May 15, 2014

案外、普及は早いのかも。保険の削りだしハイブリッド冠


少し前の記事で、保険収載されたCAD/CAM削り出しのハイブリッド冠、CAD/CAM冠に、どのくらいの需要が発生しているのか気になると書いたんですが、加藤さんの表部屋に関連する記事がアップされていました。

CAD/CAM冠関係のまとめ。

これを読むと、結構な数の需要が発生しているのがわかりますね。
ひと月で300本。
素材のブロックがシェードによってはメーカー欠品になっていて、供給が追いつかない状況だというのですから、歯科や技工業界にとっては久々のヒット商品(この表現はおかしいかな)になったわけです。

欠品については、同じようなことをていね社のブログでも見かけていますから、メーカーは対応に追われているのでしょう。
患者さんによっては、形成と印象を終えたまま、数ヶ月待たされるようなこともあるのかもしれません。
早く行き渡ることを願っています。




さて、実際にCAD/CAM冠の受注に乗り出すとして、後発のラボはどう対応すればよいのでしょうか。
加藤さんの記事によれば、下請けは許されていないと言いますが、やはり、一人ラボとしては高額な歯科用CAD/CAM装置をポンと導入するわけにも行かず、再委託をするのが現実的な対応なんですが、それが禁止されている以上、様子を眺めるしか無いのかもしれません。

ネット上では、汎用のCAD/CAM装置や3Dプリンターを使った造形のポータルサイトもどんどん出来ています。
それらのサイトが稼動させている装置は、歯科用に認可された装置よりもよっぽど最新で高性能なものも少なくありません。

厚労省と薬事法の縛りがなければ、そちらの方でも十分対応可能なのだろうと思います。
そして、価格的にもそちらのほうが市場価格を反映するのだろうと。

今は、一部のラボが謂わば特需に湧いているCAD/CAM冠ですが、ずっとその状態が続くのかといえば、甚だしく疑問です。
和田精密さんなどは、福島県に歯科用CAD/CAM装置を100台も設置した工場ともいうべき技工所を立ち上げるとか何かで目にしましたが、そういうのがあちこちに出来れば、あっという間に供給側が飽和状態になりそうですね。

加藤さんも記事のまとめで

その受注と生産量の均衡が破られたときに、価格は下がり出す。特に機械装置でできあがる補綴物なら価格は急激に低下するだろう。また高分子化合物の材料原価は安く、金属と違い価格を下げることは可能である。

と述べています。

更に続けて、

一通り価格が安定すれば、点数の引き下げを行うだろう。

と予想しています。

私も同じように感じています。
需給の飽和と、新たなるダンピングの発生が、早ければ次の改定を待たずに始まってしまい、次回改定での点数の見直しに影響してしまうのではないかと。

歯科業界からは、多分、次は小臼歯だけの適応である現状から、前歯や大臼歯への適応範囲の拡大が要求されるだろうし、複数歯に渡るケースも認めるような要望が出てくるはずです。

厚労省の目的が、歯科医療費の大きな割合を占めている金属代金の抑制にあるのであれば、適応範囲の拡大はもしかすると既定路線かも知れません。

そこで、点数が高いまま適応範囲を拡大するのは、需要増をみ込むと好ましくないと考える厚労省官僚もいるのじゃないでしょうか。

小出しに認可して、例によって例の如くのダンピング競争が起こるのを待って、料金が下がった所で認可範囲を広げていく。

終わってみれば、一人ラボの淘汰は進み、ラボの大型化、歯科医院での内製化が当たり前になって行くのかもしれません。
歯科医院からすれば、自費にでも保険にでも対応できる歯科用CAD/CAM装置を、1台導入するくらいのことは、CT装置を導入するよりも費用もかからないし、利益を出しやすくなるかもしれません。

トータルすれば、厚労省だけが歯科医療費の抑制に成功し、割りを食うのは増えすぎた歯科技工士、一人親方たちということになってしまいそうですね。

いや、既に、もうそうなっているなと実感している者が、ここにいるということで。

追記

しかし、事はそんな単純な問題じゃ無さそうです。

次は、歯科医療費改定に仕組まれたトリックについて、穿った見方をしてみたいと思います。


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May 08, 2014

3Dプリンターで拳銃を造っちゃうのが現実に。技工よか面白いかも。

 

4月の診療報酬やら内容の改定で、歯科でもCAD/CAMで削りだす、ハイブリッドレジン冠が保険収載されたばかりです。

保険ではどのくらいの臨床ケースが発生しているのでしょうか。

縁のない弱小ラボとしては、興味津々なんですが速報値とか発表されませんかねえ。

さて、コンピューター支援での技工といえば、削りだしだけではなく立体印刷による造形も実用化されています。

例えばこれ、

デンタス ラボシステム3Dプリンター

デンタス社は大手ラボのシケンの関係会社だと思います。
シケンのネットワークと営業力で、どんどん受注しているのだろうな。

追記ですが、このデンタス社のHPを見ていたら、社長さんは島さんと言うんですね。

ブログの過去記事を読みなおしていたら、偶然にも島と言う人の名前を記事中に見つけました。

http://kdlg3.cocolog-nifty.com/kdlg3/2010/04/post-91ad.html

シケンの社長って島っていうのじゃなかったのかな。

どうもうろ覚えです。

技工自体は、私ら普通の歯科技工士からしたら、一本一個から細々と作り上げる、飯の種ではあるけれどどっちかと言うと職人的な作品を作り上げているという感覚が強い。

それがあるから訴訟も起こされたわけだし、私もそれに加わったのだ。

しかし、島さんとやらが歯科技工士なのかは知らないが、今、歯科業界を主導し業界で話題となっているようなことの大半は、技工士云々ではなく歯科や技工を全てビジネスと割り切ってやっている人達の事ばかりだろうね。

歯医者からでも患者からでも、利益を引き出せそうなら何でもビジネスにしてしまう。 勿論、技工士に対してもそれは同じ。

この3Dプリンター自体のお値段は如何ほどなんでしょうね。
ほんとに全部が自社開発なのか、どこかの企業にOEMさせているのか分かりませんが、日本のややこしい薬事法とかを考えると、一般に市販されている汎用の3Dプリンターとは、微妙な年数の差があったり、使われているソフトにも制約があったりしますね。

加藤さんの表部屋にも3Dプリンターの記事がありますからご一読下さい。

どうなるのか、この業界!

さらに、薬事法というか厚労省の許認可を得るために、とんでもなく高額になっている可能性もあります。

私のような廃業寸前の個人ラボでも、夢の3Dプリンターが買えるのかなとググって見たら、安いものでは6万円台からあるんですねえ。

歯科用は100万円台を下らないだろうから、正直やってられないだろうな。

でもさ、これが売る側の立場でビジネスとしてみたら、内容としては6万円台のものが、薬事法やら厚労省のお墨付きを貰った途端、100万円で売れちゃうとかなったら、こんな美味しいことはないよなあ。

だって、いくらメーカーのノウハウが詰まっているからといって、見た目数千円の基板が、7万円とかに化けちゃうのが医科や歯科の特殊性。

参入障壁は高いが、一度クリアすれば美味しいのかもしれないね。

この安価に購入できる3Dプリンターで、購入者は何を作っているのかな。

私だったら趣味と実益を兼ねて、この3Dプリンターでプラモデルの改造パーツや、フィギャアのパーツ、指輪やアクセサリーのパーツを作るのですが、まさかまさかと思っていましたが、あちらで話題になった拳銃を実際に作ってしまう人が現れたんですね。

3Dプリンターで拳銃製造か 所持容疑で逮捕

NHKのニュースです。

このニュース自体はTVでは見ていないのですが、昔見た暗殺物の映画でも、金属探知機を避けるためにプラスチック製の拳銃を使う暗殺者が出てきたりしていましたから、それが日常的に誰にでも作れるようになってしまうとは、怖い世の中になりました。

さすがに銃弾までは作れないとは思いますが、抜け道は案外身近なところにあるのかもしれませんよ。

 

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February 24, 2010

ツイッターの呟きを追うのも重労働。

ツイッターは結構疲れる。
読むだけでもね。
自分がつぶやこうと思うと、長くなっちゃう。 長いとつぶやけない。

歯科技工海外委託に関する要請書への反応が芳しくない様だ。
神奈川県歯科技工士会に続く動きが出てきてほしかったのだが。

1998年佐野日技と戦ったその時、敗北の私史の記憶。 その2ここで紹介されているフォーラムに2回、足を運んだのが私だった。

それと前後して、加藤さんや伊集院さんたちの座談会をQDT誌上で読んだ。

パソコン通信から始まって、WIN95が普及し、自分も拙いHPを立ち上げて、歯科技工問題などを書き始めていたころなので、現実に参加していた歯科技工士会では知る事も出来なかった、様々な実情に怒りと無力感を覚えたものだ。

同時に、業界の抱える矛盾や暗部、表に出さない本音や出せない事情と言うものが、もっとあるのだろうかとの思いを強くした。

労働基準法など守られたためしがない、のかと思うような長時間の労働と低賃金、それを言うと開き直る組織関係者や経営者。
自分自身、個人営業なんだから仕方が無いと諦めているが、これが、雇用関係にある勤務者となると話が変わってくる。
しかしそんなのお構いなしというのが、歯科技工業界。
管轄が厚生省だと言うのが皮肉。

労働省と合体したら、この業界の労働問題にもメスが入るのかと思ったら、全く無視。

身を粉にして働いても低賃金、或いは低料金。
ところが、厚生労働省や歯科医師、歯科医師会が求めるのはさらなる低料金のものときた。

この国はほんとにおかしいよ。
沖縄は占領下のまま。
米国債を400兆は買っているのに、返してもらうどころか、もっと金をよこせと言われてなけなしの郵便貯金まで献上するらしいし。

そうするために、国民の危機感をあおるのが「医療費亡国論」だったとしたらひどいものだ。
国を国民を追い詰めているのは自公政権時代の悪政と官僚システム、売国奴である○和会のお歴々じゃないか。

ところで要請への反応、どんなものなんだろう?
某ブログでの某氏の呟きを見ると、心配になってくる。

おまけに加藤さんまでブログを閉鎖するとかしないとか。

こんな事じゃあ、市ヶ谷の西やんが喜ぶだけなんかな。
そのうえ、大臣にせっせとご注進に励んでいる、厚生労働省医政局歯科保健課の皆さんがホッとしてるのかな。

とにかく、日本のお上と言うか官僚たちは、自国の制度や国民の働きが、よその国から貶されても反論もしないし戦いもしない。
逆に、首を差し出すようなことばかりする。

逆の事をすれば、他国ならすぐ怒るのに。

仮に長妻大臣が怒るとしたら、それをなだめるために、日本の制度や法律や歯科技工士が悪いなどとご注進におよぶとしたら、そりゃおかしいんじゃないか。

しかし、当の歯科技工士の怒りは、隠してきた事をばらされたことへの怒りや、同業者ドオシ、助け合うどころか貶めあい、非難しあうような事にばかり向いている。

 

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