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March 19, 2011

巨大震災と原発災害に想う 平野貞夫

◎「日本一新運動」の原点―46

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

○巨大震災と原発災害に想う

 巨大震災の翌日、達増拓也岩手県知事からの電話で、「この悲
劇は神話の世界にある惨状だ」と聞かされた。何故、純粋で共生
の精神を生かして暮らしてきた東北の人々に、わが国の有史以来
最大の悲劇が降り掛かるのか、この世には、神も仏も無いものか
との思いに駆られた。
 この大惨事の中で、被災地や被災者を救援するため、自治体、
関係団体に住民が加わって、被災者ともども共に生きようと必死
になって活動している報道映像を見た世界中の人々から、これら
人間愛に賞讃の声が寄せられている。東北で発生した歴史的悲劇
が、「弱肉強食のハゲタカ資本主義」の反省を促し、新しい人類
の在り方を示す教訓・思想となる可能性を感じることで、怒りに
狂いそうになる自分の気持ちを落ち着かせている。
 また、福島第一原発の震災・津波による原発施設損傷による放
射能防御という未曽有の被災に対して、東電職員・自衛隊・警視
庁機動隊・消防庁レスキュー隊など現場の人々が、文字どおり、
生命を懸けて対応している事態に心から敬意を表したい。
 原発問題の解決は世界が恐怖の中で注目しており、人類の将来
が掛かっている。国際的不安の中で、さまざまな妨害的デマに悩
まされての作業が続いている。最悪の事態にならないことを祈る。

(極限に至った民主党の劣化)

 3月17日(木)午後2時29分、私の手元に一通のファック
スが届いた。
 “民主党本部から節電や募金呼掛けの用ののぼりやチラシ、ポ
スター、リストバンドを送ってくるとの連絡あり、本部は狂って
いるとしか思えない。そんなことをするおカネと労力があるなら、
もっとすべきことがあるはずだ。高知県連からは強い抗議の申し
入れをした。”
 これは、民主党高知県連・大石宗幹事長のツイッターからの発
信である。また、18日(金)午前6時50分に放映されたテレ
ビ朝日のニューヨーク特派員は、「米国では、日本政府が外部か
らのアドバイスを受け入れなくなっていると報道されている」と
のこと。これらの指摘が、菅民主党政権の統治能力、ことに、ダ
メージコントロールの問題点を突いている。
 政権の中で、懸命の活動を続けている政務三役を始め、政府職
員にはひとしく敬意を表するが、菅首相や岡田幹事長ら政治指導
者の国家危機に対する基本認識を反省してもらわないと、これか
らの国家の存立にかかわることになるので敢えて言わせてもらう。
 16日(水)から「各党・政府震災対策合同会議」が発足した。
自民・みんな・共産・社民・新党改革の5党が参加している。野
党各党は原発被災に対して強い不安を示しているが、政府の説明
は「安全で問題ない」の繰り返しで、「きちんと説明しろ」と不
満を募らせたとのこと。
 この最中、民主党の有志から、非常事態に対する政治活動のシ
ュミレーションについて意見を求められた。私の体験を参考にし
て何回かアドバイスをしたが、まったく民主党のコンセンサスと
なっていない。
 17日(木)の政府・与党連絡会議で、ようやく輿石参議院議
員会長が「野党に協力を求め、各党党首クラスを菅内閣の緊急災
害対策本部に加えて欲しい」との提案をした。ところが岡田幹事
長は「各党・政府震災対策合同会議の仕組みがある。民主党の対
応が遅いとはいわれていない」旨、主張したとのこと。こんな発
想では未曽有の巨大震災と原発被災への適切な対応が出来るはず
がない。まして巨大震災の救済や復興を、選挙などの政治に利用
するようでは、民主党が非常事態の足を引っ張り、人命を無にし
ているといえる。

(菅首相は原子力を本当に知っているのか?)

 菅首相は16日(火)夕刻、官邸を訪ねた内閣府特別顧問の笹
森清元連合会長に「ボクはものすごく原子力に強いんだ」と、東
工大応用物理学卒の経歴を誇るように言ったという報道があった。
私はこれを聞いて、よくも言えたものだと驚き、平成19年7月
の参議院通常選挙のことを思い出した。当時、私は民主党高知県
連代表を務めていた。東電のプルトニュウム汚染物を高知県東洋
町に埋める話があり、反対運動をやっていた。民主党高知県連は、
エネルギー対策の中長期構想として、「プルトニュウムという核
兵器になり、有害物質を発生させる現在のウラニュウム原発政策
を順次変更すべきだ。そのため、プルトニュウムを焼却でき、か
つより安全性が高い“トリウム溶融塩原子炉”(ja.wikipedia参
照)の研究開発を復活すべきである」ということをまとめた。
 この趣旨を参議院選挙のマニフェストに入れてはどうかと、私
は当時の小沢代表に進言した。小沢代表は「それは良い考えだ。
私から菅代表代行や鳩山幹事長にいうと上から命令する感じにな
るので、君から二人によく説明して、是非マニフェストにいれる
ようにして欲しい」と応じてくれた。
 早速、菅代表代行に会って、小沢代表の意向を踏まえて説明し
たところ、実に素っ気なく、「文科系の君から原子力の話を聞い
ても仕方がない」という不遜な態度であった。驚いたのは「トリ
ウム溶融塩炉による原子力発電なんか知らない」という言葉であ
った。この人は政治家として、ウラニュウムによる原子力発電の
危険性について認識していない。これ以上、民主党内でこの説明
をしても無駄だと思い、鳩山幹事長には説明することをやめた。
 東電出身の笹森氏は記者団に「(首相は)原子力について政府
の中で一番知っていると思っているんじゃないか」と、皮肉交じ
りに語ったという。この菅首相の驕りが、12日(土)早朝の自
衛隊ヘリによる福島第一原発事故現場に行くという暴挙につなが
り、爆発防止の現場で結果的に初動作業の邪魔をすることになる。
 同日の与野党党首会談で、「危機的状況にならない」と、菅首
相が断言するのを待つかのように1号機で水素爆発が発生し、原
子炉建屋が崩壊した。15日(火)早朝の東電本社での恫喝行動
といい、官邸での「東電の馬鹿野郎」との怒鳴り散らし発言とい
い、福島第一原発をめぐる菅首相の判断ミスには際限がないので
この程度にしておくが、この初動の遅れが、禍根となったことだ
けは明記しておきたい。

(非常事態だ!、挙党・挙国体制をつくれ)

 3月14日(月)の、「メルマガ・日本一新」緊急増刊号で、
私と戸田顧問の連名で、“○東日本巨大震災に対して、国会は、
「国家非常事態宣言」を行い、小沢一郎を活用して党派を超え、
国家を挙げて、救済復興に全力を尽くすべきである”を発信した。
並行して、衆参両院議長に、国民の代表である国会議員へ、国家
の存立にかかわる非常事態である認識を共有するよう促したが、
未だにその動きがない。
 ごくわずかな友人である国会議員から、衆議院事務局時代に私
が災害対策や危機管理の仕事をしていた関係で相談があった。
 私はまず、平成9年6月に朝鮮半島で紛争があったとき、当時
官房長官であった梶山静六氏から極秘に要請があり、野党新進党
の立場ではあったが、当時の小沢党首と相談して「朝鮮半島での
有事発生に対する政治の取り組みについて」という提言を作成し
たことがあり、これを参考にと友人に渡した。友人たちは民主党
のなかでこれを活かそうと幹部を突き上げたが執行部は無視した。
 17日(木)になると民主党を支援する有識者や市民たちから、
私に「小沢一郎を党に復帰させ、救援・復興のために日本再生の
中核に据えるべきだ」との声が殺到した。中には具体的な対応の
構想をつくれという友人たちもいて、「東日本大震災及び福島第
一原発問題に対する政治の取り組みについて」というメモを作成
して配布した。
 友人の国会議員や菅首相に近い有識者にも、このメモは届いて
いると思う。
 その要点は、
1、まず、民主党の挙党体制をつくれ。そのため歴代民主党代表
を菅首相が招き、協力を要請すること。特に党員資格を停止して
いる小沢氏を回復させること。政府与党が挙党体制をつくれなく
て、何が出来るか。
2、各党・政府震災対策合同会議なんていう半端な組織ではなく、
「国家非常事態総合対策本部」を設置し、与野党指導者・内閣・
国会をを一体化した組織とし、この非常事態を「国家安全保障問
題」として捉え、すべての対策を統合すること。同時に、具体的
に有機的分担を組織化すること。
3、総合対策本部の役割は、イ、非常緊急事態への諸準備、国際
的協力の要請、ロ、被災者の救援・復興、原発問題の解決、復興
院設置の準備、ハ、国民への協力支援などの要請、パニック防止
対策、ニ、救援復興の財源確保、日本経済再生構想の作成、ホ、
その他、とすること。
 要するに、国民の生命と日本国存立のため、憲法の真の原理を
生かすには、既存の制度や前例にとらわれない大胆な政治を断行
すべきであるということだ。
 これが「日本一新の会」の願いである。

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