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May 12, 2010

歯科医療はギャンブルでも運命でもナイ・・・・・・・・・・

先の記事で紹介した歯科技工士改革委員会の内容に、誤解があったようで皆さんにはご迷惑をおかけした。

しかし、間違った内容ばかりであったと言うよりも、象徴的な存在だったが故の誤解かもしれない。


世の中で何が起きているのかを、底辺から見ている人は少ない。
その場の中に居ても、言うだけの手段も熱意も奪われているのが大半だからだ。

仏陀の塔最新記事によれば、加藤さんが開業したのは25年前なのだそうだ。
実は私も昭和60年に開業したので、あまり変わらない。 

また、技工料金の参考にしたと言う、メタボンの技工料金にしても相場通りで、私など今もって10000円から12000円を維持している。 

加藤さんがその相場価格から、三倍の技工料金に出来た事を、それこそが加藤さんの仁徳や技工への取り組み故なんだろうと思う。


私自身は、なかなかそういう風にはならなかった。
むしろ、価値をあげようにも新規営業をしても、受ける圧力は安くしろと言うような言葉や要求ばかりであって、合わせて保険技工のHCなども4000円でやれば出すぞと言うような反応ばかりであった。

メタボンの最安値と、HCの最高値の価格差はわずか500円。

しかし、相場を維持しているのに精一杯な私などをあざ笑うかのように、メタボンも4800円のモノなどが出回り、HCは3000円台になってしまった。

もしかしたら、25年近く価格を維持してきたこと自体が、僥倖なのかもしれない。
その受注もすでに無いに等しいが。


元より、歯科技工士も人間と、技工や生活にもお金がかかるのだと分かってくれる歯科医師は少ないものです。
今みたいな歯科ジリ貧の時代ではなく、私がこの業界に入った時から、そのような歯科医師である前に人間であった人物はごく少数でしょう。

そう言う人たちが、歯科業界や歯科医療の、色々な意味での二重、三重の構造に目をそむけないでいてほしかったと思います。

抜け出すために努力をしたと言う事は、抜け出さねばならない構造や環境を理解していたと言う事でもあります。

そう言う意味では、抜け出す手助けを考えるのも、歯科技工士改革委員会で書かれていたように、「他の歯科技工士はもっとたいへんやぞ!」と従業員を恫喝するものも、認知していると言う意味では一緒でしょう。

私はそこに目を向けるべきと考えてきました。

歯科技工士の価値を認め、そこから歯科医院の価格設定を言えるような歯科医師は数えるほどしか存在しないでしょう。
大半の歯科医師は、保険制度と自費とを上手く使い、歯科技工に関しては、ホテツの価値ではなく、医院経営上のコストだとしか見ていないはずです。

もちろん、安くする事しか売り物が無いと言う歯科技工士側の問題もあります。
しかし、それで歯科技工が成り立つのか、歯科技工士が生活できるのかと想像するくらいの人間らしさ位は持ち合わせてほしいものです。

関西の仲間から聞きましたが、クラウン10本をやって1万円にもならないと、その仲間は言っています。

話にもならない様ないい加減な模型で、しかも再生料金など存在しない現状ですから、クラウンが500円程度の価値しかないのかもしれません。


国や厚生省は、現状を弄れば、歯科技工士は壊滅すると思っているのかもしれませんが、しなくても潰れていくだけでしょう。

差別化できる売り物が無いこの業界で、ある一定の公的な歯止めがかからないと、本当に歯科医療はお金のあるものだけの医療になってしまうと思っています。

歯科医師にしろ歯科技工士にしろ、抜け出したいと思うのなら、何故、その底辺を直視しないのでしょう。
自費だろうと保険だろうと、技工である事に変わりはありません。
より良い機材と、より良い就労環境で歯科技工を全うできるように考えるべきなのは必然だと思っています。

底辺の底上げと環境改善を、業界一丸で成そうとしなかった事に、歯科技工士の衰退の理由があるような気もします。

抜け出す事ばかりに目を向けても、実は何も良くならないのではないでしょうか。

部分的にその人本人や、周りの何人かは、平均以上の利益や評価を受けられるかもしれませんが、実は錯覚みたいなもので、良くなったと言うより、周りがもっと引っ込んだ、落ち込んだのだと言うにすぎないのではないでしょうか。

特に、貧困層が国民の何割かになり、一般の平均収入がこれだけ落ち込むと、むしろ、歯科技工士は景気に左右されないなどと言う都市伝説が復活するみたいで、石川県の歯科技工士学校のようにそれ自体がおバカなニュースになる訳です。

歯科医療はギャンブルでも運命でもない・・・

ましてや歯大工だと言って自嘲するべきものでもない。

人の生活の支えとなり、寄り添うものとなり、そして私たちも当たり前に歯科技工で生活できるものであってほしい。


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