無力感は私も同じ。
昨日の記事は、ほぼひと月ぶりの更新でした。
更新した直後からたくさんの方が訪れ、最終的には400を超えるアクセスとなりました。
更新が途絶えていたにもかかわらず、連日アクセスは続いておりました。
こんな私のブログに関心を寄せ続けてくださる皆さん方に、深く感謝します。
ありがとうございます。
そして昨日の記事にはコメントも頂戴しました。
最初はう~~んと思いましたが、改めて読みなおして、そこにあるものはもしやということで、この記事を書いております。
今朝、あるメーリングにネットでの古い思い出を書いて流したのですが、書いて思うのは
何故ならば、問題は何も解決していないのだし、
という事実なんですね。
ネットに書きだした、パソコン通信時代からの事だったんですが、実際、何一つ変わっていない。
むしろ、当時侃々諤々やっていたネット仲間で現在も続いているのは、そりゃ今も連絡とっている方々もいるわけですが、ほとんどの人が書くことも意志を表明することもやめてしまっている。
廃業したり鬼籍に入ったり。
歯科医師、歯科技工士共に、何かを言えば叩かれ或いは叩き合ってそれで何が残ったのだろう。
あの頃問題意識を持っていた人たちにしても、実態はもっと悪化していくのをただ流されるまま見つめるしかなかったのだ。
多分、そんなこともあるから、コメントされた方も「白ける」としか書き様がなかったのだろう。
前記事などでご紹介したHPにあるような、就労歯科技工士の問題も実はどこにでもあると言われる事のほうが多い。
この業界に身を置けば、それがあまりにも当たり前すぎて、残っている人には問題だとも感じられなくなっているのだろうか。
しかし、どうもそれだけではないように思う。
もしかするとこれは、私と同年輩やそれ以上の年代の歯科技工士、それもワンマンなどの自営者に当てはまると思うのだが、そのような事実を意識から追いやっているのではないかと思うのだ。
自分が偶々そのような目に合わずに済んだことも含めて、業界のネガな部分をなるべく見ようとしない、意識しようとしていないようにも思える。
それがあるから、若い勤務歯科技工士の苦痛や苦悩も理解できず、そもそも、そのような若い歯科技工士の立場では求められるはずもない「義務」を持ちだして、彼らの就労環境や悪劣な雇用条件をも否定してみせるのだろう。
否定したい気持ち、白けるという気持ち、何よりも自らを包む無力感。
それは分かるのだが。
前回の日技会長選挙で、私は会員でもないのだが脇本さんの支援をさせていただいた。
今も、出来るか限りのお手伝いをさせていただいている。
まだ会員だった頃には、林さんや加藤さんが中西と争った時だったが、IDEAなどで思いを書いていた。
今もそうだが、私は本当に無知である。
技工士というものも、歯科というものも理解しきれていない。
それは、このブログを読まれる人にも共感いただけるのではないかと思う。
改めて思う。
日技によって歯科や歯科技工士の問題で、何か一つでも解決したことがあっただろうか。
技工士会の地方幹部や代議員さん達、評議員の皆さんを批判したくはないが、若い歯科技工士の雇用問題就労問題、給料などの問題で、この30年何一つ課題が解決されていないのは、佐野や中西や古橋と言った時の会長や執行部の口先だけの事もあるが、その口先だけの行動を許し、若い技工士たちの苦悩を放置してきたのも、実は我々自身にある無力感かもしれない。
若い技工士たちに義務ばかりを求める自営者と、技工士会会員や幹部に共通するものは何だろう。
多分、そういう悪い部分を見ようとしない、信じようとしない事なんじゃないだろうか。
そこまで悪くはないひどくないと信じたいだけなのかもしれないが。
そう思い込むことで、少しでも罪悪感を無くし、自己防衛したいということなのだろうか。
日技を構成している人たちが、そんな人ばかりなら、悪質な経営者はやりたい放題だろう。
時見氏だろうか、労働問題で全国を行脚されていたそうだが、それを聞いたある地方会員などは地方の歯科技工士会の会合でこの話を受けて、
「パンドラの箱をあけることになる」との意見で与太話で終わる
というような事もあちこちで起きていたのでしょう。
私のところに寄せられた話を聞けば、若い歯科技工士を食い物にしている経営者の中には、某ブログで取り上げられたカリスマ歯科技工士だけではなく、なんたらトレセンを出たというようなそれなりに名前の通った人も居るし、
中には日技認定講師だとか、技工士学会の認定技工士とかも居るわけです。
いかにもな良い面ばかりに目を向けて、現実の訴えには目を背かるか、意識から締め出す。
そうすれば、当面、その人の心は痛まないのかもしれない。
学校関係者も、自分たちが卒業生を送り出す先が、どんな労働条件で新卒者を潰しているか知らないわけがないだろう。
中にはそのような経営者、技工士が講師として招かれているような所も多いのだから。
そのような人たちが、いくらこれから歯科技工士が足りなくなる、歯科技工士になろうとする学生がいなくなると危機感を露わにしても、それこそ白けるという話になっていくのである。
時見さんなど、やる気があるならぜひパンドラの箱を開けてほしいものだ。
学校関係者も、学生が減るのを心配するくらいなら、でたらめな雇用をするラボを明らかにするべきだ。
学生が来ない、若い歯科技工士が辞めていく。
それは、我々現役歯科技工士もだが、日技や学校関係者が現実を明かさず、若い歯科技工士を守ろうという態度を見せ無いからでもある。
そして、そのような状況を無言のうちに後押ししているのが、我々自身が持つ無力感、白け感情なんだろう。
白けてしまう気持ちを分からなくもないが、少しでも関心を向けていくことが今は大事な事だと思うのだが。
The comments to this entry are closed.
Comments