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October 04, 2010

◎「日本一新運動」の原点―20

◎「日本一新運動」の原点―20                   
        
              日本一新の会・代表 平野 貞夫

(国の悲劇を導き始めた菅政権)

 この度の、尖閣列島をめぐる中国漁船船長の逮捕から釈放にい
たる事件は、菅民主党政権の無知と無能を世界に露呈したもので
ある。外交・内政とも、憲法にかかわるさまざまな問題で、多く
の国民に、この政権に政治を託してよいものか否か、大きな疑問
を持たせたといえる。

 誤解のないように言っておくが、私は尖閣列島は明確に日本の
領土であり、日本の領有権を犯す問題については毅然とした態度
を貫くべきという立場である。一方、中国は諸々の理屈をつけて
領有権を主張し、日中間の未解決の最大問題で、これが東アジア
を不安定にしている問題であることも衆知のうえである。さらに、
昨今の日中関係は、経済面において相互依存度が高く、一体的に
競争と協力で動いている現実も承知している。
 尖閣列島をめぐる紛争は、油田開発を始めとして、これまでも
しばしば発生しており、これからもさらにエスカレートしていく
だろう。今回の中国漁船の海上保安庁巡視船への衝突事件は、過
去にない異常なことであったようだが、日本政府や中国政府の問
題処理に、両国ともに相互に異常なものがあり、将来に禍根を残
した。中国側にも言いたいことは山ほどあるが、まずは日本の菅
政権の問題点を指摘しておきたい。

 民主党で偏差値が高く権勢欲の強い連中に共通していることは、
密室・根回し政治を嫌い、国民に見えるよう公開の政治に拘り、
「小沢排除」の理由の一つにしてきた。政治という超化け物に対
応するには、この発想で対処できるものでないことは子供でも知
っている。まして外交、なかでも紛争をかかえる隣国との問題は
さまざまな、智恵と駆け引きが必要である。
 今回の事件で中国側は、過去の例を前提にさまざまな駆け引き
で問題の処理を打診したが、日本側は受け付けず、漁船々長の逮
捕拘留という方法で対処した。事件の実体から推測すれば、当時
の前原国交大臣の指示で行ったものであろう。逮捕拘留となれば
日本の刑事法規で問題の処理を行わなければ、日本国の秩序維持
システムに関わる重大問題となる。それなのに、中国側の異常な
圧力によって、船長を起訴するかどうかの捜査中に、沖縄地検が
処分保留として釈放した。

 問題の第一は、前原国交大臣(当時)の船長逮捕の指示が、国
政の総合的立場から見て適切であったかどうかということだ。私
は安保右翼の個人的思考を強く出し過ぎたもので、政治的には間
違っていたと思う。現今の中国の政治状況を観察すれば、初期に
政治的配慮があって然るべきであった。しかし、国内法にもとづ
いて「粛々と対処する」と、何回も公言して拘った以上、捜査中
に釈放したなら、前原氏は外務大臣に交代したとはいえ、自己の
意志が曲げられたものであり、政治責任は重大で、自ら辞任すべ
き問題である。

 第二の問題は、沖縄地検の「処分保留で釈放」という決定に、
政治介入があったかどうかという問題である。菅首相以下の政府
高官たちは、異口同音にに「政治介入はない」と否定しているが、
これを信じる国民は誰ひとりとしていない。国民の誰もが信じな
いことを、政府首脳が繰り返し公言するという、日本国の不可解
極まる実体を、国際社会はどう受け止めているだろうか。
 今回の問題で、岡田民主党幹事長は「中国は民主主義国家でな
い」(9月26日TV)と放言したが、「日本は民主主義国家か」
と追求されたとき、なんと答えるか。形だけ民主主義の格好をし
て、中味が政治の本質に気がつかず、形式論理と言葉と数字だけ
で人間を支配できると思っている多数の政治家、巨大メディアに
洗脳され白痴化した大衆の世論調査と検察の独善で政治が行われ
ている日本、この国を民主主義国家ということはできない。
 沖縄地検は「わが国の国民への影響と今後の日中関係を考慮し
た」と釈放理由を発表した。国民から批判が起きると、仙谷官房
長官は「起訴便宜主義からいっても適切だ」と、沖縄地検の発表
は検察の権限として了解した。国会の関係委員会でも政府側は、
口をそろえて「政治介入」を否定した。しかし、政府部内から、
政治からの介入がさまざまな形であったことを証明する話が出て
いる。

 菅民主党政権の特徴は、政権運営でも国会運営でも、司法手続
きの発想で動かしていることだ。弁護士の国会議員が多いせいか
も知れない。司法の役割と政治=立法の役割とは異質である。中
国船長の「処分保留で釈放」の決定理由は、誰が考えても検察権
の権限外の問題で、超法規行為である。これを断行するなら、菅
内閣総理大臣の「政治決断」で行われるべきであり、菅首相自身
の言葉でその理由を国民に説明する責任がある。
 国民に真実を隠し、「政治介入」を否定し続けている菅首相は、
嘘を重ねて政治を行っているといえる。国民に嘘を言い続ける政
治の結末はどうなるか。国民と国家の悲劇でしかない。

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