「国民の生活が第一。」の政見政策
「国民の生活が第一。」の政見政策
1、基本方針
日本は今、日本人の誇りであった「経済大国」という言葉が空
しく響くほど経済が停滞を続け、一方では、就職できずに人生に
絶望している若者や、自ら命を絶つ人たち、行方の知れない高齢
者が相次ぎ、社会が急速に崩壊しつつある。そのような閉塞感の
打破を国民に約束した昨年の総選挙のマニフェストと政権交代の
原点に立ち返り、総選挙マニフェストを誠実に実行することに全
力を挙げる。
それにより、すべての国民が安心して安定した生活を送り、日
々の暮らしに夢と希望を取り戻すことができるようにする。
まず、「自立と共生」の理念と「国民の生活が第一」の原則に
基づいて、政治、行政、経済、社会の仕組みを一新し、国家予算
207兆円の全面組み替えを断行する。もって、行政の無駄を徹
底的に省き、マニフェスト実行の財源に充て、日本経済、国民生
活、地域社会を再生する。特に、あらゆる分野で日本型セーフテ
ィネットを構築しつつ、外需に頼らない成熟した経済・社会を実
現する。そのために、民主党内の全員の力はもとより、党派を超
え、官民を超えて、国民の総力を結集する。
2、日本経済の再生
(1)急激な円高に対処するため、緊急経済対策用の予備費とし
て平成22年度予算に計上している2兆円(国庫債務負担行
為を含む)を直ちに全額執行し、住宅ローン供給の円滑化、
エコポイントの延長、学校・病院の耐震化をはじめとする
景気対策を実施する。
(2)円高効果を生かす一方、今後の急激な円高については、日
本経済を守るために、市場介入を含むあらゆる方策を果断
に実施する。
(3)国の「ヒモつき補助金」を順次全て地方への一括交付金に
改める。
(4)高速道路の建設は今後、国が建設費を支援して都道府県が
自ら行うことのできる仕組みを創
設する。それにより、全国の高速道路網を速やかに完成さ
せる。
(5)緊急経済対策と補助金の一括交付金化、地方自治体による
高速道路の建設などにより、地方の雇用を安定的に増やし、
地方経済を活性化させることで、日本経済再生の起爆剤と
する。
3、国民生活の再生
(1)全ての国民が同じ年金に加入する年金制度の一元化を実施
し、最低保障年金(月額7万円)と加入者の報酬比例年金
という2階建て年金制度をスタートさせる。それとともに、
国民健康保険、介護保険、生活保護は実施を全て地方自治
体が行っている実態を踏まえ、社会保障関係費としてまと
めて地方に交付する。これにより、各地方の実情に応じて、
かつ地方の知恵を生かして、より効果的な福祉が行える仕
組みに改める。以上の制度創設に向けて国民的議論をおこ
し、年内に具体的方針を示す。
(2)地域の中核的な病院に必要な機能を集約し、病院・診療所
間のネットワークを構築することで、地域医療を再生する。
(3)子ども手当ては、子育てをめぐる厳しい家庭環境に最大限
配慮し、平成23年度に現行の月額13.000円から20.000円に
引き上げ、平成24年度から満額の月額26.000円を支給する。
4、地域経済・社会の再生
(1)「ヒモ付き補助金」の一括交付金化によって、地域のこと
は地域で決める真の地方分権(地域主権)を実現するとと
もに、地場産業を活性化させ、地方の雇用の場を拡大する。
(2)人口規模や集積力の大きい地方都市を中核都市(基礎自治
体)と位置づけ、そこを中心に医療・介護・福祉のネット
ワークを整備し、地域に密着した新たな成長産業として育
成する。
(3)日本の技術の宝庫である中小企業に対し、国内外での活動
を積極的に支援する。
(4)一次産業の安定と地場産業の活性化を図り、食糧自給率を
向上させるため、農業の戸別所得補償を拡充するほか、漁
業についても平成23年度から段階的に所得補償を導入する
とともに、農林漁業と加工・流通の一体化を促進する。
(5)農林漁業を再生し、中核都市を整備することで、都市と自
然の共生という形で、均衡のとれた地域再生を実現する。
5、行政および政治の改革
(1)国家公務員の天下りは全面的に禁止する。
(2)公務員制度の抜本的改革を実施して、公務員が誇りを持て
る処遇をし、公務員に労働基本権を認める。また、地域主
権の実現に合わせて、国家公務員の定数を削減し、地方公
務員への移転を進める。
(3)地域主権の確立に伴い、国の地方支分部局は廃止する。
(4)独立行政法人、特殊法人と特別会計は必要不可欠なものを
除き廃止あるいは民営化する。またそれらの関係団体(公
益法人、関連会社等)も原則として廃止あるいは民営化す
る。
(5)政府・与党の一体化を進めて、内閣の機能を強化し、国民
主導の政治を実行する。
(6)国会の機能を強化すると共に、官僚答弁の禁止等により国
会も国民主導の仕組みに改める。
6、責任ある外交の確立
(1)日米同盟は最も重要な2国間関係であり、一層緊密な協力
関係を構築する。同盟関係は従属関係ではなく、対等のパ
ートナーであることから、日本は国際社会において、米国
と共に今まで以上にその役割及び責任を分担する。
(2)日韓、日中関係は日米関係に次ぐ重要な2国間関係であり、
長い関係史を踏まえて、政治、経済、文化等あらゆる分野
で協力関係をさらに深める。
(3)日中韓3カ国の協力を前提として、環太平洋諸国も含む東
アジア共同体構想を推進する。
(4)日本の平和と世界の平和を維持するため、日本国憲法の理
念に基づき、国連を中心とする平和活動に積極的に参加す
る。
(5)米軍普天間基地移設問題は、沖縄県民と米国政府がともに
理解し、納得し得る解決策を目指して、沖縄県、米政府と
改めて話し合いを行う。
7、新しい公共
明治以降の国家形成の過程で、「公共」イコール「官」という
意識が強まり、中央政府に権限や財源が集中した。その結果、社
会や地域のつながりが薄れひとりひとりが孤立しがちな社会とな
った。「新しい公共」とは、人や地域の絆を作り直し、支え合い
と活気がある社会をつくるための自発的な共同作業の場のことで
ある。NGOやNPOをはじめ、ボランティアや企業の社会貢献
活動を積極的に支援するとともに、政府の持つ情報もできる限り
開示する。
The comments to this entry are closed.
Comments