民主党政権はどうなるかー巨大震災に考えるー
◎「日本一新運動」の原点―45日本一新の会・代表 平野 貞夫
○民主党政権はどうなるかー巨大震災に考えるー
前原外務大臣の辞任、細川厚生労働大臣の年金問題の無責任発
言などで、菅政権が崖っ縁となった3月9日(水)、BSフジ・
プライムニュースで「民主党はどうなるか」をテーマに、民主党
国対委員長代行の斎藤勁氏、同国民運動本部長の渡辺周氏と私、
そして河野勝早大教授をゲストに議論した。
生放送だったのでご覧になった方もいると思うが、重要な問題
もあったので、番組の中で言い足りなかったことを中心に、まず
は補足しておきたい。(土肥政倫審会長の竹島領有権主張中止の行動)
菅首相の側近であり、衆議院政治倫理審査会会長の土肥隆一氏
が、「日韓キリスト教議員連盟」の会合で、日本政府に竹島の領
有権主張の中止を求める共同宣言に賛同し、名前を載せているこ
とが番組の始まる直前に報道され冒頭にこの問題が話題となった。
意見を求められた私が「昨年暮れから心配していたことが起こ
った」と発言したところ、出席者一同「何事か」と緊張した。実
は、昨年暮れに小沢元代表の政倫審への出席について、民主党内
で紛糾し菅首相や岡田幹事長が狂ったように小沢氏を引っ張り出
そうとした場面があった。その時、不可解な動きをしたのが、こ
の土肥政倫審会長であった。
政倫審会長といえば、議長職を終えた大物政治家が就く職責と
してつくられた制度であり、党派を超えた見識で職務を行うこと
が大前提だが、土肥会長の言動には、菅首相や岡田幹事長の手先
となり小沢氏を追い落とそうというものを感じた。私は牧師とい
う聖職者のイメージとは異なる胡散臭さを嗅ぎとり、土肥氏の背
後を調査してみた。
土肥会長は昨年9月の民主党代表選挙で管氏を支持し、兵庫県
下で「刑事被告人の小沢氏を代表にしてはならない」と、事実と
異なる悪質なアジ演説をしたことで知られていた。その原因は何
だろうというのが私の知りたいところであった。わかったことは、
土肥氏には牧師としてのボスがいて、それは米国籍韓国人の女性
で、米国議会のロビイストということだ。当然のこととして諜報
機関とのつながりも推測できる。
その女性牧師がしばしば訪日して布教活動をしており、ことさ
ら小沢一郎氏の「政治とカネ」を厳しく批判しているとのこと。
事実に基づかない大手マスコミの捏造記事を中心に誹謗中傷を繰
り返していたことがわかった。国際的な思惑もあると思うが、異
常なことである。
こういう人物を師とする土肥氏の実態を知り、竹島の領土帰属
について問題の言動があり得ると私は予知していたのである。小
沢氏の政倫審出頭を強圧的に行うなら、これらの情報を公表する
つもりであったが、そこまでには至らなかった。問題発生後の土
肥氏の言い分けが無責任きわまりなく、菅政権の性格丸出しだ。
政治倫理とは「金と女」だけのことではない。国家主権に対する
政治家の基本認識のことをいうのである。(前原外務大臣の辞任の背景)
BSフジ・プライムニュースで取り上げた次のテーマは、突然
の前原外相の辞任問題であった。「泥舟から逃げた」との話が大
勢となる中で私は、次のように背景を説明した。
これにはいくらかの責任が菅首相にある。専門家の情報によれ
ば、「2月初旬の北方領土返還国民大会で菅首相がロシア大統領
の訪島を“歴史的暴挙”と批判した。これをやらせたのは某団体
で、裏には自民党との提携の橋渡しをしてやるとの話があったよ
うだ。ところが菅発言が波紋を呼び、前原外相が火消し役となる。
その影響で前原外相の政治資金パーティーの購入者の届けが虚偽
であり、実際は暴力団のフロント企業であったと報道された。
ところが参議院予算委員会で本格的に採りあげられる前に、在
日外国人による違法な政治献金が発覚し、突然の外相辞任となっ
た。前原氏にとっては菅政権という「泥舟からの逃亡」ではなく、
絶好の保身のための辞任であった。この機会に辞任していなけれ
ば、フロント企業との関係、さらに新たな在日建設業者との問題
が発覚していたとの情報もあった。そうなれば、政治生命が完全
にたたれるという事態の可能性があったのだ。(民主党に何を望むか!)
3番目のテーマは「民主党に何を望むか」であった。私は50
年間、政治の世界に生き約5千人の国会議員を観察してきた経験
を体して、次のように述べておいた。
平成12年4月の森自公政権以来、わが国の議会民主政治の劣
化が目立ち始めた。一昨年の夏には歴史的政権交代が行われ、国
民の民主党に対する期待は大きかった。それは議会政治に対する
期待でもあった。
鳩山政権の失政で菅政権となったが、政権交代の原点である、
「国民の生活が第一」を踏みにじり、政治運営も国民からの信頼
を失う異質なものを展開し、政権担当能力のないことを露呈した。
根本原因は政権交代スタートのときから、小沢一郎という政権担
当経験者を排除したことにある。これからの民主党に望むことは、
「政権交代の原点に戻れ、戻れなければその志のある人間で新党
を結成すべし」ということであった。(菅首相の違法献金と巨大地震の発生)
朝日新聞の3月11日朝刊(都内版)は、「菅首相に違法献金
の疑い、在日韓国人から、「首相側未回答」と、衝撃的特ダネ報
道を行った。これで来週にも退陣かと、NHKの参議院決算委員
会の中継を横目に、このメルマガを執筆していた。
ところが、午後2時46分頃、巨大地震が発生した。私の書斎
は2階にあり、ここに置いてある本棚から一斉に本が飛び出し、
部屋中が書物や資料で溢れてしまった。
時間が経つにつれ、観測史上最大の巨大地震で東北地方は想像
を絶する被害となった。被災者や被災地の皆さんには、心からお
見舞い申し上げる。思えば大正12年9月1日の関東大震災は、
同年8月24日に加藤友三郎首相が逝去し、山本権兵衛に大命が
下り組閣準備中のときであった。この非常事態に組閣の遅延は許
されず、9月2日に赤坂離宮の天幕の中で親任式が行われた歴史
が残っている。
さて、この巨大地震で政局はどうなるであろうか。まずは、菅
内閣のもとで与野党協力して、緊急な地震被害対策に全力を尽く
すべきである。緊急対応が終わった後、巨大震災が与える社会・
経済などの影響を政治がどのように対応していくかが問題となる。
菅政権の統治能力ではその問題を解決できないと、私は思う。
巨大災害は人間の発想も変える。国民に信頼されない政権では
この難関を解決できない。「国民の生活が第一」を基本理念とし、
「共生社会」を創造する志のある政治勢力を結集した「救国連立
政権」を成立させなばならない。衆議院の解散は当分できる事態
ではない。
巨大地震は、わが国の政治・経済・社会などに、これまでのあ
り方でよいのかとの警告を、天道が発したものといえる。弱肉強
食の経済成長を競うのでなく、国民の幸せを成長させる政治に変
えろと・・・。
すべてのテレビ局は巨大地震報道で埋め尽くされている。画面
が伝えるその惨状を見るにつけ、この後処理こそ真っ当な政治の
出番であると強く思うのは私一人ではあるまい。当面は一人でも
多くの方の生命を守ること。そして、次に待つのは国民が安穏に
暮らせる国土の再建である。「日本一新の会」の役割はひとしお
大きくなった。
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☆事務局雑話東北巨大地震被災地の皆さんには心よりお見舞い申し上げます。
罹災の全貌把握はこれからであり、まずは、人命救助に全力が注
がれることを期待したい。本日以降、海外の救助隊の助力も得て
その作業は急ビッチで進むに違いない。
こんな状況だから言いたくはないのだが、災害地視察に出かけ
る菅首相の顔色が冴えないが、これは何なのか。本来なれば、国
民の生命と財産を守りきるとする意欲を見たいのだが、精彩のな
い顔色からその覚悟を読み取ることは至難である。
「メルマガ・日本一新」も、本号にかぎり休載かと一時は頭を
よぎったが、こんな時だからこそ敢えて発行した。
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☆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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