売文家さん山本さんの記事などから思う事。
やはりこの業界、思考停止してしまっている。
私もいつまでも昔の事を掘り返すんじゃない、そこで止まっているじゃないかと言われそうだが。
ならば、若い人たちが進んだ考えで業界を見ているのかと思えば、売文家さんの
新着記事「若手の使い捨て」によれば、言っている事は尤もなんだけど、何か足りないのだ。
まあ、そういう風に思いこませてしまう理由も、多分、記事で指摘されているところの50代の歯科技工士、つまりズバリG3のような歯科技工士が悪いのだろうが。
G3ですら、良い時と言うのを知らない。
そりゃ、仕事だけは腐るほどあったと言う時期もある。
しかし、それが、良い状況であったとどうして言えようか。
ホテツが減少した今こそ、歯科技工の価値やその料金、報酬と言ったものを問い直してみるべきではないのか。
売文家記事から引用させていただく。
「僕の世代は、最初っから値切り競争のなかで技工士になった。
技工士になったのが2000年。
その値段で働いて、商売を続けていくことが普通だと思ってた。
それで今生活できているし、そんな議論をする意味もよくわかんない」
社会全体がデフレや不況になってしまい、収入で言えば年収で200万も300万も下がってきている現在、周りが歯科技工士並みの収入が当たり前になったから、更には物価落下でモノが安くなったから、とりあえず食べるもの、着るもモノだけは安く手に入るようになったから、見掛け上、歯科技工士の収入でもなんとか生活は出来るのだけれど、そう言うところ、理解して引用したような事を言っているのだろうかね。
今は見掛け上、国民全体の収入が下がっている。 公的な負担はまだまだ高いけれどね。
しかし、いつまでもこんなデフレや低価格の商品があふれるような状況が続くとも思えない。
資源の無い日本は、何をやるにも材料から輸入しなければならないのだ。
しかも食料自給率は40%程度だと思う。
今や税収よりも大きい、国債が消化されなくなればどうなるのだろう。
中国経済もバブルが言われ、米国はサブプライムがまだ解決したわけじゃない。ユーロ圏でさえギリシャの爆弾を抱える。
どこの国も、日本の財政破たんを支える事など出来ないだろう。
ハイパーインフレの発生は目前なのかもしれないのだ。
今が普通なのだとか言って、自分たちの仕事がおかれた状況に疑問もはさまないと言うのなら、それこそ思考停止と言うもので、50代のおじさん歯科技工士達を笑う事など出来ないと思うのだが。
売文家さんに話をした人に言いたいな。
7:3は置いといても、最初からダンピングの競争の中で、何故、その価格を普通と思うのか?
利益もない、原価にも満たない、そこには目を瞑って、生活出来ると言うが、何を犠牲に生活が成り立っているか、話してみてほしい。
そうでないなら、若い世代ほど離職率が高いのはなぜだろう。
使い捨てもあるだろうが、低価格と減少が生活出来ない現実を生み出していると思う。
低価格、低料金、ダンピングの連鎖。
かろうじて生活していても、その生活その状況が普通と考えている限り、いつかは私らと同じようになるのじゃなかろうか。
一方で、山本さんの記事にこのような歯医者さんの話があります。
これなんか読むと、前向きだなと思う。
しかし、
「この診療報酬改定(保険点数)では、『食べていけない』という運動を何故、起こさないのだろうか、と思うのです。
歯科界は、『次の手を考えていない』と思いませんか?
年間3000万円以下、月に250万円でスタッフの給与、家賃を払ってギリギリの状態に歯科診療所は置かれているのに、何故、『食べていけない』という運動を起こさないのか、歯痒い思いをしているので、何時も怒っているので、講演活動に思わず熱が入るのね。」
ここ何か読むと、そういう貴方は運動しているのかなって。
多分、怒っている、講演で言っていると言う事なんだろうけど。
現実に、運動自体はご本人だって起こしてなどいないのだと思う。
歯科医師たちは保険医と言う枠に囚われ、歯科技工士は更にその歯科医師たちの裁量の中に囚われているようなもの。
その現状を、今が普通だなんて言っていてはおかしいと思う。
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Comments
正当な歯科技工技術対価 「与えられ」から「勝ち取る」
「知らなければ」 自らのおかれた現状、環境、生活そのものが当たり前。
これが世の常。
人には潜在能力として、思考し、悩み、はい上がろうとする先取志向
能力が備わっている。
今の歯科医療業界に欠落していることは、思考欠落ではなく志向欠落だ。
どなたでも「考える」。いわば思考しているし、その能力は万民平等に持ち
合わせている。
しかし、与えられた範疇のみに 「させられている」 事に気が付かない。
自ら、自らのこと、業界のこと、広く社会一般のことに感心を寄せ
「これで良いのか」 と言うことがない。
つまり、正に志しで何ものかをめざすことがない。心の欠損症。
結局、考えることは誰でもでき、言うだけは人一倍言う。実際に行動に
起こして立ち上がる人がいない。
現況、正に歯科医療業界は 「烏合の衆」。
脱皮するには志を一つにして、勇気ある 「行動」 あるのみである。
先の大戦で、何百万人の尊い命が犠牲になった。幸い生かされた。
死ぬ気になれば、たいがいのことは何でもできる。
Posted by: 厳窟王 | April 06, 2010 07:29 AM
巌窟王さま
おっしゃる通りでございます。
ただ、自分が食う為だけの行為行動のみを正当化するべきではございません。
たとえそれがどんなに優れた先進技術であっても。
それが生かせる世の中を、作り維持する気持ちを無くしては尚更に。
Posted by: G3 | April 07, 2010 02:42 PM
私には売文家に引用されてる若者の言葉は至極もっともだと感じます。
>>7:3は置いといても、最初からダンピングの競争の中で、何故、その価格を普通と思うのか?
>>利益もない、原価にも満たない、そこには目を瞑って、生活出来ると言うが、何を犠牲に生活が成り立っているか、話してみてほしい。
>>そうでないなら、若い世代ほど離職率が高いのはなぜだろう。
正直この言葉には違和感を感じますね。
ダンピング競争と言ってるが、技術の賞味期限がとっくに切れた免許さえ持ってたら万人が作れるようなものに
今だに何の制約なしに付加価値を求めるほうがおかしいと思う。
とつぜん離職問題を持ち出して話を飛躍・すり替えてるが、7・3だろうがこの業界は変わらないという若者の意見に異論を唱えてるわけだから、
少なくとも7・3だったら離職問題はこれほどは起きなかったという論理を展開すべきではないのか。
結局は本質的に若者の離職問題を捉えてないって感じがする。
私は40代の個人ラボ経営者ですが、売文家に出てた若者の言葉や篠田先生の言葉のほうがスレ主さんよりも共感できますね。
Posted by: 織部 | April 22, 2010 08:13 PM
今頃、この織部さんのコメントに気が付きました。
面目ない。
話をすり替えているとの指摘ですが、私にはすり替えたと言う意識はございません。
食えないと言うのは、一人ラボに限った話ではないでしょう。
食えないのも生活できないのも得られるお金が少ないことが根底にあります。
食えないのが経営者、生活できないのが雇われの技工士と分けないといけないのかもしれませんが、一々2つに分けて話を展開しなければならないというものでもないでしょう。
7:3に結び付けなければいけないと言うのは、ネタとしていずれ使わせていただきましょう。ありがとうございます。
Posted by: G3 | May 19, 2014 02:05 AM
問題とすべきは、「税源は常に供給されているにもかかわらず、その対象に使われていない点」だと思います。
つまり、財源は社会保険から常に「歯科補綴の製作に要する」として供給されている。しかし、それは「歯科補綴の製作」には使われていない。
一時社会問題化した「看護料をいくら上げても(愛人の)毛皮に成る」という喩えと同じです。
この部分が、社会一般のデフレ等による「新自由主義による労働搾取」と異なる点です。
そしてもう一点・・・、歯科技工業への社会問題自体は歯科行政による政策課題の不作為にあることは事実ですが、勤務歯科技工士への不当労働行為(極長時間労働と超勤手当不支給等々)に関する“加害側”の大半は歯科技工士自身(いわゆるラボの社長)だということです。
Posted by: 一読者B | May 19, 2014 02:31 PM
一読者さん、コメントありがとうございます。
一人ラボはその両方を兼ねているから、問題を直視しにくくなってしまっていると思いますね。
もうちょっと、頭を整理してまとめたいですね。
Posted by: G3 | May 19, 2014 05:52 PM
一人ラボはその両方を兼ねている__。
いいえ、違います。一人ラボは、自ら判断し行動しているのです。労働者では無い。もしも「働かされている」と感じているとしたら、それは間違いです。
ひとりラボは、あくまで「(自己判断で)働いている!」のです。歯科技工界はここに“あまえ心”を抱くから、その社会的な認識を誤まる。
どれだけ過労でも、どれほど安かろうとも__、一人ラボに労働基準法は当てはまらないのです。それが嫌ならば、最初から開業しなければ良いのです。開業というものには、そもそも、そういう『野に臨む』という「安全域から戦場への踏み出し」という要素があるのです。そこを自覚しないままの開業が多すぎる。
他方、勤務する歯科技工士は、(極初期の労働力として何も役に立っていない一時期を除き)「当然のように、さっさと帰る」という社会常識を実行すべきなのです。勿論、その歯科技工所が、残業に対して25%とか50%とかを支給するのなら、納得して働けばいい。
そしてそうなれば多くの場合に、「そういう残業手当は支払えない」とラボ経営者が判断するでしょうから、「そんな手の遅い歯科技工士はこの技工所には要らない」という反応に至るでしょう。
すると解雇されることを避けたいとの感情から、歯科技工を続けたい勤務歯科技工士は残業手当を要求しなくなる。・・・・歯科技工界はこういう悪循環を半世紀も続けている。 だから、ついに養成所に学生が来なくなった。 【行政による歯科技工施策への不作為】は 実に罪が深い 。
Posted by: 一読者B | May 19, 2014 06:30 PM
そうですね。
舌足らずでした。
兼ねているという認識は、それが為に問題を客観視出来なくなっているのではないかという意味です。
一人ラボは、
>>あくまで「(自己判断で)働いている!」のです。
であるとしても、自分の労働環境やもろもろについて、自己責任なのだとして問題に向き合わず、何もしてこなかったのではないかと感じているわけです。
技工と技工士の業界の問題を、当の技工士が直視しないなと感じたのは、一読者さんがおっしゃるように甘えなんだと思います。
一人ラボは自己責任だと言い切ってしまったことが、実は、個ではなく同業者が力を合わせて何かを成し遂げるという意識をそいでしまってのでしょう。
ならば、組織化されていれば、国や制度に働きかけることが出来たのか、社会を動かせたのかと言えば、そこにではまた別の力学やら圧力やらが働いて、役所や権力側から「自己責任」という解釈をお上に都合よく押し付けられてしまうのじゃないでしょうか。
一人ラボであれば、自己責任であるというのはわかります。
だが、それゆえに制度や法律から全く隔絶してしまっていいというのは、それでは法律の意味がなくなってしまうと思うのです。
私達は自己責任という言葉に縛られて、自分がよく考えずに開業してしまったということに、引け目を感じてしまうのではないか。そんな気もします。
Posted by: G3 | May 21, 2014 12:13 AM
引け目を感じてしまうのではないか
⇒ なるほど、そういう側面もあるでしょう。
そしてそれ(開業した以上は自己責任)は“現実”だから、それを自覚するところから始めるのです。そういうスタート時にもしも「引け目」があるのなら、その「引け目」や「重荷」とともに歩むのですよ。
Posted by: 一読者B | May 21, 2014 08:18 AM