March 09, 2010

祝 復活 加藤さんのブログ

加藤敏明さんのブログが、「仏陀の塔」と名前を変えて復活いたしました。

仏陀の塔

過去の記事が消えてしまった事が残念ですが、歯科技工や歯科医療と日歯や日技の実態と現実とを、多くの国民の目に示したという意味では、大きな意味と影響を残したと思います。
いずれ、過去記事も読めるような時が来ると思いますので、期待して待ちましょう。


ところで、メンテナンス中にこちらでアップした記事の他にも、今一番、考えなければならない事が、この国の財政状況についてでしょう。

我々がほとんど関心を向けないか、ニュースを探す事もしていない分野について、加藤さんは的確に見つけてきて詳しい解説も残してくれています。

例えばこの記事
日本の2010年3月の状態は、悪化

これこそが私たちの足元の実態、現実なのだと思いますが。
誰もその意味を考えようとも直視しようともしない。
国は税収よりも赤字国債の発行の方が大きい国家予算を組んで、先日何とか国会を通し年度内成立を果たした訳ですが。

この予算編成の時点よりも、実は税収は更に悪化しているような訳で。

日本の財政破たんは多くの経済学者が実は確実に起きると言っているのに、ノー天気で良いのだろうか。
これだけ税収が落ち込み、景気低迷がはっきりしているのに、新聞TVなどのマスコミは他人事のような報道ばかり。
わざと逸らしているとしか思えない。
大手新聞社やTV局も、新聞は売れない、視聴率は上がらない、広告収入も激減で経営の足元が大きくぐらついているのですが、何故かそれらは報道の価値がないような扱いです。
実態はコストカットや、新聞なら販売店への無理やりな押し紙で、さも新聞が売れているように装うとか、TVなら視聴率をかさ上げし、放送内容としては自社番組の番宣でコマをつぶすとか、TVショッピングの垂れ流し。
こんなのばかり見ていると、ほんとに日本は平和なんだと思えてしまう。
まさか、粉飾を暴かれるのが嫌で、国家の粉飾に手を貸しているんでしょうかね。

歯科にしても自費を提供すれば、まだ需要を惹起できるような強気なスタンスの人たちや売り込みも多いのですが、実際に私たちが足元から感じている景況感は、全く違っていると思います。

いいのですかね?こんな事で。
売文家さんの記事で
「おとといも、技工所の外交が来てね。
大変だねあんたらも、歯医者が食えるか食えないかっていってんだから、あんたらのとこに仕事出るわけないだろ、って。
話したんだけどね」

「歯医者が多すぎるのが原因だってほとんどの人が言うけど、それは違う。
患者さんの懐がさみしすぎるんだよ。
患者さんの懐が豊かだったら、黙ってたって来ますよ」

無断引用ごめんね。許してね。>売文家さん。

かようなコメントを歯科医師が発している訳ですが、私はこれがそのまま歯科業界の現実だと思っていますよ。
そしてここで言う、懐のさみしさと言うのが、まさに国民の現実、景気や減収や税収の落ち込みの表れなんだと思う訳です。

分かって居ながらそれを直視する事も報道する事もしない、マスコミや国や学者さん達。


普天間の問題も国防として大きなテーマですが、何故か沖縄の負担をたらいまわしにするばかりで、根本的な解決からは逃げている感じ。

財政破綻も、国家運営に当たる人たちの中にも、確かに破たんを理解している人が居るとは思うのですが、それでもなお時が解決してくれるとでも思っているのでしょうか。

米国の意思は、自国の破たん回避の為なら、日本を売る事も日本が破たんする事も厭わないと言うところじゃないでしょうか。

色々な意味で、対処療法で済ませている訳ですが、現実を直視し、抜本的な方針転換と痛みを分かち合わねば、こんどこそ日本沈没が現実化すると思います。

消費税アップや税収に反対だと言いながら、実質、増税と言うか税収の先食いである赤字国債の増発、乱発には反対もしない国民です。
その国民の目を開かせ、現実に向き合わせるリーダーが出てきてほしいと切に願います。

このような現実の前では、歯科医療や歯科技工など刺身のつま程の意味もない事を、悲しく実感しながら。


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September 20, 2008

民主党金田衆議院議員 議員の本懐

平成20年9月19日
報道関係者(社)各位
        
衆議院議員金田誠一氏が厚労大臣に「意見書」提出

歯科技工の海外委託問題は現在係争中ではあります。当初よりこの問題に心を痛め親身になって共に戦って来られた、衆議院議員金田誠一先生がこの程
原告代表とともに、舛添厚生労働大臣に対し、「意見書」提出と同時に陳情することになりました。

 趣旨は、国民に対して安全な歯科治療を保障するために、歯科技工士法の趣旨に則り歯科技工の海外委託を禁止するとともに、日本国内の歯科技工士制度を充実・発展させる観点から法整備を行う等要請するものであります。

 立法に身をおく金田誠一先生は、1年半の闘病生活の末、現在はリハビリ中のお身体のため、次期改選には出馬断念の決意を固められたものの、今回の政府の対応は国民の口腔の安心・安全と、歯科技工士制度崩壊に繋がる暴挙は許されないと憤慨し、意見書提出となったものです。

報道関係者(社)各位に於かれましてはご多忙のこととは存じますが、是非ご取材いただき、この事実を広く国民に周知方をお願い申し上げます。

日時・9月22日(月)午前11時30分実行(会場等当日指定)
午前11時に厚労省一階ロビーにお集まりお願い致します。


                     以上
          
訴訟を起こして歯科技工士を守る会
          歯科技工の海外委託問題訴訟原告団
             
代 表  脇 本 征 男


P1010260

原告代表脇本氏より連絡がございました。
今未だ闘病中のお体でありながら、議員生活の仕上げに、私ども歯科技工士問題を取り上げ、親身になって支援して下さった事、一歯科技工士として感謝にたえません。 ありがとうございました。 久保田

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September 12, 2007

土俵際

秋場所四日目は初めて横綱大関陣が揃って安泰だった。

相撲は土俵と言う限られた範囲で戦っているからこそ勝敗もはっきりと白黒がつく。

参議院選も安倍首相本人が「私と小沢氏とどちらを選ぶか」と国民に問い掛けた時点で、ガチンコ勝負となったはずである。

結果、民主小沢氏が自民安倍氏を寄り切ったのであるが、ご本人は審判委員は自分達だから黒を白に出来ると高を括ったのだろうが、寄り切られた事実は如何ともしがたく、退陣と相成った訳である。

ちょっと歯科医療業界に目をやって、業界を相撲に例えてみよう。
土俵は歯科医療制度としても良いが、ここでは一つ医療費、言わばパイとしてみよう。
日本の国民医療費総額は2兆5000億円ほどで横ばいだが、この金額を土俵とした場合、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士、その他が総当りで相撲を取るとしよう。
圧倒的に強いのは横綱歯科医師である。
その歯科医師は強いと言うだけではない、容積が体重がどんどん大きくなっていくのである。

土俵に横綱歯科医師が上がるだけで、もう他の力士は押し出されてしまうようなものだ。

これでは取り組みも糞も無い。

横綱だって動きやすい体型と言うものがあるはずなんだけど、今の歯科医師は毎年3000貫ほど増えつづけているし、他の力士はどんどんやせ細っていく。

こうなるともう相撲を取るどころじゃない。

土俵を調えなきゃいけないお役所相撲協会や保険者タニマチは、どうしているかと言えば、まずお役所相撲協会は医療以外で集まった木戸銭を手前らの財布に入れる事に熱心で、観衆に還元する事なんか考えていない。

保険者タニマチは、お大尽らしさなんかこれっぽっちも示さず、力士にコメを差し入れるどころか、奪う事しか考えちゃいない。

流石に評論家は苦言の一つも言おうとしているんだろうけど、肥えるばかりの横綱歯科医師に押される幕下歯科技工士はもうやーめたと言う訳だ。

後どれだけ相撲が取れるかわからない。 相撲を取る力士の一方がいなくなったら取り組みも成り立たない。
土俵際待ったなしの緊迫感はどこにも無い歯科相撲場所である。

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August 03, 2007

多摩丘陵が巨大な賽銭箱になると言う事

もう止めてくれ。 声に出して叫びたくなるのは私だけなのか。
何が幸せなんだあんた達は、踊らされ、奪われ、滅ぼされて行くのがわからないのか。

成長、市場、開放と言う日本社会の根底からの略奪と破壊が止まらない。
上辺だけは成長や社会の発展なのだろうが、それがどうしたと言うのだ。

生きること、社会の形とは何だろうか。
立ち止まって考えて欲しいのだ。

多摩市は昭和30年代から今日まで経済成長、市場形成と開放の具現化の象徴に見えます。
私は高校の同級が、今は多摩センターとなった周辺で農業を続けてきたごく当たり前の農家の次男坊であったため、親しい付き合いが始まった昭和50年代から今日に至るまでの、主に多摩センター駅周辺から私の家がある旧津久井郡までにかけての、多摩丘陵の変化をこの目で見つづけてきた事になります。

多摩丘陵は戦後東京に残された最後の開発として、戦後の高度成長期と人口増を見越して、官主導で二本の私鉄と将来的に沿線に人工30万人の住宅が作られることを計画して始まったとも言うが、最初の開発から50年以上が経ち、既にその役目は終えたはずなのに、計画と開発、市場の増殖だけが続いているように思えてなりません。

人口減少と巨大な負債を有する国家財政へとなった今、この開発と破壊の自己増殖とも言うべき、、一度動き出したら止める事が出来ないお役所計画の典型を、どこかで止めなければ、この国は持たない事にいい加減気付くべきなのですが。

縄文人の時代から、人々がのどかに暮らした多摩丘陵の豊かな自然、武蔵野の面影は、もはや跡形も無い。 開発初期の団地は高度経済成長を支えた人たちのリタイヤと共に役目を終え、新たなスクラップアンドビルドの声も聞かれるが、実態は捨てられた高齢化社会の象徴になっています。

ドーナツ現象とも言うが、相模原線の延伸に伴って進む開発が、同じ周期で高齢化し捨てられる街を、沿線に伸ばしているだけなのだ。 しかも、それはこの国の自然や文化の破壊だけに留まらず、今や市場開放と消費や浪費を増長させています。
新しい集合住宅や一戸建て、マンションの建設が、都市住宅整備公団から民間に引き継がれた形になっていますが、そのことは、既存の価値を根底から覆し、あらゆる世代の人間を麻痺させる形で資産や価値の略奪とに姿を変えてしまっているのです。

新世代への土地や住宅の提供と単純に思えますが、彼らは又、取り残されてしまった高齢化世代の代替わりです。 その数も減っているのにどうしてこれほどの宅地提供住宅建築が必要なのでしょうか。
それ以上に恐ろしい事は、巨大化する商業施設の乱立なんです。

それだけの需要があると言い切れるのでしょうか。 しかもそれが持続すると。

昨日、多摩市鶴牧の友人宅から自宅まで帰る間に、ケイヨーデイツー、ヤマダ電機テックランド、コストコ、カインズホーム、多摩境駅前のアクロス多摩境、アルプスと続き、国道16号に繋がる直前に業販専門大型店に続いて先月末にオープンしたミスターMAXと多摩センターの唐木田地区堀の内地区や南大沢地区、小山地区にかけて、これでもかと言う感じで巨大なショッピングセンターやホームセンターが軒を連ねているのをうんざりしながら見ていた。

試しにミスターMAXを覗いてみたが、ホームセンターやショッピングセンターと専門店街に出店している業種は、殆ど金太郎飴のようにどこも似たようなお店と商品ばかりです。 それが、巨大化した店舗にうずたかく陳列され、これだけの商品が在庫ともならず、短時間で回転し消費されているのかと思うと、恐ろしくすらなります。

日本は豊かになったと言いますが、その実感はありません。 むしろ格差と将来への不安が増長しているのに、目の前にある止まらない開発と市場形成、浪費がそれを生み出している現実には目を向けようとしないのです。

歯科医療業界が、歯科医院の増殖と歯科医師の止まらない増加で、今や淘汰の時代に突入した事は、業界人には否定できない現実です。
これと同じ事が、多摩丘陵に代表される都市部周辺での異常で止まらない開発と市場形成の行く末に重なって見えるのです。

官の計画も、民の行動も、止まる事はそれこそ国と企業の終焉に繋がるとの恐れから、ブレーキが掛けられないのでしょうが、歯科医療業界では、増えすぎた歯科医院や歯科医師に対し、無くてはならない歯科衛生士や歯科技工士の実質的な減少が始まっていますから、多摩丘陵だけではなくその様な業界全体がいつかはデッドエンドに到達するのは目に見えているのです。

なぜ止まらないのか、それは、価値や資産が日本国内ではなく、市場という形で米国や欧州の巨大資本などに略奪される仕組みそのものだからです。

歯科医師のとめどない増加は、厚生労働省の無為無策の結果ですが、それは過去20年間で徐々に進み、2000年を超えてはっきりと目に見終えるようになりました。 わずか数年の間に歯科技工士や歯科衛生士は過去に例の無い減少を見たわけですが、多摩丘陵の一見すれば華やかな開発と発展も、後何年続くのかわからない訳です。

国内に資産や価値が留保されているのであれば、再投資や緩やかな資産形成も期待できますが、現状は一方的な国民の持ち出し、収奪の連続だと言う事です。
しかも、そのスケールが、ホームセンターやショッピングセンターの巨大化にそのまま現れているように、いかに国民に気付かれないうちに、短時間で奪えるだけ奪おうと言う思惑が裏に隠されている事が怖い訳です。

巨大な開発、厚化粧の裏には、将来に渡っての成長や開発とは無縁の、立てるのも壊すのもさしたる時間や費用を要さない、金を吸い取る為の箱が置かれているだけなのです。
明治神宮などが初詣の為に、白い緞帳で仮設の賽銭箱を置くのと何も変わりません。
魂を抜かれ、形だけの信者達がつかの間の幸せを願って賽銭を投げるのをなんと呼ぶのか知りませんが、今の多摩丘陵が巨大な賽銭箱に成り果てている事に違いは無いでしょう。

賽銭箱をいくら大きくしても、いずれは国民には払える賽銭が無くなります。
歯科医療業界は歯科医院と歯科医師をいくら増加させても、患者さんや虫歯が増えるわけではありません。

歯科医療業界は、大事な保険制度や患者さんの健康、安心、幸福と言う資産を、無尽蔵だとでも勘違いしていたのでしょうか。 実際にはコップの中での収奪でなんとか生き永らえてきたのですが、コップの中には歯科医師しかいなくなってしまったのです。

多摩丘陵も後30年すれば、老人達の街になるのでしょうが、その時新たな多摩丘陵が周辺に出来て入る事は無いと思います。
今が最後だから、一気に大きく収奪に掛かっているのです。

今の日本で起きていることは、それぞれの業界の固有の事象ではありません。
根っこにあるのは官も民も本当の将来展望など持たず、今この刹那にいかに奪うかしか考えていない事なのです。 ブレーキの壊れたダンプカーは、荷台に積み上げても積み上げても吸い上げられてしまっている事に気付きません。

誰かがアクセルを緩め、ハンドルを切らねばなりません。 サイドブレーキでも路肩の街灯にぶつけてでもダンプカーを止めねばならないのです。

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June 11, 2007

貴方の現状を労働問題の専門家に届けましょう。 中医協の委員まで

みな歯科の久保田です。
もうそろそろ私の実名も公にします。 失うものは無し、腹を括りました。

さて、直前に控えたシンポジウムですが、そのシンポジストに中医協の小島委員が入っていることをご存知でしょうか?
連合の委員で当然ながら労働問題のエキスパートです。

歯科技工所の大半が個人経営のワンマンラボと言う事で、労働時間や就労環境は訴えても無駄という雰囲気もありますが、労働者である事に変わりはありません。

ご自身が受ける不当な扱い、不平等な競争原理、圧力や過剰なサービス要求。

対象が歯科医院であっても、技工所であっても構いません。
皆さんの本当の姿を簡素にまとめて私達に伝えてくださいませんか?

17日のシンポジウムで直接手渡したいと思っております。
このことの提案者は私では在りません。 普段、院内技工の大半を自分でこなしている歯科医師からの提案です。

いろいろな勤務形態からみた
1,現状
2,思うところ
3,技工士からみた同業者
4,歯科界に思う事
5,こう改善するべき
6,その他感想とか

技工士会と似たもの出してもサンプル少ないからね。生声で勝負。
個人情報は出しません。 HNでも匿名で結構です。
出せる人は堂々と出しましょう。 

短く簡素に分りやすく。

設問一つでA4一枚くらいにまとめていきたい所です。

時間が逼迫していますが15日中に届けば対処できます。
16日午前中まで大丈夫かも。

メールで私までよろしくお願いします。

vea00750@nifty.ne.jp
http://www.minnanoshika.net/

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June 03, 2007

歯科医療のゆるぎなき価値を守る。 歯科医療の価値を下で支えてきたものは何か。 海外委託技工問題にも関心を!

私は長くに渡って歯科技工の価値は歯科医療の価値であると訴えてきた。
歯科補綴物の医療物としての価値、品質や精度、それを担保し保証するのは作製に当たる歯科技工士そのものにあると。

しかし、その品質や精度を検品する、検査し認定するシステムは存在しない。
歯科医師の技量やなされる診療行為の精度や内容の評価を客観的に判定するシステムもまた存在しない。
そのうえ、歯科医師法や歯科技工士法では、国内での歯科医療に給される歯科補綴物の作製は日本国内の歯科医師と歯科技工士の資格を保有するものにしか、作製つまり技工を認めていないと法に規定していながら、一方では、そんな法律など存在しないかのように、中国などの海外委託技工物の輸入を、歯科医療補綴物としてではなく、雑貨と言う扱いで歯科医師の裁量権と責任に於いて認めてしまっているのである。

そこには当然国内法で掛かるような法の網は存在しない。
使用される材質や、作成者の資格は何も問われる事は無い。
医療に給されるサービスや使用される医療品や医薬品には当然ある、審査や認定制度も何も無い。

何故その様な患者さんや国民の健康や安心を脅かし歯科医療法、歯科医師法、歯科技工士法を骨抜きにするような解釈や曖昧さがまかり通ってしまうのだろうか。 

事前に厚生労働省が品質や安全に責を負うか、制度の盲点を塞ぐべきなのであり、事後に対処すると言う事にされれば、責任を負わされるのはこの場合、歯科医師ということになる。

医療の品質や精度の評価は、あくまでも医療者本人の自覚とモラル、自己研鑽に委ねられているのである。
だからこそ、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士と言った歯科医療専門職の資格やその責任は重いはずであるし、尊重されるべきであると考えてきたのである。
しかし、海外委託歯科技工物に関する限りモラル崩壊を起こしているのは、医療の現場ではなく、海外委託歯科技工物を、医療品としてではなく、単なる輸入雑貨物と解釈している国側にあるとしか思えないのだ。

歯科医療の現場には、神奈川ルールなどの指導医療官による恣意的な制度の悪用や解釈、歯科衛生士業務の恣意的な解釈、海外委託技工など、グレーゾーン、恣意的な曖昧な解釈による制度の乱用、末端の締め付けが二重三重に覆い被さっている。

歯科医師法、歯科衛生士法、歯科技工士法と言った法律は、各専門職の職務や職務範囲を規定しているだけではなく、自覚やモラルを律する事で、職務を行った結果なされる行為や生み出される価値が、劣ることのないように且つ、患者さんひいては国民全体に不利益とならないように制定されているのであると考えるのが妥当であろう。

しかし、その法律自体に瑕疵や想定外の事が現実に起きたときどうなるのか?
コストや安全に見合わない点数で医療を行いうるのか?
衛生士は本来の業務を制限されねばならないのか?
国内より安いという理由だけで、国内では守らねばならない法律や基準が適用されない中国などの海外技工物が流通していると言うような事態がゆるされるのか?

今のまま患者さんの利益や安全が担保され確保されているのかを、専門職だけが対応を迫られ責任を転嫁され、さらに不利益を甘受せねばならないのだろうか。

医療法や制度に問題があれば、一番に影響を受けるのは、各専門職であるように思うが、本当の被害者は患者さんであり最終的には国民とこの日本国が負う事になると思うのだが。

歯科医師法や歯科衛生士法、歯科技工士法は資格や職務を法定し、歯科医師法と歯科衛生士法は昭和23年のほぼ同時に、歯科技工士法は昭和30年に施行されている。

資格を法定するものであるが、その資格や身分の権利や義務を認定するだけではなく、むしろその資格や義務が患者さん、ひいては国民と国に対して如何に付与するかを根底においているはずである。
法や資格が患者さんや国民に不利益を与える事などあってはならないし、その様な場合は速やかに対処するか不利益を排除するのが法自体と国や行政の責務であるはずだ。

医療保険制度や歯科医療の現場に於いて、制度や法の瑕疵や不備に付いては何度となく指摘されてきた。 改定に次ぐ改定、大臣告示や政府の答弁なども何度も出されている。
しかし、そこには患者さんや国民の為に、あるいは患者さんの為に末端が負っている、結果的には患者さんに不利益や影響が及ぶ制度や法の瑕疵や不備についてはまったく触れずに、ただ小手先の改定と責任逃れの摩り替え論しか存在しないのである。

歯科関係の法律は抜本的な見直しがなされないまま、監督官庁や担当者の解釈だけで60年或いは50年と言った年月、放置されてきたと言ってよい。 グローバリゼーションや流通の変化、社会や経済環境の変化に対応していないのである。

これでは法や国家が、患者さんや国民への責任を果たしているとは言えないし、認めるわけにも行かない。
国政や社会の状況と、国の公式なアナウンスを見る限り、国や行政が国民の利益や権利を守る為に存在するのだと言う意義や意識が見えてこないのだ。

法や制度の見直しに対して、我々の側にまったく責任が無かったとは言わない。
むしろ、それぞれの組織の責任は大きいと言える。 
それについてはまた別に纏めるとするが、例えば歯科医師会が起こすスキャンダラスな事件があるから業界から正論が出せないと言うのでは困るのである。

国も各組織も要は既存の組織は制度疲労と自己保身にのみその存在を矮小化するばかりで、本来の役目や目的の為に行動出来なくなっているのだ。
こんな状況では、海外委託歯科技工物の存在が示す、法や制度の瑕疵や不備、行政の不作為を指摘し、改めさせようにも手も足も出ないではないか。

先のブログで記事にした歯科衛生士の職務範囲の見直しに関する陳情と署名簿については、わずか20日間の間で48.588名の署名が日本ヘルスケア歯科研究会に集まり、6月4日に杉山精一(歯科医師)、評議員の長岐祐子(歯科衛生士)、事務局秋元秀俊らが厚生労働省大臣秘書室に瀧ヶ平仁大臣付を訪ね、署名の山とともに陳情趣意書を手渡し、続いて医政局歯科保険課に日高勝美歯科保健課長を訪ね大臣宛陳情趣意書の写しを提出し、「歯科衛生士法の誤った解釈の是正」を求めるとともに「歯科衛生士法の改正作業に着手」することを要望したそうである。

更に、日本歯科医師会と日本歯科衛生士会の会長宛てに「歯科衛生士法改正に関する提言書」を提出したと言う。

本来なら患者さんや国民の為に組織がやるべき事を、組織の壁を越えた末端の連携が行ったと言う事である。

これについては、みんなの歯科ネットワーク、オープンWIKIに詳しい報告がございます。併せてお読みください。

同じ視点、問題提起として
以下に海外委託問題に取り組む「隗」を紹介します。


隗(かい)
国民と歯科技工士の権利を守るために活動するグループです。
http://www.geocities.jp/gikotake1965/kaitop2.html

隗では海外委託の民事訴訟を進めており、国家賠償訴訟を6月22日に提出する事になったそうです。

海外委託技工物に関する問題につき、国側が雑貨であり歯科医師の裁量権であると言うような法解釈をとる事は、患者さんへの不利益を国家が容認,し、行っているという事であります。 
私も遅ればせながら原告に加えていただけるようお願い申し上げたばかりであり、このブログをお読みになる歯科医師や歯科衛生士、技工士や患者さんの皆さんにも勇気を出して行動していただきたいと切にお願いしたい。

今後とも海外委託歯科技工物の問題や本質を国民や患者さんに開示すると共に、歯科医療の価値と品質を患者さんの為に守る意味でも、一部歯科技工士の問題提起と見過ごす事無く、歯科医療に携わる、いや、国の安全保障、社会保障に一部でも関与し関心を寄せるものであるなら、患者さんと国民の為の問題と捉えてご理解ご協力を頂きたいものである。

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May 23, 2007

コップの外の嵐 歯科の内なる利害対立を直視する

業界内部に居ると、目先の問題に捕らわれて、物事を俯瞰的に見ることが出来ない。
しかも、プライドや怨念などが絡むと、自分にとってプラスになるかならないかでしか判断できなくなる。
今の歯科医療業界は、其の傾向が特に強い。

専門職ではないが、この業界に長く深く関わってきた人として、ジャーナリスト秋元秀俊氏の業界を見る眼と
日本社会に対する危機感は大きい。

氏の話は、コップの中でいがみ合ってきた我々にとって、コップの外からはどう見えるか、社会の嵐にも気づかずに、遣り合っている者達の胸にぐさりと突き刺さる。

このたび「コップの外の嵐」第17話がアップされた。 衛生士問題、シンポジウムに絡めてみんなの歯科ネットワークに対しても言及されている。 第1話から通して読みいただきたい。

http://www.heraeus-kulzer.co.jp/customer/storm_070523.html

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May 17, 2007

木を見て森を見ず 指導医療官とは何者か

「自民党迂回献金システムの闇」日歯連事件の真相。 角川書店発行のこの本は、東京新聞取材班との著者名が示すように、東京新聞の記者達が取材し纏めた記事を元にした本である。
この本を読んだ多くの読者は、医療保険制度を取り巻く政官業のパワーゲーム、癒着体質、それぞれが利権や利益に預かろうとしてエゴ丸出しで蠢きあう、底なしの闇を垣間見た事だろう。

歯科技工士の私。 30年間、毎日のように保険での補綴物、自費診療と名のつく補綴物を、只作りつづけてきた。
それがどういう所以で何故歯科技工士が作製にあたるのか、技工士と言う職務や資格、業務内容や医療制度、医療保険との関わりなど、さしたる理解も無いままに、院内ラボにいては歯科医師の診療に必須の補綴物を作製するにのみならず、時に印象や出来上がったもののチェック、調整、装着まで行うと言う、本来歯科医師のやるべき業務まで行っていた時期もある。

目先の仕事に追われつづけ、生活を成り立たせるのに精一杯だった私は、制度の仕組みにまで目を向ける事無く、ひたすら歯科医師と歯科技工士との立場とヒエラルキー、収入の格差にのみ、不満を怒りを募らせてきた。

歯科医療に提供される、技工士の血と汗の結晶とも言うべき補綴物の金銭的な評価はあまりにも低い。
品質への追求も、歯科技工士に作業が回る以前の段階から、あまりにもおそろかにされてきた。

何故、その様な状況が私が技工士になった30年前から変わらない事なのか。
歯科技工士だけの責任なのか、歯科医師と歯科技工士の立場の違いだけが、その理由なのかを考えないままに今に至ってきたのである。

医療制度と医療保険制度の最初から、この制度は大きな問題を抱え、放置したままその場しのぎの改定と、政官業それぞれの組織や個人の思惑、エゴ、腐ったプライドに翻弄されてきたのだと、今あらためて思う。

指導医療官という存在も、医療保険制度と言うものを多少なりとも齧って見れば、なにやら必要な事のようにも思えてくる。 それが、制度本来の目的に寄与すると言う前提であればだ。
医療保険制度が抱える問題を、修正し、円滑に動かす為だと言うのであれば、指導医療官には高い中立性と高潔な人格、歯科医療への深い経験と知識とが求められるだろう。

しかし、医療保険制度を知れば知るほど、其の問題の数と底の深さは、指導医療官の存在をも利権やエゴの道具に変え、何時しか医療制度のグレーゾーンを操り制度に巣食う宦官へと変えていったのだろう。

社保庁汚職、担当外情報も聞き出す 佐藤容疑者 他の医療官から
2007年5月17日 東京新聞夕刊から引用

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007051702016861.html

医療保険制度が抱える、数々の問題、欠陥、政官業、日本歯科医師会などの存在や利権エゴにも目を向け、解体的な出直しを計らなければ、この先もこのような事件は繰り返され、歯科医療の存在基盤は崩壊するのだろう。

逮捕の前日歯専務 開業医に裏工作持ちかけ
2007年5月17日 東京新聞朝刊から

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007051702016732.html
 
東京新聞は、今回の事件を受けて新たな連載を始めた。 医療Gメンと表記しているが、Gメンとは名ばかりの指導医療官が何故生まれ、跋扈しているのかを問うていただきたいものだ。

橋本派による1億円贈収賄事件を、自民党迂回献金システムの闇と言って、追求しておきながら、結局闇の中も
闇そのものが何であるのかも明かせなかった事が、繰り返される事件報道で新聞マスコミの限界を示してしまっていると言えないだろうか。

私は思う。 医療保険制度そのものが闇の正体なのだと。 医療保険制度に関わる人々の恐れや沈黙こそが闇を拠り深くより暗くしていくのだと。

闇のそこから声が聞こえてくる、闇を照らすかすかな光がともっている事に気付いて欲しい。

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May 16, 2007

歯科医指導で贈収賄


みんなの歯科ネットワークは一連の報道を受け、このような体質の歯科
界に対し強い怒りを感じ、一部の人々の意思ではなく、会の目標である「医療側と患者側が共に作 る医療制度」を目指し、断固たる意志と覚悟をもってこれに邁進する所存です。 


「社保庁技官、東京歯科大同窓会から200万収賄容疑で捜査
読売新聞」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070516i101.htm

新聞マスコミ各誌が一面トップで報道しております。

「収賄の疑いで逮捕されたのは、栃木社会保険事務局の指導医療官、佐藤春海容疑者(57)で、東京歯科大学の同窓会の副会長、内山文博容疑者(66)ら2人が贈賄の疑いで逮捕されました。」
と実名報道に切り替わっています。

ネットでは既に3月の時点で、この情報が飛び交っておりました。
内山氏が日歯専務理事の役職を、病気を理由に退いたのも、身辺に捜査が及び、日歯本体に影響が及ぶのを極力避けようと言う日本歯科医師会の保身体質によるものです。
下村中医協委員への贈収賄事件、先日村岡氏が控訴したばかりの自民党闇献金事件と、日本歯科医師会がらみの事件が絶えません。

闇献金事件では臼田氏の個人的な責任であるとか日本大学歯学部同窓会の責任だとか言うような説明がなされ、今回の内山氏逮捕でも東京歯科大学同窓会の問題であるかのような報道がなされておりますが、3月の時点で内山専務理事の辞職を認めたと言う事は、むしろ日歯全体が了承していた事だと取る方が自然です。

このような贈収賄行為によって、医療保険制度に影響を与える事ができるというような考えを持つ、公益法人が存在する事自体が、社会に対しての不利益、背信行為だと思えます。

この事件を契機に、私たちはあらためて医療人としての矜持を社会に示さねばなりません。

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October 21, 2006

パイプ

と言うわけで、みんなの歯科ネットワークはぶっといパイプを繋ぐ事が出来ました。

ただしこれは直ぐに劇的な変化を生み出すと言う事ではありません。

先ず、末端の率直な意見を、大きなテーブルに届かせる第一歩を踏み出せたと言う事なのです。

言うまでも無く歯科医療業界では歯科技工士の減少と言う形で、歯科医療そのものの崩壊が表に現れてきました。

国の政策も、構造改革や財政改革の流れは変えられません。

しかし国民の暮らしと生活に直結する歯科医療の問題を、国民と共に考えてゆくには、このパイプしか残されていない事も事実だと思います。

そのパイプとは何か?こちらをご覧下さい。
http://www.minnanoshika.net/

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