脇本さんに託す技工士の一分
この一週間ほど、友人の鉄工所で慣れない下働きを続けています。
歯科技工士の経験、なんの役にも立ちません。
工具や機械の場所、スイッチの場所、材料の場所、一度に覚えきれるものじゃありません。
頑固親父である友人のやり方、スタイル、癖が染み込んだ鉄工所です。
その上で、補助的な動作、サンダー掛け、ハツリ、ハンマーと、最低限の技術も覚えねばとてもじゃないが補助にもなれません。
多少は見知っていたつもりでしたが、実際に何十万にもなる鉄鋼製品を作るとなると、仕事の案配も金属の材質や癖、溶接の種類、図面を読んで加工の手順や材料の寸法変化、修正と仕上げ、知識がどれだけあっても足りません。
果たしてやり遂げられるのか。
本業の歯科技工は受注がさっぱりです。
友人知人もどこも似た様なものだと言うし、中国技工だ海外委託だと言う前に、国民が歯科のそれも保険技工を見限ったのであれば、さもありなんというような状況を迎えているのでしょう。
歯科医院側に今更歯科技工や歯科技工士の心配をするような余裕も無いでしょうし、私などはむしろお得意先からは特段の配慮を頂いていながら、現状打つ手なしと言うことですから、気持ちや絆で繋がっていないラボは、単純な値下げくらいでは受注も簡単では無いでしょう。
それでも、開業すればと望みを抱く技工士さんも多いのでしょうが。
落ち着いたらもっと踏み込んだ歯科技工への考えや意見をまとめますが、今はラボの新規開業どころか歯科技工士になる事自体がリスクが多すぎると言っておきましょう。
希望もクソもない結論ですが、今から歯科技工士を目指そうとか思うのであれば止めておきなさいとアドバイスします。
仮に、何か歯科技工士に希望の持てる何かがあるとすれば、ほんとうに僅かな希望、望みなんですが脇本さんの存在が全てです。
伝えて欲しい、知って欲しい「最後の人、脇本征男先生」のこと。神が歯科技工業界にも「最後の人、脇本征男先生」を残してくれたかと感激する。
酒井会長からの長き戦いが、佐野、中西で中断した。それは余りにも長い期間で、歯科技工士の誰もが諦めている。
さて歯科技工士に最後の戦いの日が、与えられるのか?
それを決めるのは、3月17日の評議員である。出来ることなら、最後まで戦い死にたいと望むのは愚かなことではないはずだ。
一年前の東日本震災当日、脇本さんは日技会長選挙で負けました。
直前まで一票でも多くと懸命の運動をされましたが、思いの外代議員の票は集まりませんでした。
代議員たちが会長選挙で投票したのは、当時ですらボロボロになっていた歯科技工士という存在を守り国民のために残そうという思いのためではなく、代議員たちも含めた組織の防衛本能、恐怖からの投票だったのだろうと言う事です。
当選した古橋氏は、日技と技工士連盟の峻別や、HPを活用しての情報公開などを訴えていましたが、日技広報ブログの居直り発言を見るまでもなく、HPの活用も情報公開もなされていませんし、そもそも組織の峻別を言うのであれば、出るべきではない技工士連盟の会長候補に立候補した時点で、公約など守る気持ちはないと公に宣言したようなものですし、それを疑問とも思わない日技会員や歯科技工士連盟会員には呆れるばかりです。
其の皆さんが、平成24年3月17日に、代議員ではなく評議員の肩書きで会長を選ぶわけです。
公益法人改革を歌うなら、認可されたからもう大丈夫だというのではなく、峻別の意味を理解出来ない人を選ぶのではなく、評議員自身が峻別を行動で示すしか無いはずです。
日本歯科技工士連盟の会長選挙を考える
国は、公益法人が政治活動を行うこと自体が禁止されているわけではない。ただ単に、公益法人の活動と政治団体の峻別をしなさいと行っているのだ。峻別と言う言葉がわかりにくいなら、「全く違う団体であるので完全に分けなさい」と言っているだけである。確かに、完全に違う団体の日本歯科技工士連盟の会長選挙に、全く違う団体の社団法人日本歯科技工士会の現会長の古橋博美氏が出馬しても問題はない。
しかし古橋氏には、よく考えてもらいたいものだ。
選挙をしたと言っても世間は、日本歯科技工士連盟の会長と社団法人日本歯科技工士会の会長が同じで、「峻別した」もしくは「全く違う団体である」と思うだろうかと?
同じ会長なら、やはり最後は会計業務が疑われることとなる。
日技と歯科技工士連盟の会長が変わったくらいでは、末端のラボや歯科技工士の労働問題や経済問題が変わる訳ではないでしょう。
しかし、政治連盟の立場は歯科技工士の一分を示すことに繋がるはずです。
評議員の皆さんには、起きてしまったことに対する責任重さを恐れるのではなく、最後くらいは男気を示して終わらせてもらいたいところであります。
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Comments
私達、若い技工士会員は業界の未来の為に行動力のあるリーダーを望んでいます。
今のような、一般会員の誰もが無関心にならざるを得ないような薄っぺらな活動‥
会員に来る通知は、銭勘定ばかりの日技にはウンザリです。
セミナー、学会であう他支部の若い会員達も同意のようです。
私達はPCやケイタイのネットで脇本氏の運動は存じていますし、尊敬もしています。
私達のリーダーには脇本氏が一番ふさわしいと思っています。
しかし老齢の先輩会員や代議員達は、
見栄と名誉のたらい回し、利害関係やお友達感覚で会長選挙をやってるとしか見えません。
私達若い会員の声は上層部には届きません。
業界の未来、若い技工士の事なんてどうでもいいようです。
輸入入れ歯訴訟は聞いた事あるけど、内容は知らないベテラン会員も結構居るのはビックリです‥
情報音痴なんです。
世間を見てないんです。
学生や若い技工士がネットで技工業界や歯科技工士会をどう見ているのか?
それでも悪名高いこの業界に腹くくって飛び込んできた若者が挫折する‥この業界の労働環境がどれだけ異常なのか?
当たり前だと思っている世間からかけ離れた技工業界の常識が物語っていると思います。
技工業界の常識は世間の非常識なので、常識の社会から就職した常識ある若者が辞めて行くのは当然なんです。
この業界を常識の社会に少しでも近づけてくれるリーダーを私達は望みます。
私利私欲や見栄や自己顕示欲だけの老害選挙は止めていただきたいです。
歯科技工士の将来の為に‥。
Posted by: ライオット | March 16, 2012 06:53 PM
望むならば行動です。
脇本氏や闘ってきた方々が望むのは
あなた方の行動なんだと思いますよ。
脇本氏が何かするのを望むのであれば
脇本氏が連盟の長になろうと道は険しいままです。
会員であるあなた方が今、そしてこれから出来る事を模索し
行動に移すことこそ脇本氏らの本意であると思います。
Posted by: 露地者 | March 16, 2012 09:18 PM