乗り越えたらそれで終わりなのかな??その3
乗り越えたとおっしゃる方々に共通するのは、社会意識、公益意識の低さである。
極論すれば、ご自身とお得意先の歯医者一軒さえ存在すれば良いことになってしまう。
実は、このような意識が蔓延しているのが歯科業界というところなのである。
インプラント問題なども、根はそこにある。
同時期に週刊朝日でも東京の歯医者によるインプラント事故関連の記事が出ていた。
過失は明確なのに、ものは言いようとでも解釈すればいいのかね、この歯医者の言い分には反吐が出る。
聞くところによれば、このNHKの番組が放送されてから、インプラント診療の受診がガタっと減ってきたそうである。
そもそも、バブルというか、ほんとうに必要な治療でも方法でもなかったのだから、患者さんからの要望や需要があるとか歯科業界からは言うが、実際は患者の要望や需要を必死で掘り起こし欲していたのは紛れも無く我々業界側である。
何事にも限度がある。
歯科がインプラントもだが、やっていることが医療だというのなら尚更我々自身に自制が求められると。
歯医者さん自身と歯科業界とが抱える問題の解決策に、インプラントがあると思い込んでいるのなら、それは我々の側の思い込みでしか無いのだと思う。
思い込みでしか無いのだから、そもそも、歯科業界が抱える数々の問題には向き合っている意味にはならないし、時として歯医者や技工士のエゴばかりが暴走して乗り越えたと思っていたら、実は基本的な安心安全というものを破壊していたなんていうことになる訳だ。
今後、植えられたインプラントの二次的な病変で、歯医者に駆け込むわけにも行かず、医科や病院歯科も持て余すような患者さんが増えるんじゃないかとちと心配。
さて、このような例を上げるまでもなく、自分の存在しか視界に入らないのが歯科の業界人、所謂有資格者だというのなら、そんな資格には紙以上の価値は無いと言った司法の判断も政府の見解も全くもっておっしゃるとおりと受け入れるしか無い。
私はあの裁判の結果が、歯科技工士だけに向けられたものだとは思っていない。
歯科医師も歯科衛生士も含めた、すべての歯科医療者に向けれたものだと思っている。
現に、裁判の過程で取材を受けてきたマスコミ各社は歯科技工士の労働問題、料金問題もインプラントの事故頻出につながる問題だと認識しているからこそ、ここまでの報道がなされ今現在も、取材が続いているのだろう。
歯科技工の海外宅問題訴訟は、最高裁判決が出て終結したわけではない。
もしそうであるなら、歯科医療問題へのネガティブな報道にも一定の結論が出ていてもおかしくないのだが、むしろ取材が進めば進むほど、歯科業界の問題の大きさ、そして、先にも上げたが業界人の社会意識、公益意識の低さが炙る出されてくるということなのだろう。
卒後5年にも満たない若い歯科技工士たちが使い捨てにされ、過酷な労働環境と定収入から体を壊し業界を離れてゆく。
歯科業界のエゴである誘発需要を足しても、存在する歯科補綴需要に対しては歯科技工士の人数が大きく過剰だという。
その過剰さが、若い歯科技工士たちを離職へと追いやっている一面は否定できないが、それ以上に歯科や技工業界には社会意識、公益意識が欠如し義務と権利とを履き違えた経営者や自営者が多すぎるのだと思う。
したり顔で、若い歯科技工士たちに義務を果たしたのかと問いかける自営業者の書き込みにも反吐が出る思いだ。
もう一つ、技工料金の過剰なダンピング競争のからくりに、就労技工士たちの置かれた立場の悪さが利用されている。
特に、新卒を含めた若い歯科技工士たちは、そのような悪質ラボ経営者のやり口に絶え間なく責められているのだと思う。
やり口については別記事にしようと思う。
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