政倫審の制度も理解していない岡田幹事長にはトホホのホ
「日本一新運動」の原点―38をお届けします。
が、その前に、やはり平野さんの書かれた、『国づくり政治講座』の最新の一文を紹介。
これは日本一新の会のメルマガではなく、マグマグのメルマガとして発信されています。
「籠抜け詐欺」の第二次菅改造内閣近代民主国家の中に分類されている『日本』で、こんな「不条理」が白昼に行わ
れた。議会政治に約50年にわたり関わってきた私にとっては、死ぬに死にきれ
ない心境である。どんなところが「不条理」か、国民のみなさんにぜひ理解して
もらいたい。第一に、与謝野馨氏を経済財政大臣に一本釣したことである。与謝野氏は、自民
党の小泉・安倍・福田・麻生内閣で経済財政問題の中核として、政策を立案して
実行してきた政治家である。いわば現在の経済や財政を破綻させた責任者で、今
日の格差社会をつくった本人である。入閣の前日「たちあがれ日本」を離党し、
無所属になったとはいえ、一昨年の総選挙では自民党公認で落選し比例で復活し
たばかりである。与謝野氏にとって「財政再建・消費税増税」は、自民党時代からの政治信条であ
る。これを菅首相が政策と人物を買ったわけで、菅内閣は実質的に「自民党政権」
と同質になったといえる。民主党政権という籠に自民党という鳥を入れ替えたの
である。もっとも菅政権発足時から、政権交代の公約に反した意向をしばしば示
していた。それにしても、ここまで国民との約束を踏みにじり、政治的不倫を断
行するとは、政治の常道を破壊させるものである。日本政治の崩壊が始まった。第二は、枝野幹事長代理を仙谷氏の後任の官房長官に任命したことは、先進国に
先例のない「憲政の常道に反する」人事である。政治の行為や判断は、法令の詳
細とは異質のものがある。参院選挙で惨敗し責任もとらず、党の要職を続け「中
国は隣の悪人」とまで放言した人物を抜擢したことに、どんな背景があったのか。
菅首相の性格がよく現われた人事である。戦後、官房長官に弁護士政治家が就任したのは、仙谷氏が初めてだと私は記憶し
ている。それは官房長官という国家経営の要職は、弁護士の発想や感性ではや
っていけない異質性があるからだ。仙谷氏が官房長官として失敗した主な原因は
ここにある。政権を国民のため適切に運営する「ガバナビリティ」(統治能力)
とは、法令による強制的支配のことではない。それは「戦略的自己抑制能力」の
ことだ。法令の解釈や三百代言だけで、国家運営ができると思っているなら、大
失敗となろう。第三は、江田前参院議長が法務大臣に就任したことである。参院議長といえば衆
院議長と共に「三権の長」といわれ、国権の最高機関の長として退職後は、政治
だけでなく日本国全体を総観していく立場である。その人物をどんな理由で起用
したか問題かがある。田中内閣時代、中村梅吉衆院議長が「野党を騙した」と放言、
国会正常化のため辞任し、その後田中首相が借りを返すつもりで、法務大臣にし
た先例があるが、当時、厳しく批判された。これも「憲政の常道」に反すること
だ。江田氏を無理して法務大臣とした背景に、ささやかれている情報がある。それは
「小沢問題」が、まもなく本人の検察審査会起訴による裁判、そして秘書の政治
収支報告裁判が始まることになる。その真相が麻生政権から始まり、菅・仙谷政
権が継承した「政治謀略」であったことが、国民に徐々に理解されはじめている。
菅体制の致命傷になりかねない。そのため裁判官の経験もあり法曹界に顔の広い、
側近の江田氏を起用したということだ。それに、78歳のアルコール依存症といわれる大蔵省のOB、元私の友人であっ
た藤井裕久氏の内閣官房副長官の起用も、歴史的に異様なことである。いよいよ、
1月24日には通常国会が始まる。第二次菅改造内閣を待っているのは、尖閣列
島問題で菅首相の指示で指揮権が発動された問題や、与謝野国務大臣問責決議案
が、国会入口の鬼門となろう。
では本題です。
「日本一新運動」の原点―38
日本一新の会・代表 平野 貞夫
民主党の岡田克也幹事長は、1月20日(木)、小沢一郎元代表に、衆議院政治倫理審査会(政倫審)への出席を求める議決を断念することを表明した。
これからは、野党が要求する証人喚問を容認することを示唆した。
この国の議会政治はどうなっているのか。民主党の菅代表以下、執行部首脳たちの議会民主政治に対する基本知識の欠如と、見識のなさには呆れるばかりだ。
政治家として最低の常識を持たずに、政権与党として権力を欲しいままに行使しようとしていることに、怒りを感じているのは私だけではないだろう。
そもそも「小沢問題」(政治とカネ)は、小沢氏を政倫審であれ、証人喚問であれ、国会に招致する問題ではない。
野党が政敵を攻撃するため、暴論を展開することはままあることだ。
政府与党首脳が狂ったように小沢氏を国会に引っ張り出し、検察やメディアが偽造した事件を取り上げ、メディアが造成する軽薄な世論で、小沢氏を政治の場から排除しようとすることがことの本質である。こんな暴挙は、わが国の議会政治の歴史にはなかった。
(政治倫理制度は議会政治の向上が目的)
私は1980年代から衆議院事務局で、政治倫理制度立案の責任者を務めていた。制度をつくった目的などをぜひ理解してもらいたい。
1970年代になって、わが国の高度経済成長、情報社会化、グローバル化といった社会構造の変化に伴い、政治家の資金の集め方や、使い方について新しいルールが必要になった。直接の契機はロッキード事件やグラマン事件などであった。
主たる目的は、国会議員の倫理性を確立して、議会民主政治を健全に向上させることにあった。
そのため、議員の個人資金や収支を透明化すること。さらにメディアなどから政治倫理という名目的で、議員の権限や地位を侵害されないようにする制度をつくることであった。
政治倫理審査会を中心とする制度で、そこでは、審査の対象とされる議員の基本権、すなわち有権者から選挙された代表者であるという、憲法の国民主権にもとづく諸権限と地位が、メディアの工作とか、政争から侵害されないよう特別に配慮した制度であった。
そのため審査会は、他の常任委員会などと異なり、特段の権威を持ち、会長職には議長クラスの人物を当てることを慣例とした。
初代の会長は、議長を辞めたばかりの福田一氏で、私は就任を口説きに行ったものだ。
(小沢氏の国会招致には絶対条件がいる)
岡田克也幹事長が小沢氏の政倫審への出席議決を断念した理由は、制度の基本的仕組みを理解していなかったことにある。
政治倫理綱領第四項の「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し努めなければならない」という宣言規定が、審査会での審査対象となり、世論から疑惑をもたれている小沢氏に対し、疑惑を解明して責任を明らかにせよ、と迫ることができると誤解していたようだ。
審査会の審査対象になるのは、行為規範に規定した要件であり、政治倫理綱領という宣言規定は対象となっていない。
これは世論の無責任な疑惑から議員を守るためである。審査会が取り上げるためには、行為規範の要件に著しく違反していることを明らかにした文書で申し立て、あるいは疑惑はないとの疎明文書で申し出することが必要である。
小沢氏の場合、どういうことが政治倫理に著しく反したことか明確にされておらず、検察がメディアにタレ流した情報で「小沢叩き」をやっているだけである。
「小沢問題」は、一昨年の西松事件での大久保秘書逮捕では、検察側証人が検事調書の証言を否定し訴因が消滅することになった。
麻生自民政権が政権交代を阻止するため、小沢氏をターゲットにするよう検察を暴走させたものである。このことについては私自身が傍証を体験していることを何度も説明した通りである。
元秘書の石川知裕議員が逮捕された「陸山会問題」は、起訴後の事情聴取で、石川議員が「起訴事実を否定」したことに対して、特捜検事が「小沢さんの圧力があったと、検察審査会の印象は悪くなるよ」と脅した事実が判明し、石川議員の録音記録が証拠採用されることになった。
また、この事件で大久保秘書を取り調べた前田検事は、郵政不正事件で証拠隠滅罪で起訴された人物であり、検察は大久保秘書の供述調書を証拠として公判に提出しないことになった。
さらに、検察側が必死に立証しようとした「一億円のヤミ献金」については、検事調書に供述した水谷会長が渡していない」と、調書を否定する発言を周辺に語っているとの情報がある。また、石川議員に水谷建設を紹介した人物が、「ヤミ献金は渡していない」と語っているとの情報もある。
私の推測では、検察は「水谷ヤミ献金」の事実がないことを承知の上で、小沢氏の政治的立場を世論上不利にし、菅首相らの「小沢排除」に、巧妙かつ悪質に協力していると思う。
前記のことから、石川議員らの「陸山会事件」、小沢氏の「検察審査会の起訴」による裁判が始まれば、これらの検察側の正体が暴露されると私は確信している。さらに問題があるのは、東京第五検察審査会の「小沢問題」に対する疑惑である。
数々ある疑惑から、二例だけ紹介する。
第1は、第5検察審査会は小沢問題で2回目の起訴議決を行った際、そのための審査を7回行ったと公表している。私たちの調査では、3回の審査が限度であり、とすれば起訴議決が行われたかどうか。
議決があったとしても法令に適法であったかどうか問題がある。この点について情報開示を求めても、開示を拒否している。審査員に支給される日当・旅費などを調査すれば、真実が判明する。
第2は、第5検察審査会が行ったといわれる2回目の起訴議決は、法定要件を満たしていない可能性があり、ぜひとも事実関係を解明する必要がある。検察審査会法によれば、検察審査会は、2回目の議決の前に不起訴の理由の説明を、検察官から受けなければならないことになっている。
特捜部副部長の斉藤検事が、第5検察審査会に説明に行ったのは、9月14日以降という信頼すべき情報がある。私たちの調査では、斉藤検事が地検の玄関で出会った知人に、「これから第5検察審査会に説明に行く」と話したとのこと。この情報を第5検察審査会に確認しても情報を開示しない。
斉藤検事に確認する方法もあるが、彼は東京地検特捜部副部長に昨年4月1日に就任し、わずか6ヶ月後に、地検公判部長に異動するという異例の人事で、友人に不満をもらしたと聞いている。
これらのことは、国会の国政調査権で解明できる問題である。森ゆう子議員らが懸命に調査し、法務省・最高裁・検察審査会などに事情聴取や資料要求しているが、適切な協力は望めない。
日を追うごとに「小沢問題」は、政治的謀略であることが明らかになっている。政治謀略の主体が自民党政権で始まり、政権交代後に菅・仙谷政権体制に継承されたのである。菅・仙谷政権は、米国の悪質な金融資本や安保マフィア、そして日本の巨大メディアと共謀・結託して、「国民の生活が第一」という、鳩山・小沢政治を排除することを政治目標とすることになる。
その手先に利用されたのが、第5検察審査会である。この二つの疑惑を解明することで、「小沢問題」の真相に穴を開けることができるのである。
議会民主政治の本旨からいえば、民主党政権が真っ先に取り組むべきことだ。国民主権にもとづき、有権者から選ばれた国会議員の地位と権限を守るため、「小沢問題」の政治的謀略性を解明することである。
それなのに、民主党政権樹立の功労者を政治の場から排除することに血道を上げているのである。これは議会民主政治の破壊そのものだ。
民主党執行部は、小沢氏を政治倫理審査会に引っ張り出すことに失敗したため、証人喚問とか、起訴されれば離党勧告とか、資格停止、除名などを検討しているようだが、民主党は何時から独裁ファシズム政党になり下ったのか。
民主党には常識ある多くの国会議員がいるはずだ。これらの暴挙を断行するなら、少なくとも第5検察審査会に関する二つの疑惑を解明してから検討すべきである。これらの解明が小沢氏の国会招致についての絶対条件である。同時に、これらの疑惑が解明されてからでないと、指定弁護士による小沢氏起訴を行ってはならない。起訴の絶対条件であることがわからないなら、法律家の資格がなく、懲戒処分の対象となる。
わが国の国会は多くの与野党国会議員がこれらのことを理解できず、ひたすらメディアの「社会心理的暴力装置」に洗脳されて、「新しいファシズム」への道に暴走し始めた。行政も司法も、国会さえも、デモクラシーの本旨を放棄する事態になっていることに、気がついている国会議員が何人いるのか。
(民主政治を崩壊させる朝日新聞の悪霊性)
1月22日(土)の朝日新聞社説は『小沢氏の姿勢 国会を台なしにするのか』と、またまた「小沢排除」の民主党菅・岡田体制の“提灯もち”論説を恥も外聞もなく出している。
岡田幹事長と同じレベルで、倫理綱領第四項が政倫審の審査対象でないことを知らないようだ。「民主党執行部は証人喚問や、離党勧告の検討に入る。小沢氏が政倫審出席を拒否する以上、当然の対応である」とのこと。「小沢問題」の政治的謀略と第五検察審査会の疑惑を確認してから論じてもらいたい。
情報によると、昨年の暮れ、菅首相と朝日の反小沢で知られている、若宮・星という幹部記者が懇談、若宮・星両氏が「小沢排除を徹底すれば、世論の支持が上がり、政権は浮揚する」と進言したとのこと。
菅首相が大きな影響を受けたことはその後の言動が証明している。
菅首相と岡田克也幹事長のスターリン的政治運営を「当然の対応」と断言するに至っては、わが国の議会民主政
治を崩壊させる悪霊といえる。菅・岡田体制の背後霊となった朝日新聞は、亡国への水先案内人と成り果てた。。
まさにメディアが政治権力と結びついた「新しいファシズム」である。「社会心理的暴力装置」である朝日新聞を厳しく監視することが国民的課題となった。
最後になったが、1月16日(日)、熊本市の本光寺で開催された、日本一新の会・熊本懇談会は大成功で、私自身も学ぶことがあった。
このような政治向きの集会が、お寺を会場に開催されることは珍しいとは思うが、これも、日本一新の会のオリジナリティーなのだろう。
今回を教訓にして、条件が整った地域から逐次開催することで、日本一新運動の裾野は必ず拡がるとの確信を
得た懇談会であった。
雪や寒風のために足元も悪い中、遠路にもかかわらず参加してくれた人たちもいて、心から感謝の意を表したい。
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第5検察審査会がいくら躍起になって小沢さんを起訴しようとしても、その前提ともなるであろう陸山会事件での石川議員の取り調べ調書を、検察側が取り下げているのである。
陸山会事件、前田元検事の調書証拠申請取り下げ
小沢一郎・民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、20日に開かれた小沢氏の元秘書3人の第13回公判前整理手続きで東京地検が、同会元会計責任者・大久保隆規被告(49)の捜査段階の供述調書の証拠申請を取り下げていたことがわかった。
大久保被告の取り調べは、郵便不正事件を巡る証拠隠滅事件で起訴された大阪地検特捜部元主任検事・前田恒彦被告(43)(懲戒免職)が担当。大久保被告は容疑を大筋で認めていたが、公判で否認する方針に転じたため、弁護側が調書の証拠採用に反対していた。東京地検は、証拠申請を撤回することで、公判で前田被告の取り調べの是非が争点となるのを避ける狙いがあるとみられる。(2011年1月21日07時11分 読売新聞)
しかも、これだけじゃなく、検察側の不法な取り調べの実態が、石川議員が取り調べにあった際に録音したやり取りで暴露されている。
今後も、でっち上げの証拠が出てくると思うな。
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