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January 12, 2010

座して死を待つだけなのか。 今一度歯科技工の再生を

先の記事に、定遠歯研の日本代理人でもあるのだろうと思いますが、篠田鉄郎歯科医師からのコメントを頂きました。

海外委託や中国技工の輸入代行を行っている企業は多数ありますが、自費分野でのみ、歯科医師の裁量権の上で患者の同意があれば認められると言う事であり、皆保険分野も含めてそれ以外は違法だと言うのが、国の公式見解であります。

中国に限らず、アジア諸国の歯科医療や社会保障のインフラは、そも、医療が存在しないようなところもあれば、高度に発展した都市部では日本以上の歯科医療が提供されているところもあるでしょう。
少なくとも、庶民の誰もが、日本のように皆保険で歯科医療を安心して受けられる国は無いと思います。

米国ですら、今になってオバマ大統領が医療保険制度改革で苦心しているように、米国民の大半が無保険なのではないでしょうか。

中国ではよほどの高所得者出ない限り、また、何らかのコネが無いと医療が受けられないことは、実態を描いて賞を受けたNHKのドキュメンタリーなどを見れば、その現状が窺い知れます。

少なくとも、日本には他の国には無い、安心して低負担で医療全般を受けられると言う社会基盤が存在しているのです。

医師が足りない、医院が潰れていると言うのも医療崩壊の現実ではありますが、一番の問題は他国には無い、日本の誇れる医療の基盤が、財政破綻や少子高齢化、外国との競争などから崩壊に直面しているという事実です。

歯科医療は、歯科医師が足りないと言うようなことは無く、逆に歯科医師の過剰からくる、過当競争や患者数の減少、歯科疾病の減少から、これまでのホテツ中心の歯科医療では先は見えなくなると思っています。

私は歯科医師や組織の批判ばかりしておりますが、歯科医師の名誉の為にいくつか書いておきたいと思います。

生き残りの為にビジネスチャンスを探すばかりが歯科医師の姿ではありません。
実際にはほとんどの歯科医師たちが、地域に密着したほとんど人道援助に近い歯科診療を赤字覚悟でこなしているのです。
その赤字の補てんが、行き着く先がコメントにもありましたように海外にまで行ってると言う事なのです。
しかし、そのような事は、象徴的な事です。

ビジネスではなく、歯科医療の本来の目的で海外に行くと言う歯科医師たちも存在します。
海外青年協力隊や海を越える医師団に歯科医師たちも加わっているでしょうし、最近見た話では吠えろ歯科技工士のウグイス君が弾丸ツアーのように参加してきた、タイの無医村地区での歯科診療奉仕などもあるわけです。

同じ海外に目を向けるにしても、ひとりの生き残りの為にあれこれを犠牲にするよりも、歯科医療本来の目的の為に、日本で海外で戦っている歯科医師の皆さんが存在し、その働きが日本のみならずアジアの人たちも支えている事を忘れないようにしていきたいものです。

新書で医療の値段を読んでいますが、そこにも出てこない疑問が一つあります。

篠田歯科医師が言うように、輸入品の医療機材が多いのに、その価格が諸外国に比べて何倍もしている事です。
関税や国内メーカーの保護、薬事法との絡みなどその理由はいくつもあるのでしょうが、それがために国民や医療者が圧迫されることのないように、目を向けていただきたい事だと思います。

将来的に歯科医師や歯科医院だけは生き残れるかもしれませんが、歯科医療の基盤としてはぜい弱なものになってしまうでしょう。
遺伝子医療や再生医療などの先端医療に、歯科医療も活路を見いだせるようにならなければ、ただの歯大工のままでは、歯科医師や歯科医院も歯科技工士同様に廃れてしまうでしょう。

現状でも皆保険の存在が、過剰とも言える10万人もの歯科医師が生存する基盤を提供しています。
混合診療や自費診療、海外委託などのコストダウンだけでは、その基盤の代わりにはなりえません。

地域の人たちも含めて、国内で助け合える気持が歯科医師や歯科技工士、歯科衛生士にあるのかどうか。
最後は人の繋がりに帰る。
そんな歯科医療である事を願っています。

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