葱を背負った鴨にはなりたくない。
CADCAMや3Dプリンターを導入したラボからの売り込みが激しくなってきた。
一方で、CADCAMや3Dプリンターは5万円しないものも発売されるようになってきた。
精度がどうのというのだろうが、日常の臨床では、そもそも精度云々を言えるレベルじゃない模型や印象がザラにある。
ミクロン単位の精度など、最初から求められていないのが歯科の実態。
厚労省は歯科機材メーカーとの関係もあるから、極端に安いものは認めないのだろうが、臨床レベルではこの装置でも十分じゃないのだろうかね。
約4万5000円でゲットできる安価な3Dプリンター「RoBo3D」
http://gigazine.net/news/20130107-robo-3d-printer/
これなんか、ローランドだもんね。
【ワンフェス2011夏】フィギュアやプラモの改造パーツがワンオフで作れる「iModela」
http://www.gizmodo.jp/2011/07/imodela.html
CADCAMを導入したラボは、何故?率直に歯医者に営業をかけないのだろうか?
連日、営業に行っているのかな。
プレゼンやらデモにさ。
歯医者さんが歯を削って、その場でスキャンすればいいのじゃないか?
技工士なんか要らないでしょ?
余分なコストだろうし。
そうならないのは何故なのか?
CADCAMラボが、我々のような弱小ラボにセールスを仕掛けてくるのは何故なんだろう?
現時点では、スキャニングとデータの作製、削り出し加工といったところしか、大金を払って導入したCADCAMにできる作業がないからじゃないのか??
歯医者さん相手の営業行為や、受注してからの模型作製などは、省くことは出来ないし省力化にもならない。
削りだしたものが一発フィットなら問題ないのだろうが、モノに拠っては削りだした後も様々な加工が必要になっていると思う。
CADCAM削りだしにしろ、3Dプリントにしろ歯科医院からの委託技工料金から、外注加工料金を引いて、どれだけの料金が確保できるのだろうか?
我々零細ラボは、このような仕組みに入ったとして、如何にも時代の先端にある売り物を得たように感じるかもしれないが。
歯科技工士の立場が、制度上もヒエラルキーからも、対歯医者という関係からも何一つ改善もされていない以上は、値下げ圧力というか、値下げ競争というのか、結局、これまでと同様に零細ラボの歯科技工士の取り分だけが奪われていくのだろう。
厚労省や補綴の学会や、歯科医師会、日技といった所、売りつけたくて仕方がないメーカーさん達、売り物が売れてくれないと困る材料屋さん達、みんながみんな、末端の歯科技工士をおだてて持ち上げて儲かりますよ、新しい素材が認可されますよ、患者さんが飛びつきますよと囁く。
だったら、歯科技工士の取り分をしっかり確保してくださいよ。
都合が悪くなったら歯科技工士に押し付けてしまえばいいと思わないでくださいよ。
零細ラボも売り物を確保しなければ、この先、,
生き残れないのは分かっていますが、
そもそも、利益も出ない、歯科医師会やメーカーに食い物にされるのが分かっていてまで、やる必要もないと思うのですよ。
しかも日本では外国でベーシックな技術や素材となっていても、皆保険にはそれをそのまま導入することは絶対にしない。
何故なのかなんて、今更考えることすら虚しいし、意味もない、それくらい厚労省の力は強い。
日技商会の古橋社長が売り込んでいるのも、素材としては日本だけ、それも日本の皆保険でだけ導入されるのだろうハイブリッド何とかになるのだろう。
日本独自の、皆保険や薬事法での認可の製品なんだから、国民に安く提供してやろうと言うのなら、ま、それもいいよ。
だったら、機材も素材も冒頭で紹介したような安価なものと同程度にしてくださいよね。
そうじゃなく、メーカーや歯医者を潤わせるだけのために、高額な機械や素材を歯科技工士だけに押し付けるというのであれば、もう、後は海外に委託しようが、技工助手をでっちあげてやらせようがどうぞ勝手にやってくださいよとしか言えない。
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