工士や歯科技工士法を官僚の道具とすることは許されるべき事ではない。

このような事態を招いた日本歯科医師会、日本歯科技工士会関係者は猛省し、過去の責任を謝罪するべきである。
また、国や厚生労働省は、法律である歯科技工士法の主旨を尊重し、誤った行政判断を即刻修正するべきである。

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