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October 07, 2010

反小沢の背景にある冷戦思考の呪縛 日本一新の会 達増拓也 (岩手県知事)

◎反小沢の背景にある冷戦思考の呪縛

日本一新の会 達増拓也
(岩手県知事)

 検察審査会が小沢一郎氏の強制起訴を議決した。陸山会問題は
石川、池田両氏の逮捕・起訴の妥当性すら疑わしいものであり、
会計責任者だった大久保氏の起訴は、厚生労働省の村木局長事件
をでっち上げた前田検事の取り調べによるものである。検察の暴
走以上の暴走を、検察審査会がやってしまった。
 検察審査会に申し立てを行ったのは、「在日特権を許さない市
民の会」の代表であると、本人がブログで公表している。ブログ
によると、「小沢一郎という巨悪を眠らせてはいけないこともあ
りますが、外国人参政権実現のために誰よりも積極的なこの民主
党大物政治家の動きを止めなければならないからです。」とのこ
とであり、政治的目的のための申し立てであった。

 そもそも、西松事件、村木事件、陸山会事件と、検察特捜部が
無理をしてまで小沢氏やその関係者(村木局長は石井一参議院議
員を介して関係するという見立て)に罪を着せようと暴走したの
は、どんなことをしてでも政権交代は阻止すべき、小沢一郎首相
の実現は阻止すべき、という空気が検察組織を取り巻いていたか
らではないか。去年の春頃には、麻生首相も民主党のマニフェス
トをバラマキと批判し、「小沢一郎は社会主義者になった」と公
言していた。首相が先頭に立って、小沢氏を保守主義の敵、日本
の敵とみなす異常な空気を日本国内に広げていたのではないか。

 いわゆる保守主義者、愛国者が小沢氏に罵詈雑言を浴びせ続け
ている一方で、左翼的な立場からは、小沢一郎氏は自民党的な古
い政治家でダーティであるというバッシングが続けてられている。
右からも左からも叩かれるのである。

 実は、小沢一郎氏は、自民党幹事長だったころから、ポスト冷
戦=冷戦後の日本のあるべき姿を真剣に考え、脱冷戦構造をめざ
す改革を強力に追求してきた一番の政治家である。小沢氏は新進
党時代から世界各国の自由党の集まりである自由主義インターの
会議によく参加していた。英国の今の自由民主党の系列であり、
権威主義でなく、社会主義でない、という路線。ブレア労働党の
「第三の道」を先取りする路線であった。規制改革と社会保障の
充実、地方分権、国連中心の安全保障、等々、右と左の対立とい
う冷戦時代の枠組みを超えていく改革を小沢氏は目指してきた。

 グローバル化でますます不安定になる経済社会に対応するため、
市場メカニズムを尊重しつつもセーフティネットを強化する、右
と左の合わせ技。日本の自民党が政権を手放すことになったのは、
セーフティネット強化は社会主義的で良くないという冷戦思考の
呪縛にとらわれ、右であることにこだわり、みすみす格差社会化
を招いた事が本質的原因だったのではないか。

 一方、民主党で反小沢のスタンスをとる議員たちは、市場原理
主義的な小泉-竹中路線に共感し、国民生活を守ることよりも財
政再建を前面に押し出す向きがある。安全保障政策では、冷戦時
代の日米同盟を維持できればよいという、対米従属的な姿勢が強
い。政策面では右なのだが、保守政治家の行動様式を忌み嫌い、
小沢氏にダーティのレッテルを張る点では左である。

 このように、冷戦時代の左右対立の思考にとらわれ、アンチ左
とかアンチ右とかを行動原則にしている者たちが小沢バッシング
に走るのだが、日本の政界関係者の多くがこのように動く。また、
日本のマスコミや言論界も、左右対立の図式に乗っかって商売を
する傾向が未だに強く、マスコミが右からも左からも小沢バッシ
ングをするという異常事態が発生する。マスコミ論調=世論とし
て迎合を旨とする者たちも多く、その中での今回の強制起訴騒ぎ
である。

 これは、日本に一番必要な改革路線を一番真剣にやろうとして
いる小沢氏を、寄ってたかって引きずり降ろそうとする、日本に
とっての最大不幸である。
 小沢氏は、元自民党の政治家であれ、元社会党の政治家であれ、
それぞれのいい所を合わせてグローバル時代に対応していけばよ
いとしており、排除の論理の正反対である結集の論理で動いてき
た。一貫して、改革の旗の下に多数を形成する努力をしてきた。
しかし日本で人気があるのは排除の論理である。アンチ左、アン
チ右、そして反小沢。何かに反対し、攻撃することで自分を売り
込む手法。そういう人たちが偉くなり、頂点を極める日本である。

 レミングの集団自殺のように破滅に向かって狂奔する日本。し
かし、「オザワ現象」を巻き起こした、自分で見聞きし自分で考
え自分で判断する日本国民は、未だ少数ながら確かに存在する。
「オザワ現象第二ステージ」で強制起訴騒動を乗り越え、脱冷戦
=日本一新の改革へとつなげていかなければならない。

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