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December 15, 2010

◎「日本一新運動」の原点―31 日本一新の会・代表 平野 貞夫

「日本一新運動」の原点―31                     

                     
                    
              日本一新の会・代表 平野 貞夫

(議会民主政治を壊す「小沢叩き」)

 11月30日(火)、選挙管理委員会は政治資金収支報告を発
表した。マスコミはこぞって小沢一郎氏関係の収支報告に問題あ
りとして、一面トップ扱いで「小沢叩き」を展開した。「法律違
反ではない」と断っているものの、緊迫した政局の中で検察審査
会の憲法違反の議決が始まろうとするとき、マスコミが、政党政
治のイロハを知らない学者や、反小沢の政治家を総動員しての、
「小沢排除」の展開である。
 政治資金規正法に基づいて、適正に報告したことに対しての個
人攻撃であり、この国の民主主義の不健全さには呆れはてる。

 問題のポイントは二つある。

1、平成6年に新生党が解党したとき、「改革フォーラム21」
  に移された資金のうち、4億7900万円の立法事務費(税
  金)が含まれていた。税金から流れた資金を個人の支配下で
  活用することは「小沢錬金術」といえる。
2、「改革フォーラム21」が、昨年7月の衆議院解散のとき、
  民主党岩手県第四総支部を経由して、陸山会に3億7000
  万円を移し、そこから91人の候補者に配分したことは、資
  金を迂回させたもので問題がある。

 私は、平成19年3月から昨年10月まで、「改革フォーラム
21」の会計責任者であったことから、知っていることについて
説明しておきたい。その前に、「改革フォーラム21」とは何か
を、国民に理解してもらう必要がある。

(「改革フォーラム21」の歴史など)

 平成元年4月25日、当時の竹下登首相はリクルート事件の責
任をとり、退陣を表明した。その際、自民党政治改革本部(本部
長・伊東正義氏)がまとめた『政治改革大綱』を提示して、「政
治への信頼回復のため、これを実現して欲しい」と、自民党に要
請するとともに、国民への公約とした。
 同年8月に発足した海部・小沢政権が、竹下首相の公約を受け
て「政治改革」に着手する。ところが、言い出しっ屁の竹下首相
がこれにブレーキをかけてくる。その結果、海部内閣の政治改革
は失敗した。
 海部首相が退陣し、宮沢喜一氏が首相に就任し「政治改革」を
公約するが、その最中に、竹下経世会は分裂する。
 マスコミは「小渕と小沢による、猿山のボス争い」と酷評した
が、真実は「政治改革をめぐる理念」の闘いであった。改革を主
張する羽田孜と小沢一郎らが、経世会を離脱し「改革フォーラム
21」を結成することになるが、それまで参議院で無所属でいた
私も参加した。
 平成5年6月、宮沢内閣は公約した「政治改革」を放棄する。
「改革フォーラム21」に所属する衆議院議員は、野党提出の、
「宮沢内閣不信任決議案」に賛成し、可決となり衆議院は解散と
なる。そして「改革フォーラム21」の四十名の衆参国会議員が、
全員で新生党を結成した。そして非自民細川連立政権樹立の主役
を果たすことになる。
 平成6年6月、非自民細川連立政権は崩壊し、自社さ政権が成
立する。それに対抗して同年12月に「新進党」が結成される。
同時に、新生党は解党となる。その生みの親、「改革フォーラム
21」の基本理念は「真の議会民主政治の実現」と「日本改造計
画の実現」であった。
 新生党を解党した際、その政治理念実現のため政治団体の「改
革フォーラム21」に資金を移すことになった。新進党に参加し
た「民社党」も解党し政治団体「民社協会」に同じような対応を
している。政党の結成や解党には、支援組織との関係もあり、こ
のような対応がしばしば行われている。

(「改革フォーラム21」への疑問に答える)

 毎日新聞やTBSらのマスコミは、平成6年に新生党に入った
税金(立法事務費)4億7900万円が、「改革フォーラム21」
に移されたと、意図的に誤解させる報道をしたが、とんでもない
ことだ。前回のメルマガで説明したように、立法事務費は衆参両
院の会派の立法活動に使われるものである。取り扱いは、一旦、
党の収入として、その後両院の会派に配分する方法がとられてい
る例が多い。さらに国会活動に幅広く活用されることが認められ
ており、各党がその方法で運用している。
 各党とも税金である立法事務費は年度内に使い切るという考え
で対応しており、新生党も当該の年度に使い切るというやり方で
あった。
 「改革フォーラム21」は、新生党の前身であったことから評
価も高く、新生党からの寄付以外に小沢氏を支援する団体からだ
けでも、3億円を超える寄付があったと、当時の会計責任者から
聞いているし、政党助成金制度はこの時期はまだ施行されていな
かった。
 活用については「国家と国民のため、真の議会民主政治を実現
する」ことが、関係者のコンセンサスであった。その後、新進党
での内部対立から政党の分裂・結成が続き、政権交代による健全
な議会民主政治の確立が、国民的課題となった。昨年の衆議院選
挙は、まさに国民の意思による政権交代が行えるかどうかの、天
下分け目の選挙戦であった。「改革フォーラム21」の理念が活
かされる機会が、ようやく到来したのだ。
 次に、「改革フォーラム21」の資金を、岩手4区総支部を経
由して、小沢氏の資金管理団体である「陸山会」に迂回させたこ
とが問題だとの批判がある。「改革フォーラム21」の歴史と理
念、そしてさまざまな政治変化の中で、これが適切だと判断した
ものであり、批判を受ける筋合いのものではない。さらに「陸山
会」から91人への配分を見れば、小沢氏の私物化ではないこと
も明かではないか。

(岡田幹事長の政治感性は正気か?)

 岡田幹事長は「新生党の残金は、国に返納するか寄付すべきで
ある」との発言を繰り返しているが、これは違法の疑いさえある
「暴論」である。それよりも、政党政治の原理と実態を理解して
いないことの証明である。政党はきわめて複雑な状況の中で、結
成されたり解党したりするものだ。そのため議会民主政治の原理
の範囲で、柔軟な規制の制度がつくられるようになっているので
あり、それを理解すべきだ。
 「改革フォーラム21」を結成した頃、小沢氏は私に「船田元
や岡田克也を立派な指導者に育て、トップリーダーにするのが僕
の役割だ。二人に政治の厳しさを教えるのが、平野さん、あなた
の仕事だ」と言っていた。それらの資金は岡田政権をつくるため
との発想もあったと思う。先輩政治家の思いを感じることのでき
ない形式主義者では、政治家としての資質に欠ける。
 臨時国会が終わって、岡田幹事長が悪霊に憑かれたように動き
出したのが、小沢氏の国会招致である。狙いは、次の二点である。

1、茨城県議選惨敗を見越して、責任を小沢氏の「政治と金」に
  転嫁すること。
2、仙谷国務大臣らの問責決議で辞任要求を棚上げすること。

 政権交代を実現させた最大の功労者で、自分たちの指導者を、
政権維持や国会対策に悪用する不条理や不見識さも、ここまで落
ちたかと思うと残念だ。こんな人間性に欠ける政治家たちと、一
時的とはいえ、政治活動を共にしていたかと思うと、自分が嫌に
なる。

 小沢問題は、政権交代の阻止と小沢氏を政権から排除し、旧体
制を維持するため、自民政権から菅政権が引き継いだ政治謀略で
ある。
 私は衆議院事務局時代、政治倫理審査会や証人喚問制度を創っ
た専門家である。小沢氏を国会に招致する論拠はまったくない。
これを強行すれば、憲法違反の検察審査会の行為と同じく、国会
の自殺行為になる。
 衆参両院は何時から大衆ファシズムの手先に成り果てたのか。
菅首相も政治家として資質に欠けるが、谷垣自民党総裁の証人喚
問要求に至っては、それでも東大を出た弁護士かと、能力を疑わ
ざるを得ない。

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◎シリーズ小沢一郎論―8
    形式主義のワナの背後に安易な権力維持の誘惑

                 日本一新の会 達増 拓也
                       (岩手県知事)

 民主党の岡田幹事長が、小沢一郎氏の国会招致を国会決議も視
野に調整を進めるということで、菅首相もOKし仙谷官房長官も
賛成している。 
 「検察の暴走」の尻馬に乗って、国会も暴走、という展開であ
る。秘書や元秘書の根拠薄弱な逮捕・起訴や、小沢氏本人の根拠
の無い強制起訴が不当であるように、根拠の無い国会招致も不当
である。

 もともと政権交代阻止(=小沢つぶし)、という流れの中での
「検察の暴走」だったが、政権交代を果たした民主党政権の中枢
がいまやその流れに乗っていくという異常事態である。
 野党の意向に沿えば通常国会が楽になるだろうという期待と、
反小沢のマスコミ世論に乗っておけばいいだろうという、その場
しのぎ的な損得計算でやっているのなら愚かなことである。また、
悪意があって、つまり、小沢つぶしという権力闘争を目的として
やっているのなら、邪悪なことである。
 民主党政権中枢とすれば、「世論を尊重しながら国会を乗り切
る」という建前があるのだろう。その建前の下では、小沢国会招
致は必要である、という事になるわけだ。しかし、それはあまり
に形式主義的な論理展開であり、形式主義のワナである。民主主
義体制が尊重すべきは「民意」であり、「世論」ではない。民意
は、基本的に選挙で示される。
 集中的な国民的議論と運動の末に、選挙結果が直前の世論調査
の結果をひっくり返すことは多い。民意は世論とイコールではな
い。また、国会を乗り切るというのも、国民のための意志決定を
するという中身がなければならない。

 今の日本の本当の民意は何かを真剣に考えれば、まずは格差社
会化や地方切捨てを防ぐことであり、そのためにセーフティネッ
トを充実させながら、経済・雇用を回復させることだろう。同時
に、筋の通った外交・防衛政策を展開することである。そういう
中身の問題で真剣になり、よい政策を実行できるのであれば野党
に譲るところは譲る、という姿勢でないと、実のある国会運営は
できない。そして、政策の中身で世論の支持を得られるように、
国民に働きかけなければならない。政治にとって世論は従属すべ
きものではなく、動かす対象である。
 今の民主党政権中枢が、なぜ簡単に形式主義のワナにはまるの
か。それは、権力闘争というもう一つの甘いワナにもはまってい
るからではないか。「検察の暴走」も、証拠がそろいさえすれば
(でっちあげであっても)手続き的には起訴できる、巨悪を眠ら
せないためには積極的に起訴すべきだ、という形式主義のワナに
はまったパターンだったが、同時に、小沢氏を排除できれば旧体
制を維持して既得権益を守ることができる、という権力的な甘い
ワナにもはまっていたのであった。
 権力闘争といっても、体制を変革しようとする側は、形式主義
では世の中を変えることはできず、中身で勝負しなければならな
いから、ワナにはまりにくい。形式主義は現状維持になじむ。体
制側が、不当に権力を維持したい、楽して権力を維持したいとい
う誘惑に駆られる時、形式主義のワナにはまりやすいのではない
か。
 権力者でいるということは、その分大きな責任を引き受けると
いうことであり、より多くの苦労を背負うということである。権
力者はそれができ、それに誇りを持つ者でなければならない。権
力者は、楽をして権力を維持しようと思ってはいけない。楽をし
たいなら野に下ればいいのである。政治や社会の悲劇は、権力者
が権力者でいながら楽をしようとすることから始まるのではない
か、ということを改めて考えさせられる。回答を求めたい。
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☆最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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