私たちの国が危ない!―1
◎私たちの国が危ない!―1 日本一新の会事務局・大島 楯臣はじめに、東日本大震災の被災地の皆さんへの約束です。私た
ちは、今回の大震災をあなた方だけの問題とはせず、郷土を再建
するつもりでこの国の在り方を見直し、夥しい犠牲者の霊に報い
ることを誓います。○ 66年目の大開戦!
平成23年3月11日は、縄文から連綿と続くわが国の歴史に
残る枢要な1日となるに違いない。
その1は、同日の午後2時46頃、東日本を襲った巨大地震と
その津波災害である。近代史に残る大地震には関東大震災がある
が、今回のそれは比較にならないほど大きく、かつ広範囲に及び、
地震発生から20日を過ぎようとしているのに、死傷者の数も定
かではない。中には、町役場ごと津波に流され、役場の職員にも
多数の犠牲が出たというから、被災者の把握もままならないのが
よく理解できる。その2は福島原子力発電所災害であり、こちらは人災である。
「絶対に事故は起きない」と確約され、世界規模で信頼を得てい
た日本の原発が、大津波でいとも簡単に制御不能に陥り、放射能
汚染を拡散させ周辺住民は避難を余儀なくされている。それも短
期の避難生活ではなく、帰郷の目途さえ立たないありさまである。
まず気を配るべきは放射能汚染の拡大防止ではあるが、このま
ま制御不能が続けば、東北の一部には人が住めなくなる可能性す
らあるのだ。そしてまた、食糧供給基地さえも失う事態さえ予測
されるのだが、これは東電のみならず、政府の初期対応に加え、
危機管理の稚拙さが引き起こしたのである。その3は、政府首脳の無能ぶりである。難しい組織論など学ん
だことのない私だが、本来は「本部」というのは一つであり、老
いて少なくなった脳味噌では記憶しきれないほどの「対策本部」
など聞いて呆れる。おそらくは政権与党議員たちの、官僚顔負け
の「縄張り争い」が想像できるし、顔色が冴えず、うつろ目の菅
首相、長々とバカ丁寧ではあるが、意味不明、核心ボケの官房長
官会見などなど、例を挙げれば暇がない。その4は、高額の報酬をむさぼりながら、職務を果たさない政
権与党の国会議員たちである。大分の田舎まで漏れてくるのは、
呆れるばかりの彼らの無能ぶりで、ある議員は、グループで被災
地にボランティアとして入り支援活動をしたというが、似非美談
はここまでで、なんと東京に帰った後、その自慢話にうつつを抜
かしているという。そしてある議員は、国会周辺にいてもやるこ
とがないから選挙区に帰ったものの、こんな時だから支援者を集
めることもままならず、手持ちぶさたという。野党ならまだしも
とは思うが、悪態はここまでにしよう。誤解を恐れずにいえば、これは「戦争」である。戦争とは、必
ずしも武器を用いて外国と戦をすることだけに止まらない。事態
は「地球の営み」という大自然の猛威から国民の命と財産を守る
戦争であり、宣戦布告なしに大自然の「侵略」を受けたのである。今回の災害は、地震に伴う津波による被害が甚大である。地震
の規模があまりにも大きく、専門家でさえ予測し得なかった規模
だったがため、津波も大きく、かつ東北の東海岸の広範囲に災害
をもたらした。しかも、その様子は速い段階から映像で茶の間ま
で流され、尋常でないことは誰の目で見ても明らかだった。
道路が寸断され、重機を含む救援資機材の搬入が難しいことは
素人目にもわかる。倒れた住宅の中に残っている人たちの、救命・
救助と併せ、救難・物資輸送道路の確保も併せて進めるなど、術
はいくらもあるのに、未だに司令塔の右往左往だけが目につく。建設重機空輸には自衛隊のヘリがある。片や救難ヘリは全国の
警察系と消防系、そして海上保安庁にもあるし、配備が始まった
ドクターヘリまで加えれば相当数にのぼるだろう。これらを、多
面的、有機的に運用する。被災地が広いとはいえ、地図の正確さ
は昔とは違うし、GPSを活用して空・陸・海併せてのローラー
作戦を行えば、もっと早期の全体把握が可能であったし、被災者
に塗炭の苦しみを強いる期間も短縮できる。○ 国会議員は何をしている!
ヘリの被災場所着陸が航空法の制限を受けるのであれば、パイ
ロットが安全に着陸可能と判断すればそれを可にする。こんなの
は、国会議員がその気になれば一日で可決できる。もしくはそれ
が至難であれば「対策本部長」が腹をくくり、超法規的に措置す
る、これが「戦争」なのだ。自由党時代に提起した「非常事態対処基本法案」には、その定
義の中に、侵略戦争とテロリストによる攻撃に加え、「大規模な
災害」と明記し、「国民の生命、身体若しくは財産に重大な被害
が生じ、若しくは生じるおそれが生じ、又は国民生活との関連性
が高い物資若しくは国民経済上重要な物資が欠乏し、その結果、
国民生活及び国民経済に極めて重大な影響が及ぶおそれが生じ、
通常の危機管理体制によっては適切に対処することが困難な事態
をいう」と書いている。ここにその全文を引用する紙幅はないが、必要な事項は網羅し
てある。能無し、智恵なしの国会議員でも、最高学府を出た人が
多数であり、これをベースに、今を反映しさえすれば数日の内に
新法は可能であり、この20日を無為に過ごすこともなかったと
私は思う。加えて衆参両院議長の無能・無責任ぶりも際立っている。先の
天皇のお見舞いのおことばには「国家非常事態」が言外に述べて
あり、それを拝受する能力を持たない首相なら、代替して斟酌す
るのが両院議長ではないか。それすらも果たせず何が国会改革か。
しかも毎日、犠牲者・避難民が生まれている戦争の最中に、選挙
区・定数変更の提案とは馬鹿もほどほどにしろと怒鳴り挙げたい。彼らは三権分立をなんと心得ているのか。憲法には「国会は、
国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」と明記し
ており、その国会を代表するのが両院議長である。つまりは、時
の政権が機能しないなら、国会が動きさえすれば国民の命を守り、
被害の拡大は防げるのである。首都圏を中心に実行されている「無計画停電」もしかりである。
在京の友人から電話があり、通勤電車が頼りにならないから、自
宅待機をしていたら停電はないという。発表当日の夕刊早版は、
「二転三転で首都圏鉄道大混乱」との見出しを準備していたが、
何としたことか。漏れ聞けば、あの時の総理会見の首題であった「無計画停電」
も十二分に議論された結果ではなく、一部の思いつきで発表され
たという。パフォーマンスで塗り固められた、「無計画停電」が
続行されれば、その経済的損失は計り知れず、東日本の国土再建
などおぼつかなくなく恐れもあるのだ。今さらだが、ここで昨秋の民主党代表選を思い起こしたい。党
員・サポータ並びに地方議院選挙では菅直人票が圧倒した。ここ
には「不正の疑い」が喧伝されたが、今はそれを検証する暇も、
手立てもないからこれは脇に置くとしよう。問題は、議員投票で
「菅直人」を選び出した206人の国会議員が、今何を考えてい
るかである。あの時もさんざん指摘された演説の内容・語り口、
そして人柄の表出に加え、湾岸戦争を含む危機管理能力など、そ
の差は歴然であったと多くの識者が指摘したにも関わらず、菅直
人に一票を投じた責任を彼らはどう考えているのか。ことここに
至っても口を拭っているとするならば、まさに「2・26前夜」
であり、私たちは悪夢の歴史を繰り返してはならない。憲法を私なりの解釈に置き換えてもう一度いう。「国会は、国
権の最高機関であって、時の政府も、そして裁判所もその支配下
にある。国会議員の多数が、真に国民を戦争の惨禍から守る意志
があるならば超法規を使わずともその手立てはいくらでもある」ここまで書いて我が家の家訓をふと思い出した。それは「親が
しっかりし過ぎると、その子供は自立できない」である。菅直人
さん、そして岡田克也さん、そして無能ぶりを晒している彼ら周
辺の国会議員の皆さん戦後の六十有余年間、平和ボケした私たち
国民の目を醒まして頂き、ありがとうございました。
しかし、災害復興や国土再建、そして新エネルギー政策論をあ
なた方に委ねる愚は断じて回避します。それは、子や孫たちへの
最悪の遺産相続となり、いまを生きる一人の人間として、命を賭
して守り抜かねばならない課題でもあるからです。
The comments to this entry are closed.
Comments