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May 2011に作成された記事

May 30, 2011

まるで金太郎飴みたいな、日本と言うシステム 

日本一新運動の原点57号が届いています。
末尾に添付させていただきます。

議会政治での「嘘」を許してはならぬ。

菅首相退陣の為の内閣不信任案の提出を。


平野さんが57号で指摘されている事は、尤もなことであります。
小沢さんに対する「嘘」と言うモノが、国会だけではなく、この国の国民そのものまでも壊してしまっていると私は感じています。

そしてその根底に在るのが、所謂「本音と建前」の使い分け、使い分ける事をそれを当然の権利だとばかり勘違いしている国民一人一人の認識でしょう。

本来、「本音と建前」の使い分けとは、お上に対して、或いは権力を持つ者たちに対しての、庶民の、或いは弱い立場の者たちの生活の知恵とでも言うべきものであると思います。

現実に権力の地位にある者たちや、国家の責任ある立場に立つ者たちには、庶民であるとか弱い立場のものとは違った使い分け、矜持と言ったものがあってしかるべきでしょう。

しかし、今の空き缶首相や枝豆幹事長、岡田幹事長や安住と言った面々には、本音と建前の使い分けに矜持どころか、国を守り国民生活を守ると言う意識も無く、国民や諸外国を欺き、自らの地位に執着するにおよんでは、建前すら破綻しているのも恥じることなく、嘘をつき続けている訳で、解散をブラフにしているようだが、現実には落選の危機に在るのは、空き缶や枝豆、岡田と安住と言った国賊の輩であって、不信任案に賛成するであろう議員達では無いと思う。


国民は何故に、そんな「嘘」や「本音と建前の使い分け」に疑問や怒りを持たないのだろう。
すくなくとも、国家のしかるべき地位に在る者にとっては、その責任は、庶民のそれとは比べるべきものではないと思うのだが。

日技と日技政治連盟の関係も、まさに「本音と建前の使い分け」そのものだと思う。

悲しいのは、日技がつく「嘘」程度の認識で、空き缶や岡田らが嘘をつき、それを「本音と建前」の使い分けくらいにしか感じていない事だろう。

それはとんでもない事である。

国民が民主党に政権を取らせ、期待した事の一つは、これまでの自民党政権や官僚達による、国民蔑視とお手盛り利益誘導を、止めさせること、使い分けを「嘘」を許さない事であったはずだ。

すくなくとも、鳩山さんまでは、その流れで来ていたと思う。

しかし、鳩山さんは渡すべきバトンを、最悪の集団に渡してしまったと言う事なのだろう。

日技を牛耳っている程度の人物と変わらない、志も無い、利権や私欲に汲々とした人物達が、国家の中枢に居座り続ける事の最大の被害者が、この国であり国民なのだと言う事だろう。

菅直人氏は国民に最も悪質なウソをついている

国難のいま菅政権打倒が日本再生の第一歩になる

「nihon-issinnunndou-genten-57.pdf」をダウンロード

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日本をメルトダウンさせてはならない! 「日本一新運動」の原点―56

◎「日本一新運動」の原点―56

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

○日本をメルトダウンさせてはならない!

(情報の隠蔽と工作は犯罪行為だ) 
 
 連休中の5月6日(金)、菅首相は突然の記者会見で「浜岡原
発の全面停止」を、行政指導として中部電力に指示し、多くの国
民から喝采を受けた。これで連休後の政局のイニシアチブを握っ
たかに見えたが、これが偽の「脱原発論」だとわかり政局浮揚に
効果が薄いとの雰囲気が漂い始めた。それを待っていたかのよう
に5月15日(日)、東京電力は世界中が「ヤッパリ」と驚く事
実を発表した。
 福島第1原発の事故で、1号機は大震災の5時間後燃料損傷が
始まり、16時間後にメルトダウンしていたということだ。さら
に、その後の報道によれば第2号、第3号機もメルトダウンして
いる可能性が強いということだ。専門家の一部には、第3号機が
「再臨界」の可能性も否定できないとの主張もある。私に届いた
東京電力関係者の内部情報によれば、4号機にも問題が多く「千
数百本の燃料露出による水蒸気爆発などの可能性」があるとのこ
とだ。
 東日本大震災の復旧が進み出したとか、復興構想が必要になっ
たという菅政権のパフォーマンスと、それを垂れ流すメディア。
何を考え、どこを見ているのか言語道断である。放射能からの避
難命令に生活手段を奪われた被災地の人々、日々拡大する農業や
漁業への被害、大震災と菅政権の人災により日本国は以前より増
して危機に瀕しているといえる。原発事故以外でも被災後70日
も経て、11万人を超える被災者を緊急避難所に放置し、悪性の
肺炎で災害関連死が急増している悲劇を見るに、これは棄民だと
いえる。菅政権が大震災に対して機能していないことに腹が立つ。
 東京電力が5月15日(日)に発表した「第1号機はメルトダ
ウンだった」という情報は、予想されていたとはいえ、菅政権に
とって致命的な打撃であった。事故発生直後から「安全」を菅首
相が言明していたからだ。翌日の衆議院予算委員会の集中審議で
の菅首相の狼狽ぶりを見ていればわかる。この情報は、菅政権が
初動対応を誤っていたことを証明するものだ。米国をはじめ国際
社会は当初から日本国政府が情報を隠蔽し工作したことを厳しく
批判していた。恐らく東京電力は第1号機のメルトダウンの情報
を、菅首相から公開しないよう指示されていたと思う。
 菅政権と東京電力の間に緊張関係があるのは当然である。しか
し、敵対的な関係であってはならない。理由は人災といわれる事
故が拡大中で、それをどう防ぐかという重大な危機が続いている
のだ。「情報の隠蔽と工作」は菅政権に責任がある。正確に情報
を公開することが、国際的協力を得て大災害を適正に収拾するた
めの鉄則である。それを自己保身・政権延命のために行わず、あ
るいは工作した菅政権の行為は犯罪といえる。いずれ法的問題が
提起されると思う。
 東京電力のやり方や在り方については、私を含め多くの人々は
言いたいことが山ほどある。今、もっとも大事なことは、東京電
力をはじめ専門家を活用して非常事態が続く原発災害を食い止め
抑え込み、国民と国際社会に安心して貰うことである。そんな時
期に菅政権のやっていることにはあきれるばかりだ。東京電力の
社長を外部から起用する情報を流したり、電力会社側がもっとも
嫌がる「発電と配電の分離」を菅首相自身が記者会見したりする。
この他にも民主党内の議論もなく「原発中心のエネルギー対策を
白紙化し見直す」との発言があった。これは大事なことであり、
実現して貰いたいことだ。
 しかし、菅首相の本音は国民受けを狙った、責任逃れの延命策
であることは明かである。この非常事態=戦争に最前線で戦って
いる部隊の戦意を失わせる愚かなことだ。もう一言いわせて貰え
ば、これらはさらなる「情報の隠蔽と工作」の責任を東京電力に
負わせるためであり、菅政権への批判を躱すための話題づくりで
ある。問題発言を繰り返し福島第一原発の対応ミスから、責任回
避を狙ったものだ。エネルギー政策や電力産業の基本問題は、国
民的議論の中で決めることで、菅首相の思いつき発言がかえって
改革を妨げることになる。
 3月下旬、私は「非常事態対策院」を挙国体制でつくり、菅政
権を緊急事態が収まるまで支える構想を実現すべく活動していた。
この時知った話だが、この構想を仙谷官房副長官に説明し協力を
求めた人物が、「どうせ在日韓国人からの違法献金問題で引責辞
任となる。挙国体制でひと息ついた時点を花道に退陣する方が本
人のためだ」と言ったところ、仙谷氏は「違法献金より、どのみ
ち原発災害対応で責任をとらざるを得なくなるので、この構想で
菅首相を説得してみる」と語って理解を示したとのこと。この話
を聴いて、原発問題で菅首相自身、重大な情報の隠蔽と工作を行
い、判断ミスをしていると確信した。
 東京電力の福島第1原発第1号機のメルトダウンに始まる情報
公開は、菅政権との敵対的緊張関係を深めていくであろう、それ
が菅政権崩壊の要因になっていくと思う。菅首相も東京電力も、
自分の保身を前提にしていては、原発のメルトダウンだけでなく、
日本国のメルトダウンにつながることになる。これを避けるため
に何をすべきか。大震災への対応をここまで混乱させ、被災を拡
大させている菅首相の退陣しかない。

(目に余る日本政治のメルトダウン)

 本稿執筆中に西岡武夫参議院議長が、読売新聞に寄稿した「菅
直人内閣総理大臣殿」という文章を読むことができた。「菅首相
は法律を無視している」「情報の隠蔽と工作」など、六項目にわ
たって大震災・原発対応を巡って、菅首相にそれらを処理する能
力はないと具体的に論じている。そして、サミット首脳会議前に、
野党が衆議院に内閣不信任決議案を提出すべきと断じ、政治家・
西岡武夫として、菅政権を誕生させた責任を感じ断腸の思いだと、
絶叫している。
 私は西岡議長とは50年に近い親交があり、10年間にわたり
同志として政治活動をともにしてきた。最長老の議会政治家とし
ての思いに全面的に賛同するものである。しかし、この西岡参議
院議長の論旨を理解する国会議員が何人いるか、私はほとんどい
ないと断じておく。理屈で分かっていても行動できる政治家はほ
とんどいない。
 西岡参議院議長は「国会議員が党派を超え、この大震災と原発
事故が、少なくとも、子供たちの未来に影を落とすことのないよ
う、身命を賭して取り組まなければなりません」と、国会議員へ
の呼びかけで寄稿文を結んでいる。この呼びかけに何人が応える
ことができるのか、多くを期待できない。その理由は、日本政治
全体が福島第一原発と同じように「メルトダウン」を起こしてい
るからだ。
 政治のメルトダウンほど恐ろしいものはない。大震災後、何度
か衆参両院で政府に対する質疑が行われているが、問題の本質を
突く質問が少ない。さらに、国会としての意志がまったく示され
ていない。西岡参議院議長が何回か菅首相を叱責する発言を行っ
ている。この当然の主張を参議院の意思、すなわち国会決議をし
て、国民に提示することをどうして行おうとしないのか。方策は
いくらでもある。
 首相問責という政局問題ではなくとも、例えば、原発の「情報
の隠蔽と工作」問題などは、真実を国民の知らせるのは政府だけ
ではなく、国会にも責任があると、なぜ考えないのか。もっと問
題があるのは、横路孝弘衆議院議長だ。この国難にひと言もコメ
ントしていないことだ。衆参両院議長が政治的良心をひとつにし
て、国を挙げて大震災に対応する姿勢を示し、菅首相を叱責すれ
ばこんな事態は避けられたはずである。
 菅政権が実質的に民主党政権でないことは前回論じたとおりだ。
現在の民主党も議会政治を担う政党ではない。さらに、自民党に
至っては、相変わらず政権交代の恨みを小沢一郎氏に持ち続ける
小児的政治家が多く、国難に正面から立ち向かう志のある政治集
団ではない。
 国会もメルトダウン直前だ。世代交代と粋がっているが、本当
智恵のある政治家はいないのか。


日本一新運動の原点の更新をすっかりさぼっておりました。
今日、纏めてアップしています。

さて、日本一新の会事務局より、メルマガの原稿をPDFファイルで発信したいと言う連絡があり、同時にファイルも届いております。

今号のファイルをアップしておきますので、印刷用にご利用ください。

「nihon-issinnunndou-genten-56.pdf」をダウンロード

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日本一新運動」の原点―54 、55

◎「日本一新運動」の原点―54

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

○菅首相で「国民の生命と財産」が守れるか!

 東日本大震災発生から2ヶ月が過ぎた。復旧のための第一次補
正予算が5月2日(月)に成立した。菅首相の対応は後手後手と
なり、責任逃れの発言が目立つ中で、国権の最高機関たる国会は
国民を代表して職責を果たしていると言えるのか。今でも被災地
は復旧・復興どころか混乱を続けている。特に、福島第一原発事
故に至っては、当初の菅首相の「安全発言」が完全に誤りであっ
たことが世界中に晒されている。
 菅首相で「国民の生命と財産」が守られるのか、戦後最大の政
治危機として国民は深刻さを深めている。菅首相の退陣による強
力な大震災対策政権の樹立が叫ばれる中、これらの動きを「つま
らぬ政争」として、菅政権の継続を主張するメディアの影響をう
け、政治家レベルの菅首相退陣論はしぼんでいる。
 こんなことでよいのか、菅政治を検証してみよう。

(菅直人政治七つの問題) 
 東日本大震災への対応を中心に、菅直人政権を検証すると「七
つの問題」にまとめることができる。要点を述べておこう。

1、非常事態という認識がない問題
 千年に一度という大震災、これに人類史上初めての人災が伴う
原発災害事故、ともに、日本有史以来の国難である。これを「非
常事態」と認識しなくて国民の生命と財産が守れるはずはない。
私たちは党派を超え、政府高官の協力も得て、菅首相に、国会決
議による「非常事態対策院」を設置することを進言した。政・財・
地方・労働各界の強者による党派・階層を超えた司令塔をつくろ
うとするものだが、敢えなく拒否された。危機に臨む政治指導者
としての資質に問題がある。

2、政権担当能力に致命的欠陥がある問題
 菅首相自らが「仮免政権」と自嘲した時期があったが、大震災
対応で致命的欠陥が明らかになった。私はかつて菅さんから「政
権担当能力」について質問を受けたとき、「戦略的自己抑制力」
だと答えたことがあったがまったく理解しなかった。政治とは集
団行為であり一人ではできない。ましてや、内閣総理大臣ともな
れば「国民の生命と財産」を守る最高責任者である。その能力は
司つかさ、部署部署にいる責任者の意見を聞き、適切な指導を行
うことである。これが首相のリーダーシップだ。
 菅首相が事態に対する冷静さを失い、官邸の自室に閉じこもっ
たり、報告に来た閣僚や官僚を理由もなく怒鳴るなどの異常行動
は、歴代の首相には見られなかったことだ。きわめつけは、東京
電力本社に怒鳴り込んだ奇行だが、大震災の直前には「在日違法
献金問題」で菅首相の首は風前の灯火であったことが原因と思わ
れる。昨年末からの菅首相の発言や行動に対して、心療内科の複
数の医師(国会議員を含む)から危惧する意見が出されている。
要するに、人格に問題があるということだ。

3、政権延命のため、情報隠蔽を操作した問題
 自然災害と人災が重なった原発事故が発生した翌3月12日
(土)の与野党党首会談で、現場に押しかけ視察した直後の菅首
相は「安全で心配いらない」と報告した。その直後に水素爆発は
起こった。菅首相は正確な情報を知っていたのか、知って隠蔽し
たのか、工作したのか。あるいは本当に知らなかったのか、知ら
なかったならさらなる責任があろう。米国はじめ諸外国では、事
故の当初から最悪の状態となる情報を把握しており、日本政府に
も通知していたと言われる。この菅首相の姿勢が、原発事故の対
応を全てにおいて混乱させ、現在でも続いている。
 そもそも、12日早朝のパフォーマンス視察が事故拡大の根本
原因ではないか。政府が「ベント」を命令して、菅首相が放射能
防護服も着用せず、専任カメラマンを同行して現場に現れたら、
「ベント」などできるはずはない。東京電力もこの辺の事実を情
報公開すべきだ。原発事故レベルを最初は「4」として、数日後
には「7」に上げた説明も、国民だけではなく、国際社会を納得
させることができなくて、不安・不信を増大している。原発事故
はあらゆる意味でこれからが問題であり、全てにおいて失敗した
菅首相を居座らせて解決できないことは明確である。
 原発事故の情報隠蔽は数限りなくあるが、きわめつきは、小佐
古敏荘東大教授が「原発事故の取り組みがその場限りで、事態の
収束を遅らせた」と涙ながらに記者会見して、内閣官房参与を辞
任したことである。福島県内の小学校など、校庭の利用基準で被
爆限度を年間20ミリシーベルトと設定したことへの抗議である。
国会で取り上げられたが、菅首相は「問題はない」と発言した。
これは暴言だ。小佐古教授の学問的生命を懸けた抗議は人間、な
かんずく子供の生命にかかわる基本的人権という憲法上の主張で
ある。これに唾を吐いたのが菅首相の答弁といえる。

4、国際社会への不信を増大させた問題
 米軍をはじめ各国の好意的支援のおかげで、今日の復旧が実現
したことには心から敬意を表したい。同時に菅政権の判断ミスで
各国の好意に対して失礼な対応をしたことが数多く指摘されてい
る。その諸外国の好意に礼ならぬ「放射能汚染水」を垂れ流した
のが、日本国政府であった。 
 これはさすがに隣国は苛立った。日本の「原発安全神話」は消
え、放射能管理の杜撰さを露呈し国際社会に拭いきれない不信を
与えた。一方、日本には原発事故の後始末に巨額の経費がかかる
だろうし、先進国企業は国を挙げてそれを狙ってこよう。
 5月末にはサミットが開かれる。話題の中心は「原発事故」だ。
仮に菅首相が退陣せずに出席することになれば、どんなことにな
るだろうか。原発事故の不始末を謝罪することになると、各国は
言葉には出なくとも、腹の中では計算が働こう。原発事故始末を
口実として、日本に「新植民地化」を強いてくるだろうが、菅首
相では対応することはできまい。

5、風評被害を発信させた問題
 菅政権から発信される情報が、放射能被害が「安全」から始ま
り、「直ちに問題はない」となり、続けて野菜や魚の規制が始ま
り、そして避難勧告が拡大され風評被害が全国に拡大し、さらに
果樹・野菜や魚はもとより、工業輸出品へのチェックとなる。
 きわめつきは菅首相が言ったといわれる、福島県のある地域は
「2~30年住めなくなるだろう」という話だ。躍起になって打
ち消したが、まともにうけとる国民は少ない。一連の菅首相の、
その場の思いつきによる軽口が風評被害の最大発信源となってい
る。こんなことで国政ができるのか。

6、国会で不誠実な暴論を繰り返す問題
 個々の問題は取り上げないが、大震災後の菅首相の国会発言に
は被災者の感情を逆なでしたり、専門家の意見を冒涜する発言が
多かった。
 代表的なものとして、早朝の原発現場視察とベントが遅れた問
題、政府機能が停止するような事態の検証、避難対象地域には住
めなくなるとの発言、小佐古教授の内閣官房参与の辞任等々、菅
首相の答弁には不誠実で暴言的なものもあった。国会議員からは
鋭い指摘もあったが、総じて技術論が多く、非常事態に対応する
政治の在り方という基本認識での議論が少なかった。菅首相の政
治姿勢だけでなく、国会にも問題がある。早い機会に関係者を証
人喚問すべきだ。

7、政権交代した民主党を崩壊させた問題
 大震災後の地方統一選挙は民主党の惨敗に終わった。岡田執行
部は強がりを言っているが、民主党に対し、全国的に拒否反応が
起こっていることは事実である。その原因は大震災前から見えて
いた。鳩山政権の成立は、自民党政権からの歴史的な政権交代で
あったことは疑う余地はない。それでは菅政権への交代は何であ
ったろうか。
 形の上では党内での首相の交代だが、政治心理学的には大変な
問題を抱えている。菅首相は昨年6月の就任にあたって「小沢氏
の排除」を宣言し、それを政権浮揚に利用した。しかし、参議院
選挙には敗北した。同年9月の代表選には小沢氏が出馬し、「自
民党との政権交代の原点を守るか」、「政権交代の原点を放棄す
るか」を問う選挙だった。放棄派の菅首相が勝利し、政権を続け
ることになる。この対立は政党の通常の派閥抗争とは異なる。政
権交代を国民に公約して成功した民主党が、偽装した正規の手続
きで政権交代の原点を否定するわけだから、有権者への裏切りで
ある。民主党国会議員の多くはこのことを理解していないようだ。
 小沢氏に対する検察審査会の強制起訴という政治的謀略が、裁
判の段階に入るや、民主党執行部は徹底的な「小沢氏排除」に出
た。しかし、小沢氏側には「小沢一郎」と書いた200名の衆参
国会議員がいる。その中で小沢氏を支援する人数は150人前後
といわれる。菅首相も岡田執行部も無視することはできない。そ
れでも菅首相と岡田幹事長は、政治倫理審査会出席をめぐって、
小沢氏を「党員資格停止処分」とした。
 東日本大震災は、小沢氏の「党員資格停止」を待っていたかの
ように起こった。この非常事態に対応するには、まず、政権政党
が挙党体制を創ることが最重要課題である。小沢氏は3月19日
(土)、菅首相の招きに鳩山氏らと応じ「何でもやるから何でも
言ってくれ」と心境を述べたといわれる。菅首相にはそれに続け
る言葉はなかったようだ。小沢氏は岩手県の出身で東日本大震災
の復旧・復興に欠かせない政治家である。菅首相は、大震災とい
う犠牲を払っても小沢元代表と挙党体制をつくることを拒否して
いるわけだ。民主党は政治心理学的には、肉体と霊魂が分離した
ような状況にある。菅直人という人格の反映だ。
 さらに、大震災の復興を悪用して、政権交代後から菅首相が策
謀していた「大増税」を断行しようとしている。最悪の不況下で、
民主党の立党の精神と「国民の生活が第一」という党是を否定す
るもので絶対に許してはならない。
 報道によると、鳩山元首相ら党幹部の中には菅首相の言動を批
判する動きに、民主党を割る行為をしないようにとの意見のよう
だ。国民のほとんどは、菅・岡田体制を自民党から政権交代した
民主党とは思っていない。菅首相が民主党を崩壊させた現実を直
視し、立党から政権交代に至る歴史を振り返り、新しい政治への
展開を志すべきである。

   鳩が蒔き 小沢が育てし民主党
      ただやすやすと 壊すは菅なり
                    貞 夫

 統一地方選が終了した4月25日(月)、衆議院議員会館の地
下廊下で、当選一回の民主党所属議員三人と出くわし、立ち話と
なった。彼らは「民主党は、これまでの支持者から拒絶されるよ
うになりました。次の総選挙で私たちは棄てられます。私たちは
どの船に乗ればよいのかわかりません」と話しかけられた。小沢
グループの議員ではなかった。私は「他人の船に乗る時代ではな
いよ。自分たちで船をつくることを考えてはどうか。議会民主政
治はそういう思想でできているのだよ」と、答えておいた。



◎「日本一新運動」の原点―55

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

(菅首相に脱原発の思想はない!)

 「メルマガ・日本一新」54号(菅首相で「国民の生命と財産」
が守れるか)を発信したのが、5月6日(金)の午後4時だった。
菅首相の「浜岡原発完全停止」の記者会見が数時間後に行われた。
そのため前回のメルマガでは「浜岡原発停止」の菅首相の記者会
見へのコメントが間に合わなかった。
 そんなこともあって、私の前回のメルマガに対する反応が多く、
おかげできわめて興味深く「ネット社会」の実態を勉強すること
ができた。私の意見への賛否はほぼ同数であった。印象として申
し上げたいのは、「世の中の動きを総合的に見て、自己主張を抑
えて多くの人が理解できるコンセンサスをつくろう」という雰囲
気を感じたことである。この流れが進化すれば、ネット活動が既
成メディアの欠点を駆逐し健全な社会をつくることができること
になろう。これを健全派と名付けよう。
 一方、まだまだ既成メディアのタレ流しの影響を受け、メディ
アの批判をしながらメディア支配を増進しているコメントも多か
った。この類は世の中を動物的反応で見ていることだ。人間が過
去・現代・未来という異次元の中の同時存在だという理解がなく、
全てを形と量で評定しようという発想だ。自己の主張に陶酔し、
それが集団化して権力に利用されるようになると「ファシズム」
となるが、これをネット社会の不健全派と呼ぼう。「ネット社会」
の「健全派」と「不健全派」の葛藤が21世紀という情報化社会
の成否を決めることになろう。
 さて、菅首相の「浜岡原発完全停止」の記者会見を聞いて、思
い出したのは、平成13年5月の小泉首相による「ハンセン病控
訴断念記者会見」であった。これは戦後最大の国会・政府・司法
の怠慢で、ハンセン病患者の人権が放置されていた大問題であっ
た。行政の当然の義務として控訴を断念すべき問題を、就任早々
の小泉首相のパフォーマンスで政治的に利用したことである。
 この小泉首相の態度はハンセン病患者の人間性を冒涜するもの
であったが、全メディア、そして与野党がこぞって小泉首相の英
断として、高く評価して支持率を上げた。その結果が、小泉改革
と称する米国金融資本による、日本植民地化と格差社会の実現と
なった。この時、公然と小泉首相のやり方を批判したのは、評論
家の藤本義一氏と、日経新聞のA編集委員、そして私は、国会の
参議院法務委員会で情報ファシズムの危険性を絶叫した。
 菅首相の「浜岡原発完全停止記者会見」は、おそらく小泉首相
の「ハンセン病控訴断念記者会見」を参考にして、政権の浮揚と
権勢欲拡大のパフォーマンスであったことは間違いない。小泉首
相と菅首相のパフォーマンスの違いは、小泉首相は政府関係者に
さんざん抵抗させた上で、いかにも自分が政治的判断をしたとの
演出を成功させたことだ。これは冷静に行政判断として熊本地裁
の判決に従うべきであった。
 これに対して菅首相の場合には、ごく一部の側近と極秘に協議
して、連休後の「菅下ろし」を防御する狙いで、突如、唐突に記
者会見したものだ。一見成功したかに見えたが、時間が経つにつ
れて菅首相の政治手法や日本経済への影響、さらに昨年の政権発
足の時に公約した原発政策との整合性について、国民は疑問を持
つようになった。
 菅政権発足以来、国民生活に重大な影響を与え、国家の存立の
基本に関わる問題について、思いつきの判断で国民を不安に陥れ
ることが何回かあった。代表的なものは、昨年の参議院選挙前の
消費税引き上げ、沖縄尖閣沖衝突事件での中国人船長釈放問題な
どである。唐突さと思想性のなさと行き当たりばったりのやりか
たは、国民の記憶に新しいことだ。
 浜岡原発の全面停止は、政策としては当然の判断である。本来
なら東日本大震災以前に原子力政策の基本問題として、政府が真
剣に検討すべきことである。国際的にも影響を与えることでもあ
り、国内的には国民生活に甚大な影響を及ぼすだけでなく、日本
経済の根幹に関わる問題である。政府内部だけでなく、国会での
各党の意見、関係各界の議論を行ったうえでの判断でなければな
らない。勿論、異論・激論があろう。それを総合的に調整したう
えで、全面停止の判断を行うべきであった。決して政権継続とか
保身という政略で対処すべきではない。
 菅首相の英断?の影響が、あまりにも大きかったため、数日後
「原発の停止は浜岡だけです」と、他の危険が心配されている原
発へ波及しないことを明らかにした。ここら辺が菅首相の「脱原
発論」が本物でないことを証明するものだ。平成19年の参議院
選挙で「原発政策の変更」を、当時の小沢代表の意向を受けて菅
代表代行に進言したとき聞く耳を持たなかったことを思い出した。
 菅政権が発足して国民に約束したのは、消費税率の引き上げで
はなかった。「2030年の電源を原発で50%確保する」とし
て、原発の増設方針を決めた。さらに経済成長のために途上国に、
恐ろしい「ウラニウム原発」を売り込むことであった。某国とは
契約が成立すると同時に利権も発生しているという噂もある。こ
れが菅政権の実態だ。

 あまりにも整合性がないエネルギー政策に、次なる思いつきは
「政権発足時のエネルギー政策を白紙に戻す」という政策変更と
なった。間違った政策を変更することは、悪いことではなく必要
なことだ。しかし、大震災発生に関係なく、菅首相の「原発政策」
は採用してはいけない政策であった。大震災の発生で政策変更を
正当化しようとする根性に問題がある。それを白紙にするという
のなら当然に「政治責任」が発生するが、これを自覚できない政
治家は政治を行う資質に欠ける。
 日本の政治で深刻なことは、政策変更した総理大臣に責任や反
省の意志がなく、それを追求する国会議員もほとんど稀で、さら
にそれを取り上げるメディアもほとんどないことだ。日本の政治
は最悪の状況で機能しなくなった。

(ある皇室関係者のささやき)

 5月10日(火)、日野原重明先生が主催する「ホイットフィ
ールド・万次郎友好記念会館協力会」の理事・評議員会に出席し
た。久しぶりに、皇室に関係する著名人と会った。
 私の顔を見るなり、「大震災という国難に政治が適切に機能し
ていません。そんな時に首相を変えようという意見が大勢となら
ず、変えるべきでないとの意見が与野党の中で多いという事態を
理解できません。メディアがそれを後押ししています。日本は不
思議な国になりましたね・・・・」と話しかけられた。
 私は大震災以来、「当分は菅政権のままでも、日本人の全ての
力を結集して対応する政治体制を作るべく、各方面に働きかけま
したが、すべて失敗に終わりました。多くの良識ある人々から、
『こうなったら天皇陛下からお声をかけてもらったら』という提
案もあり悩みましたが、さすがに私もそれはできませんでした。
 しかし、すぐれないご体調で7週も続けて、両陛下が心を込め
て被災者や被災地を見舞われているお姿をテレビで拝見して感動
しています。また、被災者に対するお言葉やご丁重なお振る舞い
の中に、日本の政治に対する陛下の思いを私は感じました。日本
国と国民統合の象徴としての役割がこれでしょうか。それに比べ、
政治の本質を忘れた政治家が多く、菅首相をはじめ与野党の政治
指導者が日本全体のことを考えず、自己を捨てて復旧復興に取り
組もうとしません」というと、その著名人は、
「陛下の回りには、しっかりした人物が何人かいます。同じよう
な思いをしている人たちもいます」と、私にそっとささやいてく
れた。

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日本一新運動」の原点―52、53他一題

◎「日本一新運動」の原点―52 

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

(菅首相の退陣が最大の震災対策だ!)

 「裏切られ騙されたとはいえ、菅政権成立の切っ掛けは私がつ
くった。今のままでは大災害や戦争が起こったら国政を統治でき
ない。これは私の責任だ。」2月7日(月)の夕刻、小沢一郎元
民主党代表が絞り出すように語ったことばを、私ははっきりと憶
えている。菅首相の官邸での様子や、民主党内の問題を原口一博
前総務大臣が説明して退室した直後で、いま思うと、東日本大震
災を予感していたようだった。
 3月11日の東日本大震災発生以来、小沢氏は、故郷東北の惨
状への菅政権の対応を祈る気持ちで見ていた。「民主党党員権資
格停止」という、いわば「座敷牢」の中にいては与党議員として
何もできない。「小沢さんを大震災対策の中心に据えるべきだ。
この国が危急存亡にあるこの時こそ小沢さんに働いて貰わねばな
らぬ。小沢さんに直言できるのは平野さん、あなたしかいない。
何をしているのか」と、日本一新の会のみならず、あらゆる立場
の人たちから攻め立てられ、いたたまれない日々が続いていた。
 在日韓国人からの違法献金問題で、風前の灯火となっていた菅
首相は、結果的に延命となった未曽有の大震災を「宿命」と発言
するなど、その精神状態は尋常ではない。天災である東日本大震
災と、人災ともいうべき福島第一原発災害というふたつの国難は、
「国家国民が非常事態下に置かれ、日々生命が毀損されている」
という認識に欠ける菅首相に対し、私は2回にわたって提言を行
ったがいずれも不調に終わった。

 1回目は、笹森清内閣府顧問を通じたもので『東日本大震災及
び福島第一原発問題に対する政治の取り組みについて』と題した。
 そのポイントは、
1、まず、民主党代表経験者を招き政権与党の挙党体制をつくる。
2、その後、挙国体制をつくり、非常事態に対処するよう、野党
  にひとしく働きかけること。
3、次に、超党派による「総合対策本部」を設置して、意思決定
  機関を一本化する。
4、その他。
 などの構想案を提言した。3月19日(土)に代表経験者を招
きはしたものの、報道で知る発言はおざなりで挙党体制は夢幻と
なった。
 その後唐突にも電話で、谷垣禎一自民党総裁に震災担当相とし
ての入閣を要請したが即刻断られた。挙党・挙国体制構築とは手
間暇を要するものの、相手に対する礼節と手順は要諦であり、こ
こを端折ったらまとまるものも纏まらない。そんなことから「菅
首相は政治音痴」と嘲笑される始末だった。
 2回目は、このままでは国家も国民も漂流しかねないとの思い
で、亀井静香国民新党代表と、村上正邦元参議院議員に相談して
菅首相に提言したのが『非常事態対策院』の設置であった。これ
は、国会決議により、非常事態に対処するため挙国体制をつくる
ことを目的とし、各党・政府・各界を代表する強者を結集して、
緊急対策や復興の基本方針・政策の立案及び実施を、菅政権に提
言し実行せしめることであった。この構想は中曽根元首相の理解
も得て、菅首相を説得すべく仙谷由人官房副長官が尽力したが実
現するに至らなかった。菅首相が応じなかった理由は二つある。
ひとつは、一区切りつけば退陣の可能性があり、二つ目は、この
構想に応じれば増税で賄えない災害復興費が必要となり、それは
財務官僚の意図に背くことをことを恐れたからである。要するに、
この非常事態に財政再建に見通しをつけるまでは辞めたくないと
いうことだ。

 さて、大震災発生後50日近くになり、菅政権はどんな災害対
策を行ったのか。23日(土)と24日(日)の両日に行ったサ
ンケイグループの世論調査によると、菅首相に対して、79・7
%が震災・原発対応で指導力を発揮していないと答え、評価した
のは13・4%である。初期の救命活動やその後の被災者支援、
被災地復興などが後手に回ったことを国民は見透かしているのだ。
加えて、放射能漏れ事故に対する菅政権への、国際社会の批判と
不信は高まる一方である。
 20を超える「対策本部」を設置し、構想能力に疑問のある曲
学阿世の学者をかき集め、会議を開くことが最高の災害対策と確
信している菅政権を、国会はいつまで放置しておくのか。
 4月10日と24日行われた統一地方選挙は、事前の予想通り
民主党の惨敗で終わったが、これは与党執行部の大罪である。手
足をもがれたも同然のこれからの国政選挙で、民主党は勝利する
ことが可能だろうか。民主党という名で政治ができる状態でない
ことを、党所属の国会議員は自覚しているのだろうか。
 いま、日本国の政治でもっとも必要なことは、大震災被災者の
救援であり、福島第一原発の放射能対策である。それをもっとも
妨げているのは菅首相自身であり、一刻もはやい退陣が必要であ
る。菅首相を退陣させることが大震災対策を効果あらしめる最大
の政治課題といえる。




◎「日本一新運動」の原点―53

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

○大震災の非常事態と政治の異常事態は終わっていない!

 3月11日(金)の東日本大震災発生から49日が過ぎ、被災
各地で法要が行われている。数万人の人々の生命を失い、仮設住
宅の建設が業界の圧力で著しく遅れ、10数万人の人たちが避難
所での生活を続けている。また、復旧の見通しどころか、生きて
いく見通しがつかない人々の数も数10万人に及んでいる。避難
所では病身のお年寄りが次々と死亡している。
 一方、福島第一原発の人災は、政府の情報隠蔽により世界中の
不安は増大するばかりだ。菅首相は28日(木)の衆議院本会議
で「原発事故検証委員会」を設置することを明らかにした。これ
は菅政権の事故対応の問題の実態、初動対応の失敗など、菅首相
の判断ミスを隠蔽しようとするとんでもない謀略であることを国
民は知るべきだ。
 原発事故発生時点に現場にいた東電関係者の情報によれば、菅
政権の「レベル7」の発表の唐突さに対して、「4号機の千数百
本の燃料露出による水蒸気爆発などの可能性を先取りした、レベ
ル7の発表と思います」ということである。原発事故現場のその
後の状況をみるに、この情報が確かである可能性が高まっている。
 29日(金)には、小佐古敏荘内閣官房参与(東京大大学院教
授)が記者会見し、福島第1原発事故への政府の取り組みに関し、
「その場限りの対応で事態の収束を遅らせた」と激しく批判して
辞任するなど、菅政権は責任回避のため情報操作を行っていると
いえる。
 これだけではない。原発人災に伴う避難区域・警戒区域などに
対する政府の方針の混乱、被災者に対する救援や補償などが住民
中心に行われていなくて、相当の不満が出ている状況だ。それに
福島第1原発風評被害は、福島県や周辺地域の農業・漁業だけで
なく、日本中の経済に大きな影響を与えている。しかも、風評被
害の根源は、菅首相や政権内部からの不用意で軽率な発言にある。
 私の言いたいことは、大震災や原発事故の非常事態は続いてい
るにもかかわらず、菅首相の常識を破る暴言が国会でも続いてい
る。それを与野党の国会議員が、反論できないどころか押し切ら
れている現状がなんとしても異常である。この政治の異常事態を
改善しなければ、真の国民のための震災対策はできない。

(菅首相の狙いは大震災対策より増税にあり)
 
 大震災が発生しなければ、菅氏の首相としての地位は3月一杯
で終わっていたのだ。在日韓国人の違法献金問題があったからだ。
この問題はこれからも責任が追及されることになる。真っ当な政
治家なら「応急な対策を終えれば辞めるので、新しい救国政権で
対応されたい」という、大局的な判断をするはずである。
 菅首相には、この大震災が国難的非常事態という認識がないど
ころか、原発事故を、政界では自分が最大の知識の持ち主と過信
し、初動対応を誤って人災としてしまった。そして大震災すべて
の対応に、不必要な組織を積み上げるという、非常時にやっては
ならないことを行い、震災対策を致命的に遅らせた。それでも日
時が経つにつれ、復旧・復興費が巨額になることを見込んで、消
費税や復興税など、増税を財源とすることを公言するに至ってい
る。それどころか「災害復興をなしとげ、税と社会保障の一体的
改革に見通しをつける」と、国会答弁で開き直っている。
 多くの国会議員が、この菅首相の狂言的暴言に、まともに反論
できないのは何たることだろう。菅首相も駄目だが、国会もそれ
以上に劣化した日本政治の異常さを露呈している。小沢一郎氏が
身命をなげうって「こういう劣化した政治を変えなければ、この
時代に生きた政治家として恥ずかしい。このままでは末代批判さ
れる」という決意を語っても、これを理解する国会議員は多数と
ならない。小沢氏の発言は地位や権勢欲を投げうった心境である。
 国難といわれる大震災の復旧も見通しが立たず、まして復興構
想も思いつきのものしか政府が持たない段階で、財源に増税、し
かも消費税の大増税を行い、復興に見通しがつけば社会保障のた
め恒久的なものにする、というのが菅首相のねらいだ。こんな発
想で大震災対策が出来るはずがない。まして、有史初の原発人災
を抱えて、財源を増税とする震災対策なら政治は要らない。
 国難の大震災への対応にもっとも必要なことは全国民の協力で
ある。菅首相が自身の延命に大震災を利用とする限り、その地位
に存在してはならない。このことを与野党の国会議員は肝に銘ず
るべきだ。まずは各界の有識者の智恵を出し合って、増税でない
財源の捻出を考えるべきである。国の埋蔵金、民間の埋蔵金や当
面財政に影響を与えない調整金、建設国債など、五十兆円ぐらい
の財源が捻出できないはずはない。
 4月28日(金)、三宅雪子衆議院議員から電話があり、私が
かねてから「メルマガ・日本一新」などで主張してきた「民間の
埋蔵金」、すなわち金融機関に眠る「休眠口座」の活用について
質問があった。
 私の構想を支援してくれている中北徹東洋大学経済学部教授と、
エコノミストの浪川氏を紹介しておいた。ようやく政治家が取り
上げるようになった。制度上どのような整備が必要か、どれだけ
の財源となるか、英国の例が参考となる。
 
(社会保障の整備と税制改革)

 社会保障の整備は確かに必要だし、税制改革もこのままでは立
ち行かなくなる。しかし、消費税を社会保障目的税にするという
時代ではなくなっていることを知るべきだ。菅政権が目論んでい
る8%にアップしても5年もたないだろう。消費税制度を導入し
た時の先人たちの苦労を学ぶべきだ。私は当時、衆議院事務局で
政治の裏方にいた。先人の政治家たちがどんな苦労をしたか。
『消費税の攻防』(千倉書房)で、私の秘蔵日記を公開する準備
をしている。
 平成20年代の変化した情報資本主義社会では、税で社会保障
を賄うという政策は行き詰まっている。社会保障で安心・安定の
生活のため、分担金という発想で国民的合意を得る努力をするべ
きだ。日本の「税」は、お上から召し上げられるという文化で成
り立っている。
 「絆」も「共生」も互いに助け合うという共助思想をもとにし
ている。誰がどういう条件で分担していけばよいのか。新しい社
会の在り方の基本として議論すべきであり、決して権力欲を満足
させるためのものであってはならない。





◎ 東北の復興を考える
   ―「藩札」を利用し経済の「かたち」を変える―

                 日本一新の会 元田 厚生
                  (札幌大学大学院教授)
 ここでは財政については触れない。政府が考えている、増税と
抱き合わせの国債の発行など論評に値しないからである。消費税
でさえゼロにできるのだから何をかいわんやである(菊池英博
『消費税は0%にできる』参照)。また、東電がコストカットの
ため耐震設計を低く見積もったこと起因する、原発震災について
も触れない(武田邦彦HP他参照)。必要な対策は放射能拡散の
防止と汚染された地域の除染とであるが、それらについては信頼
できる専門家がネットで意見を開陳している。

 何よりも東北の復興はその歴史、つまり東北地方固有の自然と、
それと向き合い共生してきた住民とが織りなしてきた歴史の延長
線上に考えるべきである。そのことを前提にした上で、現在の日
本とその構成要素である諸地域とが抱える問題から東北地方の復
興について考え、地域の住民と地域の自治体との協力・協働によ
って可能な政策2点について参考に供したいと思う。

(「経済のかたち」を変える)

 復興に際し考えて貰いたいことはこれまでの「経済のかたち」
を変え、外部依存タイプの地域経済を内部循環タイプに変えるこ
とである。
 人類がその誕生地南アフリカから世界に移動し拡散したのは、
より豊かな生活の実現を求めてである。そして適切と思われる場
所に定住したわけだが、その選択基準はその場所の自然に依存し
て生活を営むことができるか否か、つまり、生活に必要な大多数
のモノをその場所で入手できるか否かであった。 
 環境論者は誤解しているが自然は単なる環境ではない。人類は
自然素材の一部を消費することで初めて生存できるのであるから、
自然は人類の生存条件そのものである。野生のリンゴを収穫する
時、木を切り倒してしまえば次年度以降の生産はできないから、
人類は自然を消費しながらも自然が再生産できるように気遣いな
がら、自然の営み(物質循環)に合わせて生活してきた。
 それゆえ定住生活が可能になるとは、その地域における自然と
人間の営みが循環可能であることを意味する。これが地域循環タ
イプの経済であり人類に本来的な「経済のかたち」である。
 しかし狭い場所だけで自給自足することは簡単ではないから、
具体的には、少し広い地域におけるネットワークを通じて、たと
えば海の物を山の物と交換して生活を営んできた。それゆえ人類
の本来的な「経済のかたち」とは自然との関係でみれば地域内循
環タイプであり人間相互の交換と補完に視点をおけば地域内ネッ
トワーク経済と表現できる。
 それが人類に本来的な「経済のかたち」であることは、その
「かたち」が世界の各地で自然発生的にできたことが示している。
世界で最初の国際貿易が奢侈品を中心とするものであったことは
記憶に留めて欲しい。つまり、生活必需品は地域ネットワークを
通じて入手できるのだから輸入に頼ることはあり得ないことであ
る。ある地域が生活必需品を輸入しなければならなくなるのは、
植民地支配によって内部循環タイプが外部依存タイプに作り変え
られた結果である。
 現在のセネガルでは棉花の輸出が経済の生命線になっているの
は、主食である米を海外から買う代金を入手するためである。輸
入した米を主食とする「習慣」は植民地時代に宗主国フランスに
よって押しつけられたもので、仏領ヴェトナムの米を無理矢理買
わされたのである。
 遠く離れたヴェトナムの米を当てにしてセネガルに人が定住す
るわけがないことを考えれば、この「経済のかたち」が人類に本
来のものでないことは自明である。食糧を外部に依存する経済は
まさに国民が自立できない経済、植民地タイプの経済である。先
進国はおしなべて100%前後の食糧自給率を達成している。食
糧の安全保障という点からみても国民経済の自立という点からみ
ても当然のことで、食糧自給率が4割未満の日本は残念ながら自
立した国民経済とはいえない。
 日本はセネガルとは国力が違うとはいえ、輸出大企業を経済の
中心に据える限り、原材料と食糧とエネルギーを外部に依存する
経済に変わりはなく、このタイプはモノが極端に欠乏した戦後の
焼け野原経済か植民地経済にしか該当しない。
 しかし他方で、日本は戦後の焼け野原(モノ不足状態)から先
人たちの血のにじむ努力によってモノがあふれる段階にまで到達
したが、いまやモノ中心の経済は機能不全におちいっている。な
ぜなら、一方では自動車や家電製品などのモノはこれ以上国内で
売ることはできないし、他方で国民は有り余るモノに窒息し少し
も豊かさを実感できないでいるからである。つまり、日本経済は
モノから多様な価値を引き出すことのできる享受能力を錬磨すべ
き、成熟した段階に移行したのである。
 この点は拙著に譲るが、これまでの日本経済がモノ中心であり
しかも外部依存タイプであることから、東北地方の復興の方向性
が明らかになる。外部依存タイプの地域経済を地域内部で循環す
るタイプに近づけることである。
 例として、それまで紙パルプの輸入に依存していたイギリスが
紙の生産を地域循環タイプに変えたことがある。イギリスはそれ
まで紙パルプをアフリカなどから輸入してきたが、その輸送が多
くのエネルギーを消費することから紙の国内生産を志向し、国内
産の麦わらと麻そして古紙を使って生産するようにした。
 しかも麦わらという嵩張るモノの国内輸送でさえもエネルギー
多消費であることから、生産拠点をいくつかの地域に分散するこ
とにした。その結果、麦わらや麻の生産、古紙の回収、それらを
使った製紙、それらをネットワーク的に結ぶ短距離輸送などが可
能になり、紙生産の地域内循環システムができあがったのである。
 ここで重要なもう一つの変化は、国内一円をカバーする大規模
生産ではなく地域に分散した小規模生産の実現である。それを技
術的に可能にしたのがそれまでの大型生産装置に変わる小型生産
装置(ミニミル)であり、これこそシューマッハーが推奨した
「中間技術」そのものである。彼が大型生産装置に反対した理由
の一つはそれが自然浪費型であること、つまり、大量消費と大量
廃棄とを前提とする大型生産装置は自然を不必要に浪費すること
であり、もう一つはそれが雇用削減型であることである。地域内
部の人々のネットワークを可能にする小規模生産こそ地域内の雇
用を最大限に保証するものだからである。 
 それゆえプーラン・デサイは「中間技術」を「地方分権を可能
にする技術」とも表現する。経済が中央集権タイプ(少数大企業
支配)である限り、地方は自立できず地方分権は名目の域を出な
い。地方分権は税収の権限移譲だけでは実現できないからである。
 これは太陽光発電の必要性にも通じるものである。
 日本はドイツに抜かれるまで太陽光パネルの生産で世界一であ
ったが、いまでは、固定価格での買い取りを20年にしたドイツ
に抜かれてしまった。日本政府(通産省)の失敗、というよりも
電力会社の既得権擁護の所為である。
 エネルギー問題には2つの側面がありその一つが再生可能エネ
ルギーへの転換である。人類は自然界の物質循環に依存しなけれ
ば生存できない以上、自然が再生産できないような石炭・石油・
天然ガス・ウランなどをエネルギー源とすることは間違いで、自
然が再生産できる太陽光や風力などにエネルギー源を求めること
は当然のことである。
 エネルギー問題の二つめの側面は、個人を自立させ地域を自立
させ国民経済を自立させるエネルギー政策か否かである。これは
ドイツで太陽光発電を推進した中心人物であるヘルマン・シェー
ア(社会民主党国会議員)の言葉である。
 アラブ首長国連邦では島一つを使って巨大な太陽光発電システ
ムを開発中である。しかし巨大な発電システムではこれまでの電
力会社による独占と変わりはない。個人はエネルギーに依存する
状態を強いられる。人類の共有財産である太陽光を個々人が利用
して発電エネルギーに変換させる政策こそ、新しいエネルギー政
策である。
 ドイツの全電力量はドイツの建物の屋根10%に太陽光パネル
を敷くだけでまかなうことができるし、屋根用の太陽光シートも
すでに開発されている。ここには巨大な市場が待っている。エネ
ルギー技術革命は中小メーカーに太陽光発電に参入する道を開く。
既設の建物の屋根に太陽光パネルやシートを敷設するだけでも多
くの雇用を産むのである。
 つまり、大企業への中央集権タイプの経済が日本を外部依存タ
イプの経済に変質させたことを踏まえ、「分散」と「自立」を合
い言葉に東北の復興を進めて欲しいと願っている。

(震災ニューディールと藩札発行)

 民間研究所の試算によれば、東北3県でこれからの6年間に喪
失する雇用は、農林漁業を除いても6万人に達する。「経済のか
たち」を変えることが中期的な目標とすれば雇用創出は緊急の課
題であり、本来であれば政府主導による「震災ニューディール」
が必要である。だがそれを期待できない現状では、地方自治体政
府が「藩札(地域通貨)」を発行してミニ版の「震災ニューディ
ール」を行ってはどうだろうか。
 地域通貨の成功例として必ず紹介されるのがヴエルグル(オー
ストリア)での実験で、この町が1929年の世界恐慌の影響を
受け不況に喘いでいた時、町長は町予算を銀行に預けそれを担保
にしてヴエルグルだけで適用する地域通貨を発行し、それを町の
失業対策事業の雇用者に賃金として与えた。工夫はその地域過貨
をデマレージの一種として考案し、地域通貨を受け取った人がそ
れを翌月に使う場合、額面金額の1%に相当するスタンプ券を購
入して地域通貨に貼付しなければ使用できないようにしたことで
ある。
 このいわゆるマイナス利子の支払を避けるため、地域通貨を受
け収った人はできるだけ早くそれを使った結果、その地域通貨は
国民通貨オーストリア・シリングの12~14倍の速度で流通し、
それに対応する有効需要を創出し、ヴェルグルはオーストリア初
の完全雇用を達成したのである。
 これを伝え聞いた他の町もそれにならい1933年6月までに
200以上の都市が地域通貨を採用したが、同年11月には政府
と中央銀行が彼らの錬金術(信用創造)を否定する地域通貨を禁
止した。その結果、ヴェルグルは再び失業率30%の町に逆戻り
し、それがヒットラーを救世主として待望する背景の一つとなっ
たといわれている。
 このように雇用問題を解決するため、東北地方政府がヴェルグ
ルにならって藩札(地域通貨)を発行するという方策は検討に値
するだろう。たとえば、1兆円を現金準備にして数倍の藩札を発
行し震災ニューデールの資金とすることである。
 その場合の留意点の第一は、藩札の流通範囲を県庁だけでなく
各自治体が協力して拡大することである。現在の日本にも多数の
地域通貨が存在するが国民通貨(円)を補完するような存在には
なっていない理由は、その地域通貨で買い物できる店が限られて
いるからである。藩札の流通範囲を拡大するためには、地域通貨
を受け取る人と店のネットワークを作り出す必要がある。
 この点は先に述べた地域ネットワーク型の経済と重なる。これ
までのように遠距離の市場向けに生産し輸送し販売する外部依存
タイプの経済では、藩札の流通は限られる。なぜなら他県の業者
が受け取ることを期待できないからである。したがって、藩札の
流通範囲の拡大は一方では経済を内部循環タイプに変えながら、
他方では地元産品の優先的購買運動「バイ地元産」と並行して進
める必要がある。 
 もちろん買い物の全額を藩札で支払うことを強いることはでき
ず円との共用になる。しかし、藩札で支払った割合に応じて支払
い額を値引きするなどというアイデア、地域の実情に合わせた仕
組みが必要である。その場合、値引きで誘導するのではなく、地
域の復興のために面倒でも藩札を受け取りそして使うという精神
こそ重要である。
 藩札の導入はまず県庁と市町村役場が音頭をとることになるが、
震災復興を合い言葉にしたヒューマン・チェーンを作り上げるこ
とを最優先すべきであろう。その鎖の輪は「地元産品の購買によ
って地域の生活と雇用を守る」というメッセージと共に広がるの
である。フェース・トゥ・フェースの人間関係の広がりこそ、無
機質で匿名の市場経済を変えるファクターで、藩札導入にはもっ
と沢山の問題が介在しているがそれを乗り越えるプロセスこそ人
間関係の輪を作り上げる契機ともなる訳だから、部外者の言及は
ここまでにしたいと思う。


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東日本大震災津波・岩手からの報告

◎ 東日本大震災津波・岩手からの報告

                  日本一新の会 達増拓也
                       (岩手県知事)

 「日本一新メルマガ」への投稿は、大震災津波後、初めてにな
ります。岩手県や県内被災地に対し、全国から、世界から、多く
の支援、お見舞い、激励をいただいています。この場を借りて、
感謝申し上げます。
 また、大震災で犠牲になられた方々、その関係者の方々に、心
からの哀悼の意を捧げます。

 発災翌日の3月12日、岩手県選出参議院議員である平野達男
内閣府副大臣が、23人の事務方と共に岩手入りし、岩手県庁内
に政府の現地連絡対策室を立ち上げました。事務方は、内閣府の
防災担当参事官の下に各省庁の若手で構成。県庁内には、11日
のうちに自衛隊の連絡窓口もでき、その後、北東北3県を管轄す
る第9師団の司令部が青森市から岩手県庁に移されました。

 これにより、発災当初から、被災地が直面する課題について国
と地方自治体の職員が共同で解決する体制ができました。同じこ
ろ、県は、停電と通信途絶の中で、12の沿岸市町村全てに本庁
職員を派遣して、状況を把握し、初動を支援しました。市町村と、
県と、国の各省庁がつながって、人命救助、避難、応急復旧、被
災者支援を展開しました。避難所のケアは、自衛隊に負うところ
大です。

 工場で研修をしていた中国人が多数被災したので、外務省の中
国語ができる職員にすぐ来てもらいました。被災市町村の行政機
能が大きく損なわれており、県や他市町村からの大規模な支援が
必要だということで、市町村行政に詳しい総務省職員に来てもら
い、支援体制作りを手伝ってもらいました。その他にも、いろい
ろと、現場の要請で各省庁に動いてもらいました。後に政府が決
めた被災地支援策のかなりの部分は、市町村、県、各省庁の事務
方の「現場力」で作り上げたといえます。

ガソリンなどの燃料不足が長く続いた件は「現場力」では対応し
きれず政府による全国的な調整力と指導力の不足がたたりました。
なお、宮城県の政府現地連絡対策室担当の東祥三内閣府副大臣が
岩手の被災地入りした時に、仮設ガソリンスタンドの設置を現地
で決めてくれ、すぐ実行されたのは助かりました。

 「政治主導」を感じたのは、がれきの処理です。樋高剛環境政
務官が政府のがれき処理プロジェクトチームの座長となり、関係
省庁の事務方を糾合し、平時であれば1年かかるような省庁間調
整を2、3日で終わらせました。阪神淡路大震災時を上回る財政
措置も決まりました。
 がれき問題は被災市町村長が抱える最大の悩みの一つであり、
大いに助かりました。樋高政務官は、中選挙区時代に小沢一郎秘
書として陸前高田市などの今回の被災地を担当しており、かつて
一軒一軒歩いた家ががれきとなってしまった、そのがれきの問題
は何としても解決しなければならない、と言っていました。

 発災直後、私が被災地の市町村長さん達にお願いしたのは、住
宅地図で一軒一軒確認するように被害状況を把握すること、名簿
をしっかり作って住民の安否状況を把握すること、でした。住宅
地図と名簿は、小沢一郎さんに習った選挙手法でもあり、災害対
策本部長の仕事は選挙対策本部長の仕事と共通点がある、と思い
ました。
 また、私は津波の被害を受けなかった内陸の市町村長さん達に
集まってもらって沿岸支援への協力をお願いし、さらに、県内の
諸団体に被災地支援をお願いする文書を作って協力を依頼しまし
た。目的を達成するために、より多くの団体、企業、個人の支援
を取り付けていく、というのも選挙の手法に似ています。選挙に
おいて有権者の力を結集して為すべきことを実現する手法は、災
害においてあらゆる力を結集して被災者を救う手法と共通するの
です。

 ちなみに、団体対策に強い自民党本部は今回の災害でも動きが
よく、経団連と被災県を直接結ぶホットラインは、経団連の機関
紙で喧伝されていますが、自民党災害対策本部が仲介してくれた
ものです。

 がれき処理で財務省が前例のない財政措置を認めたのには、小
沢一郎さんのはからいがあったと思います。小沢一郎さんが岩手
入りした時、私との会談では「県は補正予算でいくら確保したか」
とか「国の本予算には○兆円の予備費があるから、まずそれを使
えばよい」とか、財政的な話が中心になりました。財務省筋から、
かなり情報を得ており、また財務省に対してかなり影響を及ぼし
ているな、という印象を受けました。がれき処理以外でも、財務
省が前例のない財政措置を認めた分野がいくつかあります。

 私は、平安時代の中央政府による東北平定の歴史を踏まえ「東
祥三さんは宮城駐在の征夷大将軍、平野達男さんは岩手駐在の鎮
守府将軍。今回は地方勢力と力を合わせて東北の平安のために働
いていますが、小沢先生こそ2人の将軍の上にいる大将軍だと思
っていますからね」と言いました。小沢一郎さんは、「はっはっ
は」と笑うだけでしたが、本人も大将軍的な立場を自覚していろ
いろ手を打っているのだな、と私は感じました。

 それから、仙台空港を在沖縄米軍が片付けたのは、新進党から
自由党のころに小沢側近と呼ばれていた元衆議院議員の米津等史
さんの働きかけによるものだったようです。米津さんは普天間問
題の関係で在沖縄米軍と一緒に仕事をしており、大震災津波後、
仙台空港が放置されているのをテレビで見て、在沖縄米軍に片付
けられないかと持ちかけたところ、じゃあやろう、ということに
なった由。ここでも小沢一郎の弟子が奔走していました。

 大震災津波そのものによる被害への対策については、「小沢力」
がかなり有効に働いていると思います。しかし、今のままでは、
「小沢力」が全く生かされないのが、原発対策です。本人も、そ
こが一番もどかしいと感じているのではないでしょうか。




     平野代表著作増刷のご案内

 このところ一部の書店で品切れとなっていた「虚像に囚われた
政治家 小沢一郎の真実」(講談社プラスアルファ文庫¥840)が
増刷され、五版を重ねました。近日中に店頭に並ぶものと思いま
すので、ご案内いたします。

内容拔萃
政権交代を狙う真の実力者は、梟雄か英雄か?出生の秘密、自民
党幹事長時代の「自民党総裁候補面接事件」の真相。
新生党結成から非自民連立政権樹立までの全内幕、そして、次々
と離れていった側近たちの思惑などのすべてを、初めて明らかに
するインサイド・ストーリー!側近中の側近が見た政治家「小沢」
の虚像、そして人間「一郎」の実像とは。
第1章 政治的遺伝子
第2章 政治の原点と「角福戦争」
第3章 角栄と一郎
第4章 消費税とリクルート事件
第5章 「豪腕」幹事長の真実
第6章 非自民連立政権の全内幕
第7章 離反した政治家の思惑
終章 生活者の国家を

また「日本一新―私たちの国が危ない」も増刷され、手に入りや
すくなりました。(鹿砦社刊¥1.470)

「日本一新運動」の原点第三集・小冊子版(94P)は、送料込で
@500.-で販売しています。ご希望の方は事務局まで・・・。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         推薦図書の紹介(再録)

1、危機の日本 議会政治    有朋書院   平野 貞夫著
  (東洋思想の知恵で日本政治の再生を)  2002年発行

平野代表の「危機の日本 議会政治」はとうの昔に絶版と思って
いたが、ある機会にGoogle検索をかけたところ、注文可能。
その内容は、論語の教えを核にして政治を考える資料で、某大学
の講義資料をまとめ直して上梓されたものである。
学生相手の教科書だから少し堅いが「質(たち)の悪い思想家」
を理解するには良書であると思う。  
但し、Amazon・紀伊国屋ではなく、メジャーではない通販が手に
入りやすいようだ。Google検索が最善・・・。    ¥1.500 
  

2、豊かさをつかむために    中西出版   元田 厚生著
                      2008年発行

元田会員の「豊かさをつかむために」は、正直難しい。それは、
この本も学生相手のテキストとして上梓されたのもだから、然も
ありなんと言うところである。しかもヨコ組だから、年寄りには
余計読みづらい。但し、その趣意は吟味に値し、私は通常の3倍
ほどの時間を掛けて読み、ほんの端っこを理解したに過ぎない。
これは、中西出版(http://nakanishi-shuppan.co.jp/)あてに、
直接注文すると、はやく手に入る。         ¥2.000+税


3、着物を着たら おとな仕草  角川書店   中谷比佐子著
                      2005年発行

中谷会員の「おとな仕草」は、きものを通して日本人の生き方、
在り方を問うものであり、その節々には、ハッとさせられる「こ
とば」が並ぶ。女史との初面談は衆議院議員会館の玄関で、私は
女史の到着を待っていた。少し時刻が遅れ気味で、タクシーを降
りて急ぎ足で颯爽と歩くその着物姿は凛々しく、かつ美しかった
(着物が!)のが、強く印象に残っている。
 この本は、秋櫻舎(http://www.kos-mos.com/)へ直接注文。
                         ¥2.500

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日本一新運動」の原点―50、51

◎「日本一新運動」の原点―50

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

 平成22年6月の創刊号から始まった「メルマガ・日本一新」
で、私が担当した論説が、本号で50回となった。自称、「アナ
ログ人間日本一」の私を支えて頂いている維持会員の皆さんに、
心から感謝する。

(巨大震災は20世紀文明への警鐘だ!)

 人類はアダムとイヴが蛇に騙され、リンゴを食ってから欲望が
生まれた。その欲望が排他的競争となり、人類の歴史はその歴史
でもあった。その結果が拝金資本主義の跋扈による我欲の解放で
あり、そして技術の進歩は、コントロールが困難な原子力の活用
を文明の主流に押し上げた。
 いにしえの古代、人間は「太陽と月と星」を三位一体として信
仰し、自然の営みに感謝して暮らしていた。「太陽」は繁栄の神
として、「月」は変化の神として、「星」は心の癒しの神として。
ところがいつしか多くの人間は「月」の変化の無情を忘れ、「星」
の人々への平等な優しさを忘れていく。そして「太陽」の繁栄を
信仰の中心とするようになる。人々が繁栄を求めることは大事な
こと。しかしそれを排他的な競争で求めるなら「欲望という名の
電車」に乗り、あてどもない「所有欲求」と、「存在欲求」の旅
となる。それが2000年の人類の旅であり歴史であった。
 人類は欲望を達成するため、自然を壊し、人を殺し、戦争を仕
掛け、ひたすら便利さと効率を求め、それが文明であると信ずる
ようになった。20世紀文明、それは人間が2000年かけた欲
望を競争させる時間である。その成果が「原子爆弾」の発明であ
り、それを活用した「原子力」であった。原子力発電によって生
じる「プルトニウム」という悪魔の物質は、自然が創ったもでは
ない。それは人類の欲望が創ったものだ。人類は、自己が創った
物質によって自己が問われることになった。
 「東日本大震災」という未曾有の大惨事、地震と津波という自
然の怒りが、日本の中でもっとも自然を尊ぶ人々の多い地域を襲
ったことに、無情を感じるのは私だけではない。衝撃的なのは人
類文明・欲望のシンボルである福島原発が襲われたことである。
それを人類は防ぐことができなかった。否、正確に言えば、これ
は人間が引き起こした「人災」である。「想定外」と政府や東京
電力が叫ぶ思想に、自然の中に生きる人間の宿命を忘れ、自然へ
の冒涜がある。それが人災といえる。

(自然との共生を抜きに人間は生きられない)

 私の故郷・土佐清水市に、津波の恐ろしさを象徴する口伝が残
されている。旧三崎村を流れる三崎川川口から約3キロ上流で海
抜70メートルぐらいのところに、「あかぼう・とどろ」という
所がある。「あかぼう」とは赤い色の深海魚のことで、「とどろ」
とは「轟」のことであり淵(ふち)などが合流して音を立てて流
れている場所のことだ。この地名の謂われは「海抜70メートル、
川口から3キロぐらいの溝に深海魚が泳いでいた」ということだ。
 口伝によれば、白鳳の大地震(685年)で大津波が起こった
ことで、いかに自然の猛威が厳しいものであったかわかろう。
 ちなみに、この南海地方を襲った大地震では、土佐湾の海側に
あった黒田郡全体が陥没したといわれている。村人たちはこの自
然の猛威を教訓として、自然と共生してきた。農家は台地に家を
建て、漁民は浜辺でも津波を避けられる地形を選んで暮らしてい
た。
 この自然との共生は戦後も昭和30年頃まで続いていた。高度
経済成長時代に入り、この地方の人々の暮らし方も変化し、目先
の利害と効率性に影響されるようになった。それでも四国88ヶ
所の霊場の地だけあって、祖先から続く自然への崇拝の精神は残
っている。
 「共生」(ぐしょう)ということばの語源は、仏教の『総願偈』
(そうがんげ)というお経の「共生極楽成仏道」からである。こ
の話を小沢一郎さんにしたところ、「共生に生きる社会が極楽か。
共生は利他の精神がなければ成り立たない」と語っていた。そう
いえば、小沢さんが平成18年9月、民主党代表選挙の出馬にあ
たっての「私の政見」で、「人間と人間、国家と国家、人間と自
然との『共生』を国是とする」と宣言し、これを民主党の基本理
念にしようとした。
 しかし、政権交代を成功させた民主党は、菅政権になって「共
生の理念」を放棄し、「競争の原理」という小泉政策に戻っただ
けではなく、ウラニウム原発をわが国の恒久エネルギー手段と位
置づけたのである。さらにそれを発展途上国に多数売り込むこと
によって、わが国の経済成長の基軸とする政策を強行するに至っ
た。
 東日本大震災は、「共生」を新しい国づくりにするために政権
交代した民主党が、それを裏切ったことに対する神の警鐘と私は
理解している。「自然との共生」を抜きに人間は生きていけない
真理を知るべきである。

(原子力との共生は可能か?)

 昭和56年(1981)秋、衆議院事務局で科学技術委員会の
担当課長の職にあった私は、四国で初めて建設された愛媛県伊方
原発を視察した。応対してくれた所長に、「原発で事故が起きる
場合、どの部分がどういう理由で発生するのですか。それを防ぐ
ために、どういう方策をとっていますか」と質問した。
 所長の答えは「絶対とは言いませんが、技術面では100パー
セント近く事故を起こさない自信を持っています。もし事故が発
生するなら、人間の傲慢さや過信から生じる事故です。そのため
徹底的に人間教育をやっています」ということであった。この所
長がいる限り伊方原発からは事故は起こらないと、私は感じたも
のである。
 30年ぐらい前までは、こういう技術者が日本にはいた。日本
の技術はこういう精神で秀でた成果を出していたのだ。この30
年間で日本人の精神がすっかり変わった。福島原発災害に対応す
る東京電力関係者だけでなく、政府の原子力関係者、著名な原子
力学者たち、そして政治家たちのコメントを聞くにつけ、原子力
技術に対する傲慢さと過信で腐りきった人間を、テレビで見せつ
けられる毎日である。
 「想定外の災害に対応できる設計でなかった」との主張に万歩
ゆずって認めるとしても、災害発生後の対応について指導的立場
の人たちの傲慢さと過信が被害を拡大したことは間違いない。
 その結果が世界最大の原発事故といわれるチェルノブイリ原発
並の「レベル7」という、深刻な状況となったことを、政府は一
ヶ月も遅れて発表せざるを得なかったのである。
 菅内閣の原発対策関係者の中には、「3月15日には『レベル
7』の認識であった」と、私の知っている記者に説明しているか
ら、いずれ報道されると思う。要するに菅内閣は福島原発災害に
ついて、国民と国際社会を騙していたのである。正確で誠実な情
報を開示しなかった責任は重大である。初動対応を誤り、被災者
をはじめとして、国民の混迷はもとより、国際社会の菅内閣への
不信感は「核臨界」寸前である。原発問題での菅首相の対応は、
国際社会を冒涜することに通じ、日本の国益を著しく損失させて
いる。
 菅内閣と政府の原子力関係機関、そして東京電力の傲慢や過信
で惨状を拡大した原発、すなはち原子力問題をいかに考えるべき
であろうか。
 人類は原子力と共生できるか、という問題がある。私の結論は
「現在、電力全体の約40パーセントを依存している原発を直ち
にゼロにすることは難しい。いまの軽水炉の安全性を確保し、耐
久年収に応じて順次廃炉にして、原発依存から脱していくべきだ」
というものだ。
 代替案として、平成19年7月の参議院選挙のマニフェストに、
中長期エネルギー対策構想を入れるよう当時の小沢民主党代表に
進言したことがある。「プルトニウムという核兵器になり、悪魔
の物質を発生させるウラニウム原発政策を見直すべきだ。プルト
ニウムを焼却できて、安全性が高いトリウム溶融塩原子炉の研究
開発を復活すべきである」というものだった。
 小沢代表は賛同してくれ「菅代表代行と鳩山幹事長に説明する
ように」指示された。菅代表代行に説明すると「あなたから原子
力の話を聞いても仕方がない」という態度で、驚いたのは「トリ
ウム溶融塩炉なんて知らない」という言葉であった。ウラニウム
原発の危険性について政治家としての感性がないと私は思い、鳩
山幹事長への説明もやめた。
 民主党では原子力の安全性や、原発政策見直しを論じても仕方
がないと諦め、以後この運動を東京電力の豊田元副社長や、朝日
新聞の科学部元記者の飯沼氏らと、細々、知人の国会議員に啓蒙
活動をやってきた。
 原発は、ウラニウムでもプルトニウムでも、安全性が高くて核
兵器に使えず安い経費で済む「トリウム」であっても、できれば
活用しない方が良いに決まっている。しかし、現在の文明社会を
すべて否定できない以上、安全で環境にやさしいソフトエネルギ
ーですべての電力が賄える時代が来るまでの期間、原子力と共生
しなければならない。そのためには、技術の安全研究・開発もさ
ることながら、この項のはじめに書いた、伊方原発所長のことば
を忘れてはならないと思う。
「もし事故が発生するなら、人間の傲慢さや過信から生じる事故
です。そのため徹底的に人間教育をやっています」

 東日本大震災の翌日、菅首相は親しい友人に「これで2年間政
権を続けることができる」と語ったという情報が流れている。真
偽の程は不明だが、次々と内容が伴わないパフォーマンスを見る
につけ、彼の深層心理は情報の通りとするのが常道だろう。その
他にも、思いつき・手続無視の問題発言が続出し、政権内の混迷
となり、菅首相の「傲慢と過信」が、第2次、第3次災害を引き
起こしている。

 4月13日(水)、小沢一郎元民主党代表は、直系の衆議院議
員でつくる「北辰会」の会合に出て「小沢氏の見解」を示した。
そこには菅政権に対して被災者が強い不安を抱いていること、原
発事故の初動対応の遅れをはじめ、菅首相の無責任さが更なる災
禍を招きかねないと指摘し、何のための政権交代だったか、先の
統一地方選の大敗は菅政権への国民からの警告だとの見解を提示
した。小沢氏の見解が民主党内でどれほどの理解を得るのか、野
党に、その真意をくみ取る感性があるかどうかは読めない。私は、
人間・小沢一郎が「身命を捨てて」世界と日本人に、その覚悟を
示したものと思う。
 私には、小沢氏が北辰会でこれを提示したことに特別の思いが
ある。
 「北辰」は「宇宙を司る不動の北極星と北斗七星」のこと。古
代から民衆を護る神といわれている。私の手元に「我れ北辰菩薩、
名付けて妙見と曰う」で始まる『妙見菩薩陀羅尼経』がある。そ
こに重大な文言を見つけたので、ここに紹介しておく。

「若し諸々の人王、正法を以て臣下を任用せず、心に慚愧(ざん
き)なく、暴虐濁乱(ぼうぎゃくじょくらん)を恣(ほしいまま)
にして、諸々の群臣・百姓を酷虐(こくぎゃく)すれば、我れ能
く之を退け、賢能(けんのう)を徴召(ちょうしょう)して其の
王位に代わらしめん」



◎「日本一新運動」の原点―51

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

(被災した東北の人々の心情)

 今回の東日本大震災で、未曽有の被災を受けた東北の人々の様
子が、テレビなどで報道されている。それに対して多くの人たち
から「被災したはずなのに東北の人々は決して不平をいわない。
小さな善意にも心底から感謝する。その純な気持ちが直に伝わっ
てくる。素晴らしい」と、感想をもらすのを聞く。確かにその一
面もあるかも知れないが、果たして東北の人々の心情をそのレベ
ルだけで考えてもよいものだろうか。
 このことで、京都造形美術大学教授で磐座(いわくら)学会会
長の、渡辺豊和氏が重要な発言をしている。渡辺氏は私の尊敬す
る友人で、世界的に知られている建築家だ。縄文文化の研究者と
しても有名である。阪神淡路大震災の際、神戸の復興を「曼荼羅
都市」とし、鎭魂の心をもって都市再建すべしとの設計案を出し
た人である。私も国土庁(当時)に要請したが、残念なことに実
現しなかった。
 東北は秋田県の出身で、岩手県との境で生まれている。先祖は
岩手県の被災地で、親族の多くが被災している。その渡辺氏が、
「磐座学会会報」(21号)の巻頭で次のように述べている。
 テレビで放映される被害者たちの談話などを聞いていると、気
候風土の厳しさがあのような気持ちを育むのかも知れないが、と
して、東北の人々は「自身の身体で自己表現しようとする内に秘
めた激しい欲求に起因している」と。そして、「東北の人々は現
代の機械尊重の文明を信じていない。東北出身の私にはそのこと
がよくわかる。ところが皮肉なことに今度の震災でもっとも難儀
な問題は原発なのだ」とし、テレビで放映される被災者たちのほ
とんどは、農業や漁業従事者であり、この農業や漁業は直接身体
を使う仕事だから、彼らは身体で自己表現しているのだと、渡辺
氏は論じている。さらに、「高度科学技術文明が限界にきている
のは誰の目にも明らかだし、このまま進展したら間違いなく人類
は滅亡する」と結論づけている。

(東日本被災地の復興の思想は何か!)

 大震災の数日後、達増岩手県知事から電話があり「岩手県の被
災地復興イメージづくりに、渡辺豊和さんの協力を得たい」と言
うことであった。達増知事は今回の大震災の本質を理解し、復興
の思想を「高度科学技術文明の限界と人間の復活」にと、懸命で
あった。この発想が復旧復興の原点でなければならない。そのた
めに渡辺氏の話を紹介したわけだ。
 大震災から一ヶ月が過ぎて、それぞれの立場の人物が復興につ
いて、いろいろ発言しているが、被災者の心情や被災地の歴史的
文化を無視したものが多い。
 代表的なものをいくつか挙げてみよう。

 まず、菅首相が陸前高田市などを視察した際、復興は「山を削
って高台に住宅を建てることにし、エコタウンをつくる」と語っ
たことだ。海辺の山々を削れば何が起こるか。環境破壊どころか
災害の原因となる。災害は地震や津波だけではない。何がエコか、
不見識も甚だしい。
 次の暴論は、復興構想会議の議長となった五十旗頭真氏の発言
で「災害のガレキを一個所に集め、希望の丘公園をつくればよい」
というものだ。この程度の発想しかできない人物が大学教授で、
しかも、国防の根幹ともいうべき防衛大学校長というから、日本
という社会は余程人材がいないようだ。この欠陥人間を、復興構
想会議の議長に座らせる菅首相の頭の中はどんな構造をしている
のか、問うまでもなかろう。
 もうひとつだけ紹介しておく。とうの昔に過去の人物になった
と思っていた竹中平蔵氏だ。東北被災地の復興に「TPP対応型
の強い農業」などをつくるビジョンを明確にしろとの主張だ。被
災地を高度経済成長策によって復興させようということだ。これ
だと高度科学技術文明のシンボルである、競争的資本主義を東北
で実現しようという主張である。私は、被災地の歴史と文化がそ
れを許すことはないと断言する。
 大震災の復旧と復興の基本思想は、被災者の「幸福」を回復・
確定することを通じて、被災地を再び災害のない安心して生活が
できる場所にすることである。従って災害の真っ最中に「山を削
ってエコタウンをつくる」とは、被災地の事情も知らず、彼が得
意とする「その場の思いつき」でしかなく、内閣総理大臣が発言
することでは断じてない。
 東日本大震災の復旧・復興には、高度科学技術文明の限界と反
省を基本思想としなければならない。そして近代科学技術の長所
を活用して、「人間と人間の共生」、「人間と自然の共生」を実
現する新しい国づくりを、根本発想とすべきではなかろうか。こ
れであれば、東北という、一地方の問題ではなく、いつ起きるか
も知れない東海、東南海、南海地震などに対する備えにつながる
のではないか。 

(復旧・復興財源をめぐる国家観の対立)

 4月19日(火)の読売新聞(東京14版朝刊)は、一面トッ
プに『消費税3%上げ検討』復興財源 政府、3年限定 201
2年度にも、という見出しで特ダネ記事を出した。ごく一部のマ
スコミを除き、多くのメディアは消費税増税を主張する菅政権の
情報操作の手助けを、かねてからやっていることは誰でも知って
いることだ。
 菅政権内部では、被害総額を約25兆円と見立て、消費税率3
%の引き上げで約7・5兆円を確保し、3年間の復旧に必要な支
出の大部分を賄うという魂胆である。しかも、それだけではない。
8%となった消費税率を、その後は名目を変更して恒久化しよう
と画策している。
 これは大震災を利用して、税と社会保障の一体化という菅政権
の謀略を強行しようとすることに他ならない。世論調査では消費
税率アップに対し、支持率が60~70パーセントあるというが、
これは巨大メディアの情報操作であり、このような不条理を許す
ことはできない。
 この謀略の思想は、総被害額をなるべく抑え込み、従来の災害
原型復旧だけとする官僚の発想によるものだ。新しい東日本をつ
くるという考えは微塵もない。福島第一原発災害の国民への被害
に配慮するつもりはまったくないようだ。要するに従来の劣化し
た官僚国家体制を続け、自分たちの既得権益を維持発展させよう
とする考えだ。
 この発想に対する政治家たちの反応が鈍いことも問題である。
一部に増税反対の声があるが、財源論に説得性がない。さまざま
な形での国債発行論があるが、政策として集約されていない。大
量の赤字国債の発行が「市場を混乱させる」という岡田民主党幹
事長の主張に、政治家としてまとまった反論ができていない状況
だ。増税論も反対論も、それぞれの政治家自身に、「共生社会」
を理念とする国家観がないからだ。
 この「共生」という国家観を前提に、財源をどう賄うか、これ
に智恵を出すべきである。昨年の民主党代表選挙の際、私が提案
したのは「民間の埋蔵金」の活用である。それは金融機関(銀行・
郵便局・保険会社など)の「休眠口座」を、法律によって公的に
活用できるようにして、財源とすることである。「休眠口座」と
は、死亡・行方不明者、相続人がいない人、規制のない時代にネ
コやイヌの名前で口座を作ったものなどのことで、いまは放置さ
れている。
 英国では、最近、20年間使用されていない「休眠口座」を法
律で公的に活用しており、大きな成果を上げている。日本では、
この「休眠口座」にどの程度の資金があるか、専門家の推測によ
れば「可能性として50兆円程度」ということだ。現実問題とし
て「30兆円程度」のものは確保できると思う。これは増税とか
国債とかいった厳しい議論のあるものとは違う。金融機関がこれ
まで国民に迷惑を掛けてきたことを思うと、国民的合意は難しい
ことではない。
 これ以外に、どの程度の財源が必要となるか、それは復興計画
構想によるが、私の発想だと、直接間接の復興費と、それに伴う
社会や経済の再生も「共生社会」実現のために必要となる。50
兆円、否、場合によっては100兆円という財源を必要とするで
あろう。その財源の確保については、既成の官僚的発想でなく、
場合によっては、子孫への価値を残す建設国債や、英国の「コン
ソル公債のような永久国債発行の措置」などの検討を含め、叡智
を集めるべきだ。
 大震災を悪用して火事場泥棒ならぬ津波泥棒の如く、消費税率
アップを恒久化しようとする菅政権は直ちに退陣すべきである。

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遅くなってしまいましたが、メルマガ日本一新運動の原点

◎「日本一新運動」の原点―49

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

(幻の『救国非常事態対策院』の設置)

 有史以来最大の災害となった「東日本大震災」、その対応の最
高責任者であるリーダーとしての菅首相の資質、というより人間
としてのあり方が問題となっている。民主党内はむろんのこと、
内閣・官邸から悲鳴が聞こえてくる。内閣も国会も機能不全とい
う事態に、私は「日本一新の会」の多くの会員から、絶叫のよう
な叱責を受けていた。
 私は衆議院事務局に33年間勤め、その間、10年ぐらい災害
対策の仕事をしていた。災害対策基本法の制定にも関わり、日本
の災害の特殊性や明治以来の官僚国家の中で、災害対策が国民の
ために行われていなかったことを熟知している。現在でも官僚制
度の発想の原点に「原型復旧」という哲学が生きている。そもそ
もわが国で、「災害復旧基金」のようなものが始まったのは、日
清戦争の賠償金であったという歴史を知ればわかろう。

 平成4年に参議院議員となり、小沢一郎氏のもとで「国民の生
活が第一」を目標に、新しい国づくりのために活動していた。
 平成16年に参議院議員を引退後は「日本一新運動」を中心に
政治評論活動をしている。

 思うに、日本の災害の歴史は社会的弱者が常に被害を受けると
いう構造であった。社会的強者や支配層が被害を受けることは少
ないという歴史であり、今回の福島原発災害の背景には、大都会
の繁栄のため、過疎地と、そこに住む人々が犠牲となるという社
会構造を忘れてはならない。
 昨年、後期高齢者となった私は、堪え性がなくなったのか、国
会・政府・政党の「非常事態」認識が不足していることに怒りを
募らせ、旧知の自民党元参議院議員会長・村上正邦を、3月25
日(金)に訪ねた。村上氏は原発災害でフランス大使館の支援に
関わったことで、菅首相に強い不満を持っていた。私の顔を見る
なり「わしに会いにきた狙いはわかっとるよ。国家非常事態で中
曽根元首相に会わせろ、ということだろう」と言い当てた。
 ずばりであった。私は東日本大震災は非常事態であり「国家の
危機」と認識していない菅首相の対応をきわめて憂慮し、「メル
マガ・日本一新」でも提言を続けてきた。笹森清内閣府顧問も私
の提言を取り上げ、菅首相に直言したようだが、摘み食いに利用
されただけであった。衆参両院議長も国家の危機という認識はな
く、この事態に指導力を発揮できるのは中曽根元総理をおいて他
にないと確信した。
 ところが中曽根元総理と私は逆縁で、保守政界の中で私が指導
を受けた政治家の全てが、中曽根政治と対立関係であった。その
関係は中曽根さんも承知していて、私も距離を置いていた。しか
し、この大惨事に対し、そんな小事にとらわれてはいかんと、村
上正邦という国士に相談したわけだ。

 村上さんは「よし、中曽根さんと会おう」と3月28日(月)
午後4時をセットしてくれた。中曽根さんと会うことが決まった
ことはよかったが、どんな話をするかは考えていなかった。この
非常事態で菅首相を直ちに退陣させることはできない。与野党の
挙国体制をつくる必要があるが、大でも小でも連立となるとポス
トと利権争いとなる。国家と国民のため、真の挙国体制をどうつ
くるか。村上さんと私は、国会決議で内閣とは別に各党・政府・
地方自治体・民間諸団体などの代表者で「救国非常事態対策院」
を設け、ここの提言を菅内閣が実行するということで意見が一致
した。
 構想の叩き台はできたものの、村上さんと私だけではこれを動
かすことはできない。どうするかというところで、村上さんから
「亀井に相談しよう」とのことで、翌26日(土)に、村上・亀
井・平野・南丘(月刊日本主幹)の四人で会うことになった。会
談では、亀井国民新党代表のきわめて有用な提言に基づいて、次
の構想をまとめた。

 ○救国非常事態対策院の設置(案)要旨

(目的)東日本大災害による非常事態に対処するため、挙国体制
  により、  緊急対策本部の緊急対策と復興の基本方針、政
  策の立案及び実施を提言し、本部長を補佐する。
(構成)各党を代表する者、政府を代表する者、地方自治体を代
  表する者、経済界・労働界・言論界を代表する者、その他。
(設置)国会決議による。

 この構想のポイントは、政治・行政機能不全となった菅首相を、
大災害の中で退陣させることは総合的な判断として適切でないと
いう認識に立って、非常事態に対処するため国会決議という方法
で、救国体制をつくろうというものであった。これだと大連立と
かという党利党略なしに、真に国家と国民のための対策と、新し
い国づくりが可能となる。
 緊急対策に見通しがついたところで、菅首相の花道として退陣
してもらう。どの道、在日韓国人の違法献金問題の責任もあると
いう期待があったことも事実である。
 この構想をどう生かすか。亀井代表の意見は「菅首相が納得す
ることが前提だ。説得するのは仙谷副長官をおいてない。平野さ
ん、そのことは了承してくれるのか」と、小沢―仙谷関係を心配
して、私に意見を求めてくる。「いろいろあるが国難のときだ。
戦略的に仙谷さんに動いてもらって結構です」と言うと、亀井代
表はその場で仙谷副長官に電話をした。状況を説明し同日、亀井
―仙谷、村上―仙谷会談がセットされた。
 ふたつの会談で仙谷副長官は「これは戦前の枢密院だ」と叫ん
だとのこと。その通りだ。こんな非常事態には非常時体制で臨む
べきであり、この構想は「超法規行為」を断行する腹がなくては
できない。そのため国会決議で設置し、憲法の原理に反しないよ
うにしたのだ。仙谷副長官は賛同し、菅首相を説得することにな
る。村上氏は「3月28日(月)午後四時に中曽根元首相と会う
予定なので、それまでに返事をもらいたい」と要望した。

 結局は、中曽根元首相との会談時間までに仙谷副長官から菅首
相を説得したとの返事はもらえなかった。村上氏と相談して、中
曽根元首相には経過報告中心の説明となった。中曽根元首相は、
「非常事態には総理が命を懸ける気になれば何でもできる。それ
ができなければ辞めるべきだ。そのことがわかる人間が総理にな
っているはずだ。構想のような組織はかえって邪魔になるのでは
ないか」との意見であった。
 私たちは菅内閣が大震災発生後、機能しなくなっており、災害
の国難とともに、政治がもたらす国難が発生しており、国際的に
も日本国家の劣化が著しくなった状況を説明した。中曽根元首相
は「菅首相が腹を決めて私にアドバイスを求めてくるなら、相談
にも応じるし、指導もする」と、さすがの見識を見せてくれた。
この話は村上氏から仙谷副長官に伝えられ、菅首相の対応を見る
ことになる。
 ところが、これらの動きに刺激されたのか、菅内閣・民主党執
行部内で、自民党との連立構想が出てくる。同時に自民党内部で
も百鬼夜行のように民主党との連立への蠢きが始まった。菅政権
側は延命策としての連立、災害復旧利権に関わろうとする自民党
化石グループ、そして自民党中堅からは菅抜き、谷垣首相が条件
だとか、百家争鳴の状況となった。
 村上・亀井・南丘(前出)・私の4人の構想は、連立論となる
と利害利権の政争となるので、それを避けるために、超法規的発
想による『救国非常事態対策院』による各党・各界の、真っ当な
人材を活用した「枢密院」の設置であった。
 右往左往の連立論は泡のように消えたが、百鬼どもは、いつ自
己の利益を求めて発酵してくるかも知れない。非常事態はより深
刻になっているのにである。しかし、時間の経過とともに忘れら
れるようになった。私たちの構想も、早咲きの桜のように散り、
さらに劣化し方向性を失った菅内閣は続いていく。このままだと
日本は崩壊し、取り返しが付かない事態を迎えることとなる。




◎私たちの国が危ない!―2               日本一新の会事務局・大島 楯臣

(近代史における『3回目』の敗戦!)

 前回、私は「これは『戦争』である」と記した。それに対し、
「日本一新の会」ブログ投稿欄(維持会員限定)に、戸田学さん
が「敗戦ではないか」と書いているがその通りである。しかも、
私は日本近代史のなかでの3回目の敗戦だと思う。

 第1回は「明治維新」であり、時の指導者の尽力により最悪の
植民地化は免れたものの、不平等条約と、鉄道に狭軌・広軌が混
在し、原発問題で俎上に上った交流周波数が東西で違う問題など、
その実は、日本の伝統をことごとく破壊しつくした「文明的敗戦」
といえる。

 第2回の敗戦は説明の必要がない。文字どおり、法的にも物理
的にも、徹底的に叩きのめされた昭和20年8月15日である。
広島・長崎には原爆攻撃を受け、東京大空襲に代表されるように、
地方の主だった都市にも無差別の空襲を受け、多くの無垢の民に
犠牲を強いた。もし万が一、東京大空襲のような無差別爆撃を、
今の時代に敢行したと仮定すれば、ただちに国連の「安全保障理
事会」が非常召集されるだろうし、そしてまた、原爆攻撃も然り
である。

 第3回はいうまでもなく、東日本大震災と、それに起因する福
島原発災害である。私は、東日本大震災のみで終わったとするな
らば『戦争』という規定はしなかった。『戦争』規定の要因は福
島原発災害を併発したことで、東日本大震災の性格が、世界規模
で変わってしまった。

 国際原子力機関(IAEA)の天野事務局長がすっ飛んできて、
日本政府の対応に、クレームに等しい注文を付ける、米国のオバ
マ大統領から複数回の電話を受ける、サルコジ仏大統領も、事実
上の国営原発企業であるアレヴァ社CEOを伴って飛んでくる、
さらには、独の外相来訪など、災害救済に全力を注いでいる(は
ず)の政府要人に会いに来る。それなのに、世界の政府要人がそ
の『戦後処理』に入ったとする認識が、政府にも、そしてマスメ
ディアにもない。

 原子力空母ドナルド・レーガンを投入した『トモダチ作戦』と
は、法的解釈は別にして、事実上の日米安保条約の発動と私は思
う。これに対して、反安保の社民党・共産党からはひと言も発せ
られない。それとも、『戦争』はダメで、人命救助は良いという
のだろうか。これをして詭弁と言わずして、他に適当なことばが
浮かばない。
 私は、平野代表がたびたび指摘する『政党溶融』現象の露呈で
あり、民主党だけでなく、すべての政党・国会議員が『無政府状
態』、またはその黙認という『政治的放射能被害』を全世界に向
けて発散し、物笑いの対象と化していると理解している。
 ことわっておくが、私は『トモダチ作戦』そのものを批判して
いるのではない。政党の、もっというならば、私たち自身の問題
として、日米安保条約と国連の問題について、平時に国民的議論
を進め、事前に整理をしておくべきだった。その子細は「日本改
造計画」(小沢一郎著)や、「自由党の挑戦」(平野貞夫著)を
始めとして、多くの資料があることから、これほどで止めたい。

(バラック建ての『利権戦後処理』を急ぐな!)

 報道では「与野党の大連立」が喧伝され、復興増税新設など、
政界では早くも「災害復旧利権争い」が顕在化しつつある。私は、
4月3日(日)の午後、大坂市上本町にある貸し会議室にいた。
ここでは、日本一新の会・関西地区有志の会の活動を日常化する
ために、10名ほどの維持会員さんと協議・相談中だった。そこ
に、自民党のある中堅参議院議員から電話が入り、20分ほど話
を聞き、私の見解を述べた。
 彼は、私が日本一新の会事務局を担っていること、かつ、平野
代表の、あまり役には立たないが「使いっ走り」を務めているこ
とを承知の上での電話だったから、その内容は推して知るべしで
ある。
 彼の発言内容をここに書くわけにはいかないが、私は「ことを
急ぐな。喫緊の課題は被災地の救命・救済であり、それは行政執
行に長けている官僚に任せるべきである。原発対応も同じであり、
アメリカであれ、フランスであれ、そしてまた平和条約ですら未
締結のロシアであっても、その技術を借りて、最悪の事態を回避
すべきである」と答えた。
 一方では「ただちに衆議院を解散し、日本再生のヴィジョンを
競うべきだ」という意見が届き、これもまた正直なところ驚いて
いる。なぜならば、地方選挙でさえ先送りにしている被災地で、
「新しい国づくり」を議論する落ち着いた選挙ができるのか。そ
してまた被害を受けていない地方自治体は、選挙実務の手足とな
る職員を被災地に派遣しており、地方行政は人手不足に陥ってい
るのにである。

 繰り返しになるが、まず急ぐべきは、行方不明者の捜索と併せ、
瓦礫の片付け・仮置き、一方での被災者救援、これは仮設住宅を
満たすだけには止まらない。全国の官・民が所有する空き家を総
動員して、可能な限り地域のコミュニティを維持する仮住まいの
確保と当座の生活補償、そして、かろうじて住宅の被災は免れた
が、食糧供給を含む生活維持機能を失った方々への対応などがあ
る。電力・水道・ガスの復旧も当座は最低限として本格的な復旧
は後にする。電力は工事・非常時用の自走発電車が相当数ある。
都市ガスも本管復旧は後にしてプロパンガスで代替する。ガスボ
ンベが足りなければ、各家庭用に二本立ちとしているところを、
当座は一本にして全国からかき集める。水道も、設置型浄水器、
井戸掘りなどで当座を凌ぐなど、その道の専門家に任せればいく
らでも智恵は出るはずである。

 先の戦後処理は国民総じての茫然自失の中で、占領下で始まっ
た。憲法・徴税制度しかり、そしてまた教育も、制度のみならず、
その内容さえも彼らに変質させられた。私たちの世代がお世話に
なった学校給食の「脱脂粉乳」は益の一つではあるが、そうこう
しているうちに、朝鮮戦争が勃発し、莫大な戦費投入が「戦後復
興」を先導した。
 しかし、幸いにもこの度の敗戦被害は限られた地域であり、生
き長らえた地域と人の数が多数である。ならば、既に始まった被
災者を迎える仮住まいの確保・受入体制整備など、当座の安穏を
補償する作業を加速することである。その環境を整えて後、被災
者を含む国民が落ち着いた時に始めてこの国のあり方を問わなけ
れば、私たちの『政治参加』は再びその手を離れる。

(真の独立を果たすために!)

 4月4日(月)の毎日新聞に、哲学者・梅原猛氏の「千年先を
見なければ」と題する特集ワイドが掲載されている。副題は「巨
大地震の衝撃 日本よ! この国はどこへ行こうとしているのか」
であり、「草木国土悉皆成仏」は一考に値する。
 その文中に「電気もガスもなかった江戸時代の人間が、現代の
人間より不幸だったか? むやみにエネルギーを使わない文明を
考えないとあかんなぁ」とあり、私は痛く共感した。
 話題は小松左京のSF小説「日本沈没」を引き、東日本大震災
に類する今日を予測した田所雄介博士を評している。田所博士は
野人で、天才的猪突猛進型に描かれていると紹介している。「日
本社会は異端を嫌う。学者も孤独を恐れる。それでは真の学問は
できませんよ。哲学でも千年先を見据えた新しい哲学をつくらな
いと」とまでを読み進み、私ははたと膝を叩いた。

 それは平野代表が口を尖らして、念仏のように唱えている「現
代は、ハゲタカ資本主義から、情報通信社会への文明の移行期に
ある。現下の混乱の要因はそこにあり、次に目指すべきは共生社
会である」との理念(哲学)であり、それは取りも直さず、私た
ちの国の「真の独立への指標」だからでもある。



◎「日本一新運動」の原点―47

              日本一新の会・代表 平野 貞夫

○もうひとつの『国家危機』

 東日本を襲った巨大震災と津波災害、そして福島第一原発災害。
日本という国家社会を自然の猛威が襲った最大の悲劇である。さ
らに原子力発電という人類文明を象徴するシステムの崩壊である。
いま、日本国はこれらの天災と人災による『国家危機』といえる。
 私たちは、この『国家危機』とは別に、もうひとつの『国家危
機』があることに気づかなければならない。それは未曾有の災害
に対する政治の対応が適切に機能せず、危機管理の中心であるべ
き内閣・官邸が混迷を続けていることである。災害対策基本法に
もとづいて、菅首相を本部長に「緊急災害対策本部」を設置した
ものの、強制力を持つ対応もなく、やたらと問題別の対策本部を
乱立させ、統括的総合性と個別対策の有機的な連携ができておら
ず、各省庁がバラバラの対策となり、最悪の事態となっている。
 被災者の救援に必死の活動を続けている自治体職員、他府県の
応援消防隊員に、自衛隊員はじめ災害関係の政府職員、ボランテ
ィア活動の民間の人々、さらに政務三役らのご苦労には頭が下が
るものがある。
 しかし、どうしようもないのが政治家の危機意識である。特に
最高責任者の菅首相と政権与党の岡田民主党幹事長については、
報道されている話だけでも、政治家としての基本認識に重大な欠
陥を感じているのは私だけではない。
 二人の統治能力の問題点が被災地現場に混乱を持ち込み、被災
者や、一般国民を不安のどん底に陥れている。被災現場だけでな
く、国家権力行使の総元締めである内閣・官邸が機能を失ってい
るといえる。菅首相と岡田民主党幹事長には、自己の面目を保持
しようとする意識が先行し、己を捨てて国家国民のために、国内
外のあらゆる人材力を活用しようとしないことに問題がある。要
するに巨大震災と原発災害に対する危機意識がなく、それが内閣
と政権与党が機能を失い『国家危機』を招いているといえる。加
えて、その意識を持っていないのが衆参両院議長である。彼らは、
東日本の国土と社会が崩壊した巨大震災で、死者・行方不明者・
安否未確認者が5万人にも及ぶかも知れない惨状を知っているの
か。
 さらに、福島第一原発災害は、日本国内だけではなく、世界的
被害に拡大しているが、日本国家の存立と、日本人の存亡の危機
にあるという意識を持っていないことは、誠に残念なことである。
 与野党の国会議員の中には、この非常事態を『国家危機』とし
て認識している人たちがいて「如何に対処すべきか」、私に意見
を求めてくる人たちもいる。その人たちは、民主党の場合には岡
田幹事長に抑えられて動きようがないとのこと。今、党内抗争の
ような動きはすべきでない。しかし、国家と国民生活の危機には
自らが立ち上がって、政治の在り方を論議することは、国民から
負託された国会議員の職務ではないか。その気はあっても動き方
を知らないことに問題がある。
 一方、野党側にも『国家危機』に対する認識が浅い。個々の国
会議員の中には、献身的に被災現場でボランティア活動をしてい
る人たちもいるが、政治全体としての対応を構想する政治家がき
わめて少ない。民主党に比べて国家観をもつ政治家は多いが、持
ち方に問題があることと、知識が専門的で切り売り的だ。自民党
指導層の軽さに比べると、まだ増しだが、昭和30年代から始ま
った「豊かな国づくり」に寄与した先人からすれば、とても国家
の危機を乗り切れる政党ではない。
 劣化した日本の政治を見るにつけ、巨大震災がもたらした『国
家危機』とは別に、日本政治における重大なもう一つの『国家危
機』があることを私たちは肝に銘じておくべきだ。この間、各国
の専門家からは、日本の政治や官僚体制が、日本の技術を生かす
どころか、その妨げになっているという厳しい指摘を受けている。

(国家の危機体制を教示するのは歴代総理だ!)

 この巨大震災の救援・復興活動の中で、如何にして『国家危機』
の意識を持ってもらうか、とても難しい問題である。菅首相にと
っての巨大震災は「在日韓国人からの違法献金」問題を、野党の
追及から逃れる絶好のチャンスであったことは事実である。
 3月11日(金)、震災当日夜に、菅首相が記者会見した時の
雰囲気は、政権延命を確実にした自信に充ちていた。その気負い
が震災への客観的認識を誤らせたといえる。
 菅首相の心の奥底の中で、巨大震災を有り難いと思う深層心理
が働いたのではないか。それが翌日早朝の福島第一原発災害視察
となる。そこから宿命の神は菅首相から離れていく。そして震災
が未曽有であったように、国家最高指導者として未曽有の崖っ縁
に立たされることになる。
 菅首相がこの巨大震災にどう取り組むのか、真っ当な姿勢を確
立することで、『国家危機意識』が向上するのではないかと思い、
私は「東日本大震災及び福島第一原発問題に対する政治の取り組
みについて(構想案)」というメモを知人の政治家や有識者に発
信した。内容の要点は、「メルマガ・日本一新」の46号に掲載
した。このメモは、内閣府顧問の笹森清元連合会長から菅首相に
渡され、しかも、提言者である私の実名も伝えたと聞いている。
 3月19日(土)午前、菅首相は鳩山、小沢、前原の民主党代
表経験者三氏を招き、状況を説明して協力を要請したようだが、
「挙党体制を築くべき」というポイントの話は出さなかった。そ
の直後唐突に、自民党谷垣総裁に、副総理格で震災対策担当での
入閣を電話で要請し、即座に拒否された。「挙国体制を確立すべ
し」と言う私のメモを摘み食いしたものと思われる。ことここに
至っても、菅首相に『国家危機』への認識は感じられず、自民党
は災害対策の責任転嫁だと主張することになる。
 この状態が続くとすれば、国家の存立と日本人の存亡に関わる
ことになる。菅首相が政治家として少しでも普通の感性になって
もらうため、今は何をすべきか。それは被災から二週間も経って、
救援物資が行き届かず、原発災害の解決にも見通しがつかないと
いう最悪の事態が目前となった。菅首相には『国家危機』を認識
して貰わなくてはならない。
 その役割は歴代の総理経験者が果たすべきではないか。「日本
一新の会」では、この運動に全力を挙げたい。

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May 27, 2011

離れの池の中だっけなあ。

日技村に住んでいる人たちにとっては、当り前の事だから一々考える事も突っ込む事もしなくなっちゃってるのだろうけど。

まあこれも、今の日本全体と同じでさ。

例えば、起きている事態で言えば原爆が福島に落とされたのと同じくらいか、それ以上の放射性物質が拡散を続けているのだけど、原爆と違って何万人もの人々が一瞬で死ぬわけでもないし、一つの市が壊滅した訳でも無いからか、或いは空き缶政府や枝豆や西川審議官が狙った通りの効果が出ているからか、表向きの国民生活はすっかり落ち着いちゃってて、放射線にしても汚染の状況にしても、みんな見て見ぬふり。

それどころかNHKなんかは「今日のお天気」のノリで「今日の放射線量」なんてえのを流している始末。

すっかり市民権を得てしまった、福島原発事故と、国民の生活のお供、福島原発産の放射性物質とでも言えばいいのでしょうかね。

逃げ出す金も無いから、やけくそで山菜や露地野菜を食ってますがね。
子供に食わせたくないと言ってみても、家族からも相手にされませんやね。

で、日技なんですが、日技のお妾さん的立場と言えばいいのか、離れとでも言えばいいのか、一人二役と言うべきなのか、日技政治連盟ですね。

5月21日に連盟評議員会が、建前上は間借りしているとされる市谷の日技会館で恙無く行われたと。

例えば厚労省だとかのほうから、公益法人を標榜するなら政治連盟を隠れ蓑にした政治活動はおかしいんでないかいって言うような突っ込みも無いのだろうし、そもそもどこもかしこも本音と建前の使い分けだって言う大人の社会のことだから、なんかなあって思う方が「おかしいよ」と言う事なんでしょうが。

その為かどうか、評議会では日技の94回代議員会では通らなかったNDC関連の予算も、まあ、まったくと言っていいほど同じような顔触れの皆さんによって、議論されるで無し、異議が出るで無し、シャンシャンと議案が成立してしまったようです。

なんとも、ヘっ???!てなもんです。

まあ、問題のNDCに対しては、日技政治連盟と言うのは出資団体と言う立場になります。
日技としては立場上出せない資金だから、離れに隠してあった金子を使ったとい事なんでしょう。

別の組織ですよ、日技とは違いますよといくら言っても、原資の出所はどっちも歯科技工士会会員だし、役員だのなんだのも殆んど一緒。

さっきまで日技会長だと言って挨拶していた古橋さんが、じゃ、今からは連盟会長をやるからね、あ、建前でも、切り替えを宣言しますからねってやるのだろうな。

こうなるとNDCにしても三つ目の建前で押し通すのじゃないかな。

ただ、NDCは社長さんは中西さんなんだよね。
他に取締役に連盟副会長も居たりするんだろうけど。

中西さんに引導を渡したわりには、NDCでの給料は保障するってことかね。

いくら別組織だ、別法人だと言ってもさ、住んでる井戸は一緒なんだから、そして、住人達には二つの立場を使い分けるのが当たり前の事なんだから、そもそもおかしいっていう認識すら無い。
そう言う事なんだろうな。

とにかくさ、日技と政治連盟でいくつもの役職を兼務しているような人たちにとっては、疑問を持つ方がおかしいのだろう。
つーか、仲間で居たかったら疑問なんかもっちゃいけないんよ。
たとえ疑問に思っても、表に出しちゃだめだって大人なんだから。

そうなると、例えば中西さんが日技と政治連盟の会長だった時に、「21世紀の医療と福祉を支える会」という、政治団体をこさえて、中西さんご本人が評議員会の手続きを経ないで作っちゃったとしても、おかしいって思っちゃいけないし、

そこへ、1500万円も寄付をして、選挙に使ってしまったとしても、そこは大人なんだから一緒に飲んで騒いで踊って見せるのが仲間って言うもんだよ。

これまでにも大人の態度で許してきた評議員さん達ですから、今回のNDCなんて、執行部任せでいいんじゃない。
日技は神様なんだから、つーか、そもそも自分もその一部なんだからさ。
何も明らかにされない、報告がない、二つの会費だけは負担させられてる末端会員が可哀想なだけと、娑婆心ながら心配してるんだけど、ご本人達が何とも思わないのならどうでもいい事なのだろうね。

それでも事実を知った会員は、仲間を演じる意味をもう一回考えてみてほしいね。

同じく福島原発事故の実態についても、天気予報の降水確率の数字みたいに放射線量の数字を疑問も持たずに受け入れるんじゃ無く、そもそもそんなもんをTVで流す位ならって空き缶政府や原子力何たらに、そして東電の糞馬鹿野郎どもに突っ込んでほしいね。

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May 24, 2011

マスゴミ報道に変化あり??

さすがに何時まで経っても収束のしゅの字も出てこないでたらめぶりに、マスゴミの皆さんも国民や国際世論を騙しきれないと思ったのか、少しづつだが福島原発事故の真相が報道されてくるようになったようだ。

それにしても、まだ、踏ん切りが悪いようだが。

NHKのETV特集を見た。
「ネットワークで作る汚染地図」である。

尚、映像のリンク先は社長のブログさん記事へのコメントからです。

しっかり録画して見ましたよ。

空き缶政府と原子力何たらと東電の大本営報道を垂れ流していたマスゴミの尤もたるNHKが、まるで反対の警告的な内容のドキュメンタリーを流すとはねえ。
しかも、内容は大丈夫だ問題無いと言い続けてるNHKのニュース内容とは真逆の事ばっか。

分かってたんなら、なんで取材したその日にニュースで流さないんだよ。
二か月過ぎちゃったし遅いんだよなあ。

それでも、今もって流されるニュースには、放射線が薄くなったとかへったとかのノー天気な内容がわざとらしく流されてる。

実態は、悪化の一途なのに。

今日の東京新聞は経済産業省の出入り禁止が効いたのか、上の汚染調査をした今中助教授のインタビュー記事だった。
飯舘村に限らず、福島の汚染は酷い訳だが、その事実は現地では早くから把握されていたと言う事なのだろう。
しかし、空き缶政府も原理力なんたらも東電もだが、巨額の損害賠償を恐れたのか、事実を伝える事を固く拒んだのだろう。

だからこそ、政府や原子力利権に与しない、それ故、教授にもなれずに飼い殺しにされてきた今中氏のような人達に、調査のお鉢が回って行ったのだろう。 それも内部告発として。

結果は、最悪の汚染地帯が福島に存在すると言う事なんだろう。

チェルノブイリでは300キロ離れた場所でも、高濃度の汚染が発見された。
それも、事故から何年もたって子供達が被曝し白血病や甲状腺がんで死んでいったから分かった所もあるのである。

福島は今も放射性物質を出しまくっている。

それは間違いない事だろう。
今後、300キロ離れているから安全だと言えるような土地は、日本には無くなると思う。
今日も今日とて広島や九州にまで汚染が広がっていると言うではないか。

風向き次第では、高濃度汚染になる場所が飯舘村や福島市、郡山市以外にも出てくるだろうな。

はっきり言って、福島は全県避難の対象だろうと思う。
いや、関東東北北陸と、東日本は全滅なんだと思う。

そして昨日から、二階堂さんの所や、ネットEYEでは一号炉の危険度が増していると警告している。
一時にドンと出るのもやばいけど、とりわけ4号炉のように、燃料棒が剥き出しも同然になっていて、終始放射性物質を含んだ水蒸気か排煙を大気中に大量に拡散続けている状況も、最悪な状況である事に変わりは無い。

どうすんだ空き缶?東電?原子力利権の皆さんは。

こんな位ニュースに隠れてか、21日に市谷の日技会館では、日技政治連盟の評議員会がひっそりと行われたらしい。
内容??

聞きたいですか。
私も伝聞でしか無いので。

出来れば山本さんや奥村さんら歯科ジャーナリストの皆さんが取材していてくれたらと願う。

NDCへの支出を含む議案は恙無く了承されたそうだ。

これについては、別の記事で纏めようと思う。

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May 19, 2011

起きた事を認めることで、もっとも最悪な現実を隠すと言う事。 ひでえな。

水棺を諦めて、循環系の冷却をしますと、連日の報道です。

確たる確証も無く、なんだか素人が思い付きで言ってるみたい感じてしまう。

一号から三号までのメルトダウンを認めた事で、少しは本当の事を出すようになったのかと思っていたら、とんでもない、これすらもプロパガンダ同然の目くらましであったようだ。

突破者

宮崎学さんのブログで在る。

報道されない4号機の危機的状況について


現在の一番の問題は福島第一原発4号機が危機的な状況にあるということで、またそれは地元の人々の共通認識でもあるとのことだった。
1号機の状態がにわかに報道されるようになったが、本当にヤバイとされる4号機に関しては何も発表していないでいる政府の対応と問い質しもしない記者たち。これは報道協定をやっているのではなかろうか。


げげ・・・

定期点検中とかで、燃料棒は炉心から取り出され、燃料プールに保管中と言う事だった。
ところで、この保管方法は、通常でもプール自体は遮蔽も格納もされていないのだろうか?
確かに建屋の中に在る事はあるのだが。

プールの水中に在るから、放射性物質は大気中に拡散する事は無いという前提なのだろうか。
破壊されてさえいなければ、建屋は放射性物質を完全に遮断すると言うのだろうか。

実際の所、原発の構造図を見ても、プールの中に在ると言うだけで、建屋以外の防御は図られていないような気がする。

で、吹っ飛んじゃっているんですが、そんなものは。

まあ、プールに浸かっていい湯だなってやっているうちは、それでもましなのだろうけど、どちらにしても原子炉容器の中では無く、プールと言う外部に在るのですね、全ての核燃料が。

そのプールを含めた鉄骨の廃墟のような4号建屋が、今や倒壊の危機に在ると。

これは如何にもな報道も、実は裏で取引されたものだと言う事なんですな。

既に燃料プールに亀裂が入っている事は確かな事だろうと思うし、下の階からプールを補強するとか言う計画も前に見たけれど。


連日黒煙が上がっていると言う事は、他に熱源や火災を引き起こすものがあるとは思えないし、燃料棒の一部がメルトダウンを起こして、周辺を燃やしているとしか思えないのだが。


三号炉も炉心に水が届かず、メルトダウンが進行中だと思えるし、空き缶の言う工程表通りなんて信じる方がおかしい。

四号炉で進行中の事は、既にチェルノブイリを超えてるのかも。
爆発して無いだろうと言うけれど、大気解放されてるから、圧力が溜まらないだけであって、メルトダウンの先に在るのはチャイナシンドロームなのかもしれない。


想像だけど、3000度近い燃料が燃え盛り、地中深く全てを溶かして落ちていく先は、マントル・・・・・・

なわけないか、無いと言ってくれ・・・・

どっちにしろ、残っている四号建屋が倒壊すれば、燃料がむき出しでがれきと共に放り出され、人はおいそれと近寄れない事になるだろう。


阿修羅の板に纏めてアップされているので、読んでおいてください。

4号炉が倒壊し、部分的な臨界爆発が起きれば、ドミノ的に残りも破壊されるかもしれません。
そうなれば圧力容器や格納容器は、ちょっとした爆弾と化すでしょう。

福島、全滅でしょうか。

いや、今度こそ関東以北が全滅と言う事もあり得ます。

これまで、北朝鮮からの難民などを恐れていましたが、逆に、日本からボートピープルが漂流していくのでしょうか。


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May 17, 2011

NDCその後

3月11日、午後二時46分、東北と関東の沖合を南北に数百キロに渡る断層を震源として東日本に大きな被害を起こした地震が発生した。

それ以来、原発の事故などもあり、日本は停滞したままである。

さて当日、日本歯科技工士会は第94回代議員会総会の最中であった。
代議員会や総会、そして会長などの役員選挙は、技工士会と言うちっちゃな村の中では、午前中から村の中だけだけど予兆とも言うべきドタバタが起きていた事は間違いない事だろう。

確か、その後になって地震が起きた事を悪く無いとか言って、議員辞職に追い込まれたどこかの議員さんだか議長さんも居た訳だが、同じ事を思ったかどうかは知らないが、東日本大震災が起きたおかげで、技工士会村代議員会のドタバタ劇は誰からも注目を集めず、マスコミの取材も報道も当然無く。

前執行部が何とか通そうと画策した議案の数々が、通るどころか撤回するしかない前代未聞の混乱を引き起こしたと言うのにね。
中西前執行部や、出来レースで決まった禅譲古橋新執行部に対しての疑問や追及も、震災の被害の大きさに吹っ飛んじゃったんだね。

すくなくとも口にチャックをする事を理解していた技工士会の議長さんや代議員さん、新役員の皆さんは幸いにも時をおかずに行われた統一地方選挙に立候補していた訳でもないし、誰にもどっからも突っ込まれる事無く、タコ壺に籠って5月21日をどうか恙無く迎えようとしとられてるようです。


さて、中西前会長とその一派が、画策したNDCってそもそも何だべ?

本来なら代議員さんをはじめとした、技工士会会員の皆さん自身が考えなきゃいけない事のはずなんだが、皆さん、全然知らなかったよと、ホントなんだか嘘なんだか。

中西さん、上手くすれば再就職先にするつもりでNDCを立ち上げたのかもしれないけど、そもそもなぜこんな株式会社を作る気になったのか。

そう言う所を、大人の代議員さん達は考えた事があるのだろうか。

それとも、第94回代議員会や会長選挙の裏で見られたドタバタ劇のように、自分達じゃ何も考える事も疑問を持つ事も放棄してきたくせに、実は自分の払う会費やなんかも吸いとられちゃう事を、それまで馬鹿にしてきた例えばこのブログとか加藤さんのブログで示唆されると、まるで自分の頭で考え、自分で証拠を手繰り寄せ、自分で資料を編纂したかのように思ってしまうのだろうか。

ま、大人の会員さん達なんだからそれこそ何でもアリか。

ところでこの記事で、如何にも厚労省と日技とがワルツを踊っているかのように解釈したが、本当のところどうなんだろう。

厚労省からすれば、どうでもいいって言うのが本当の所じゃないのか。

例えば政官業の関係って言うのは、やっぱり利権であるとかひも付き予算とかが無いと、お役人も本腰を入れてまで踊ろうとか付き合おうとかしないと思うのだ。

原発事故であぶり出されているけど、東電や原発は何兆円の規模でしょ。

潜り込める役人も見返りの金の総額も桁が違う。
バラまかれる規模や裾野もさ。

元の金額がデカいから、天下りの一人一人は年に一億貰っていても、すごく薄いスープを飲んでる位の意識しか無いんだよ。
何十人も天下りしていようが、それこそ両手に余るほどの天下り法人をこさえられるし、そこで何千億とひも付きの予算を流してそっから一億とかを懐に入れようとしても、咎めるどころかおこぼれにあずかろうと群がってくるありん子も沢山いるし、元の金額がでかいから数千万や数億円なんて誰も関心を向けなかったのかなと。
勿論、マスゴミにも散々食わせて抱かせて懐柔していた訳だが。

追及するような記者や、反対する知事が出てくると、簀巻きにして海に捨てたり、検察や警察と司法とで冤罪をでっちあげて犯罪者に仕立て挙げてしまえるから、怖いものなしなんだろうけど。

予算や経済規模が歯科は小さ過ぎなんだな。
経済規模で五千億?五百億しかないかもしれない技工業界に天下りしても、数千万貰っても目立ってしまうよ。
それに、官僚やお役人に渡す原資も無い。 
紐付き予算を期待できる、天下り法人を考えていたのだろうけど、どうなんだろうね。

とにかく利権と言うのは、そりゃ、ちっちゃな会社だとか、村の中にも存在するだろうけど、政官業と言う位なんだから国家予算からどれだけ引っ張れるかって言う事が、本来の利権と言うべきなんだろう。
NDCを見ると、国家予算の利権に絡めないニチギが、いかにもな猿真似をしただけじゃないかな。

しかし、そもそも技工業界は歯科医療費にすら関与していない。
どう頑張っても利権になるようなひも付き予算を引っ張る事は出来なかったのである。

参議院議員になれば、もしかしたらと思ったのかもしれないけど、そうもいかなかったね。
しかし、中西さんは分かったんだと思う。
そんなのないけど、参議院選挙で、選挙資金名目で会員から吸い上げる旨味を知った訳ね。


上からお金が落ちて来ないもんだから、下から吸い上げる会費に、利権つーか原資を求めた。

元々利権と言うのは、国が出す予算があってそこから如何にして分捕るか、甘い汁を吸うかだべ。
そのほうが金額も多いし、天下りが持参するわけだし。
NDCなんてちいせえなあって。

でも、事と場合によっちゃ大きく育つことだってある。

次は構造基準で管理協会でもと考え、ニチギが喉から手がでるくらい欲しい、組織外からの提言でサビリティだ認定○○○だと。

利権がなきゃ、作るだけかとさ。


実際、5月21日に開かれる日本技工士政治連盟の評議員会資料を見ると、事務委託費に三百三十万円がしっかり計上されている。

これって、3月11日のドタバタ代議員会と総会で、日技執行部が撤回するしかなかった、NDCへの事務や会費徴収委託料と何が違うのだろう??

中西さんに変わって政治連盟の会長にもなった古橋さんとやらは、日技代議員会で否定された案件を、政治連盟では通そうって言う訳??

さっぱりわからん。

政治連盟の評議員会で仮にも通ってしまえば、んじゃ、6月18日だっけ、第95回代議員会総会でも通しちゃえると言う事か・・・・

それが、94回の代議員会で示された大人の判断の判断だとでも???


すげえな、この感覚。

代議員会で、NDCや中西前執行部の予算案と事業計画は否定された。
同時に会長に選ばれた古橋は、中西の予算や事業だからであって、自分は関係ないと。

当然、中西一派が画策したNDCのような株式会社とは縁を切るのかと思ったが、違うらしいね。
自分がNDCの社長に横滑りするってことかな。
んで、中西さんにはお茶とお給料をお出しになる・・・とか・

とまれ、日技執行部の体質は、変わるどころかしっかり禅譲されてる訳だ。
なんだか次の代議員会総会もとんだ茶番で終わりそうね。

あ、お茶を出すなら神奈川統一ブランドの足柄茶をご利用ください。
風評被害に負けてたまるか。


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そうそう、おいらは市谷の会館に行った事も入った事も無いのだけど、NDCの住所も政治連盟の住所も、市谷の技工士会館と同じ所だよね。

政治連盟の予算書を見ると、人件費や賃借料も計上されている。
部屋は確かに在るのだろうね。
しかも専従職員は幽霊じゃないよね。

まさか、職員は日技の職員と同じ人だっていうような事は無いよね??

NDCも間借りしているそうだけど、どうです?NDCの事務所がありましたか?
中西さん、お勤めですか?

どうせなら、日技広報ブログでそれぞれの事務室とか執務の様子とか画像付きで紹介すればよいですよ。

代議員会準備の様子など、ブログを活かしてどんどん伝えるといいね。

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May 16, 2011

打つ手がないのなら・・・・・

全長50mとか60mのコンクリート圧送ポンプ車は、今でも燃料プールへの注水を続けているのでしょうか。

これは、燃料プールへですよね。

蒸発分を補填するだけなのであれば、汚染水が増える事も無いのだろうけど、放射性物質が大気中に放出されるのを防ぐすべは無い。


格納容器の蓋が外されていた4号機ならば、炉内にも注水出来るのだろうけど、他はどうなのか。
メルトダウンを認め、格納容器や圧力容器の破損や穴あきを認めた今も、注入された冷却水の漏出については、はっきりした説明をしていないのが、東電や空き缶政府。

実際には、外洋にダダ漏れ垂れ流しなのだと思う。

ホウ酸注入を始めたとか言うが、これ、最初からやっておくべきだったのではないのかな。

原発事故が発生した直後から、韓国政府からホウ酸を提供する用意があると言うようなネット記事を見た記憶がある。

今となっては、廃炉しか選択肢は無いはずなのだが、東電は今日の中小企業との補償交渉でも、廃炉については返答しなかった。
この期に及んでも、まだ、再稼働が出来るとお考えなのか??

メルトダウンした燃料を撤去するともなれば、容器全体を破壊するか解体するしかないだろう。
再稼働など夢のまた夢だとしか思えないのだが。

そもそも初期の段階でメルトダウンが分かっていたはずなのに、ホウ酸注入をためらったのは、メルトダウンを認めたくない、燃料棒の被覆が多少損壊しても、圧力容器や格納容器全体は、まだ再利用が出来るだろうと言う、原子力亡者達の身勝手な願いからだったのではないのか。

それとも、水を入れたのと同様に、ホウ酸を入れてもどうせダダ漏れするだけで、メルトダウンした燃料を確実に包み込めるか分からないからとか言うのかもしれない。

現状では、格納容器や圧力容器の蓋をあける事が出来ないのだろうけど、それだと何時まで経っても対策の手が燃料に直接到達できず、工程表も机上の空論に終わってしまうのではないだろうか。

この原発事故によって、只でさえ酷くなっていた身近な生活経済とでも言えばいいのか、中小企業、地場産業、商工業に深刻な影響が出ているのだと思う。

とにかく、日曜日だと言うのに、商店街に人が居ない。
どこの売り場も、レストランや食堂も閑古鳥が鳴いている。
大手チェーンも客が入らない。
山田うどんの値下げののぼりを見たと思ったら、牛丼がまたまた値下げ競争になってる。

大手の資本でもこの通り、日銭で食ってる客商売の店なんて、後どれだけ続く事やら。

元々患者さんが減り、歯科ホテツの需要も減って居たところにこの原発事故だ。
仲間の技工士の皆さんも、軒並み赤字転落しているのではないのか。

しかし、この業界からは、辛いとか何とかの言葉は出てこない。 やせ我慢なのか、諦めなのか。

それとも、儲かってウハウハなのか。

夕方、金属屋さんが来られた。 もっぱらスクラップの回収をお願いしてる企業。
最近は研磨くずも出ないし、昔は二年もあればそれなりに回収に回せるスクラップがたまったんだけどねえ。

ただ、歯科以外の金属スクラップはそれなりに出ているのじゃないかな。

実は、以前からあそこヤバク無い??って言っていたインプラント一本いくらってデカイ広告を出している○○歯科。

それについて、私なりの疑問や危惧を伝えてあったんだけど、その後、それなりの情報を貰ったんだろうか、やっぱりヤバイようですよと。

今では、そこの最低料金ですら、「高い」って言う位、低料金を謳う歯医者が増えているのだけど、一体その値下げの原資というか、バックボーンはどこに在るのだろうか。

歯医者さんが自分の手取りを減らしていると言うのも、そりゃ確かに在るのだろうが、それでもあれだけのリスクと衛生的でコストのかかる設備が要求される、観血的処置を行っていて、一本当たり5万円とか6万円とかで、提供できると言うのには、素直に納得できないものがある。
誰かが泣いているのだろう。

歯科の場合、大抵は委託技工になる歯科技工所や歯科技工士が泣いてきたし、材料屋さんも無理な要求に泣いてきた。
本音が出る所で、歯医者さんを信頼していると言う業者や営業マン、歯科技工士にあった事は無いよ。
それは、歯科のジャーナリストって言われる人たちも同じ。

インプラントバブルについても、或いは、これまでの歯科の自費や保険の治療実態についても、実はヤバイって言う事をみんな知っているはずだ。

ただ、それを言うのも認めるのも、自分の収入や生活が断たれるから言わないだけである。

業界人が言わなくても、さすがにこのままで歯科業界が存えるとは思えない。
今は言わないでいる人達も、一度この業界が終焉を迎えるとなったら、重い口を開くようになるのだろうか。
不思議なのは、自費が少なくても、患者さんがものすごく減っても、なんだかんだで歯科医院は存えていることである。

やはり、点数が低い低いと言っても、実際には値下げやダンピングを要求する事は無い国の制度なのであれば、地雷を踏まないようにしさえすれば、月に何10万点かは確保出来るって言う事かな。
レセオンが先延ばしになって、延命できたって言うのも在りかな。
しかし、その効果も原発クライシスで吹っ飛ぶかもなあ。

こんな記事を書いていたら、きっこさんのツイッターで

「東京都八王子のゴミ処理施設で12万ベクレルの放射能を検出」って、東京も逃げる場所がなくなってきたな。」

隣じゃん。てか、生活圏じゃん。
まあ、足柄茶もバッテンが出てるし、じきに関東東北中越全体が、放射能汚染地帯に認定され世界遺産入りだね。
放射能汚染を黙って受け入れた文化圏と言う事で。

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何も変わらないし変えられないから受け入れてしまうのか・・・

さしたる反省も謝罪も無いまま、福島の現実は国民に受け入れられた??・・・のか・・・・

さっぱり理解できない、この国の形、国民性。

ま、自分もその一部、一人である事に変わりは無いんだけど。


一遍、メルトダウンと言う言葉を、東電や政府側でも出して認めてしまえば、さもしたり顔でこれこれの経緯でメルトダウンしていましたって、恥も外聞も無くというか、何の責任も事故発生の元凶たる痛痒も感じずに、いけしゃあしゃあと記者会見で言えるのだろうな。

ついでに言えば、それを、何の疑問も感じさせないまま紙面に載せるマスゴミ、新聞各紙やTV局にも反吐が出る。

なぜなのかな、日本国民には国政や国の形、東電だけじゃ無い、色々な官業、政官業の癒着や慣れ合いに、長いものに巻かれろで受け入れてしまっているのだろうな。
納得できないもの、多々あるものの本音と建前の使い分けだと。


東日本大震災と福島原発事故で、日本の政治や官僚システム、巨大インフラの嘘やでたらめさが白昼の元に晒されたと思うのだけど、日本の司法システムも警察権力もそのでたらめなシステムの一部な訳だから、検証する事も罰を与える事も出来ない。

逆に、衆参の予算委員会などでの質疑が、結果的に国のシステムや原発などの巨大利権に群がってる政官業の責任逃れシステムに組み込まれてしまっている。

国会議員が形だけ質問して、政府側委員だ、閣僚だ、呼ばれた東電のお偉いさんだかが、詭弁を弄しても何のお咎めも無い。
追及にすらならないし。

そんな茶番劇で済まされてきたからこそ、国民の大半は自分たちも原発事故の当事者なんだと言う事すら忘れてしまい、まさに、それが国や官僚や東電が望んでいる事なのだと言う事も分からずに、普通の生活を続けるとか、何事もないかのように過ごせばいいのだと勘違いしてる。


すくなくとも、ジャスミン革命のような、権力に対する怒りの発露や、不条理を正そうとする国民の行動が起きるだけでも、中東の国々の方がまともな人間性を持っているとすら思える。

とにかく、今の自分、生活を人質に取られているようなもので、当面の生活費にも事欠くありさまだから、表立っては何も出来ないのが現実。

だからと言って、心の目まで塞いでしまう訳にはいかない。

国を厚労省を相手にした歯科技工の海外委託問題訴訟の結果を見るまでも無く、国家を相手に訴訟を起こす事が如何に労苦が多く、訴えの意味すらもすり替えられ、本丸に届くどころかかすらせもしないと言う、国のシステムを見せつけてくれた訳だが、こんなことの積み重ねもまた国民をして分かったような気持ちにさせるのだろう。

「国を相手に裁判をしても99.9%負けますよ」と忠告をくれたある弁護士さんの言葉も、実は正しい事を言っているようでいて、むしろ弁護士にさえもそう思いこませる、言わしめる国と言う無責任さの詰まったシステムが持つ怖さを言っているようなものだろうか。

本来は、そうまでして国民の目や耳を塞ぎ、ACの広告やTVCMに見られるように、どうどうとオウム以上の情報操作や洗脳行為をしてまで、いったい何を守りたいのかと言う事だろう。

国なんだから、国民の、私やあなた方の集合体なのだと、国民を守る為に国は対応しているのだとか思うのは、大きな勘違いなんだろう。

日本と言う国がどういうものなのか、国家と言うモノが何を指すのか、すくなくとも、自分たち国民の一人ひとりが主役だ、日本だなんて思う事は止めることだと思う。

日本の真の権力や支配、そう言ったものが何処に在るにしろ、また、それらをエスタブリッシュメントと呼べるのかもわからないが、それらの存在は国民の事など何一つ気にも留めていないのだと。

そう考えると、そもそも地震や原発事故が起きていなくても、そもそも、国の巨大な死して無の中ではどうでもよい歯科のさらにどうでもよい歯科技工業界の事などは、原発利権や事故を目の当たりにして見れば、国の制度や官僚のやることに、見返りや利権の無い業種や業界は、塵芥ほどの意味も価値も無いのかもしれない。

ならば全く関係ない、価値が無いのかと言えば、実は一番大事な国民や患者さんの存在を板挟みに、双方が国民の為、患者の為と言っているけど、このメールでも国民と患者を使わなきゃならないのか疑問だが、要は、どちらもてめえの主張にさも命題が立つように、国民或いは患者を主題にして主張して見せるが、それ自体が使い分け、全て建て前だって事だよな。

官僚システムやエスタブリッシュメントの一端として、厚労省側には存在の裏付けがあるけど技工士や技工士会には実は無い。

本来であれば、国の法律や制度やらがあって、国民はそれを守り守られているはずだが、厚労省官僚と技工士やニチギがそれぞれ建て前を使い分けてるもんだから、今じゃ双方の接点は実は建て前に祭り上げた国民患者の実際の歯と口腔しか無いのかもしれない。

つまり、国や厚労省官僚の言う事と、業種業界が言う事は、法律や制度、医療やら社会保障だ安心安全だ言うても、字面や発音は同じであっても、全く違うものかもしれないわけだ。

ま、それだからこそ、双方が如何にもワルツを踊っているかのように見える訳で、そうでもなきゃニチギなんか存在できないだろうよ。

しかし、建て前としてはニチギは存在出来てる訳です、厚労省からしたら通知通達行政の形とまさにやることはやりましたよと言う、証拠作りの一端として、実際の周知や効力とは別の建て前の裏打ちに、ニチギの意味があるわな。

ニチギが情報を会員にしか出さない、いや、会員にすら正しい情報を出さない現実を見れば、こんな組織を介在させるより、厚労省や保健所に本来の仕事をしろと言いたくもなる。

厚労省の管轄では、これまでにも繰り返し、国民が直接被害者となる薬害や感染症や事件事故が起きて来た。
しかし、それで国と言うか、厚労省の直接の担当者が責任を取った事があるだろうか。
みんな巧妙に責任を逃れて来たのではないか。

当の役人や官僚ではなく、たまたまそこに居た大臣が謝るとか辞職すれば、後はみそぎは済んだと。

去勢され洗脳された日本国民に対しては、それで済むかもしれないが、地球規模の災厄となりつつある福島原発事故の処理に関しては、外国を相手にしてもその手が通用するかは分からない。

それとも、諸外国も似たり寄ったりの状況か、中には日本以上におっかない中国や北朝鮮のような所もあるからか、妙な所で国家同士妥協してしまうのだろうか。

どのみち、国民は不在なんだけどね。

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May 15, 2011

原発メルトダウン、人災は人災だけど・・・・・

東電もようやく認めたんですね、メルトダウン。

しかしなんで認めるまで二月以上も掛かるのだろう?
殆んどの人が、爆発が起きた時点で、炉心のメルトダウンを想像したと言うのに。

原子力の専門家が、それを想定できないはずがない。
まさか、信じたくない、実際の被害は大したことない、蓋を開けてみれば、想定より酷く無いはずだと東電や保安院の皆さま方だけが信じたかっただけなのか。

福島第一原発一号炉の爆発は3月12日午後3時半ごろに起きたね。

全電源喪失から24時間後の事で。
原子炉の燃料棒は冷却機能を失えば、数十時間で爆発するとか。

爆発までの過程がどう進行するのかをシュミレーションすれば、冷却水の過熱と沸騰、喪失、燃料棒の露出、被覆管の溶解と分解、同時に水素の発生と燃料自体の溶融が起きたものと思われます。

素人考えでも、この時点で燃料棒は既にメルトダウン状態になっていたか、一直線だったはずです。

溶けた燃料棒が圧力容器の底にとどまっているにしても、2000度近い温度になっていたはずですから、圧力容器や格納容器も無傷なはずがありません。

東電や保安院のお偉いさん達はどこから漏れているのか分からないとか、容器は壊れていないと言い張ってきた訳ですが、一番ありそうなのが実はこの燃料棒のメルトダウンで圧力容器も格納容器も穴が開いちゃったっつーことじゃないでしょうか。

勿論、沸騰した冷却水の蒸気圧で容器や配管のつなぎ目にクラックが入ったと言う事もあるのでしょうが、高圧な所に容器の金属も溶けるような高熱が加われば、メルトダウンした燃料棒に触れた部分は容易に貫通ないしは破壊されてしまうと思います。

そう言う所から、被覆管から発生した水素が建屋に漏れ出し、水素爆発を引き起こして建屋が吹っ飛んだと言うのが私の考えです。

メルトダウンが起きたからこそ建屋や容器も破壊するような、水素爆発、或いは水蒸気爆発が引き起こされたと見ています。

三号炉は併せてプルトニウム燃料の臨界爆発も起きている可能性があります。

二号炉はサプレッションプールが破壊されたと東電が早くから言っていましたが、なぜ、二号炉だけなのでしょうか。

5月14日の時点で、二号三号もメルトダウンだと認めたようですが、二号炉のサプレッションプールのどこが破壊されたのかも特定できていないのに、そう限定して言ったのは、やはり嘘か情報操作としか思えません。
一番分かりやすいのが、メルトダウンした燃料棒が圧力容器と格納容器の底も溶かして、サプレッションプールの在る高さまで貫通してしまっている状態なのではないかと。

いずれにしろ、いくら注水してもざるに水を入れるようなものだから、トレンチだなんだが汚染された冷却水で埋まり、外洋にダダ漏れするのは当然です。

その時点で、メルトダウンによる貫通を想定していないとしたら・・・・

空き缶はサミットか。価値無いね。

結局、水をかける以外になんの対策も出来なかったと言う事かな。

2ヶ月間、無駄に汚染を広げただけなんじゃないかと。

今の状態だと、注水は止められない。しかし、止めないと別の方策もとれないと、手詰まりなのでは。

仮に、冷却がうまくいっても、それこそ何百年と水冷を続けるしかないのかなと。

冷やしながら再臨界を起こさない形状に出来るのか?
チェルノブイリでは、ホウ酸漬けにしたのもあるけど、実際には臨界爆発で、ある程度ウランなどの燃料が燃焼しつくしたようなものなのでは?

じゃあ、福島は?

原爆のように爆発させる条件は原発には無いのか。
とすれば、メルトダウンして一塊の燃料の集合体になり、そのまま高温で臨界状態を続けるわけか。

注水を止めれば、そうなるわけだな。

燃やしてしまえはええけど、その高温に耐える坩堝があるでなし、大変な量の放射性物質が出るし。


東電と保安院には無理なんじゃないかな。

最後は米国やフランスに泣きつくかも。

東電や保安院にどんだけ東大や京大の学者上がりや物理学者がいるのか知らんが、やってる事は理論的な考察とか実験の検証とかじゃなく、素人と変わらない、思いつきや寄せ集めのアイデアを、それこそ片っ端から当てはめて、あーでもないこーでもないとやってるようにしか思えない。


仮に、実験室で有効な対策や方法があっても、圧倒的なサイズや質量、熱量を前に、学者のアイデアなんて吹っ飛んでしまうと思う。

こうなると、格納容器がなくて、直接、メルトダウンした燃料棒にホウ酸をかけられたチェルノブイリの方がやりやすかったのかも。

三号炉がまた加熱していると言うし、他もいつ沸騰したり再臨界するか分からない。

日本は終わってるのかも。
昨日の参院予算委員会で、原子力委員会の青木とかいう、原発事故が起きたら真っ先に現場に行くべき人物が、いかなかった言い訳をしていたらしいが、事故は人災だと言ったようだな。

正しい指摘のようにも思えるが、これ、これまで原発を推進して金に群がってきた官僚や学者が、責任逃れを始めたのだと思う。

事故を起こさないように備え、考えなきゃ行けないのは、原子力開発を進めてきた人達にこそある。

人災だけではないよ、むしろ、地震や津波に脆い原発を構想し設計した人達に責任があるよ。


そういや、質問者は自民党のやつだった。

いかにも言質を取ったかのような態度だったけど、そいつも原発推進一派の片割れだろう。

マスゴミは空き缶や枝豆に責任転嫁する自民党ともグルだろうな。


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May 10, 2011

荒む心を誰が責められようか。 

世界中から絶賛される日本人の特質。

しかし、本当の所はどうなのか。

内に籠ると言うのは確かだと思う。

そうじゃない、外へ外へと明るく動ける日本人も多いのだろうが、全体としてはやはり色濃く表れる日本人の特質と言うものはあるのだろう。


日本は民主的で自由な国だと言われてはいるが、実はそうでもないと言う事を感じている。

これについては前から似たような事を書いてきた訳だが、日本人と言うか日本の感じとして内に籠ってしまうのも、本当の意味で日本の権力と言うものが、鵺のように見え無い、二重三重のベールの下に隠れており、しかし、その力はあまねく私達の生活を満たし、洗脳し、誘導しているのだろう。

だからだろうか、生活であるとか、就労環境であるとかが、様々な理由から落ちて切羽詰まれば切羽詰まるほどに、追い込まれた人達の心は荒む。

問題は荒んだ心がどこに向かうのかと言うところだろうか。


ネット上の技工業界で見れば、これまでどれだけの技工士達が現状を伝えようとし、状況を変えたくてHPや掲示板やブログを立ち上げて来たことか。


しかし、そのうちどれだけが、今も続いているのだろうか。

歯科技工士の希望や良心を示すものとして今も続いている所は、実は一つも無いような気がする。


何故だろう。

私達の内に在るモノは、荒んだ心だけなのだろうか。


性質の悪い事に、荒んだ心と言うモノは、その矛先が更に内に向かうと言う事だろうか。
しかも、なお一層性質を悪くし、悪意や怨嗟と言うものを濃縮させながら、本来仲間であり助け合うべき同業者への悪意ある書き込みとなって沈降して行く。

いくつかの有名な技工関係のHPやブログでの荒れたコメントを読むと、私はそんな印象を強く感じる。

荒んだ心は荒んだ心を理解するのだとは思うが、何故かそれを強く否定したいと言う気持ちも起きるのだろうか。

多くの書き込みやコメントを繰り返し読むうちに、そこに存在するのは、叩く人も叩かれる人も実は置かれた状況にさしたる違いは無いと言う事であろう。

その状況を正直に訴えると、一定の共感を持つと共に、実は自分自身の投影を見てしまい、過剰なまでに叩き否定してしまうのではないだろうか。


ならば、その対極として、技工や歯科の業界でカリスマと呼ばれるほどに成功を収めればよいのだろうか。

としじいさんのコメントや、王譚平さんのブログ記事を読めば、歯科技工士の成功や功成り名を遂げると言う事が、人として幸せな事なのか、成功と言える事なのかと疑問に思えてならない。

広い視界で物事を捉えられたらと切に思う。

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May 05, 2011

感謝

ブログ、止まってしまいました。

書く事がありません。

気持ちも向かいません。

それでも連日、たくさんのアクセスがあった事がわかります。

本当に、ほんとにありがたい事だと思います。
記事のタイトル「感謝」とはそういう意味です。

自分のモノの見方などは、実に偏った被害妄想でしかないのは確かです。
さしたる知識もなく、深く突き詰めた訳でもなく、ただその時の思いに駆られて書いてきたのがこのブログです。


饅頭屋の友人からは、おめえは紐じゃんかと言われました。
仕事も売り上げもない以上は、まさに紐状態な訳で、反論もできません。

受注が保険技工、自費を問わずにGW前から完全に途絶えていますから、運転資金も枯渇している以上は、今月末にも資金難から行き詰まる可能性はあります。

昭和60年当時の開業資金は5年間で返済しました。
それ以降は無借金経営でしたが、それも数年前から綱渡り状態でした。

多分、今回の東日本大震災と、福島原発事故が私にとっての止めとなるのかなって思っています。

多分、言い訳でしかないのだとしても、こんな見方もできるって言う事で、幾つか書いておきたいなって言う事が無くもないのです。


ただ、考えがあっちこっち飛ぶのですよ。

言いたいことはいっぱいあるはずなのに、一個一個区切って書けばいいのだろうけど、発想が飛ぶ、飛びながらも自分の中では繋がってはいる。


私は何なんだろうかといつも思う。

常に逃げてばかりの駄目な人間が、今更何を言っても遅いのだろうけれど。


自分はもう、歯科技工士の誇りなど失ってしまったか、捨ててしまったのだろう。
技工を深く考えもせず、ただ目先の仕事だけを追い続けてくれば、多分、自分のようになる。
良い時はいいが、落ちだすと手も足も出なくなる。
これを自滅と言う。 当然の結末である。
本来、天変地変は関係ない。

そもそも永らえてきたのが不思議な事なのだろう。
歯科技工と歯科医療は良くも悪くも、長くにわたって本質的な意味で人間の体の再生力、抵抗力、そして無知によって救われてきた、生きながらえて来た。


勢いだけで売れるからと突っ走ると、どんな事が起きるのだろう。
安くして業界の寵児と持ち上げられれ、さて、何事も起きなければ良いのだけれど。


事が起きてしまったときに、すべて国の責任、厚労省の責任だと言う事が出来るのか。

ユッケの食中毒で亡くなられた方たちと、例えばインプラントの手術中の事故で亡くなられた方や、歯科の医療事故にあわれた方たちと。

医療と食。

全く違う分野のような、何の関連も無い事件や事故のような気もするのだけれど、でもなにか、根っこにある問題点は共通のような気がしてならない。


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