踊る阿呆に見る阿呆
業界紙やネットでは、歯科補綴の関連で景気の良い話が飛び交い、日技広報ブログなどを拝見すると、古橋会長さんなどが盛んに「CAD/CAMで技工が変わる」などと講演しているようだが、本当にそうなのかちょっと首を傾げてしまうのである。
古橋さん、本当に末端の一般会員の目線で歯科業界の雰囲気を感じ、そう言っているのだろうか。
勿論、協議会などの存在や雰囲気をも承知した上で。
自分だったら最低限、オブザーバーでいいから仲間に入れてくれとお願いするけどね。
さて、古橋さんが囃すCAD/CAMだが、協議会も作って金も注ぎ込んできたメーカーサイドは、売らなきゃならないから必死だろう。
しかし、インプラントにしても、末端の歯医者ばかりが責められてるが、踊るように仕向けたのは、売れるとわかったメーカーの方でもあるしね。
ただ、数だけ売ればいいとしたら、被害に遭うのは患者そのもので、インプラント事故の被害者は、まさに歯科の業界構造の被害者でもある。
そのインプラントが、一連の事故や報道で売り上げががた落ちなら、メーカーは代わるものとして、さらにCAD/CAMに注力してくるのか。
メタボン、ハイブリッド、インプラント、そしてCAD/CAM。
買わされるのはいつも、技工士やラボであって、患者でも歯医者でもないですね。
そう考えると、我々はあくまでもネギを背負ったカモであって、仲間とは認められていないですね。
売りつける相手に、手の内を晒す訳がないか。
協議会に入れないのも当然でしょうか。
ところで、協議会では席がなかった日技と古橋会長さんだが、こっちでは席を確保できたようだね。
ただ、すんなり席が用意されるのかは分からない。
中西が参議院選挙で暴走したことなどは、歯科という業界の内輪にさざなみをたてるというか、明確に反旗を翻したということなんだろう。
歯科技工士の立場を認めてもらえないから、頭に来て暴走したという言い方も出来るのだろうが、そんな心情を
理解してくれるような業界なんだったら、とっくに歯科技工士の問題など解決しているはずで、そうじゃないから協議会などでも席は用意されず、試験を委託される財団でもどうなるかは疑問符がつきます。
この歯科技工士国家試験の全国統一化っていうのも、会員や国家試験合格を目指す学生さんたちにとって、どんな意味やメリットを持つのかよくわからない。
統一化において、日技が独自に第三期機関や財団を作るのかと思っていたが、加藤さんが紹介してくれたところがあるのなら、日技にとっては渡りに船だろう。
そうじゃなく、日技独自にやろうとしたら、これまでの歯科技工士試験が誰にどう用意され運営されてきたのか詳しくは知らないが、財団とか第三機関とかは、実態が有るところもあるだろうが、都道府県によっては、専門学校が一つしかなくて、学生も数十人なら、わざわざでかい会場を用意するとか、組織を用意するとかじゃなく、ペーパーの機関を立ち上げて、その事務委託を受けたと言う形にして、これまで通りに実施すると思うな。
天下り機関と言っても、何かの事務所に机一個あるだけかもなあ。
ペーパーでもなんでも、立ち上げればいいなら、学校の事務室や、技工士会の事務所に机を置けばいいわけだろうし。
ニチギの中のあれと同じ。
ニチギや都道府県技のメリットは、これまで都道府県の予算だったのが、厚労省からの直接な予算になり、もしかしたら事務員一人分を雇用出来る位の年間予算が流れてくるかもしれないよ。
それプラス、アルバイトや立会人に支払う日当も予算化しやすいとかさ。
天下りは実施とは関係ない厚労省役人に、ひも付き予算で給料払う仕組み。
席につく人の給料以外の予算が、厚労省や県から流れてくるのを期待しているんだろうか。
都道府県規模でも、会長にでもなれば、技工しなくても食えるかもなあ。
で、実際の試験だけど、試験問題なんて、歯科大学の講師に形だけ依頼して、出来て来るのは使い回しのもの。
面倒なのは会場手配や準備だが、特別新しくするわけじゃないし、実際のマンパワーはアルバイトじゃないのかな。
面倒なのは下っ端やバイトにやらせて、役人や会の役員は手当てと弁当貰うだけかも。
本当に国家試験を通して、技工業界の地位を変えたいと言うのであれば、或いは、変わるというのであれば、今だって試験内容を厳しくすればいいだけだよ。
加藤さんも書いてると思うが、実態は何も変わらないよ。
技工士会の会員は、いったいなにを期待しているんだろうな。
さっぱりわからんよ。
試験で受験者のレベルを見極め、技工士にふさわしい人材に免許を認めると言うなら、試験内容を厳しくして、簡単には取れない免許にすればいいだけ。
簡単には取れない資格なら、価値も上がるでしょう。
そうじゃなく、ただ都道府県別に実施しているから、他の国家資格と比べて、面子が立たないと言う程度の考えであるニチギの主張は、単に横並びで他の資格がこうだからと言ってるだけのすり替えもいいところです。
学生の待遇、教育内容、試験の制度など、厚労省からしたら、やるこたあやってると言いたいでしょう。
結局、数だけ生み出すのを優先したと言うか、如何にも人材への需要があるかのように、歯医者や業界大手の意向に沿った制度運営をしてきたツケが、今、出ているんですね。
いっそ、国家試験など廃止して、学校を卒業すれば自動的に認定される資格で十分な気がしてきますね。
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