◎「日本一新運動」の原点―12(臨時増刊)
◎「日本一新運動」の原点―12(臨時増刊)
日本一新の会・代表 平野 貞夫
民主党代表選挙に小沢一郎氏が出馬する可能性が強まるにつれ、
党内外から暴論・珍論が噴出している。「検察審査会の結論が出
る前に出馬すべきでない」という意見だが、これがマスメディア
も交えて「小沢排除」の世論づくりに利用されている。
そこで、坂本龍馬の「四観三元論」を活用して、西松・陸山会
問題を私の立場で総括しておく。
(西松・陸山会問題の真相)
今年4月、私は『小沢一郎完全無罪』(講談社刊)を緊急出版
した。その目的に、自民党政権と特捜検察、そして巨大メディア
がタッグを組んだ「検察ファッショ」であり、これでは日本の議
会民主政治は崩壊すると警告しておいた。
特捜検察は、西松事件で一年間にわたり10億円を超えると言わ
れる税金を使い、総力を挙げて小沢一郎を逮捕起訴すべく捜査を
行った。結果は、逮捕起訴できず、政治団体「陸山会」の収支報
告書の虚偽記載で、秘書を逮捕起訴した。従来の政治資金規正法
の運用では、問題にされなかったことだ。起訴となった案件につ
いて総務省の担当から何の注意も行政指導もなかった問題である。
しかし、敢えて強制捜査を行ったのは、特捜青年将校の暴走で
ある。官僚支配政治を改革し、検察の特権を縮小しようとする小
沢一郎を葬ろうとする政治的謀略であった。さらに、麻生元首相
らが、政権交代を阻止するために「指揮権発動的」なことを行っ
たが、それでも賢明な国民は、昨年8月の総選挙で、政権交代の
民意を明確に表明した。
そして本年1月、特捜は水谷建設がらみで石川知裕衆議院議員
(元秘書)を逮捕し、小沢の「政治とカネ」は新しい事態を迎え
る。月が変わった2月4日、特捜は「小沢不起訴」を決定した。
これで一段落かと思いきや、翌5日には、ある人物たちが地検
判断を不服とし、東京第五検察審査会に「審理の申立て」を行っ
たが、あまりにもその手際の良さというべきか、事前に謀られた
と邪推すべきか、胃の腑に落ちない思いをするのも私一人ではな
いだろう。
そして4月27日、「起訴相当」を全会一致で議決し、小沢を
「絶対的独裁者」と、その理由書に書いたことが話題となり、小
沢の「政治とカネ」が再びメディアからの攻撃の標的となる。
私は「指揮権発動的行動」の傍証を得ており、5月22日、高
野孟氏が主宰する、「The JOURNAL」に『西松事件・大久保秘書逮
捕の真相を究明すべし!』を寄稿した。これはネット上で大反響
を呼び、その余韻は今でも残っていて、グーグルで検索すると、
3万件強もヒットするとのことである。
実はこの問題に関して、6月2日は民主党の「司法を考える会」
に招請され、詳細な説明を行う手筈になっていたが、折悪しく、
鳩山首相の辞意表明で会合は中止となった。
話題の中心は「第五検察審査会」の奇っ怪な動きである。いず
れ真相は明らかになろうが、専門家が現在問題にしていることを
紹介しておく。
1、「申立て」を行った人物は、反社会的活動団体所属で、受理
したことそのものに問題があったこと。
2、市民代表の審理補助員に、米澤俊雄弁護士という人物を選任
した経緯や行動に問題があるといわれている。
漏れ聞くところによると、関係当局は検察審査会のあり方を含
め、小沢問題の処理に困惑しているとのことである。
以上が「西松・陸山会問題の真相」であり、「検察審査会の実
体」である。
小沢一郎の代表選出馬について、渡部恒三前顧問、岡田外相、
蓮舫大臣らが検察審査会がらみで、小沢氏の出馬を妨害・阻止す
る発言を繰り返しているが、じつに滑稽である。さすがに原口総
務大臣が「推定無罪の原則が民主主義の鉄則だ」として、検察審
査会の政治利用を批判している。
認知症が心配されている渡部老人の発言は評の外に置くとして、
岡田外相と蓮舫大臣の発言は憲法に違反する。このことは、彼ら
よりも数倍の年月、そして、彼らよりも深く、強く憲法と向き合
ってきた私からの警告でもあることを明記しておこう。
国民から多数の負託を受け、聡明であるべき民主党国会議員が、
これらの讒言に影響されるようでは近代政党とはいえないし、負
託された国民への裏切りであることも明確に指摘しておく。
(小沢氏が「政治とカネ」で追求される理由)
小沢氏は、田中角栄、金丸信、竹下登の後継者といわれる負の
遺産を背負いながら、自民党政治を崩壊させてきた。その恨み・
辛みと、嫉妬の固まりが虚像となって、いわれなき攻撃を受けて
いるのが、「小沢攻撃」の本質である。
小沢一郎の政治資金についての考え方は、父親・小沢佐重喜氏
の信念に基づいており、誠実に法を守っている。政敵やメディア
が報道するのは断じて事実ではない。政治団体が不動産を購入す
ることも、法に基づいた浄財の有効活用のためであり、俗説に惑
わされるべきではない。
「政治とカネ」で小沢氏が批判される切っ掛けとなったのは、
平成12年4月、自由党が保守党と分裂した時である。政党助成
金を含む党の資金を保守党にも分配するという小沢党首の意向に、
私が強く反対して分配できなかったことがその要因である。
強い批判を受けたが、すべて自分の責任として一切弁解しない。
こういうことが誤解されて、メディアの標的になり続けているの
である。
(民主政治を危うくする情報操作)
8月23日の夜から、小沢一郎の代表選出馬はないとの情報が
流され始めた。菅支持派からのもので、鉢呂氏を入閣がらみで選
対本部長にすることで旧社会党を取り込んだ。仙石官房長官と川
端氏の関係で旧民社党の支持を取り付けたというものだ。
これに影響されて、各メディアも口を揃えて「小沢の出馬はな
い」とのコメントを始めるようになったが、これほど議会制民主
政治を冒涜するものはない。このメルマガで幾度も述べてきたが、
代表選挙は理念・政策で争うべきであり、旧来の手法である人事
で離合集散をくり返せば、これこそ官僚支配に終始した自民党政
治の復活でしかない。
菅民主党政権が発足して約3ヶ月、この間、政権交代の党是を
放棄し、官僚支配の自民党政治より一層悪質化した。代表選挙は
菅政権のままで、国家と国民の存立ができるか否かを問う唯一の
機会である。
この情報操作に関しては、植草一秀氏も自身のブログで何度も取り上げています。
いかにこの国のマスコミが偏向しているかがうかがえます。
それと、先日の小沢塾での小澤さんの講演内容を、日々坦々氏がブログに書き出してくれています。
聴覚障害の私には感謝の言葉しかございません。
勝手ながらご紹介させていただきます。
ぜひ一読願います。
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