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April 29, 2012

日本歯技第513号掲載の法律案を考える。

昨日手元に届いた資料に、日技執行部のある人によって書かれた法律案に対するプロの法律家による一文が寄せられていた。

公開の確認をしていないので、自分なりにまとめて書きます。

その法律案とは、日本歯技第513号に掲載された論文で、筆者は日技認定講師として全国でこの法律案を発表しているので、知っている方も多いと思います。

私も以前に資料として仲間から受け取り、読ませてもらったんですがなんか、釈然としないものがありました。

日技の、それも現執行部の常任理事として活躍されている方の論文だし、生涯研修のテーマにもなっているくらいなのだから、日技執行部もこの論文というか法律案を支持している、或いは日技の見解、案として押しているのかと思うわけですが。

この方の論文というか、法律関係の記述を始めて読んだのは、もう10年ほど前にごまめの翁さんに送っていただいていた旬刊「ごまめ」の中でだったと思います。


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そういえばごまめの翁さんと知り合ったのも、加藤さんのIDEA掲示板だったと思います。
本好き、文章好きの私にとって、歯科技工士の皆さんが技工や歯の論文ばかりじゃなく、エッセーやら短歌や俳句を書かれている、嗜んでいるというのも良いもんだなあとの思いで、ありがたく読ませていただいていました。

その翁さんも現役を引退、ごまめも平成19年菖蒲月の千秋楽号を最後にへ終刊となってしまいました。

ちょっと読みなおしてみても、法律論を中心にすごい数の投稿をしていますね。

しかし、何故、こうまで一歯科技工士が法律論にこだわり、追求しなければならないのか。

まあ、その気持ちは私などもよく分かるんです。

詰まる所、歯科技工士の存在が歯科技工の海外委託訴訟で最高裁にも門前払いされた事にも象徴されるように、歯科技工や歯科技工士のあまりの価値の無さになんとなく気がついている歯科技工士が、せめて法律論で武装しよう、理屈で負けないようにしようと必死で背伸びしている、足掻いていると言えなくも無いわけなんですが。

悔しいですが、やはり歯科技工士にあるのはコンプレックスでしょう。
歯医者にあって歯科技工士に無いものに対して、どうしようもないコンプレックスを私たちは秘めているのかなと思います。

良くも悪くも我々を突き動かす動機は、コンプレックスの裏返しでしょう。
コンプレックスを否定する気持ちはありません。 むしろ良い意味で向上心に繋がればと思うわけです。

さて本題に戻して

日本歯技第513号に掲載された学術論文は、歯科技工の海外委託問題訴訟と無関係でもないのでしょう。
もしかすると、裁判の過程で何もしないと非難された日技なりの反論、こう言う考えがあるぞ、こう言う考えでやっているぞという執行部の意志の現れなのかもしれません。

では、海外委託などに対して、この論文にある法律案で対処することが出来るのか考えてみましょう。

単純に歯科技工を、委託と受託の関係で見れば良いことなのか?

医科における委託と受託の関係に置き換えることが出来るのか?

この案による法律が成立したとして、果たして効力が国内外に及ぶのか?

同じく、歯科医師に対してはどれだけの拘束力があるというのか?

技工録や設備構造基準もそうだが、法的に成立したとして、効力が及ぶのはどこからどこまでなのかをよく考えて置かないと、法律の解釈によってはというか、書かれていないからこそ対象以外はお咎め無しと言う、なんのための法律なんだよと言うような結果になりかねないのです。

例えば歯科技工指示書との存在があります。
歯科技工士法によれば、歯科技工士はこの指示書がなければ技工が出来ないことになっています。
となれば、その発行義務は歯科医師にあると思うのが普通でしょう。

しかし、歯科医師法にはそのような条文は無く、歯科医師には指示書の発行義務など無いというのが本当のところでしょう。
それに、歯科医師がどこの誰に委託するかについては、歯科医師の裁量の範疇にあるということです。
その面で、歯科技工士には決定権など何も存在しません、国家資格でありながらその業務における裁量は歯科医師のそれとは比べるべくもありません。

このような法律案や法律論をごまめの歯ぎしりよろしく、ギシギシ書かなかきゃならない歯科技工士の存在のなさに、まさに歯ぎしりしている所です。
ごまめの歯ぎしりというのも、案外そういうところから来ているようなもんです。

歯科技工士の歯ぎしりの元になっているのが、コンプレックスの元でもあるのですが、歯科技工士と言うだけでは何も出来ないことです。
全ては歯科医師の裁量次第だという現実に、私達がいくら法律論で立ち向かったとしても、実態は歯噛みするしか無いわけです。

歯科技工士法やその関連することをいくら弄った所で、その効力が歯科医師に及ばず、歯科医師の裁量が今のままであっては、絵に描いた餅にすらならない可能性があります。


技工士会の皆さん、生涯研修などでこの法律案を学ばれた皆さん、これで良くなるとか、さすが日技だとお考えなら今一度読みなおしていただきたい。

何よりも我々は有資格者だ、国家資格の有資格者だと言ってきたのではないのか。
業の独占を言ってきたのではないのか。

歯科技工業務は、医療法施工規則等に規定された各業務に準ずるものと言い切って良いのかなど、よく考えていただきたい。

法律案の方向性、そして、実際に立法化された際の誰に効力が及ぶのかを、念頭に置かず、ただいたずらに法律を論じた所で得られるものはろくに無いような気がするのです。


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