これからの日本はどこに! 戸田邦司
これからの日本はどこに!
日本一新の会顧問 戸田邦司
民主党代表選も、いよいよ投票日を迎えた。候補者二人の政策
もある程度見えるまでになったように思われるかもしれないが、
問題は、政策そのものの他に二点あって、第一点は具体性がある
かどうか、第二点は実行する力量・胆力があるかどうかが問われ
ている。
いま喫緊の円高問題にしても政府が何か手を打った気配は感じ
られないし、政府部内で検討された形跡も全くない。野田財務大
臣は記者会見で「極めて注意深く見守って行きたい」とのことで
あったが、見守るけれども何もしないと顔に書いてあったし、菅
総理は「場合によっては断固たる措置をとることも考えている」
といいながら「断固たる措置とは何か」との記者の質問に、何も
答えられず、不謹慎にも愛想笑いをするばかり。
円高は、私が再建した会社にとっても、一円上がると決算にど
のような影響があるか判っているだけに、怒りがこみ上げる思い
であった。がその前に、あの、つかみ所のない愛想笑いは、何だ
ったのだろうかという不快な思いが頭から離れない。
菅総理は、菅流第三の道を求めて、強い経済、強い財政、強い
社会保障と言い、一にも二にも三にも雇用と絶叫するが、何の具
体性も無く可能性も極めて低いことに虚しさを感じるのは、私一
人ではあるまい。「強い社会保障」とは何のことやら。国民が望
んでいるのは、「確かな社会保障」であって、消費税に言及する
なら、少なくとも確かな社会保障制度の枠組みぐらいは、示さな
ければならないはず。
かつて、私は日本一新運動の創世記に、平野代表とともに自由
党政調の副会長として、「日本再興へのシナリオ」なる党の基本
理念と総合政策の作成に参加した。時の自由党党首であった小沢
一郎氏は、80頁にも及ぶ原稿の全ページに、ペンで詳細なコメ
ントを書き込んできた。
今回の代表選まであまり知られていなかったが、政治家として
は当然のことながら、政策の議論は飯よりも、酒よりも、何より
も好きである。そして、導いた結論にはこだわる。コロコロと変
わることなどはありえないから、時に始末が悪いこともないわけ
ではなかった。
私は、政治にかかわって以来、政策は政治の基本であり、政党
の命であると信じてきた。ここで言う政策とは、党の綱領なり基
本理念なりを確立した上での国民との約束事である。それだけに、
12日のテレビでの細野豪志氏の、党の綱領作成の必要性の発言
は重く受け止めたい。ある意味で、綱領作成の成否は、民主党の
今後を占うリトマス試験紙でもあるから。
野党時代の民主党では、自由と称して勝手気ままな発言が許さ
れていたと思う。しかし、政権政党となったいまは、許されるべ
くもないことである。が昔の勝手気ままさに対するノスタルジー
は忘れがたく、政権政党の責任などどこ吹く風、菅総理の独断で
消費税発言に至ってしまったと観るのは誤りだろうか。その責任
追及もほとんど無いままによしとしたのだから、またぞろ宿痾の
如く次の問題をひきおこす可能性も高いと見なければならない。
とすれば、それこそ、本人の為にも、党の為にも、国民の為にも、
国家の為にも、代表には当選しないで頂きたいと願うのは当然で
はなかろうか。
巷間、就任三ヶ月で総理を変えるのは如何なものか、という情
緒的な義論が盛んである。一方、政策論では小沢氏がはるかに勝
っていると。だとするなら、ここで問題にすべきは、国家国民の
為に、よりよい政策を可能にする人物を選ぶべきで、現代に生き
る政治家なら、そこには好き嫌いや情緒論が介在する余地はない
はずだが、民主党国会議員諸君の良識に期待する。
14日朝の配信でした。
申し訳ない事に当日はPCをチェックせず、ご紹介ができませんでした。
代表選の結果は、戸田氏の願いと言うか、実際は危惧されていたのでしょうが、国民にとっては本当に残念な結果になってしまった訳です。
この代表選に勝ったのは、菅氏と言うより植草さんが言う、悪徳ペンタゴンの勢力だと言うべきでしょう。
実際、内閣改造で早速官僚支配の典型とも言える片山氏の総務相起用が決まったようですし。
これで、日本売りが更に加速しそうです。
仙谷官房長官の為替82円発言も、失言と言うより確信犯でしょう。
自国の経済を立て直したいのは何も米国だけじゃない。
それなのに、日本が円を守ろうとすると早速横やりを入れてくる米国。
だったら米国債を売り払えばいいんです。 紙くずでしかないはずですが。
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