歯科業界、時代は既に淘汰と言うべきなのだと思う。
歯科医療者の誰もが漠然と感じながら、言葉にできない事に「淘汰」があると思う。
例えば皆保険の歯科医療でこれまでのホテツ治療の中心であった銀や金合金を使って、歯の形を修復する、歯科の一般には理解されにくい専門用語(これ、中医協でも問題にされたようですね、納得です。ブログでも当たり前に使ってきましたが反省してます。)で言えばホテツの歯冠修復と言う治療が、歯科医師の診療方針から外されて、数値で言ってもものすごく減っている、
歯冠修復処置、歯冠補綴処置が減少している((単純インレーは、ここ10年で550万→180万件、全部鋳造冠は、ここ10年で2300万→1800万件、前装鋳造冠は、ここ10年で1100万→800万件に・・・中道先生の論文より)
以上、みな歯科、歯科技工士の高齢化ますます進む より抜粋。
というような按配で、これにより、院内で銀歯を作ってきたような中高年の歯科技工士が、院内ラボから消えていく事態となっています。
これも、形を変えた淘汰現象だと見る事が出来ると思うわけです。
首を切ったのは雇用者たる歯科医師ということではありますが、大きな視点で捉えれば、医療費削減や、歯科医療というパイに対して、歯科医師のみが裁量権を持ち、利権も押さえ、それでいてパイは増えないのに歯科医師だけが増えてしまう事から、歯科技工士がはじき出される、つまり、淘汰だという事になります。
同じく、歯科衛生士にしても、歯科衛生士がらみの不正請求が横行しているわけですが、その一方で歯科衛生士にパイを与えないという意味で、やはり歯科衛生士が淘汰されていると言えましょう。
ここまでは、とりあえず歯科技工士や歯科衛生士の淘汰で済んでいたわけですが、次はいよいよ本丸たる歯科医師たちの具体的な淘汰に進むようです。
そこで、歯科医師や歯科技工士、歯科衛生士の皆さんがよく言う言葉に、患者さんの為に何々をしている、やって行けばいいのだと言う様な、自分だけはそうする事で生き残れるのだという、実は根拠など無い願望。
まあ、そう言うのはその人達の勝手なんですが、そうしている間にも、淘汰の動きはより強くなり、また、誰が誰を淘汰するのか、しているのかと言う現実も、実は皆さん理解されていないようで。
患者さんのためだとか、良いものを提供しているとかいう呪文みたいなものは、まあ唱えているうちは構わないのですが、多分、それすらも根拠など無い事にいずれ気がつくと言う事態になるのじゃないかと思います。
それと言うのもいくら誰それの為だと言っても、その裏には自分だけが金をもうけるため、生き残り贅沢をするためだと言っているのが透けて見えるからです。 お上も世間もそんなのはとっくにお見通しです。
言えば言うほど自分たちが厚顔無恥だと触れ回っているようなものなんです。
無差別の淘汰が始まる、いや、既に始まっている今に於いては、根拠の無い願望よりも、むしろ淘汰する側に回るような、行動や意思を持つ事の方大事なんだと思います。
それは必ずしも個人的な願望やエゴと言う意味ではなく、これまでの制度やシステムに、実際にぶつかってゆく、少しでも変えていこうと行動する事でのみ、生き残れるのではないかと言う事なのですが。
こんにゃく問答じみていますが、お暇な方はじっくりと考えてみてください。
蛇足ですが、自分でも今捉えている上のような感覚を、うまく言葉に出来ないでいるのです。
加藤さんや川島さんであれば、このもやもやをうまく言葉に変えてくれるかなと感じています。
でも、複合的な階層的な淘汰は既に始まっているはずです。
それに対して歯科医療者、それも歯科技工士のほとんどが無関心か無責任な対応です。
今の世の流れに対しても、期待しないと一見醒めた風を装っている歯科技工士が多いように感じますが、
期待しないと言うのも、裏を返せば何かに期待してきたと言う事であります。
自分は動かない他力本願でです。
それが、例えば歯科技工士会と言う組織への期待であったり、歯科技工士会の執行部であれば国会議員になるとか、与党自民党に擦り寄ればいいというような期待であったわけです。
しかし、そんな期待がどんな結果を生み出してきたかに気づけば、自ら動くしかないと考えるべきなんです。
その動きが脇本さんらの訴訟であったわけですし、私にとってはその行動に参賀する事が自然な行動でした。
期待できないという人達には、多分に日技のような組織にも期待できない、自民党のような賞味期限起きれた政党にも期待できない、そして政権交代がいざ起きても、やはり政治などには期待できないと思ってしまうのでしょう。
あるいは、自分たちが信じた組織の限界や賞味期限切れも理解しないまま、過大評価してかの人が率いる組織のも出来なかったんだから、もう変えるなんて無理だよと思ってしまうのだろうか。
しかし、政権交代を起こしたのも、脇本さんたちやわずか二人の情念党、みんなの歯科ネットワークのような、人や組織に期待できないなら、自分が動くと言うような、志井の人々の動きが民意を動かしたのだと思っています。
歯科に於いて言えば、今回政権交代を果たした各政党のマニュフェストに書き込まれた歯科技工や歯科技工士という言葉の存在が如実に物語っているのです。
何もしてこなければ、公明党のように電話でのゼロ回答でおしまいです。
日技が擦り寄り続けてきた自民党のように何も変えない何もしませんでちょんです。
期待できないのではない、あなた方の行動こそが期待を生み出すのだと言う事に希望を持ちましょう。
久保田
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Comments
歯学部系はここ数年、歯科医師の供給過剰がクローズアップ
されるようになった。
http://www.shikadaikyo.or.jp/result/index.html
平成21年度私立歯科大入試結果から、平成22年度私立歯科大
入試結果予想。
平成21年度私立歯科大入試結果
募集人員 志願者 受験者 入学者
1,904名 「5,723名 4,973名 1,702名 」×0.89
平成22年度私立歯科大入試結果予想。
志願者5093名 受験者4425名 入学者1514名
-----------------------------------------
>私立歯科大前年比:89% 全学部中最低:志望者11%激減
>国立歯学部は前年比:101%変わらず:
>
>http://manabi.benesse.ne.jp/nyushi/2010/doukou/zentai_gaikyo_9m/
>2010年度入試 志望動向 全体概況分析レポート(第1回ベネッセ・駿台マーク模試・9月)
>歯学部系や薬学部系の私立大学は相対的に不人気になっている
>「資格=安泰」の図式は崩れている事の認識が広まった事も
>あり、資格系の学部が一概に人気とは言えない状況である。
>
>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
>>私立歯科大一般&センター入試今年も志望者大幅減!最新情報NEW
>>http://manabi.benesse.ne.jp/nyushi/2010/doukou/daigaku_data_9m/
>>-----------------------------------------
>>2009/11/132010年度入試 大学別志望動向データ(第1回ベネッセ・駿台マーク模試・9月)
>>-----------------------------------------
>>東京歯科:実質倍率2.6~3.5倍=去年とほぼ同数
>>日本歯科:実質倍率1.6~1.7倍=志望者激減
>> 新潟:実質倍率1.1~1.7倍=志望者激減
>> 日大:実質倍率1.7倍=志望者激減
>> 松戸:実質倍率1.1倍=志望者激減
>> 昭和:実質倍率2.3~4.0倍=志望者激減
>> 愛知:実質倍率1.1~1.6倍=志望者激減
>> 朝日:実質倍率1.0~1.2倍=志望者激減
>> 明海:実質倍率1.0倍=志望者激減
>> 松本:実質倍率1.0倍=志望者激減(毎年の事)
>> 神歯:実質倍率1.0倍=志望者激減(今年は大ピンチ)
>> 鶴見:実質倍率1.2倍=志望者激減
>> 福岡:実質倍率1.1倍=志望者激減
>> 岩手:実質倍率1.0倍=志望者激減
>> 北療:実質倍率1.0~1.5倍=志望者激減
>> 奥羽:実質倍率1.6=志望者激減(GREEEEN効果か倍率有り)
>> 大歯:実質倍率今回テストでは不明:去年は2.2倍=去年とほぼ同数か?
Posted by: 私立歯科大志望者が激減! | November 13, 2009 04:14 PM