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May 23, 2010

落ちたのは必ずしも愚像と言う訳ではない。

歯科技工士改革委員会と言うブログから、ある有名歯科技工士さんに対する、相反する意見や見方が出てきています。

しかしこれは、何もたった一人の有名歯科技工士さんにだけの疑問であるとは思っていません。

偶々に、この有名歯科技工士さんがクローズアップされてしまったのですが、問題の本質はやはり歯科医療と歯科技工との特殊性、業界内部の視野の狭さとに矮小さにあるのだと思っています。


学術的、医学的、理工学的とも生物学でも何でもいいのですが、要は、歯科医療とそれを支える歯科技工の学問や技術探求の研鑽とは別に、歯科にはそれを現に行う専門職の待遇や生活の問題、就労問題、そしてお金の問題に対して、正面から向き合うと言う事を為してきませんでした。

それには様々な理由もあるのでしょうが、それを大事な問題だとして向き合ってこなかった事のアウトプットが、猫も杓子もインプラントに狂騒する歯科医師たちの姿であり、一方で20代の歯科技工士が消滅すると言う歯科技工士の歪な年代構成に表れているのだろうと思います。

有名歯科技工士で問題になっているのは、それだけの経歴や実績の持ち主なのであれば、技術や学問とは別に、歯科技工士達の就労問題や悪裂な労働環境、待遇や収入に対しても、技術や学問での成果や実績と同様に何らかの成果をこの業界に残してもいいのではないか、影響力を行使していてもいいのではないかと言う、同義的なものなのですが、この業界で有名な分、件の有名歯科技工士に限らず、多くの有名と言われる歯科技工士達も、有名に或いは、学術や業界での指導的立場になったが故に、その言動には注目も集まり、当然ではありますが個人の立場以上に学術や技術の成果以外にも、業界全体の底上げや歯科技工士の就労環境改善、待遇改善への成果や波及効果を期待されている訳です。


歯科医も歯科技工士も、人間、生活もあれば家族や趣味もあります。
歯科の仕事を行う為にも、収入が無ければやっていけません。

少しでも価値のあるもの、少しでも高く売れるものをと考えるのは、人としては当然のことであります。

そしてその当然の事が、何一つ対策も改善もされてこなかったのが、歯科医療であり皆保険であります。

国民の健康と安心の為に、日本の歯科医療はどうあるべきか、それを支える具現化する歯科医や歯科衛生士、歯科技工士の生活や就労環境はどう在るべきか。
それらを歯科業界として一体となって考える事も、お互いを生かし合う事もしてこなかった事こそに、歯科業界の崩壊、ひいては歯科医療の崩壊が表れているのだろうと思います。


さて、ちょっと考えが飛躍します。

先日、井戸端をお騒がせした「歯科の棘を抜く」スレと、歯科技工士改革委員会ブログでの話題ともシンクロしますが、
今年一月に札幌で行われた第128回北海道歯科技工学術大会での近口研飯塚哲夫先生の講演の聴講記を、拝読し、歯科医は医者じゃ無いという近口研飯塚先生の読み解きはその通りだと思います。

歯科技工士改革委員会での、歯科技工士どうしの一流二流三流さらには四流争いにも繋がる話しだなあと。

そこに、歯科技工士ではない、歯医者だと必死の歯医者という歯科技工士も加わって、傍観者を決め込んでいるが、実は実質身内のあらそい。

ならば堂々と、歯科医ではない歯科技工士の道を進めればよいのでしょう。

案外、これが、日技が目指している事なのかもしれません。
日技の動向をウオッチしたいのですが、日技広報ブログを見てもノー天気な記事ばかりだし、HPに至っては知りたい事など何も無し。

制度的、資格的にどうなるのかは、読めませんが、日技執行部や中西会長の動向を側聞するに、大久保日歯会長との一時的な会談などは表面的な事、日技執行部の目的は、自分たちの歯科技工所を外郭医療機関として位置づけさせる事なのではないでしょうか。
基準満たしたら、医療機関と言う事になるようにして。
日技は歯科医に対して、俺らも医療やってんだよと言える立場が欲しい、勿論、許認可でのもろもろの甘い汁も。

考えてみれば、セミナーだ講習だと有名なお方たちは名前や肩書きで同業者相手にマインドコントロールも同然に金を稼いでいます。
高い上に、飯塚先生がやってるような歯科医を相手にするのでない限り、また、そのような歯科医を相手の技工を行えるのでない限り、なんの価値もない、自己満足かもしれないセミナーにです。

日歯と同様かそれ以上にどうでもいいような、日技生涯研修じゃさしたる旨味はないですが、許認可権が絡めは、日技はその存在意義を復活させられ、実利も得られ、歯科技工士に対する権力も手に入れられると考えてるのではないかと思われます。

有名なお方も日技も、建て前は置いといても、本音は歯科技工で食うより、馬鹿な歯科技工士から金を頂いた方が楽に金儲けができると言う事を、本能的に理解しているのだと思いますよ。

実質的な歯科医療や歯科ホテツで利益が出なくなれば、確実に吸い上げられる所に市場を見出すのでしょうか。 
厚労省も許認可権や天下り利権、そして国民世論に対しては何かをやったと言う建前を出せる。 
どこにも、歯科医療を受診する側、提供する側の事など眼中にないのですね。

有名歯科技工士さんの話題が、とんでもないところに飛んでしまいましたが、要は、歯科医療として歯科医療者の確かな生活の基盤の上に、国民の口腔や歯の安心や安全が担保されるのだと言う事を、日本の歯科医療の指導者たちも、一人ひとりの専門職、歯科医療者もはき違えてしまったのだと思っています。

技術や学問を究めれば、評価は後から付いてくると考えてきたのですが、実はそうでもなかったという事が、有名歯科技工士さんの話題に集約されているようなものです。

今年の10月にも、クインテッセンス社主催の国際歯科大会が行われます。
演者にはこの業界のそうそうたる面子、カリスマ的な有名人がずらっと並んでいますが、このような大会を見る限り、歯科が崩壊しているとか危機的状況なんだと受け止める国民は、一人も居やしないでしょう。

そして、そこで話され発表される事が、大半の国民には縁の無い話なのだとはなかなか理解されないでしょう。

大方の演者は、その立場上、歯科医療への貢献、業界への貢献を誇るのでしょうが、それがなんだと言うのでしょうか。
国民の願う、歯科医療への貢献などそっちのけで、同業者間で盛り上がっているとしか思えません。

国民に伝えるべき事、そして本当の意味での国民や業界への貢献を、この業界の指導者の方々、有名な方々に今一度お考えいただきたいなと思います。

それと、仏陀の塔、加藤さんがブログを閉鎖します。
長い間、技術だけではこの業界に明日は無い事を、仏陀の教えと共に伝えてこられました。
閉鎖は残念ですが、「歯科は一科」を私たちが夢見る限り、体調を整えてまた戻ってきてくれるものと期待します。


また、私が昨年8月にHPに公開した一文が、最近二つのブログで紹介されています。
わざわざご覧いただきありがとうございます。

続文も考えていますが、案外、このブログ記事の数々が、それに当たるんじゃないかと思っております。


そうそう、タイトルの心をひも解けば、一人の有名歯科技工士のメッキがはがれたと言うのではなく、歯科医療業界のメッキが剥がれたと言う事なんです。


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Comments

G3様、示唆に富んだ興味深い論考、いつも拝読させていただいている者です。
しばらく更新がなかったもので心配しておりましたが、更新がありホッとした者は、おそらく小生だけではないでしょう。

今後もご自愛のうえ、迷える小生のような技工士のためにご健筆を奮われんこと、切にお願い申し上げます。

Posted by: 須藤哲生 | May 24, 2010 at 09:36 AM

須藤様>

お気づかいありがとうございます。

私も迷える気持ちを、何かで紛らわせたくて書いているところがあります。
存在の不安が歯科技工士にある、覆い尽くしているのだと思います。

現実に保険技工の消滅が、国内歯科技工士の存在を消そうとしているかのようです。
私たちは業態転換を真剣に考えるべき時かもしれません。 

間に合うかわかりませんが、これまで歯科医療の礎として心血をささげてきた先輩同輩諸兄に、なんらかの希望や後押しがあってしかるべきだと思っています。

Posted by: G3 | May 24, 2010 at 01:56 PM

歯科技工士改革委員会というブログ、アクセス出来なくなりましたね。ということは、真実が書かれていて広まったり同調されたり、何かしらの動きがあると困るどこかの誰かの力でしょうか?

Posted by: サリー | September 16, 2010 at 08:54 AM

サリー様>

ブログのアクセスは出来るようです。
病気などもあり、心配はしているのですが。 
けっして私たちは一人ぼっちでは無い。
サリーさんの気持ちも伝わると思います。

Posted by: G3 | September 17, 2010 at 02:42 PM

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