某営業ラボ Nデンタルの話題
こんな記事を紹介された。
成田デンタル(大手歯科技工専門営業会社)の不正疑惑の続きである。
常々、営業ラボには疑問を持っているのだが、このNデンタルには怒りすら覚える。
技工も業として成り立たせるためには、一つでも多く受注を図らねばならないのは当然であるが、ただでさえ国から統制されていながら、歯科技工所へ委託される段階からは自由経済だと言う制約の中で、安く買いたたかれるのが宿命のような歯科技工の委託関係の中に、営業を口実に中間搾取を、さもよさそうな歯科医院向けのサービスであると謳ってきたのが某デンタルなのである。
その内実が、上記の記事のままであるなら、やはり、想像していた通りなんだなと言う事になる。
友人がその成田にある本社のラボに勤めていたんだが、日に700個くらいの模型調整を連日こなしていたと言うのは、別の記事でも書いた。
協力会社が、つまり、下請けの委託先が140社くらいあると記事やHPでも紹介されているが、委託先でばらばらな模型調整にならぬよう、それぞれが統一した仕様の模型になるように、模型調整や最低限のラボワークの為に本社内にもラボを置いてあるのだろう。
20人くらい働いているとのことだった。
しかしね、保険技工なんて、歯科医師が患者さんの治療で、自分で義歯を印象する事から始めても、制作点数に材料点を足しても、モノによっては原価割れするような低点数が当たり前な状態で、委託技工料がとにかく安くを求められているのに、いくら営業力が大事だと言っても、吸い上げられるマージンなど最初から無いに等しいのだ。
それなのに、業務が成り立ち、Nデンタルなどが業界一位などを標榜できるからくりはどこにあるのだろう。
とにかく、この中間搾取というのは象徴的なもので、それこそが歯科医療業界の構造問題なんだけれど。
そんな無いも同然のマージン、つまりは技工業の利益を、営業という一言で吸いとってしまえば、実際に委託制作に当たっているNデンタルの協力企業、下請けラボだって経営が成り立たなくなるのは必定だと思う。
削れる経費は下請けラボの責任となり、そのラボの歯科技工士が自分の体で経費を負担するしかない。
数をこなす事、非人間的な長時間労働と拘束、中国より多少ましとしか言えない低収入。
現代社会に女工哀史が存在するのかと言えば、あると言うしかないようなね。
誰かがダンピングすれば、他も追随するしかないから、そして、セールスポイントがダンピングしかないから、安くなるばかりだしなればなったで、給料もなくなる。
しわ寄せは若い歯科技工士に転嫁されてゆき、そして今や、歯科技工士の離職は7割とも8割とも言われるようになった。
さすがにNデンタルの下請けも、人を補充できなくなっているだろうか。
この歯科医療業界の構造について、これまで、歯科技工のトレンドばかりを特集してきたQDTが4月号でめずらしくも正面から特集記事にした。
知人から見せていただいたが、歯科医院による委託先ラボへの下請けいじめの実態など、これまで歯科技工の専門誌ではまず、活字にされなかった事が載っている事に、複雑な思いもある。
元クイント編集長の秋元さんも、QDT元編集長の三瓶さんも、こんな実態を今頃聞いた訳じゃないでしょう。
それが、今は特集記事に出来る・・・
遅きに失したとしか思えないけれどね。
20年前に同じ事を言ったとしても、ただの愚痴にしかとってもらえなかった。 無視されたんだよな。
1988年の歯科技工未来の草案も、関わった人たちの努力は、何か大きな鵺のようなものに潰されてしまった訳だし。
今も実態は何も変わっていないし、Nデンタルのような中間搾取営業ラボをここまで肥大化させてきてしまったのも、業界が持つ、後ろめたさと見て見ぬふりにもある。
QDTのような専門誌もそこは同じだったしね。
さて、QDT4月号の特集Part3に、白鳳大学樋口教授がはっきり書いているんだよね、歯科技工士は「女工哀史」の世界です。 と・・・・・・・・。
この特集を読んで、どれだけの人達が次への一歩を踏み出してくれるのだろうか。
Nデンタルはと言えば、国内の委託先を食いつぶしている事を棚に上げて、企業存続に危機感でも感じたのだろうか?
この記事の加藤さんのコメント情報によれば、
さて中国の友人から、中国のラボに、成田デンタル社長が成田デンタルのパンフレットを持って参上し「中国で下請けラボを探している」と言って立ち寄ったとのこと。
さらに、北京のあるラボにも成田デンタルの下請けラボの福岡にある「花水」とか、「島」と言う人間が訪問したと報告もあった。
おいおいとしか言いようがない。
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