与謝野入閣は政権交代民意の否定シリーズ小沢一郎論―12 日本一新の会 達増 拓也
◎シリーズ小沢一郎論―12
日本一新の会 達増 拓也
(岩手県知事)
(与謝野入閣は政権交代民意の否定)
政権交代が実現した前回衆院選において、敗北した麻生内閣の
経済財政担当大臣そして財務大臣、金融担当大臣を務めたのが与
謝野馨氏である。その与謝野氏を菅内閣に入れるということは、
政権交代の民意を否定することなのではないか。
私が昨年「シリーズ小沢一郎論10」で「亡国の菅政権三大失
策」として挙げた消費税、TPP、小沢外し、の三つを、菅首相
は新年の記者会見で今年の三大重点として挙げた。これら三つは、
自民党がやろうとしていたことを自民党以上に徹底的にやるとい
うことで共通している。
格差社会化を一層促す路線でもある。与謝野入閣は、この「自
民党化」路線と軌を一にする。
民主党が、小沢代表の下での参院選で参院第一党になり、鳩山
代表の下での衆院選で政権交代を実現したのは、格差社会化をく
い止めよう、との民意を反映したものだったはずだ。景気・雇用
の低迷の中で、貧困問題が拡大し、希望が持てない社会になって
いく、そして生活が崩壊していくことに対し、「生活が第一」と
いうスローガンが支持を得たのだ。自民党政権は左右対立の冷戦
思考にとらわれて、セーフティネットの充実に対し、社会主義的
政策であるとして反発していた。そもそも格差問題があるという
ことを認めようとしなかった。自民党が政権を失った本質的な理
由は、現実を見据え未来を拓く理念・政策を持ちえなかったこと
だと思う。
野党時代、菅、岡田、前原と代表が続いた頃の民主党には、経
済政策や財政再建、安全保障問題などで、自民党がやろうとして
いることをより徹底してやればよいのだ、という傾向があった。
それが、小沢代表になって、自民党との対立軸を明確にした。自
民党が無視した国民生活の実態に目を向け、セーフティネット充
実の上に個人の自由を実現しようという、左右対立の冷戦思考を
超えた新しい理念・政策を提示し、マニフェストにもした。それ
を国民が支持して、政権交代が実現した。
菅政権は、米国に従属し、経済団体におもねり、格差社会化を
一層深刻にするような路線を進めようとしている。去年の参院選
でその片鱗を見せたことに国民が反発して、民主党は大敗したの
ではなかったか。
なぜ、このような、民意に反する「自民党化」を徹底的に進め
ようとするのか。それは、権力の掌握が最終目的になっているか
らではないか。官僚のみこしに乗り、米国や経済団体にほめられ
ながら、権力の座に居座り続ける、それが目的ならば、「自民党
化」に邁進する理由が分かる。与謝野入閣の先には「小沢抜き大
連立」が視野に入っているのだろうが、かつて、細川非自民政権
を誕生させた民意にそむき、反小沢を旗印にして自社さ政権が作
られたことを思い出させる。「小沢抜き大連立」というのは、長
いものに巻かれあう、大勢順応、なれ合い・野合の、政権居座り
自己目的体制を目指すものなのではないか。
政権交代の大義は、政権居座り自己目的体制を打破し、21世
紀グローバル時代にふさわしい新たな理念・政策を推進できる体
制を作ることだったはずだ。賢明な日本国民は、そういう民意を
明確に示したのだ。民意に従うべきである。
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◎事務局にとっての「日本一新。」改め、事務局通信―その5
日本一新の会事務局・大島 楯臣
「日本一新の会」の規約制定を機に、事務局にとっての「日本
一新」』などとの大仰なタイトルを止め、事務局の日常をお伝え
するために、事務局通信と改題させていただくこととした。
さても、先のご挨拶以後も年賀の便りや、激励メールが届き、
改めて謝意を申し上げたい。実はその中に少なからずの『お叱り
』もあったことは率直に認めねばならない。
申し開きの前にただ一点、事務局のスペアは何とでもなるが、
平野代表のスペアはない。
お叱りの理由の一つは、A+Bでようやく「一人前」と書いた
こと、さらに加えて年初の平野論説に、「アナログ縄文人が、誰
かに煽てられての日本一新運動」などとあり、それぞれニュアン
スは違うが、要約すれば「もっとマジメにやれ」との内容だった。
これも先に書いたが、代表も、そして事務局もいたってマジメ
にやってはいるのだが、その「もの差し」の目盛りが多少違って
いることが誤解の原因と思う。世間のもの差しと同じ目盛りなの
は、戸田顧問と達増知事くらいが思い浮かぶ。論客の染谷氏もマ
ジメではあるが、私たちとはちょっと違う目盛りのように感じる。
というのも、言っては悪いが、程度の悪い政治と20数年もつ
きあい、この間、眉間に皺を寄せ続けていたら、とてもじゃない
が「胃袋」は幾つあっても足りはしない。情勢が至って不利な選
挙運動でも「シュンとするな。事務所が暗いと人は集まらない。
落ちて泣くのは候補者だけでいい。当選したら一緒に歓べばよい
し、支援者は選挙を大いに愉しめ。さすれば出口は必ず見つかる」
と、「何のこっちゃ」と反駁される鼓舞で過ごしてきた。いわば
その時々を笑い飛ばしてきたから今日があるとご理解願いたい。
昨秋のある日、日本一新運動の打ち合わせを兼ねて上京したが、
ことのついでに、茅場町のさる特種な医療機関で日帰りドックを
受診した。この医療機関の診療所長は竹馬の友であるが、消化器
内科ではかなりの腕前をもっている。因みに、ローカルでは「5
ミリの癌」を発見する医者が一流とされるそうだが、都下ではこ
の程度は藪医者で、「1ミリの癌」を探し出せないと一流ではな
いという。で、どうだったかというと、「生まれてこの方、気苦
労をしていない胃袋」とのご託宣で安堵した。むろんのこと下部
消化器も異常なしで、しばらくは生きていけるそうな。やはり、
「もの差しの目盛り」が違うようだ。
このところ所用もあるが、日本一新の会関連での出ごとも増え、
空路を利用する機会が増えた。私は自分では説明できないが、何
故かしら昔からANA派である。その昔のサラリーマン時代、出
張で空路を利用できるのは部長以上で、その下はいわゆるブルト
レだった。ところがヒラヒラにも関わらず、私は空路の利用が許
されていた。というのも、役目がら同行者は客先が多く、いわば
役得だった。その頃はジャンボ機が就航したての頃で、担当には
ジャンボ機の、それもANA便を手配するよう特例許諾の稟議書
をあげて、上司から睨まれていた。勤務先の会社からは、JAL
便を利用するよう指示があるのだが「客先の要望で・・・」と誤
魔化し、わがままを通していた。
前置きが長くなったが、過日、維持会員である論客の染谷正圀
氏と、日本一新運動のための地方出張の話をしていたら「65歳
を過ぎているから、シニア料金が使える」と教えてくれた。早速
ANAのお問い合せ窓口に尋ねてみると、一定の条件はあるもの
のOKだという。となれば、「寒い懐」を気にせずに出かけられ
るのではないか、と考えている。
「平野代表まで同じ手で」、というわけにはいかないが、可能
なかぎり地域に出向き、ネット輿論を地上に降ろす作業も必要か
なと考えているので、皆さんのお声を所望したい。16日は熊本、
23日は大阪である。ともに、平野代表・染谷氏に同道する。
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☆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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