June 22, 2014

脱日技っつーか脱歯科技工だよ。

 

 


今、この記事を書いている間にも、歯科技工士の廃業や転職が相次いでいるのだろうと思う。

どれだけの歯科技工士やラボが、それも、もういい加減人生の終幕を迎えようとしているような高齢化した一人とか二人の零細ラボが、CAD/CAMだ3Dプリンターだというような、やたら小難しくカタカナ言葉が氾濫するハイテク技工に、希望を託すなんて事がありえるのだろうか。

日技などは

広報活動を新たなステージへ

 近年は、企業のみならず行政・団体における広報活動の重要性がさらに増している。 本会は平成24年より公益社団法人に移行した。
それにより活動そのものに高い公益性が求められることとなり、おのずから広報活動も変化している。実際、本誌においても掲載の50%以上が公益に資するものに編集されている。
 公益移行以前は、「会員が知りたい情報」と「会員に知ってもらいたい情報」を主に提供していたが、移行後は「国民(会員)が知りたい情報」と「国民(会員)に知って欲しい情報」の提供に変化している。
 それにより「知ってもらいたい相手」が広範囲になり、広報関係者の認識を変化させ、さらなる取り組みの下、広報活動が続けられている。

以上は日本歯技2014年5月号巻頭言からの抜粋であるが、これを含めて一体何が言いたいのかよくわからない。

Continue reading "脱日技っつーか脱歯科技工だよ。"

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May 25, 2014

大変な成果である。

嬉しすぎるフレーズである。

こんなふうに書いてもらえただけでも、参加した甲斐があった、HPを担当した甲斐があったというものです。

売文家さん、ありがとう。


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May 15, 2014

案外、普及は早いのかも。保険の削りだしハイブリッド冠


少し前の記事で、保険収載されたCAD/CAM削り出しのハイブリッド冠、CAD/CAM冠に、どのくらいの需要が発生しているのか気になると書いたんですが、加藤さんの表部屋に関連する記事がアップされていました。

CAD/CAM冠関係のまとめ。

これを読むと、結構な数の需要が発生しているのがわかりますね。
ひと月で300本。
素材のブロックがシェードによってはメーカー欠品になっていて、供給が追いつかない状況だというのですから、歯科や技工業界にとっては久々のヒット商品(この表現はおかしいかな)になったわけです。

欠品については、同じようなことをていね社のブログでも見かけていますから、メーカーは対応に追われているのでしょう。
患者さんによっては、形成と印象を終えたまま、数ヶ月待たされるようなこともあるのかもしれません。
早く行き渡ることを願っています。




さて、実際にCAD/CAM冠の受注に乗り出すとして、後発のラボはどう対応すればよいのでしょうか。
加藤さんの記事によれば、下請けは許されていないと言いますが、やはり、一人ラボとしては高額な歯科用CAD/CAM装置をポンと導入するわけにも行かず、再委託をするのが現実的な対応なんですが、それが禁止されている以上、様子を眺めるしか無いのかもしれません。

ネット上では、汎用のCAD/CAM装置や3Dプリンターを使った造形のポータルサイトもどんどん出来ています。
それらのサイトが稼動させている装置は、歯科用に認可された装置よりもよっぽど最新で高性能なものも少なくありません。

厚労省と薬事法の縛りがなければ、そちらの方でも十分対応可能なのだろうと思います。
そして、価格的にもそちらのほうが市場価格を反映するのだろうと。

今は、一部のラボが謂わば特需に湧いているCAD/CAM冠ですが、ずっとその状態が続くのかといえば、甚だしく疑問です。
和田精密さんなどは、福島県に歯科用CAD/CAM装置を100台も設置した工場ともいうべき技工所を立ち上げるとか何かで目にしましたが、そういうのがあちこちに出来れば、あっという間に供給側が飽和状態になりそうですね。

加藤さんも記事のまとめで

その受注と生産量の均衡が破られたときに、価格は下がり出す。特に機械装置でできあがる補綴物なら価格は急激に低下するだろう。また高分子化合物の材料原価は安く、金属と違い価格を下げることは可能である。

と述べています。

更に続けて、

一通り価格が安定すれば、点数の引き下げを行うだろう。

と予想しています。

私も同じように感じています。
需給の飽和と、新たなるダンピングの発生が、早ければ次の改定を待たずに始まってしまい、次回改定での点数の見直しに影響してしまうのではないかと。

歯科業界からは、多分、次は小臼歯だけの適応である現状から、前歯や大臼歯への適応範囲の拡大が要求されるだろうし、複数歯に渡るケースも認めるような要望が出てくるはずです。

厚労省の目的が、歯科医療費の大きな割合を占めている金属代金の抑制にあるのであれば、適応範囲の拡大はもしかすると既定路線かも知れません。

そこで、点数が高いまま適応範囲を拡大するのは、需要増をみ込むと好ましくないと考える厚労省官僚もいるのじゃないでしょうか。

小出しに認可して、例によって例の如くのダンピング競争が起こるのを待って、料金が下がった所で認可範囲を広げていく。

終わってみれば、一人ラボの淘汰は進み、ラボの大型化、歯科医院での内製化が当たり前になって行くのかもしれません。
歯科医院からすれば、自費にでも保険にでも対応できる歯科用CAD/CAM装置を、1台導入するくらいのことは、CT装置を導入するよりも費用もかからないし、利益を出しやすくなるかもしれません。

トータルすれば、厚労省だけが歯科医療費の抑制に成功し、割りを食うのは増えすぎた歯科技工士、一人親方たちということになってしまいそうですね。

いや、既に、もうそうなっているなと実感している者が、ここにいるということで。

追記

しかし、事はそんな単純な問題じゃ無さそうです。

次は、歯科医療費改定に仕組まれたトリックについて、穿った見方をしてみたいと思います。


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May 12, 2014

歯科技工士で検索してみると。


WEB歯科技工士会ってどれくらい見られているのだろうか。

歯科技工の仕事が暇なものですから、HPやブログを活用しようと頑張っている所です。

私の場合、聴覚障害歯科技工士として自分の思うところを自作HPにしたのがこちらの我が喜怒哀楽でした。
パソコン通信から始めて、ニフティの無料HPサービスを利用して始めたのが1998年頃だったと思います。

今のテンプレは、1999年1月19日となっていますから、結構な年数になります。

このWEB歯科技工士会と言うブログも、ニフティのココログを使っています。
最初の記事は2005年2月21日。
よく続いたもんです。

活用する以上は、自分のHPやブログが、検索キーワードに拾われているのか知りたくなるというものです。
そこで、幾つかの検索エンジンで、個別の名前ではなく歯科技工士や歯科技工のキーワードでどのくらい上位に出るのかを確認してみました。

やってみると、あまり上位には表示されません。 
ちょっとがっくりしています。

まあ、歯科技工士という単語だけで検索する人もまれでしょう。
今なら、歯科技工や歯科技工士に続けて、3DだとかCAD/CAMだとかが検索されているはずです。

そして、就職や収入や労働環境が定番でしょう。

取り敢えず、グーグルを使って大手検索エンジンのいくつかで検索してみた結果です。

ヤフー検索 4ページ目全体の31番目

excite       3ページ目全体の29番目

google    4ページ目これまた31番目

bing       歯科技工士のキーワードでは引っかからないのだろうか。トップページではなく       個別の記事が167番目あたりにやっと出ました。

goo        10ページ目全体の105番目位。

他の検索も試してみましたが、フレッシュアイはウエブ検索できず、ブログでわずか3件の結果。何これです?!

次にものは試しとグーグルのブログ検索に歯科技工士を入れてみました。
これが驚き、なんと二番目でした。
しかも、ひとつおいて4番目にも3Dプリンターで拳銃を作ってしまった記事が出てきます。

いいのだろうか?歯科技工士とは言っていても、歯科技工士に関する有意義な情報など全く書いてないブログが、こんな上位に来て。

それともう一つ、歯科技工士や歯科技工で検索して見て思ったんですが、歯科技工についての当たり前な技術の情報提供らしきものが殆ど見つからない。
技工の技術については、今も検索の上位に出てくるうぐさんの吠えろ歯科技工士に、掲示板や記事としてありますが、よほど掘り下げないとわからないでしょうね。

とにかく、技工士の情報、技工技術の情報、ノウハウやヒントなどが自然と目に飛び込んでくるような検索結果やHPが極端に少ないのだと思ったのでした。

飯の種なのだから、セミナーや日技の生涯研修のように、お金を払ったもの会員になったものにだけ伝わればいいのかもしれませんが、インプラントやCAD/CAM、オールセラミックスのような自費技工についてなら分かりますが、実際の技工の8割9割を占める保険技工についての当たり前の情報が殆ど無いことに、この業界の閉塞性を見るようです。

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May 08, 2014

3Dプリンターで拳銃を造っちゃうのが現実に。技工よか面白いかも。

 

4月の診療報酬やら内容の改定で、歯科でもCAD/CAMで削りだす、ハイブリッドレジン冠が保険収載されたばかりです。

保険ではどのくらいの臨床ケースが発生しているのでしょうか。

縁のない弱小ラボとしては、興味津々なんですが速報値とか発表されませんかねえ。

さて、コンピューター支援での技工といえば、削りだしだけではなく立体印刷による造形も実用化されています。

例えばこれ、

デンタス ラボシステム3Dプリンター

デンタス社は大手ラボのシケンの関係会社だと思います。
シケンのネットワークと営業力で、どんどん受注しているのだろうな。

追記ですが、このデンタス社のHPを見ていたら、社長さんは島さんと言うんですね。

ブログの過去記事を読みなおしていたら、偶然にも島と言う人の名前を記事中に見つけました。

http://kdlg3.cocolog-nifty.com/kdlg3/2010/04/post-91ad.html

シケンの社長って島っていうのじゃなかったのかな。

どうもうろ覚えです。

技工自体は、私ら普通の歯科技工士からしたら、一本一個から細々と作り上げる、飯の種ではあるけれどどっちかと言うと職人的な作品を作り上げているという感覚が強い。

それがあるから訴訟も起こされたわけだし、私もそれに加わったのだ。

しかし、島さんとやらが歯科技工士なのかは知らないが、今、歯科業界を主導し業界で話題となっているようなことの大半は、技工士云々ではなく歯科や技工を全てビジネスと割り切ってやっている人達の事ばかりだろうね。

歯医者からでも患者からでも、利益を引き出せそうなら何でもビジネスにしてしまう。 勿論、技工士に対してもそれは同じ。

この3Dプリンター自体のお値段は如何ほどなんでしょうね。
ほんとに全部が自社開発なのか、どこかの企業にOEMさせているのか分かりませんが、日本のややこしい薬事法とかを考えると、一般に市販されている汎用の3Dプリンターとは、微妙な年数の差があったり、使われているソフトにも制約があったりしますね。

加藤さんの表部屋にも3Dプリンターの記事がありますからご一読下さい。

どうなるのか、この業界!

さらに、薬事法というか厚労省の許認可を得るために、とんでもなく高額になっている可能性もあります。

私のような廃業寸前の個人ラボでも、夢の3Dプリンターが買えるのかなとググって見たら、安いものでは6万円台からあるんですねえ。

歯科用は100万円台を下らないだろうから、正直やってられないだろうな。

でもさ、これが売る側の立場でビジネスとしてみたら、内容としては6万円台のものが、薬事法やら厚労省のお墨付きを貰った途端、100万円で売れちゃうとかなったら、こんな美味しいことはないよなあ。

だって、いくらメーカーのノウハウが詰まっているからといって、見た目数千円の基板が、7万円とかに化けちゃうのが医科や歯科の特殊性。

参入障壁は高いが、一度クリアすれば美味しいのかもしれないね。

この安価に購入できる3Dプリンターで、購入者は何を作っているのかな。

私だったら趣味と実益を兼ねて、この3Dプリンターでプラモデルの改造パーツや、フィギャアのパーツ、指輪やアクセサリーのパーツを作るのですが、まさかまさかと思っていましたが、あちらで話題になった拳銃を実際に作ってしまう人が現れたんですね。

3Dプリンターで拳銃製造か 所持容疑で逮捕

NHKのニュースです。

このニュース自体はTVでは見ていないのですが、昔見た暗殺物の映画でも、金属探知機を避けるためにプラスチック製の拳銃を使う暗殺者が出てきたりしていましたから、それが日常的に誰にでも作れるようになってしまうとは、怖い世の中になりました。

さすがに銃弾までは作れないとは思いますが、抜け道は案外身近なところにあるのかもしれませんよ。

 

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February 02, 2013

歯科技工士法が守れず従い事ができない場合は罰金が科せられます。



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今日、技工士会から来たハガキ。

タイトルにした文言が踊る。

昨年には、同じようなハガキで、支部発足の案内通知も来ていたなあ。

歯科技工士法改正については、1月のはじめに保健所からも通知が来ていた。

ネットではとっくに情報流れているんですが、いざ、こんな文言のハガキを貰うと、自分の所はダメなのかなんて不安の一つ、浮かんでくるよな。

加藤さんの裏部屋に、この技工士法の省令改正やら指針についての詳しい説明があるから、改めて読みなおしたけど、ほんと、技工士会からのハガキだと省令も指針もごっちゃだから、全部に罰則やら罰金があるのかと混乱してしまう。

省令で改正されたことは、

技工所の構造基準と指示書の記載内容についてであり、一般的な設備の在る技工所なら、先ず問題のないレベルの話。

そして、指示書についても、日技が散々言っていた技工録のことかと思ったら、住所氏名年齢電話番号をちゃんと書きなさいというレベルの内容。

なんかずれてるなあ。

指示書の記載内容については、そもそも、歯医者さんの方が書き込む内容でしょう。
指示書にラボの名前や連絡先の印刷もしていないような所があるんですか?

汎用の指示書ならそれも在るかもしれませんが、大抵は印刷屋さんに発注していると思うんだよなあ。

歯医者さんが書くべき内容について、記載漏れがあったとして、なんで技工所に罰則や罰金が科せられるんだか今ひとつ理解できない。

設計にしろ、使用する材料にしろ、決めるのは歯医者さんだし、技工所が一々聴きとって書くというのも変。


次、指針

クリックしてください。加藤さんの詳しい説明が読めます。

品質管理については、指針にとどまっています。

罰則や罰金というのは大げさなように感じます。

しかし、受け取ったハガキからは、なんだか守らないとあんた、犯罪者だよと言われているみたいで嫌ですね。

こういう、脅しのようなお知らせの最後は、入会の勧誘・・・・・

どんな良いことが待っているんでしょうね??!


ただ、お上のやることはエグいからねえ。
歯医者さんはお上の指導というと、こういう指針や省令を根拠にした歯科技官の指導を思い浮かべるんでしょうなあ。
何人もの歯医者さんが自殺に追い込まれているから、甘く見ると痛い目にあうこともそりゃ、十分考えられる。

しかし、保険医でもない技工所がそこまで追い詰められるものだろうか。

何のため、誰のための罰則や罰金何だかさっぱりわからないよ。

とにかく、このハガキを見て、興味を持たれた方は、ぜひ、行って見てください。

土田さんがどのような説明をされるのか?

加藤さん記事とは違うのか?

省令や指針を出すのは厚労省であり医政局のお役人様。

我々は無知だから、きちんと説明を聞かねばならないが、そもそも、私は聞こえない。
聞こえる方、行って聞いてきてください。
出来たら、その話の内容などを教えて欲しいと思います。

それにしても、省令や通知通達を出す側に、説明責任はないのだろうか?

説明するなら、出した本人がやるべきじゃないの?

出した本人がやるべきと言えば、指示書の記載も同じ。

指示は誰が出すというのか。

指示にしろ委託にしろ、する側が記載するのが当然だと思う。

歯医者さんには記載の義務もなく、責任も問わないのだろうか。

指示を受ける側なのに、私のような聴覚障害者にまで、歯医者さんの言う指示をよく聞いて自分で書き込めと言うのだろうか。

それで、罰金だなんて言われたら、やってられないよね。

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January 16, 2013

歯科医療とは何か

前記事では近代口腔科学研究会の雑誌に掲載されていた「歯科技工士の資格や業務範囲および歯科医師との関係について考える。」の読後感をアップさせていただいた。

感想文ということで、括ってみたのだが別人の文と誤解されたのなら申し訳ない。

近口研理事長の飯塚哲夫先生の事は、井戸端などでも目にしており、その考察の明瞭なこと、そして何よりも歯科医師や歯科医療が医療と呼ぶにはあまりにも虚像で有ることを知らしめてくれており、こんな歯医者さんも居るのだなあと何度も思って来ました。

さて、その飯塚哲夫先生の「歯科医療とは何か」の中で歯科技工士についての記述が売文家にありました。
友人からも知らせていただいたので、是非一読願いたい。

委託技工料問題は歯科技工士という免許の存立基盤に関わる問題

このような歯科医師にとって、都合の悪いことをズバリというような存在は、多分、迷惑というかおいおいなんだろうな。

歯科医師たちも、自分たちの行為が本質的に医療じゃない、医療だとしても口腔の粘膜までの事で、後は歯質や歯そのものを弄るか、抜いた歯のあった空間をバーチャルよろしく埋める位で、医療じゃなく、歯科医師がやるから補綴なんだ、内容的に同じ行為を手伝いにやらせれば補綴と呼ばせず、技工だと言いくるめているのだと理解しているのでしょう。

理解しているからこそ、自分たちは医師ではないのだという劣等感が生じるし、それを払拭する事は出来ないけど、手伝いの人たちには俺たちの行為は補綴であって技工じゃ無いよ、技工じゃ無いから上なんだよとばかりに、虚勢をはる事が出来るのでしょう。

そういってみると、歯医者さんらのいわれのない劣等感や優越感が理解出来ると思います。

近口研の飯塚先生、歯科医師会や多くの歯医者からは異端視され嫌われているようですが、なんのこたあない、歯医者の本質をズバリと言われちゃったら、自分たちの立場が無い、虚勢がバレてしまい都合が甚だ宜しく無いからでしょう。

虚勢でもなんでも、本質的な所には触れないでおこう、目をつぶって如何にもな権威を演じ続けようと言うのが、歯科医師会や歯科の学会、そして、体質だけは悲しく歯科医師会のコピーであるニチギなんでしょう。

 

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歯科技工士の資格や業務範囲および歯科医師との関係について考える。

 

表題のシンポジウムが数年前にありました。
脇本さん、篠田先生、津曲先生がシンポジストとして参加されたものです。

その内容を読むことが出来ました。 ありがとうございます。

それを一読した今、歯科技工士の成り立ちや、その立ち位置というものを改めて考えたいと思います。

 

今思うのは、歯科技工士の資格や名称、肩書き、そして歯科技工士法そのものも、

歯科技工・士・という職業を選び、業に就いた人たちに対する壮大なまやかしではなかったのかと。

まやかしというのが悪ければ、

私たちやその先人たちは、名称と資格と法律が得られること、出来ることに、酔ってしまった、
ただそれだけで、自分たちの立場や境遇が変わると信じ込み、大きな幻想を見させていただけなのではないかと。

飯塚さんの発言に、親の歯科医院に勤めていた技工士たちへの同情というか、哀れみの内容があります。

丁稚や奴隷と同等の存在だったのでしょう。

そもそも医者でもない、医者とは認められていない存在であった歯科医師、歯大工ですわな。

その歯大工の作業場に、住み込みで丁稚奉公する事が、どれほど大変だったことか。

歯科疾患という病に、手当てや治療を施すというのが歯科医療なのだとは思いますが、

手当てや治療はごく一部で、歯科治療といわれる行為の大半が、ホテツに費やされているのは、
昔も今もそれほど変わっていないように思います。

今、歯科技工と言われる事の殆どは、歯科医師といわれる人たちの行う行為でした。

現在でも、ホテツホテツという状況に変わりはありません。

インプラントもオールセラミックスも、保険の義歯やクラウンブリッジも、病を直接手当てするということを指すよりも、
技工や作られるモノそのものを言っているのではありませんか。

ラボワークとは歯科医師の行為そのものなんですね。

歯科技工士とはその歯科医師のラボワークを代行していると言えば聞こえはいいのですが、
立場としては「手伝い」に過ぎないのだと。

奴隷同然で丁稚奉公するような境遇にあった先人たちが、力を集め、仲間を募り、結束して資格を勝ち取った、
歯科技工士法という後ろ盾も得たと言えば、いかにも良かった事のように見えるのではありますが。

しかし、それによって歯科技工士なる名称と資格と法律の後ろ盾を得た者たちは、

いったい何を手に入れたというのでしょうか??

歯医者の手伝いという立場や行為、変化は無く、

労働行為や労働時間に対する対価が変化した訳でも無く。

いったい、歯科技工士という肩書きや法律が、手伝いのものたちに目立った恩恵をもたらした部分があったというのでしょうか。

手伝いという立場のままに、資格という肩書きや法律の後ろ盾を得たところで、手伝い人そのものには、何の変化も得るものも無く、ただ、手伝いの立場だけが固定されたというのが、国家資格や歯科技工士法を得た結果だったというのが現実だったのではありませんか。

歯科技工士は独立した資格で、独立して業を行っているように見えますが、
業として技工の行為を労働として行い、ホテツ物というモノを作り上げていながら、
そのモノをお金に変える手段を持ち合わせていません。

確かに、お金の流れはあるやのように見えますが、私たちの行為は手伝いに過ぎないわけですから、
私たちの行為を、その結果を直接お金に変えているわけではないのです。

どんなホテツ物を作り出そうと、それをお金に変えることが出来るのは、歯科医師しか居りません。

歯科技工はサービス業か製造業かとの議論がありますが、

歯科技工士が歯科医師の手伝いに過ぎない現状認識からすれば、

まさに、歯科医師へのサービスにこれ特化した、サービス業そのものだと言えるでしょう。
いや、業というのも虚しい、サービスそのものであることは、原価割れした料金、形だけの指示書、
無報酬再製や一方的な呼び出し、ただで提供する指示書と様々な無報酬での行為と、
例を挙げればきりが無いのです。

歯科そのモノが医療でもなく、医療でもない歯科医師への手伝いサービスでしかない、歯科技工・士と言う国家資格のまやかし。

> 歯医者というのは医師に対して言わ
> れのない劣等感を持っている反面,技工士に
> 対しては言われのない優越感を持っている人
> が多いんです。たしかに技工士会に対して歯
> 科医師会が邪魔をしてきたということは言え
> るでしょうね。

歯科技工士になったからといって、何故に私たちは一段低く見られねばならないのでしょうか?

歯科技工士がまっとうな要求をしたら、何故不逞の輩と罵倒されねばならないのでしょうか?

そう言う状況、立場からの脱却を願ったはずの歯科技工士資格、歯科技工士法の成立であったはずが、
飯塚さんが発言されているように、状況も立場も何も変わってはいないのですよ。

歯科技工士は製造業でありながら、その商品をさばく手段は歯科医師へのサービスでしかあり得ない。

それがわかっているからこそ、歯科医師たちは何か言う前に優越感に浸れるのでしょう。

国家資格や法律があるからこそ、歯科技工士は守られているのではなく、歯科医師へのサービス業に閉じ込められているというのが、国内での歯科技工士の現実だと思います。

縮小し衰退が明らかになりつつある、歯科と言う業界において、

歯科技工士は個人であろうと、ラボであろうとも歯科医師へのサービスに過ぎないのですから、マーケットは限られている上に価格の決定権もほぼ奪われた状態です。

サービスする内容についての決定権も、参賀する立場も与えられず、歯科医師会や歯科機材メーカーや商社、そして学会が決めた内容について、ただただ言われるがままに受け入れざるを得ないのが、歯科技工という業であり資格なのでしょう。

私たちがリスクやコストでモノを言うことは殆ど出来ません。
言われるがままに他の人たちが決めたことを、さもありがたい事のように受け入れることしか、今の歯科技工士には道がありません。

そんな歯科技工士の立場や資格の本質が理解できた人たちは、
さっさとこの業から離れていっているのでしょう。

将来、歯科技工士が居なくなるというような警鐘を唱える人たちに、何故居なくなるのかを問うてみてください。

 

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January 12, 2013

葱を背負った鴨にはなりたくない。

CADCAMや3Dプリンターを導入したラボからの売り込みが激しくなってきた。

一方で、CADCAMや3Dプリンターは5万円しないものも発売されるようになってきた。

精度がどうのというのだろうが、日常の臨床では、そもそも精度云々を言えるレベルじゃない模型や印象がザラにある。

ミクロン単位の精度など、最初から求められていないのが歯科の実態。

厚労省は歯科機材メーカーとの関係もあるから、極端に安いものは認めないのだろうが、臨床レベルではこの装置でも十分じゃないのだろうかね。

約4万5000円でゲットできる安価な3Dプリンター「RoBo3D」
http://gigazine.net/news/20130107-robo-3d-printer/

これなんか、ローランドだもんね。

【ワンフェス2011夏】フィギュアやプラモの改造パーツがワンオフで作れる「iModela」

http://www.gizmodo.jp/2011/07/imodela.html

CADCAMを導入したラボは、何故?率直に歯医者に営業をかけないのだろうか?
連日、営業に行っているのかな。
プレゼンやらデモにさ。

歯医者さんが歯を削って、その場でスキャンすればいいのじゃないか?

技工士なんか要らないでしょ?
余分なコストだろうし。

そうならないのは何故なのか?
CADCAMラボが、我々のような弱小ラボにセールスを仕掛けてくるのは何故なんだろう?

現時点では、スキャニングとデータの作製、削り出し加工といったところしか、大金を払って導入したCADCAMにできる作業がないからじゃないのか??

歯医者さん相手の営業行為や、受注してからの模型作製などは、省くことは出来ないし省力化にもならない。

削りだしたものが一発フィットなら問題ないのだろうが、モノに拠っては削りだした後も様々な加工が必要になっていると思う。

CADCAM削りだしにしろ、3Dプリントにしろ歯科医院からの委託技工料金から、外注加工料金を引いて、どれだけの料金が確保できるのだろうか?

我々零細ラボは、このような仕組みに入ったとして、如何にも時代の先端にある売り物を得たように感じるかもしれないが。

歯科技工士の立場が、制度上もヒエラルキーからも、対歯医者という関係からも何一つ改善もされていない以上は、値下げ圧力というか、値下げ競争というのか、結局、これまでと同様に零細ラボの歯科技工士の取り分だけが奪われていくのだろう。

厚労省や補綴の学会や、歯科医師会、日技といった所、売りつけたくて仕方がないメーカーさん達、売り物が売れてくれないと困る材料屋さん達、みんながみんな、末端の歯科技工士をおだてて持ち上げて儲かりますよ、新しい素材が認可されますよ、患者さんが飛びつきますよと囁く。

だったら、歯科技工士の取り分をしっかり確保してくださいよ。
都合が悪くなったら歯科技工士に押し付けてしまえばいいと思わないでくださいよ。

零細ラボも売り物を確保しなければ、この先、,
生き残れないのは分かっていますが、
そもそも、利益も出ない、歯科医師会やメーカーに食い物にされるのが分かっていてまで、やる必要もないと思うのですよ。

しかも日本では外国でベーシックな技術や素材となっていても、皆保険にはそれをそのまま導入することは絶対にしない。

何故なのかなんて、今更考えることすら虚しいし、意味もない、それくらい厚労省の力は強い。

日技商会の古橋社長が売り込んでいるのも、素材としては日本だけ、それも日本の皆保険でだけ導入されるのだろうハイブリッド何とかになるのだろう。

日本独自の、皆保険や薬事法での認可の製品なんだから、国民に安く提供してやろうと言うのなら、ま、それもいいよ。

だったら、機材も素材も冒頭で紹介したような安価なものと同程度にしてくださいよね。

そうじゃなく、メーカーや歯医者を潤わせるだけのために、高額な機械や素材を歯科技工士だけに押し付けるというのであれば、もう、後は海外に委託しようが、技工助手をでっちあげてやらせようがどうぞ勝手にやってくださいよとしか言えない。

 

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December 20, 2012

安倍チャン痔民の危うさ



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前回総選挙で民主党を支持した者として、現在の状況は慚愧に堪えない。

政権奪取時の民主党が、松下政経塾出身者達に牛耳られて官僚支配にメスが入るどころか、
かえって官僚の力と利権とを強化させてしまった所に、日本の支配構造の問題があると思う。

安倍ちゃんはTVコマーシャルで取り戻すと連呼していた。

こんなステマに洗脳されたのか、いや、されなかったからこそ、投票率が伸びず、
無党派層や浮遊票が投票結果に反映されなかったのだろう。

本来ならドイツのように脱原発に大きく舵を切るべきだったのに。


さて、東京新聞本音のコラム、今日の紙面にあるのだが、法政大学竹田茂夫教授が、

ポリシーミックスと題して書いてます。

無断コピーは許されないのは分かっていますが、ネットにもこの記事は無いみたいなので、
必死で手打ちした文を載せます。

東京新聞 本音のコラム 2012・12・20
「ポリシーミックス」

次期安倍政権の経済政策は旧保守と新保守の間を揺れ動く矛盾に満ちたポリシーミックスになるはずだ。


国土強靭化とは公共事業による財政拡張そのもので、デフレ脱却に効果のないことは1990年代に
実証済みだ。


しかも、そのための国債増発は国債価格急落と銀行破綻のリスクを伴う。

日銀に押し付けようとしているインフレ目標も具体的政策と言うより、皆がそう信じれば、
インフレになるだろうといった、念力経済学だ。


他方、成長戦略を議論する諮問会議や再生会議は、
小泉改革の悪名高き民間委員流の新自由主義に支配されるだろう。

こちらは社会保障切り詰めの財政緊縮路線だ。

医療保険の規制緩和や労働市場改革は、格差や非正規雇用の拡大、低賃金、
労働者の一層の従属化を生むだけでデフレ脱却に効果がないだけでなく、
逆に国民の購買力を奪ってデフレを深刻化させる。


TPP反対の農村票と脱原発世論の取り込みを狙った自民党の玉虫色の選挙公約は、
TPP原発推進の財界の要請で早速反故にされるのは明らかだ。


TPPも大企業のアジア進出には便利でも、内需と国内雇用への効果は疑わしい。
有望なのは新エヌルギー産業だが、原発依存ではこれにも本腰は入らない。


以上。

じゃ、どうするんだ?と言う感想は置いといても、この分析は正しいと思うな。

先は地獄だぞ。

貧富の差はますます大きくなるだろうし、歯科医療に金を払える人口は増えないと思うな。

医療保険も外資系は吸い上げられるばかりで、実際に医療保険で自費治療に回る金額は少ないと見た。


これまで通り国民の歯科医療は皆保険が中心で、それすらも受けるお金が無い貧困層が増えそうだね。

今は一時的に株価が上がり、円安に振れてるけど、国内経済とか言うより、国民の購買力が上がらす、
実需要が発生しなければ、インフレターゲットなんか絵に描いた餅だよ。

民主党も駄目だったけど、自民党はもっと国民に酷いと思うな。

国土強靭化と言っても、実際には本当に必要かどうかが伺わしい、公共事業や官僚の天下り事業に、
国債という借金を注ぎ込むことでしか無い。

日本の公共事業は、笹子トンネル事故でも顕になったと思うが、作るだけで後のことは考えていないようだ。

コンクリートの耐用年数は100年程度だと思うが、笹子トンネルなどの高度成長期のコンクリート構造物は、
実際には100年も持つのかどうかは疑わしい。

笹子トンネルと同じような構造物が、日本中に存在するわけで、放置すれば橋やトンネルが崩落するとかの
大事故が、今後も頻発することが十分ありえるといえるのではないのか。

少子高齢化で、そもそも人口が減っていく時に、国土強靭化と称して、新たな道路やトンネルを作り続ける
必要が、どこに存在するのだろうか?

寧ろ、耐用年数を過ぎたトンネルや橋の修理や架替、首都高速道路などの地下化など、
これなら必要だと思われる公共事業に特化して取り組むならまだ許せる。


景気とは、当たり前の国民が生活やレジャーでお金を使うことだと私は思っている。

しかし、バブルが弾けてからの自民党と財界と官僚のやってきたことは、日本国民が使えるお金を収奪し、
米国や一部特権階級に回すことだったのだと思う。

新自由主義なんて、内需を起こすどころか、これまで以上に社会保障を締め付け、賃金は払わず、
搾り取れるものはすべて搾り取ろうとしているわけだ。

アベノミクスで国民の閉塞感、圧迫感はいや増すであろうし、
それは、戦争も已む無しと言う戦前のような雰囲気に突き進んでしまうのではないかと思えてならない。

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